枝村要作の発言 (社会労働委員会)
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○枝村委員 労働大臣の所信表明について質問いたしたいと思います。
大臣の所信表明は、いつものことでありますけれども、その国会に提出される法案を中心にいつも行われておるのであります。それは大変結構だと私は思います。しかし、石田労働大臣は、歴代労働大臣の中でも最も経験豊かで、そして大物と評されている人であります。それだけに、単に提出される法案を中心にしただけの質疑ではなくて、もう少し広範な意味で大臣の所信をひとつ伺っておきたいと思っておるわけであります。特に福田内閣の中で三木派に属されておりまして、先ほど言いました大物でありますから、それが労働大臣という人事になったということは、そこには今日の情勢の中での何か一つの大きな目的があるのではないか、こういうように私なりに勘ぐるわけであります。それは、単に私だけではなくして、国民の中、とりわけ労働界あるいは企業経営者の中でも、そういう意味で特別な関心を寄せておるのではないか、こういうふうに思っておるのであります。
それは、いろいろ理由はありますけれども、その中の大きな一つのそういうふうに見る理由は、今日の低成長下、不況、インフレという世の中におけるいわゆる労働運動、経営者にすれば経営の問題、これなどはきわめて複雑でかつ困難であるというようにみんなが認識しておるのであります。それだけに、政府や資本に対するまた一方の労働者側の要求はきわめて深刻になっておると思います。ですから、まかり間違えれば、このままの状態で進むと、資本主義の体制を揺るがすだけの力を労働者は持っておりますので、いつそれが爆発するかもしれない、こういう状態が当然予想されてくる、そういう深刻な世の中であると思うのです。そのような時代に、先ほど言いましたように、福田内閣の労働大臣として就任された石田さんでありますから、それだけにその任務はいままでよりも一層私は重いものがあるのではないか、また、それだけにその地位というものは重要である、こういうふうに国民や、とりわけ労働界や企業経営者の方々は見ておるのではなかろうか、こういうふうに思っております。
また、これは一つつけ加えておきますと、もし政局に一大事変が起きたとするならば、石田さんの一つの政治信念からしてその大きな一翼を担うような立場に立たされるのではないかという、これは期待と不安と入りまじったものが今日の政局の中ではある。そういう石田さんの福田内閣に占める労働大臣でありますから、とりわけ、私がいま言いましたような期待感が入りまじってあるのではないか、このように見ておるのであります。
そこで、一般的に福田内閣はタカ派かタカ派でないか知りませんけれども、そういう人々が相当おるようであります。その中で石田労働大臣は、やはりハト派と言われております。そのハト派的な考え方を基調にしていまからの労働政策や労働行政をどういうように求めていかれるのか、この点をひとつ聞きたいのであります。
そこで第一には、私はやっぱり労働者の基本的な諸権利を守る、これが大事だと思います。これは単にそういう一つのポーズをとるだけでなく、深刻にそういうように受けとめていく、同時に、今日のいろいろな労働諸情勢の中を見ますと、やっぱりすべての権利がある程度侵されていきつつある、守られるどころでなく、侵されていくような現状もありますから、この権利の回復を労働大臣の力でやってもらいたいと思うが、その基調は、やはり何といっても平和主義に徹せねばならぬと思うのです。そうして紛争などは未然に発生を防止するように努力する。石田さんは三池の大争議を、当時の労働大臣として大きく力を加えてああいうように収拾された経験もありますし、その力もあるのでありますから、そういうふうにして、そして具体的には不当労働行為などがどんどん発生しておりますから、そういうふうないわゆる前時代的な労働情勢、経営者の考え方その他を直していくように努力していってもらわなければならぬのではないか、これが第一だと思うのです。
それから第二は、労使間の問題については、常にやはり労働者の側の立場に立って処理するという根本思想を持っていただきたい。だからといって、いたずらに労使の問題に政府が、権力そのものが介入することはやはり避けた方がいいのではないか。
私は、こういう二つの期待を持っておるのでありますが、労働大臣はどのようにお考えになっておるか、これをまず第一にお聞きしておきたいと思います。