大平正芳の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○国務大臣(大平正芳君) 三木改造内閣に留任をした理由についてお尋ねでございます。先般来、三木内閣におきまして、内部で臨時国会の召集をめぐりまして、閣議で召集日を先に設定していくべきか、それとも、いろいろな手順を踏んで、後で閣議の決定をすべきか、というようなことで議論がありましたことは御承知のとおりでございます。これはささいなことでございますけれども、それが異常な政治的緊張を呼んだことは、私隠そうといたしません。まあ政党でございますので、自由民主党ばかりでなく、ほかの政党も——のことはよく存じませんけれども、しかし、いろいろ議論があってしかるべきだと思うのでありまして、私も一党員として、一閣員といたしましてそういう論争に参加したまでの話でございまして、他意はございません。しかし、これが先ほど総理もおっしゃったとおり、一応決まりまして、片づきましたわけでございまして、改めて留任を求められたわけでございます。私は、実は御承知のように長く閣内にとどまっておりますので、閣外に去らしていただきたいということをお願いしたのでございますけれども、財政問題、いま懸案も抱えておることでございますので、しばらく職にとどまってもらいたいという御要求がございましたので、引き続き職を汚すことになりましたわけでございます。
それから、財政特例法案成立遅延の対応策でございます。これは重要な歳入法案でございまするので、これが遅延するということは財政の計画的な運営に支障を来すばかりでなく、経済全体に対して心理的な影響を及ぼすことは避けがたいことであることは御理解いただけると思うのでございます。したがって、こういう重要法案は予算と同時に成立さしていただく必要があろうと私は考えておるわけでございます。しかし、不幸にしていまだ成立を見ておりませんためにどういう支障を来しておるかと申しますと、さしあたって九月という資金の余剰月に発行すべき国債がほとんどございませんで、むなしくこの九月を空過しなければならない羽目に陥っております。十月以降このずれを回復していくにつきましては、国債発行の手順に相当狂いを生ずるおそれがあると思うわけでございますけれども、極力これを回避すべく最善の努力を払いまして、歳出を実質的に規制しなければならぬというような事態が起こらないようにやらなければならぬといま考えております。したがいまして、一日も早く成立をさしていただきたいのがいまの念願でございます。もしおくれるというようなことになりますると、歳出を規制せざるを得ないというような羽目に陥りますことも申すまでもない成り行きでございますので、そのあたりは十分の御理解をいただきたいと存ずるのでございます。
それから、景気対策と所得減税につきましては、いま副総理から御答弁がございましたとおりに私も考えております。
それから円問題につきましての御懸念でございますけれども、わが国の円がその後マルク、スイスフラン等とともに、比較的強い立場を維持できたことは幸いであったと思うのでございますけれども、しかし、これはわが国の政府が不当に干渉した結果ではないのでございまして、われわれはランブイエその他における国際的な約束を踏まえて、市場の自由というものを尊重いたしまして、価格の形成を市場にゆだねておるわけでございまして、不当な為替市場に対する干渉は行っていないわけでございますけれども、日本の輸出によりまして競争場裏に立った向きからは、これは円安のためではないかというような一部に抵抗がございましたこと、誤解がございましたこと、これはありますけれども、そういった誤解は、私ども全世界にわたりまして、そういう誤解が一部にありますことにつきまして、その誤解を解いてまいるように努力をいたしておるわけでございまして、各国政府の間にそういう誤解はございませんで、民間のクォーターにおきましてそういう誤解あるいは歪曲された意見が一部にありますこと、これは事実でございますけれども、そういったことも漸次解消されつつありますことでございますので、今後もそういったことがございますならば、そういう誤解の解消につきましては努力をしてまいりたいと考えております。(拍手)
〔国務大臣河本敏夫君登壇、拍手〕