稻葉修の発言 (本会議)

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○国務大臣(稻葉修君) 中村さんの裁判批判と言論の自由についての御質問にお答えします。
 裁判批判については、まあ憲法に定める言論の自由の範囲内において、民主主義のルールに即した裁判批判が一切許されないというわけではないと思います。しかし、一般的には、一般的には、確定した裁判についてはこれを尊重すべきものと私は思っております。
 共産党の立木さんの宮本事件に関する私の昨日来の答弁内容について大変御批判がございました。中村さんも言われるとおり、自分は判決批判を自由にやるが民社党や公明党はやっちゃいかぬとか、そういう態度はよろしくない。(拍手)
 昨日来の私の宮本リンチ事件に関する答弁はでたらめだと、一方的な法理論できめつけておられますが、そうしておいて、答弁は要らぬと。おれは言う、おまえは聞け、おれは食うが、おまえは食うな、人の物はおれの物、おれの物はおれの物という、そういう体質は(拍手)まことに、そういう態度で言論の自由とか三つの自由とか国民に訴えても、国民は信用しないでしょう。(拍手)
 立木さんは、宮本氏の資格回復についての法的見解を述べられました。そうして、それは戦後に発せられた勅令あるいは覚書、そういうものによって当然に資格は回復せらるべきであったが、日本の政府が怠慢でやらなかったんだと、昭和二十二年四月末日の総司令部の特別の指示がなくっても資格は回復すべきものだったんだと、こういう理論でありますが、それは間違うております。戦後の一連の勅令や覚書は、治安維持法関係の犯罪については、戦後のいわゆるポツダム勅令等によって赦免されることになっただけであって、不法監禁致死罪、死体遺棄罪、銃砲火薬類所持取締法違反——あのリンチの現場に宮本氏はピストルを持っていましたからね。そういう一連の刑法犯は消えるものではないのです。これは政治犯でないからです。しかし、これが、この犯罪についても、この刑法犯についても、これが将来に向かって刑の言い渡しがなかったことにしたのは、もっぱら一にかかって司令部のあの特別の指示によるものであります。したがって、司令部のおかげで助かったと私が申すのは、這般の事情を申すわけでございます。(拍手)
   〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 107815254X00619760929_017

発言者: 稻葉修

speaker_id: 20161

日付: 1976-09-29

院: 参議院

会議名: 本会議