大平正芳の発言 (本会議)

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○国務大臣(大平正芳君) 私に対する第一の御質問は、災害対策、冷害対策との関連におきまして、第一に治山治水計画についてでございます。
 五十一年度から新しく五カ年計画を発足させたいと政府は部内でいま検討をいたしておりますけれども、その内容につきましての御質疑でございますが、政府といたしましては、この計画の内容につきまして、国民経済の中期的な展望を踏まえた上で、多田さんが御指摘のように、災害の再発防止ということに役立てるためのものにいたしたい、そういう問題意識を持ちまして五十二年度の予算の編成過程で内容を固めてまいりたいと考えております。
 それから、現実の冷害、災害対策でございますけれども、この点につきましては、後ほど農林大臣からも御答弁があろうと思いますが、財政当局といたしましては、農業共済金の年内の支払いが可能になるように、激甚災害法でございますとか、天災融資法の発動を早くするように準備を進めるとかいうこと、それから規格外米の取り扱い、それから病害虫防除対策のこと等につきましては、農林省とよく相談の上、御期待にこたえたいと考えております。
 それから、災害を受けました地方公共団体の財政対策でございますけれども、これにつきましては、十二月に予定されておりまする特別交付税の交付、さらには地方債の消化促進等をもってこれに対応いたしたいと、自治省といま協議を進めておるところでございます。
 それから、第二の御質問は、財政問題についてでございます。
 第一は、税制に関しまして不公平税制の整理、合理化を急げという御指摘でございます。ごもっともでございます。租税特別措置の合理化につきましては、先国会におきましても相当な程度御承認をいただいたところでございますが、多田さんが御指摘の法人税に関しての東京都の調査でございますけれども、この調査につきましては、若干算定の根拠に私ども承服できないところを持っておるわけでございますけれども、租税特別措置自体の整理、合理化につきましては、年々歳々これが既得権化することのないように精力的に進めてまいることは、御指摘のとおりの趣旨で進めたいと存じております。
 それから、所得税の物価調整減税について、個人消費の拡大のためにも御提唱に相なっておるわけでございます。御趣旨は理解できないわけでは決してございませんけれども、ただいまのような財政事情でもございまするし、また、今日われわれが推進いたしておりまする経済政策をもちまして景気の回復はともかく回復の方向に着実に向いておると判断いたしておりますので、せっかくの御提言でございますけれども、いまのところ、所得税の減税ということは政府としては考えていまいわけでございます。
 付加価値税についての御指摘でございます。政府は、来年度の税制改革につきましては、所得課税、資産課税はもとより、付加価値税が属すると目される消費課税全体につきまして、つまり税制全体につきましての御検討を税制調査会に求めておりまして、付加価値税という特定の税目を限りましてその御審議を求めておるわけではございません。したがって、今後の税制の方向を所得課税に重点を置くか、あるいは消費課税に重点を置くか、あるいは資産課税にも関連して考えてまいるかというようなことは、国民の負担に大変重大な関係がございますので、慎重でなければならぬと思っておりまして、付加価値税について、すぐこれを実行する用意があるというようなことは考えておりません。
 それから、中期国債の発行につきまして御指摘がございました。銀行の反対があるではないかということでございまして、なるほど新しい商品を開発して実行しようと思いますならば、これと競合する領域におきまして関係方面との摩擦が起こるのは考え得ることでございます。これにつきましてはシ団方面と今後十分協議いたしまして折り合いをつけていきたいと考えております。
 税制との関連でございますが、これは恐らく中期割引国債の償還差益に対する課税の問題だと思うのでございますけれども、これに対しましては、税制全体の問題といたしまして税制調査会で御審議を願わなければならぬ問題と考えております。
 多田さんはさらに、国債の償還を計画的に真剣に進めるようにということとあわせて、歳出の節約に努めるように御提言がございました。ごもっともでございます。政府といたしましても、御趣旨のように一般的経費の節約には極力努めてまいったつもりでございます。定員管理の徹底を期しまするし、機構も——仕事の分量はだんだんふえてまいりましたけれども、機構を拡大することは歴代の政府は極力抑えてきたつもりでございます。定員につきましても、この十年間若干定員を減らしてまいったつもりでございますが、地方は若干ふえておりますけれども、機構におきましてはこの十年間やや縮小の実を上げ得たことは私どもの内心誇りといたしておるところでございまして、今後この定員管理、機構の簡素化のためには、御趣旨の線に沿いまして一層努力してまいるつもりでございます。
 補助金等の整理につきましても、ことしの予算で、たとえば七百何件につきましても、努力をいたしまして七百八十一億円という整理をさしていただいておるわけでございまして、今後御趣旨のような線に沿いまして一層歳出の縮減に努力をして御期待にこたえなければならぬと考えております。(拍手)
   〔国務大臣大石武一君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 107815254X00619760929_007

発言者: 大平正芳

speaker_id: 28089

日付: 1976-09-29

院: 参議院

会議名: 本会議