福田赳夫の発言 (本会議)

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○国務大臣(福田赳夫君) 過般の自民党の中での政局論争、その中での私の立場についての御質問でございます。私は、いかなる団体でも、いかなるサークルでも、そのサークルあるいは団体の運営をよくしていこうというための論争、これは、あることは当然であり、あることが望ましいと思うんです。特に政党、つまり国の、あるいは社会の運営に重大な関係のある政党において大事である。もし、政党の党首に対して不満があるけれども、それを包み隠して言わぬというようなことは、これは私は、逆に政党に対し、国家に対して忠実なゆえんではないと、こういうふうに思うんです。過般のわが自由民主党の政局論争は、一に自由民主党、つまり自由民主党は国の政治の中で重要な立場にある、その重要な立場にある自由民主党の運営を誤らしてはならぬという真剣な論争であったというふうに評価をしていただきたいのであります。まあしかし、論争は一段落いたしまして、内閣の改造が行われる。私に対しまして総理大臣から留任の要請があったわけでありますが、ただいま総理大臣が申されたように、非常に国政重大な段階である。私が留任を受諾するということは、私は国家のためであると、こういうふうに考えましてオーケーをいたしたわけであります。私は、まあ論争は大いによろしいと思うんです。しかし、その論争が一段落した後で、またそれが尾を引いてぐじゃぐじゃしているというような状態は、これはよくないと思います。まあ論争が済んだらあっさりする、そうしてもとの姿に戻っておのおのがその任につく、これが自由民主党の美しい党風であるというふうに御理解を願いたいのであります。
 次に、中村さんは、いまの景気は、まあ順調だ、順調だと政府は言っておるが、しかし輸出景気であって、必ずしも楽観できないのじゃないかというような御指摘でございます。確かに、ことしの一月から三月、これは景気が急激に上昇いたしました。それはなぜかと申しますと、二つの理由があるのです。一つは、昨年政府が逐次第一次から第四次までの対策をとりました。そうして、特に第四次対策というのが、その効力が一−三月に発揮されるということになったわけであります。それと、世界経済が回復過程に転じまして、わが国の輸出が大きく伸びるという段階になった、この二つが理由でありますが、確かに、そういう一−三月の状態なんかを見ますと、これは輸出に非常に依存した成長であったというふうに言えると思いまするけれども、今後を考えてみますると、輸出の増加はもうそういう一−三のような状態にはなりません。これは後で申し述べますが、特殊な臨時的事情があるのです。そういうようなことで、これからは輸出はだんだん増勢が鈍化をする。そのかわり内需の方が堅実に伸びていくというので、バランスのとれた成長が実現されるであろうと、かように考えております。
 それから、いま私が、輸出がこれから鈍化するであろうと、それから一−三月の輸出増加が非常に激しかったと、こういうふうに申し上げましたが、これは、中村さん御指摘のように、対米輸出なんです、問題は。アメリカが、まあ自動車でありますとか、あるいはテレビ、そういうような商品につきまして、在庫補充の必要が大きく出てきたわけです。そのためのわが国からの輸出、そういうことで本年初頭の対米輸出が非常に激増した。しかし、逐次アメリカにおけるそれらの商品の在庫補充も一巡いたしまして、これからは対米輸出はもうことしの一−三月、また一月から六月のような、そういう伸びはしない、さように考えておるのであります。
 しかし、輸出が急増をいたしましたその反面におきまして、それに伴いまして若干の摩擦現象が日米間に起きておる。これは事実でありまするが、お互いに良識を持って話し合い、これがお互いの保護貿易手段に転じていくというような、そういうようなことは断じて避けなけりゃならぬ。私ども日本の国は、とにかく輸出に依存しておる国でありますので、そのようなことから考えまするときに、世界に保護貿易主義の風潮が出てくるということについては最も警戒的であらねばならぬ、かように考えております。
 それから次に、景気を刺激するために減税をやったらどうだというお話でございますが、そういう特別な手を講じませんでも、私どもは、ことしの経済は順調に動いておる、大体政府が年度初頭に申し上げました五%ないし六%の実質成長は実現可能である、こういうふうに考えておりますので、いまここで減税までいたしまして景気を刺激するという考えは、これは妥当でないと、かように考えております。(拍手)
   〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 107815254X00619760929_018

発言者: 福田赳夫

speaker_id: 20078

日付: 1976-09-29

院: 参議院

会議名: 本会議