農林水産委員会

1976-10-19 参議院 全170発言

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会議録情報#0
昭和五十一年十月十九日(火曜日)
   午前十時四十分開会
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   委員の異動
 十月十六日
    辞任         補欠選任
     宮之原貞光君     中村 波男君
 十月十八日
    辞任         補欠選任
     中村 波男君     前川  旦君
 十月十九日
    辞任         補欠選任
     前川  旦君     志苫  裕君
     相沢 武彦君     桑名 義治君
     小笠原貞子君     安武 洋子君
    —————————————
  出席者は左のとおり。
    委員長         小林 国司君
    理 事
                青井 政美君
                辻  一彦君
                相沢 武彦君
    委 員
                岩上 妙子君
                大島 友治君
               久次米健太郎君
                温水 三郎君
                初村滝一郎君
                山内 一郎君
                川村 清一君
                神沢  浄君
                志苫  裕君
                宮崎 正義君
                小笠原貞子君
                塚田 大願君
                喜屋武眞榮君
   国務大臣
       農 林 大 臣  大石 武一君
   政府委員
       外務省欧亜局長  橘  正忠君
       外務省条約局外
       務参事官     村田 良平君
       農林大臣官房長  森  整治君
       農林大臣官房審
       議官       杉山 克己君
       農林省農林経済
       局長       吉岡  裕君
       農林省構造改善
       局長       岡安  誠君
       農林省農蚕園芸
       局長       澤邊  守君
       農林省畜産局長  大場 敏彦君
       農林省食品流通
       局長       今村 宣夫君
       農林水産技術会
       議事務局長    平松甲子雄君
       食糧庁長官   大河原太一郎君
       林野庁長官    松形 祐堯君
       水産庁長官    内村 良英君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹中  譲君
   説明員
       外務大臣官房外
       務参事官     井口 武夫君
       外務省アメリカ
       局北米第二課長  斎藤 邦彦君
       厚生省保険局国
       民健康保険課長  舘山不二夫君
       海上保安庁警備
       救難監      山本 了三君
       自治大臣官房参
       事官       平岩 金一君
    —————————————
  本日の会議に付した案件
○農林水産政策に関する調査
 (当面の農林水産行政に関する件)
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小林国司#1
○委員長(小林国司君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、前川旦君が委員を辞任され、その補欠として志苫裕君が選任されました。
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小林国司#2
○委員長(小林国司君) 農林水産政策に関する調査のうち、当面の農林水産行政に関する件を議題といたします。
 これより本件に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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神沢浄#3
○神沢浄君 きょうはみっちり大臣と少し農政論議をしたいというふうに考えていたんですけれども、大臣の御都合でもっていま時間の査定に大なたをふるわれてしまって大変持ち時間が短くなってしまったもんで、ごく要点だけを私も持ち出しますから、大臣の方でもひとつそのものずばりで御答弁をいただきたいと思うんです。
 まず第一点の問題として、前回の委員会の論議などを通じて私が受けとめましたのは、寒冷地稲作という問題についてどうも大臣の考え方は、米の生産に無理のようなところに米をつくることの方が間違いじゃないかと、適地適作的な考え方を述べておられたと思うんですけれども、私は多少の疑問を持つわけでありまして、というのは、やっぱりいまの寒冷地稲作というものが定着をしてきたにはそれなりの長い歳月の歴史というものがあるわけであって、観念的に考えればなるほど適地適作というようなことも言えるでしょうけれども、農民だって自分の生活のことですから、いままでそれこそ必死の知恵を働かしながら今日になってきておるわけですから、やっぱり稲作が一番有利であるということでもってきておることに間違いはないわけなんで、そうなりますと、適地適作と言っても、これは言うことは容易ですけれども、なかなかそのようには私は簡単にはいかぬではないかというふうに思います。
 むしろ、私が指摘をしておきたいと思うのは、今度の冷害などの中身を私も冷害調査に参りましたが見ておりますと、政策というか、政府の方の指導上の問題の方にむしろいろいろ難点や、あるいは不備の点があったのではないか。学者の説なんかに基づきましても、寒冷地稲作の基本に戻すべしということを書いておられることが多いようであります。
 たとえば、今度の冷害などを反省してみると、耐冷安定品種からどうも良質米、これの方が勘定がいいんですから無理がないんですけれども、こういうようなものへ走らしてしまったというふうな点があるんで、やっぱりこれは寒冷地の稲作というものを安定をさしていくには、この耐冷安定品種というふうなものから外れるようなことをさしてはならぬというような点が、歴史の上でも何か南部藩は、昔のことですけれども、晩稲禁止令などというものを出しているような事実もあるようでありまして、そんな点からいくと、何か昔の方が真剣で賢明だったというようなことにもなりそうであります。そういうふうな点と、それからやっぱり減反政策などというものの結果としてどうも農民に生産意欲というものを減退をさしてしまって、土づくりというふうなものから手を抜かしてきてしまった。だから、気象の異変なんかに対する土地の免疫力というものを非常になくしてしまった。こういうふうな点ですね。それからやっぱり農業の、まあ価格の問題を初め非常に経済的に不利な点が多いもんですから、早く出かせぎにも出なきゃならぬというふうな点でもって、そういう意味での機械化などが進んで、ついに機械化が稚苗田植えというふうなものに走らせていって、どうも稚苗というようなのはああいう寒冷地では出穂期をおくらしてしまうもんですから、冷害などにはきわめて弱くなってしまう。こういうような点がいま指摘をされているんですが、したがって私は、ただ単に米づくりのむずかしいところには米をつくらせなくてほかのものをつくらせるというようないわゆる観念論的な考え方では、これはもうとても歴史を変えるなんというわけにはまいらぬじゃないか。むしろ、いま申し上げたような反省点に立って寒冷地稲作というものに、本当にそれが成り立つような指導の姿勢の方がこれは基本ではないかと、こう思うわけなんですが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
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大石武一#4
○国務大臣(大石武一君) いま神沢委員の御意見をいろいろ承っておりますが、私も大筋の考え方においては同感でございます。
 実は私は、寒冷地においては米をむしろやめて別なものにかえたらいいではなかろうかという考え方を申し上げましたが、それは確かにいま言われたように観念的な考えに近いかもしれませんけれども、しかし、やはり条件のいいところにはいろんな条件に適合したやはり作物をつくることが、一番私は農民にとってやりいいのじゃないかと思うのであります。そういう意味で、いま言ったように、条件の悪いところにはできるだけいろいろ工夫いたしまして条件のいいような、たとえば米をつくることは仮に必ずしも適当でないところは米をやめて、やめろと言ってもそれは強制的にはできませんけれども、別な作物を奨励して、それを何とか米に劣らないような収入のあるような方向に持っていけやしないか、そのような考え方はどうだろうということを申し上げたのでございますが、だれが考えたっていま米をつくることは非常に収入の多くなることでもありますから、当然これはなかなかそういうことを言ったって簡単にできるはずはないのであります。また、おっしゃるように、高冷地でも寒冷地でも、仮に米づくりが定着して、大体においていい品種をさえ選んでいけばやれるというようなところは、何も無理に米づくりをやめる必要はないと私も思います。そういう意味で、一般的な物の考え方がそうではなかろうかということを申したのでございまして、すぐ米づくりをやめさせろとかなんとかということは別に申したわけではありません。
 それから、確かにおっしゃるとおり、いままでの農林行政が全部一〇〇%りっぱであったとは申されないと思います。これは御承知のように日本の国の経済のあり方が大きく変わりまして、あの高度経済成長の十数年の時代がどれほど日本のいろいろな行政や政治の方向を曲げたかわからないと思います、これは農政だけではなくて。そういう意味で、農政も心ならずもいろいろな方向に私は曲げられた面がたくさんあると思います。そういう意味でこれはやはり反省して、もう少し地に足のついた、本当に農民のための長い将来を考える農政に転換さしていく時期がとうに来ているのではなかろうか。まあこれは一般論みたいなことになりますが、私はそう思っている次第でございます。
 たとえば、うまい米をつくる問題にしても、うまい米をつくることは私は妥当だと思うのです、これは。条件のいいところは何でも改良することが必要だと思います。しかし、そのあり方をすべてのものに適用させるということは不可能でありますし、またそれが、農林省は別にそのことを無理無理押しつけるんではないのですけれども、やっぱりだれでもよけい所得が欲しいと思いますから、高冷地でもつい耐寒性のものを捨てて、ときにはいろいろな弱いうまい米をつくるということになりがちでございます。こういうものについては、やはりできるだけ親切に指導することが当然だと考えております。
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神沢浄#5
○神沢浄君 その辺はちょっと論議したいですけれども、とにかく時間がないからどんどん進みます。
 次に、私はこの間の論議を聞いておって、例の食管制度にかかわる問題ですが、大臣は生産・消費の米価の一本化、要するに逆ざやの解消というふうな点をこれは言われているんですけれども、その際この食管の制度の根幹は守ると、こういうふうにたしかおっしゃられました。私はこの食管制度の根幹というのは、これは一つはやっぱり主要食糧の管理統制。それからもう一つは、やっぱり二重米価の制度ですね。これが食管制度のまさに骨組みであって、いまや自主流通米なんという仕組みを取り入れちゃって、この管理統制の方はもうやっぱり空洞化、穴があいちゃっておるのですよね。それに加えて、今度価格の方の一本化を図るということになれば、食管制度というのは事実上骨抜きになってしまうじゃないかと私は思うわけです。そういう点で最初見解をまずお尋ねをして、また聞き終わったらお尋ねをいたします。
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大石武一#6
○国務大臣(大石武一君) 食管制度につきましては、私何遍も食管法を読んでみましたが、問題は国民のために必要な食糧の確保を図るということ、そうしてここにありますように、国民の食糧の確保を図りまして、そしてその需給及び価格の調整と配給の統制を行うことを目的とするということが原則でございます。しかし、このような原則は、私は当然でありますが、時代とともにその中身にありましてはやはり弾力性を持って変えていかなければならないものだと思います。そういう意味で、今日はすでに統制ということはなくなりまして、御承知の予約制度、要するに供米制度がなくなりまして、御存じのように今度は予約制に変わっておるわけであります。中で適当に時代に合うように変えております。このようにして、やっぱり中身はだんだん弾力的に目的のあり方は変えていかなければならないのではないかと思うのであります。
 で、初めこの二重米価のあり方は、確かに戦後あのように日本の国民の食糧が非常に生産が減退し、また国民全体が貧乏で主食の確保にも事欠く状態でありましたから、農民のために生産意欲を向上させるということと、それから一般の国民に対して安い食糧を与えて、生活を安定させた上で経済の発展に働いてもらうという方針のもとにこの二重米価がとられたわけでございますが、これは妥当で本当に時宜を得た政策だと思います。そのことが大きな一つの土台となりまして、その後経済の復興が行われ、あげくの果てはこの高度経済成長まで進みまして今日の状態になったのだと思うのであります。
 そういう意味で、すでに二重米価のあり方はその目的を達成したと思います。現在の段階ではこれだけの国民の——それはもちろん社会福祉的な立場は十分考えなければなりませんが、全般的に考えますと、大多数の国民の生活は安定しましたし所得も非常に多くなりました。この際、二重米価を堅持する必要は、私はその段階は過ぎたのではないかと思います。やはり一本化で私はいい時期が来たのではないかといま考えるわけでございます。そういうことで、二重米価ということは、私この食管制度の根幹と思いません。食管の根幹というものは、国民のために必要な食糧を絶対に確保するということ。それからもう一つは、近ごろではやはり同時に、国民の生活安定は十分できましたから、今度は農民の生活を守るために私はこの食管制度は——つまり現在の管理制度、配給ことに統制は、要するに考えてみれば、農民に対して米の最低価格を保障していることだと思うのです、これは。これが私は農民生活の大きな基本だと思います。そういう意味で、私はこの制度の根幹はそこにあると思うのでありまして、二重価格というのはそれほど私は根幹にはちょっと関係ないような気がいたしまして、幸いに五十一年度から農林省はそのような逆ざや解消の方向に出てまいりましたから、私、この決断に沿ってこれを進めてまいりたいと思うのでございます。
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神沢浄#7
○神沢浄君 私は、その点に非常に疑問を感ずるわけなんです。いま食管制度の根幹たるものは国民のために食糧を確保する、そしてひいては農民の生活を守る、これはおっしゃることは結構なんですよ。しかし制度として考えた場合に、さっきも申し上げたように、いまの食管法というものの仕組みは何といってもこれは主要食糧の管理と統制であり、同時に国民経済の上から言っての二重米価の仕組みですね、これが骨組みで、これをどっちももうすでに——しかし自主流通米なんという制度が採用になって、この間私は宮城県に行って聞いたんですけれども、宮城県の場合などは七割から八割が自主流通米だというんですね。そういうようなもう実態になってきておるのに、今度はまた米価一本化。それも考え方としては、現状の経済情勢の上でもってある一部の考え方には、国民の食糧確保については消費者の皆さんにもそれは負担をしてもらうことが必要だと、これは一つの考え方だと思いますよ。思いますけれども、そういう見地に立っての当面の考え方ということであればまだしもですが、二重米価を解消するということになりますと、これは食管法なんというものは全く意味のないものになってしまう。これは大体法律を変えなきゃならぬ。何か法律を変えるところまで考えておられるかどうかという、そんなような点と、仮に大臣がそういうふうな考え方というものを持たれておやりになるとすれば、私は食管制度というものが維持されていくためには、一方における管理の面の自主流通米なんという制度は私はやめちゃった方がいいじゃないか、こう考えます。この二つのものがいまの政府の考え方みたいに進めば、これは丸紅がモチ米をやみでもってどんどん買ったようなことが今度は米に起こってくる。その場合どこでもって統制がしていけるか、重大な私は問題になってくると、こう思うんですけれども、その辺の御見解をお聞きしたいんです。
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大石武一#8
○国務大臣(大石武一君) 私は、この食管法の中には二重米価というような制度というものはないと思います。これは昭和二十三年からだと思いますが、これは便宜上、いま先ほど申しましたように、食糧の増産と国民生活の安定という意味でこういう方法を考えたのだと思います。
 ここの中に書いてあります、実際、米は農民から、以前はこれは供米でありました。取り上げておったんです、食管制度では。それが時代に合わないと、このように米の生産も多くなって取り上げる必要もない、いわゆる十分だということになりまして、食管制度の中の政令改正か何かによりまして、そのような供米制度をやめて、そして予約制度にいま変わってきている状況でございます。したがいまして、中身も時代で変わって、これを弾力的に時代に合わしていくことがやはり食管法を堅持する上において私は一番大事じゃなかろうかと思います。そういう意味では、二重米価ということは別にいまの段階では必要がないと思うんです。農民の生産も多くなりまして、国民のための米は十分に確保されるようになりました。それから国民の生活水準、所得も多くなりました。いま月に五百円、六百円の、考えてみれば二重米価というのは、米の、主食の補助金を出しているとも言えると思います。いまの時代に、多数の国民に対して米の補助金を出さなきゃならぬほどの国民の経済状態ではないと思います。そういう意味で、なるほどそれは国の補助金を減らせば国民は不満が多いかと思いますけれども、いろいろほかの物価も上がっている、所得も多くなっている、いろんなことを考えますと、ある程度これは何年かの段階においてやればがまんしてもいただけるのではないかと思いまして、二重米価という考え方はやはりこの際なくした方がいいというのが私の考え方でございます。
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神沢浄#9
○神沢浄君 まことに問題の点であることは間違いがないですけれども、そんな論議をしていると時間がなくなっちまうから、この続きはまた後の委員会でやりましょう。私は、どうもいまの大臣の御意見には納得しかねます。私は、これでは食管制度というものは事実上空洞化されてしまう、ないと同じになってしまう。結局は、資本などの投機的介入なんというものが始まることはもう避けられぬと思います。これは丸紅のモチ米の例がよく示しておりますが、そんなことになったらこれは大変だと思いますから、その辺はもう少し論議を深める必要がありますが、またいずれ後の委員会にでも譲りたいと思います。
 次に、今度の冷害調査でもって、私はそれ以前から問題にし続けてきておる点ですけれども、いまの農業災害補償制度というのは名前はごりっぱだけれども、実際それはその名前のような役割りになっていないという点ですね。ちょっと後の論議のために先に伺っておきたい点があるんですが、これは大臣でなくて結構です。足切り問題、いま米の一筆単位の共済では三割が足切りということになっているわけであります。そこで、三割以下は補償されないんだから、三一%、三割を一%超えた三一%被害の場合には実質の補償率はどのぐらいになるか、それから、五〇%被害の場合には実質の補償率は幾らになるか。それから、八九%被害の場合には実質の補償率は幾らになるか、これを先にお伺いをしてから後の論議をしたいと思います。
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吉岡裕#10
○政府委員(吉岡裕君) 先生からお話がございましたので、私どもの方で試算をいたしました結果、次のようなことになります。
 まず、計算の方法でございますが、一筆単位引き受け方式の場合の支払い共済金は、先生御承知のとおり、組合等が選択をしましたキログラム当たりの共済金額、これに当該耕地の減収量から一定部分、いわゆる足切り部分というものを差し引きまして得た量を掛けまして算出をいたすわけでございますが、それと、それから当該耕地の平年収量、これを基準収穫量というふうに考えまして、これにその年の米の代金、先生御承知のとおり、共済の場合には前年度の米価を基準にして引き受けが行われるわけでございますが、その年の米代金を平年収量に掛け合わせまして出ました金額、それとを比較してみるという手続をとるわけでございますが、全国平均で見まして被害率三一%の場合のその補てん率は一%、それから被害率五〇%の場合には一六%、それから被害率八九%の場合には四六%ということになるわけでございます。
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神沢浄#11
○神沢浄君 それで、しかもそれは制度上の計算でそういうことですけれども、基準反収と実収というものはまた違うわけですね。これは税金などの関係もありまして、仮に百キロとれるものも実収では基準反収は恐らく九十か八十になっているわけでしょう。ですから、私もこの事業にいままで関係もかなりしてまいりましていつも感じてきた矛盾ですけれども、三割被害というと、災害なかりせばのときの農家の実収にいたしますと、実際はもう五割近い被害なんですね。実態では五割近い被害にならなければ制度上の評価の三割被害にはなってこない、実収とそれから基準反収というものの相違の上から言ってですね。しかも、制度の上からだけの計算をしても、さっき御説明のように三一%ではわずか一%補償、それから五〇%被害、これは五〇%被害と言ったって、さっき言ったように、実収から考えますとそれこそ六割被害になるか、あるいはもっとになっているかもしれません。それに対してはわずかに一六%補償。八九%なんていえば、これはほとんどもう全損に近いわけですよね。それでも何か四六%ですか。これでは、私はないよりましだということにはなるかもしれませんが、本当に被害をこうむったときの農家の救済にはなりませんね。私は抜本的にこの制度の見直しというものをすべきじゃないか、こういう感じがしてならないわけであります。足切りといって下を切っちゃって、しかも上の方は共済金額ってのは米価の九〇%でしょう。上の方をまた一割切っておる。まん中へこうわずかに押し込めておるということになりますと、この制度は生きないですよ。
 ですから、これは私の経験上の意見ですけれども、やっぱりこれは比例てん補方式に変えるべきだと。一割の被害にはやはり一割の補償をする、三割の被害には三割の補償をしてやるという比例てん補方式に変えるということと、それから実際の運用の上の問題からすれば、実収と基準反収というものをとにかく近づけるというか、これを一致させるような方法というものがとれないかどうか、この制度を生かすために。こういうようなことをいままでも感じてまいりましたが、今度冷害調査でもってああいう被害地へ行ってつくづく感じさせられました。意味がないですよ、この制度は、本当に被害を受けた場合には。まあ繰り返すようですけれども、この足切り問題、頭切り問題、それからいまの基準反収とそれから実収との格差を解消するという、ここまでいかなければ私はこの制度というものは生きないじゃないか、こう思います。この際、もう抜本的に見直しをしていただけるかどうか、ひとつ見解を承りたいと思います。
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大石武一#12
○国務大臣(大石武一君) ただいまの比例てん補方式でございますか、こういう方式はこれは一つのいい考え方だと、私もしろうとながら思います。
 ただ、御承知のように、このたび前の国会で大幅な制度の改正が行われまして、来年の二月から実施することになるわけでございます。やはりこの改正を尊重いたしまして、ある時期これをやっぱり見てまいりたいと、そうして折りを見ていまのようなお考えをひとつ取り入れて考えることが必要じゃないかと思います。ただ、いまの段階では、比例てん補方式でございますが、これも一つの私は農家にとりましていい方法だと思いますが、いろいろな国庫補助率の問題とか、掛金の問題とか、あるいは損害の評価の問題、いろいろな問題もございます。こういうものをやはりこれはできるだけ十分に検討いたしまして、ひとつこれを前進的に考えてまいりたいと、こう思います。
 それから、あとの基準とか技術的な問題については、ひとつ局長からお答えさせていただきます。
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吉岡裕#13
○政府委員(吉岡裕君) 足切りは、先生御承知のとおり、保険制度一般に伴う問題でございますが、やはり農業共済におきましては、農家の相互扶助に基づきまして、零細な軽微な損害についてはやはり自己補てんをするということが、モラルリスクを防ぐという観点からも必要であろうということで設けられておる制度であるわけでございまして、これをさらに引き下げるということになりますれば、先ほど大臣のお話もございましたように、農家掛金負担の増大でありますとか、損害評価の問題とかいうような問題がいろいろ出てくるわけでございます。将来の長期的な検討課題であろうというふうに考えております。
 それから、基準反収の問題でございますが、これはやはり平年反収という考え方をとりませんと、ある単年度だけの反収をとりましてそれから被害量を算定するということは、非常にその年による振れが大きくなるわけでございますので、過去何カ年かのやはり平年反収というふうなものを基礎にして基準反収をつくり上げていくという方向はやはり必要なのではないか。問題は、それができるだけ実態に即した形で決められていくということが必要であろうというふうに思うわけでございます。私から補足的にちょっと御説明いたしました。
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神沢浄#14
○神沢浄君 そういうふうな御説明を聞いておりますと、何か平年反収と基準反収というものが同じようなものだと、こう思わされてしまうんですけれども、平年反収というものに私は問題があるんだということを指摘をするわけです。平年反収というものが、本当にこれは農家の実収に合っているのかどうなのか。どういうところからその平年反収というものをとってきておるのか。これはもちろんこういう事情はありますよ。ほかの税金の制度その他との絡みで、余り収入があることになると税金がよけいになるものだから、そういうようなことでもって報告される数量などというものが多少調整をされますから、そういうようなものがやっぱり出てきてこれが平年反収と言われている、そのこと自体が農家の実収とは違うんです。そこら辺をやっぱり解消していくような方法というものが考えられなきゃいかぬのじゃないか。こういう点を申し上げているわけです。まあよろしいです。これも論議をやっている時間がないんで、あと十分しかなくなっちゃったものだからこれもまた後回しにしましょう。問題点の提起というだけのことにしておきましょう。こんなものにかかわり出すとそれこそほかのことには何にも触れずに終わってしまいそうですので、後へ進みます。
 これはちょっと話が変わりますけれども、新聞でも書いておるんですが、私も自分の県にかかわる問題ですから非常に関心を持っておるんですけれども、例の南アルプスのスーパー林道の問題ですね。あれで、これは大臣が環境庁の長官当時、かなり批判の姿勢を示されておられたわけです。今度は森林公団の責任を持たれる立場に立っておられるんで、この間の新聞報道などによりますと、大臣はやっぱりあの林道問題には考え方は変わらないと、その批判の立場は不変であると、こういうふうに言われたのに対して、それならば森林公団の方でもってあれは取り下げてもらえばいいんだということを環境庁の側では言っておるというような内容の報道が出ておりまして、私も見ました。どうですか、大臣、ひとつ御意見を聞かしていただきたいと思います。
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大石武一#15
○国務大臣(大石武一君) 私が五年前でありましたか、環境庁におりましたときに、一時あの工事をストップして再検討するようにということを決めましたわけでございます。いままでそのような凍結的な方針が続いておるようでございます。
 どうするかと、私はやはり自然環境を守るためを中心として物を考えることが正しいといまでも考えております。仮に環境庁が、そんなことを言うならば農林省で取り下げたらいいじゃないかと言いますのは、それはそんなこと言うはずは環境庁はないと思いますが、そんなことを言ったとすればこれは私は堕落だと思います。そういう意味でそんなことを言うはずはないと思います。ただ、私はあれをあそこで打ち切ってしまったらいいのか、あるいは他の方法で、もう少しいろんな自然をそう無意味に破壊しない方向で何か目的を達することができないのか、そういう方法を検討して、そういう努力こそ一番大事だと思います。その結果で、どうしてもできなくてあそこでぶち切る以外にないという結論になればそれはやむを得ませんけれども、できるならばやはりあれだけ国費を二十何億かけてあるのですから、これはやはりできるだけ生かした方が私は意味があると思う。ですから、そのように自然環境を守りながらこれをうまくずっと完成するような方向、これを検討するのが私は環境庁の仕事でもあり、われわれの林野庁の方の考えでもあると、こう考えまして、できるだけこれは話し合いによって一番具体的な正しい方法を見出してほしいというのが私の願いでございます。
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神沢浄#16
○神沢浄君 ついでですのでお伺いしますが、私はスーパー林道というものにかなり疑問を持つんです。林道というものはやはり林業のためのものでなきやならぬと思うのですが、私の県の関係ですから私も承知をしているんですけれども、あんなところはみんな禁伐区域ですから、ほとんど自然公園の特別保護地域やらあるいは特別第一、第二地域というようなもので、ほとんど禁伐区域でもって木なんか切れるところじゃないわけです。あそこへスーパー林道という名の道を通すということは、これは観光道路というのか、結果としては地域にはただ公害を残し、あるいは観光資本なんかのためにだけ協力をするようなものを、林道として森林行政でもって何もそんなものを請け負う必要はないじゃないかという、私はこういう見解を持っているわけなんですけれども、ついででございますから、ひとつ大臣の御見解もお聞きしておきたいと思います。
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大石武一#17
○国務大臣(大石武一君) 私、神沢委員と全く同感であります。少なくともスーパー林道と言う限りは、森林の資源をどうするかというところに中心がなければなりませんが、あれは明らかにどうも観光道路がほとんど中心であるという判断をいたしましたので、実はああいう処置に出たわけでございます。でありますから、いやしくも農林省が、林野庁が国費を使って、いろいろな国費ばかりでなく資本もありましょうが、使ってやる以上はやはり本当に正しい内容、正しい信念を持ってやらなければだめだと、こう考えておる次第でございます。
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神沢浄#18
○神沢浄君 時間を厳守するように委員長からきつく命令をいただいておりますので、三点ばかり冷害関係について質問を並べますから、二十分までで時間が終わりますから、答弁もその中でもってひとつ合わせてお願いしたいと思うんですけれども、一つは、歩いてみますと、まず地方税の減免をしてほしい。それからそれとあわせて、国民健康保険税の減免を要望をしております。しかも、国民健康保険税の場合はこれは税金が入ってこないんだから、そうすると事業の運営がこれはもう非常に困難をする。これに対してはどういうふうな対応を国は考えてくれておるか、こういうような点ですね。
 それからもう一つは、やっぱり救農土木というのが各被害地域の一致した強い要望だけれども、その救農土木の中でも特に大概これはもう山間部ですから、国有林なり何なりあるわけですね。だから、そういう林野の事業の方でもって何とか働けるようなそういう機会を提供してもらいたいと、こういう要望がこれは一致してどこでも強かったわけであります。これに対して、時間の範囲内でもって御答弁をいただいて終わりたいと思います。
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大石武一#19
○国務大臣(大石武一君) いまのお話の地方税並びに健康保険税の減免の話でございますが、これはやはり各地方庁、関係の役所でそれをやってくれることと思います。われわれの方から、そういうことをしてほしいとか何とか申し出ることは失礼と考えるわけでございます。
 それから救農土木のことにつきましては、林野関係につきまして大いに一つの大きな重点を置こうと考えております。その具体的なことにつきましては、ひとつ林野庁長官からお答えさせたいと思います。
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平岩金一#20
○説明員(平岩金一君) お答えいたします。
 風水害あるいは冷害等災害が発生した場合におきましては、地方税につきまして期限の延長であるとか徴収の猶予であるとか減免の措置を講じ、災害被害者の救済対策について遺漏のないよう地方公共団体に指示しているところでございます。これに伴います減収分につきましては、その実情等を勘案しながら特別交付税の配分において配慮することといたしております。
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舘山不二夫#21
○説明員(舘山不二夫君) 冷害による被害農家に対しましては、国民健康保険税の減税を市町村の条例によって行うことといたしております。その結果、国民健康保険財政に収入減がもたらされるわけでございますが、国といたしましては、特別調整交付金を交付することによって国民健康保険の健全な運営を維持してまいりたいと、かように考えており、すでに調査を実施中でございます。
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松形祐堯#22
○政府委員(松形祐堯君) 御指摘のような冷害対策にいたしましても、なるべく手間をかけて労賃として支払われるということで間伐、除伐等を、民有林につきましては、無利子の林業改善資金とかあるいは農林漁業金融公庫造林資金等を利用いたしまして、なるべくこの時期をはずさないように努力してまいりたいと思っておりますし、なお国有林につきましても、治山林道の一部と除、間伐というようなことを現在その緊急度につきまして鋭意検討をいたしておるところでございます。
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岩上妙子#23
○岩上妙子君 私は、昭和十五年から農村に住みまして、長い間診療所を開設してまいりました。農業あるいは農民の生活の実態というものをこの目で見、はだで感じてまいりました医師でございまして、このたび大石農林大臣が私と同じ医学の道を歩まれた先輩であるということから、私、農政について今度はもう一大転換があるのではないかという大変な期待を寄せている一人でございますので、今後よろしくお願い申し上げたいと思います。きょうは時間がございませんので、主に農村婦人の問題ということにつきまして大臣の御所見をお伺いしたいと、そう考える次第でございます。
 現在の日本の農政を考えてみますと、国内外の農業生産といういわば経済行政に傾き過ぎていて、そして農村や農民の別な側面、すなわち農民の心とか、あるいはまた農民の生活、その中には健康の問題とか環境の問題とかいろいろなことがございますけれども、そのようなことの重大性というものを非常に軽視しているように考えられますけれども、いかがでございましょうか。
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大石武一#24
○国務大臣(大石武一君) 私は全く同感でございます。
 いま日本で一番大事な農村の各地域の連帯感と申しますか、お互いの助け合いなり、お互いに共同でその地域を守っていこうという考え方が、いろいろな経済情勢その他の問題によりまして崩れてきているような気がいたします。まことに残念に思います。
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岩上妙子#25
○岩上妙子君 大体ここ十年ぐらい前から高度経済成長のあらしを受けたという、そういうことは農村は非常に大きなあらしを受けているわけでございまして、私どもの方の農家におきましても、みんな季節労務者になるとか、あるいはまた他産業に転ずる、そのようにしなければ生計が成り立っていかないというような状態でございます。本当に専業農家が少なくなりまして、もう農村は兼業農家群の集落体というようなかっこうになりまして、農民のその階層分化が進んでいるというような感じでございますけれども、御存じのように農業人口も年々少なくなりまして、昭和四十年には一千百万人の人口が五十年に七百九十万人、このような推移をたどっていったのでは全くもう日本農業は崩壊してしまうのではないか、このようにどなたもおっしゃっておりますんですけれども、新しく農林大臣になられました大臣の御所見をお伺いしたいと思うのでございます。
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大石武一#26
○国務大臣(大石武一君) いろんな兼業あるいは出かせぎその他によりまして農家の所得が多くなっていくということ、これはある半面においては結構なことだと思います。やはり何といったって農村は貧しい。これはいままでは日本の一番豊かでないやっぱり職種でありましたから非常に結構だと思いますが、たとえば仮に農業人口が減っていく、農業人口が減っていくならば当然専業農家の経営規模は大きくならなきやならないはずでございます。日本の農地がそう急には崩れるわけはありませんから、農業人口が非常に減っていくならば当然それに比例して私は専業農家——いま専業農家という言葉を使いますかどうですか、そこで経営規模はふえていく。この経営規模を大きくすることが、私は農村、農民を豊かにする大きな土台だと考えております。ところが、いまの状態は、ただ残念ながら、そのような農業経営規模の拡大とか、あるいはそれはいろんなことがありますが、自分の所有でも結構である、あるいは協業のような形で、いろんな形で農業経営が行われることが望ましいのでありますが、そういうような方向が余り進まないで、逆に機械化とか別な兼業的な仕事が多くなっていることは、少しこれは当然この際見直して、やはりもっと農民が農業をやっても十分に明るい生活がやり得るような、そのような私は方向に持っていかなきゃならぬではないかと考えるわけでございます。
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岩上妙子#27
○岩上妙子君 農業就業人口が減りますと同時に、その中の基幹労働力に占める主婦農業の割合というのが三十五年で五九%、ただいまでは六二・四%というふうにはね上がっておることは御存じと思いますけれども、世界の国々でも女性のやはり就業割合というのがいろいろ出ておりますけれども、たとえばフランスでは三〇%とか、あるいは西ドイツでは四五%、そんなふうに比較をしてみますけれども、日本のように高い率を示しているというところはないということから世界一ということになるのではないかと、そう思われます。結局、いまの社会構造の中での一単位として農民というのは一体だれなのだろうかということが何かこう明確ではないような感じでございます。農協などに名前を連ねておりますのは男性がその名義人となっておりまして、何か主婦農業というのが非常に多くなっているというのに、農協に名前を連ねているのは男性である。また、その農協というものが何かこう農民の農協であるということから逸脱してしまって、最近では経営オンリーということになりつつあるような、そんな実態を見まして大変に悲しいことであると思うんでございますけれども、主婦農業と申しますか、とにかく日本の農業を支えておりますのは農村婦人であると言っても過言ではないんじゃないか。この点について、大臣はどのように御認識をなすっていらっしゃいますか、新大臣にお聞きしたいのでございます。
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大石武一#28
○国務大臣(大石武一君) 現状においては確かに主婦が中心の農業になっております。しかし、このことが将来いいだろうか悪いだろうかということは、十分にこれは考えなければならない問題だと考えます。
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岩上妙子#29
○岩上妙子君 たとえば身分が保障されているというようなことにつきましては、戦後になりましてから労働三法によってスト権や団体交渉権などを確保したということで労働者の地位が安定しつつあるという、本当に安定はしておりませんけれども。また、スト権がないと言われている三公社五現業でさえも、仲裁裁定の機関があってそれで救済されている。あるいは公務員も人事院が制度的に確立されて、その身分が男女の別なく保障されているという方向に行っているわけでございますが、農民は全くそういう保障がないと言ってもいいのではないか。特にただいまの農政では、農村婦人対策というものはいささかのことはありますけれども、余り大きく取り上げられて顧みられていないような、放置されていると言ってもいいぐらいの状態であるということ、そのようなことを考えさせられます。しかし、昨年の九月の二十三日に閣議決定によって、国際婦人年であるからということで婦人問題企画推進本部が設置されました。九月の二十九日に総理府に婦人問題担当室というのができたわけでございますけれども、その内容を御存じでいらっしゃいましょうか。そこに出向しております職員は労働省から三名、文部省と厚生省が一名ずつでございまして、あとは総理府の職員が二名、このように七名で構成されておりますんでございます。私も農林省から一人出向させるべきではないかということをいろいろ働きかけをいたしましたんですけれども、そのままになってしまっておるというような現状なんでございますけれども、婦人の問題、農村婦人の問題というのは労働省サイドで考えられるということでは非常におかしいんじゃないか。全国で四百九十万人もいるという農村婦人の問題を、本当に大臣、真剣に取り組んでくださるというのならば、この担当室の中に農林省の職員も一人出向させてもいいんじゃないだろうか。それで、そんなふうに考えておりますんですけれども、まず農林省から先にそれをどうお思いになっていらっしゃるか、お聞きしたいと思います。
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