枝村要作の発言 (社会労働委員会)
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○枝村議員 私は、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党・革新共同を代表して、ただいま議題となりました雇用保険等臨時特例法案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
近年、わが国経済は高度成長を遂げ、工業生産力は資本主義国においてアメリカに次いで第二位の地位を占めるに至りました。東南アジア等々の諸外国への年間資本輸出量においても、いまや日本の大企業はアメリカに次いで第二位となっております。
しかしながら、一方では、戦後最大の不況のもとで、中小零細企業の倒産や経営難による労働者の解雇、さらには不況を口実とした大企業における解雇、出向、配転など、雇用不安の拡大により、雇用・失業情勢はますます悪化し、深刻な社会問題となっております。企業倒産は年々急増し、負債一千万円以上のものだけでも、昨年は一万五千六百件を超えるほどに深刻化しているのであります。
いまや、政府の統計でさえも、完全失業者は百万人を超えたまま減りそうにありません。しかも、この統計には、家業に復帰した出かせぎ農民や、その他の短時間就労者などは含まれておらず、これらを含めた失業者数は三百万人を超えると推定されております。
一九七四年十月に一を割った有効求人倍率は、一九七五年平均〇・六五、一九七六年〇・七二と低迷を続けております。中でも五十五歳以上の求人倍率は〇・一にまで低下したまま、少しも改善される気配がありません。
このように、一たび職を追われた労働者の再就職はきわめて困難になっており、雇用保険法において定められている失業給付日数を過ぎてもなお再就職できない失業者が急増しているのであります。また、二、三年前までは職につくことのできた季節労働者の多くも、今年は職が得られないままになっており、とりわけ寒冷豪雪地域における季節労働者はきわめて厳しい状態に置かれているのであります。
命の網である失業給付さえ切れてしまう失業は、労働者とその家族にとって緩慢なる死を意味します。事態の改善はきわめて急を要すると言わねばなりません。
三党は、このような状況にかんがみ、失業者の生活を守るために、臨時特例法を制定することを共同提案する次第であります。
次に、この法案の内容について御説明申し上げます。
第一は、この法律の目的であります。
この法律は、長期にわたる深刻な不況によって生じている雇用の機会の著しい減少に対処するため、当分の間の措置として、雇用保険等に関する特例を定め、失業者の生活保障を図ることを目的としております。
第二に、雇用保険法に基づく一般失業給付の改善についてであります。
この法律は、一般被保険者の所定失業給付日数をそれぞれ百八十日間延長すること、船員保険法もこれに準ずるものとすることにいたしております。
第三に、雇用保険法に基づく短期雇用特例給付の改善についてであります。
季節労働者について、五十日分の特例一時金の支給を受けた者が、その支給を受けた日から起算して五十日を経過した日以後、失業している場合には、離職の日の翌日から起算して六カ月以内の失業している日について、四十日までの特例求職者給付を支給することといたしております。
第四に、失業対策事業等の拡大についてであります。
この法律は、失業者の就労の機会を確保するため、中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法附則第二条の規定による制限を撤廃し、緊急失業対策法に基づく失業対策事業等の拡大を図り、この場合における緊急失業対策法の第十条第一項の適用において、公共職業安定所の紹介する失業者は、同条第二項の制限条件を要しないものといたしております。
最後に、この法律は、公布の日から施行することといたしております。
以上、この法律案の提案理由及びその内容につきまして御説明申し上げました。
この法律案は、組織、未組織を問わず、三千七百万の全労働者とその家族の切なる要求であることを十分に勘案され、御審議の上、何とぞ速かに御可決あらんことをお願い申し上げます。(拍手)