稻葉修の発言 (本会議)
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○国務大臣(稻葉修君) 公明党の多田さんの御質問にお答えいたします。
児玉ルート解明の見通しと決意を聞きたいということですから申し上げますと、児玉の病状等、捜査上種々困難な障害が存するために、全日空及び丸紅ルートに比べて児玉ルートの解明がおくれていることは御指摘のとおりであります。しかしながら、ロッキード事件の全貌を究明するためには、この児玉ルートの解明が絶対に必要不可欠であることは再三申し上げたとおりであります。したがいまして、検察当局としてもあらゆる障害を克服して真相解明のために鋭意捜査を続行中であります。一日も早く捜査を終わらしたい、こういう気持ちを検察庁が持ちますのは当然のことであります。刑訴法第一条にも、迅速厳正に捜査すべしとあるからであります。
ところで、多田さんの質問には、稲葉法相は二十六日村上で、十月末に黒白をつけると言ったと報道されているがと、こういうことですが、また演説を持ち出されましたが、私が去る九月二十六日、新潟県村上市自民党大会であいさついたしまして、ロッキード問題に触れて、そうして言った言葉は、私の記憶をたどりますと、十月中には児玉ルートについても決着をつけて、まあ一杯やりたいもんだが、なかなかロッキード山脈のうち、これが一番険しくてねえ云々と述べたのはそのとおりでございます。しかし、これは私個人の感触と希望を申し述べたまでであって、検察当局の確たる報告に基づいて述べたわけではありません。これが検察庁に対する間接的な指揮になるなどということは考えておりませんね。
次に、いわゆる共産党リンチ事件についてお尋ねがありました。
第一の御質問は、戦前の暗黒時代においてやむを得ない出来事であったかのように共産党は言っておるが、終戦後においても共産党員による暴力的部内統制処分あるいはリンチ事件が各地において発生しているやに多田さんは聞いておられると、法務省はその事実をどういうふうに考えるか、把握しているかと、こういう質問です。これはですね、終戦後における共産党員による暴力的部内統制事件等についてでありますが、戦後においてもお尋ねのような事件が幾つか発生していることはよく承知しております。詳細は委員会等において申し述べます。
御質問の第二は、連合国軍最高司令部の指示の効力に関するものでありますが、私が超憲法的あるいは超国内法規的と申しましたのは、何分にも当時日本は連合軍の占領下に置かれており、最高司令部の指示は超憲法的ないし超国内法規的な効力を有し、日本政府はこれに従わざるを得なかったという事情に基づき、右の指示がなかったとすれば、したがって、右の指示がなかったとすれば、宮本氏は資格を回復しなかったであろうと考えております。(拍手)
昨日の衆議院本会議において、公明党矢野書記長及び民社党春日委員長の質問に対し、私が、宮本氏の資格回復は一にかかって司令部の特別指示によるものであって、いわば司令部のおかげで助かったと言っても差し支えないと申したのは、この間の消息を御披露申し上げたものであります。
次に第三に、右特別措置の内容、態様、それから、それに基づく国内措置はどういうことであったのかとのお尋ねにお答えいたします。
右指示は、昭和二十二年四月末、司令部から司法省に対して、ミスター・ケンジ・ミヤモトを勅令七百三十号に該当したものとみなして取り扱え、宮本氏を勅令七百三十号に該当したものとして取り扱えということを口頭で指示してきたものであります。これにより、司法省は当時その旨の取り扱いをするよう、部内、すなわち東京地方検察庁に指示しております。この司法省刑事局長から検事正に対する指示に基づいて、東京地検検事正が、判決原本のあの付記、将来に向かって宮本氏についてはこの判決の言い渡しがなかったものとみなすという判決原本の付記を行ったものであります。
以上がその国内措置であります。
以上で答弁を終わります。(拍手)
〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕