枝村要作の発言 (社会労働委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○枝村委員 今日のこういうふうになっておる理由もいろいろあるです。それは、おれの力では及ばぬという外因説もあろうし、自然説というものはないでしょうけれども、それは確かにそのとおりなんですけれども、しかし、どうも起きたことに対して労働省とすれば後追い的な行政的措置をする場合が多いのですけれども、政府はそうでなくして、そういうのを起こさせないように全体の政策として取り組んでこなくちゃならぬし、そのためにいままでもしばしばてこ入れされたと思うのです。ところが、てこ入れをされて確かに実効が上がったと私も認めますけれども、いろいろだ理由はあってもきわめてテンポが遅い。いままでつぎ込んだ資金なんか一体どうなっているのかというような問題なんかも、きょうは時間がありませんけれども、詳細に調べていかなければならぬと思うのです。今度のことしの年度の予算の問題でも、多くの人が指摘しておるように、実際あれだけの投資をしても一体どうなるかという心配がそういうところから出てきておるのだと思います。
これはひとつ問題を預けておきまして、労働省としては後追いできわめて残念なことであっても、現に出てきた失業者やその他をどういうふうに救うかという点についてやはり深刻に考えなければならぬ。その場合には、法規制をして、それがかえって逆な立場になる場合も考えられぬことはないのですけれども、いま大臣も言われたように、行政的な措置によって当面の救済を、完全にするところまでいかぬにしても、そういう不安にあえいでいる人たちを守ることができる手立ては幾らでもあるはずでありますから、そういうことをやってください。そのためにいまわれわれが出そうとしておる、また過去に出しましたそういうのを大きく参考として検討しろということを言ったのでありますが、その点については、あなたも今度出されればということを約束されましたので、ひとつ期待をしておきたいと思います。
それから、賃上げの問題ですが、いつの春闘でもこれが中心になって、さらにそれを取り巻く政治的な課題も抱えて国民春闘と名のってやっておるのでありますが、やはり中心は労働者の賃上げだと思います。この問題について一言だけ石田労働大臣にお願いしておきたいのですが、このような不況下になりますと、賃上げを死活の問題として労働者が重要に考えるのは、きわめてあたりまえのことです。ところが一九七五年、七六年は、御承知のようにそういう時代背景もありますが、結局低賃金で抑えられてしまった、そういうふうに労働者は理解しておるのです。そういうふうになったのは、社会経済のそういう状態の中で当然なことであるかもしれませんが、私どもが考えますと、いまの福田総理大臣と長谷川労働大臣が賃上げ抑制のための大キャンペーンを五十年から五十一年にかけておやりになりました。これは異常なほどそういうしつこい態度をとられました。そしてそれに呼応するかのように経営者陣も企業側も団結して労働攻勢に立ち向かってきた。労使の間で賃金の問題を解決するのはあたりまえのことなんですけれども、いま言いましたように、その時代には政府のお二人が中心になってそういう政府主導型の賃金抑制が展開されて、それがみごとに実を結んだと、こっちが言ってはおかしいのですけれども、なった。労働者側は大きく後退した、こういう状態になっておるのです。これはやはり労働界の中ではそういうふうに認識をする者が多いわけです。ぼくらもその当時この委員会あたりで、労働大臣に、そんな介入をするな、こういうことをきつく詰問したことがあります。しかし政府側は、そんなことをした覚えはない、こういうことを言っておりますけれども、現実にはいろいろな場所で賃金抑制の提言がされておるわけです。
そこで、石田労働大臣になって、また今日の情勢の中で、やはりそういう考え方を引き継いで賃金抑制のために政府、労働大臣が一役買って問題に介入してくるのかどうか。先ほどあなたがおっしゃいましたように、こういう問題は、あくまで労使の対等な立場における自主解決が中心でありますから、政府などそういうものに介入しない、こういうふうにおっしゃいますでありましょうが、それを本当に身をもってやってもらいたいと思います。むしろ逆に、不当な賃金抑制をする者に対しては、労働者の権利や生活を守るという立場から、労働省が反対に、そういうことはいかぬじゃないかという行政指導をすることが正しい労働省のあり方ではないかとも私は思っておりますだけに、どうもまた懸念されるようでありますから、石田労働大臣の、賃金抑制指導はしないならしない、労使の自主交渉に任せて賃金というものは決めるべきだ、こういうふうな意思があるならばはっきりと言っていただきたいと思っております。