加藤陸奥雄の発言 (文教委員会入試問題に関する小委員会)

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○加藤参考人 私、加藤でございます。よろしくお願いいたします。
 前回こちらに伺いましたときに、いろいろ重要な事柄、私どもとしてもう少し考えなければならぬというふうに私どもが考えました事柄について、いろいろ御審議いただきまして、私どもに指示を下さったわけでございますが、私どもとしてその事柄を十分に検討しなくてはならないというふうに考えましたので、その後、四月十二日と十三日、二日間にわたりまして、それぞれの担当の委員会を開催させていただきました。
 まず、直接これに関与して検討を進めてまいりましたのが、実施方法等調査専門委員会がございます。その委員長を私が務めておりますが、その委員会を開きまして、さらにそれの親委員会であります入試改善調査委員会、これは御承知の京大総長の岡本先生が委員長で、私が副委員長になっております。それに続きまして、国大協会長名で理事会を招集していただきまして、その経緯をずっと経まして、いろいろ御指摘いただきました事柄につきまして審議を進めてまいりました。
 若干の点につきまして御趣旨に沿ったようなことを考えるというふうに至りましたので、その事柄につきまして御報告申し上げたいと存じます。
 私ども、伺いました点で問題点として考えましたのが、大体七つございます。この点で漏れている点がございましたらまた御指摘いただきたいと存じますが、一つは実施期日の問題について、二番目が共通一次の出題教科科目の問題について、三番目が職業高校出身者に対する配慮の問題について、四番目に、各大学が行います第一次試験に続く第二次試験の性格並びに内容について、それから予備選抜の問題について、いわゆる足切り問題、それから第二次募集の問題について、これはこの際検討を進めておりますということを申し上げたわけです。それから七番目に、高校側等、この問題に対する社会の意見をどういうふうに今後とも反映させるかという問題、私どもは、お話を承りまして、この七つの問題に整理をさせていただいたわけであります。
 その事柄につきまして一つ一つ、私ども考えましたことにつきまして御報告申し上げたいと存じます。
 まず最初の期日の問題でございますが、西岡先生からも特に御指摘いただきましたが、九月入学問題でございますが、これは根本的にいろいろな問題に絡み合いますので、大学それ自体としては支障はないわけですけれども、非常に重要な制度問題にも絡みますし、社会問題もございますので、今後、これについては国大協として真剣に考えていこうではないかということになりました。
 それともう一つ、その点にまで触れないで、大学自体の授業の圧縮といいますか、実施のスケジュールの処置によって少し入学期をおくらせてやれないかという問題でございますが、この問題の趣旨は当然にそうなのですが、十二月下旬に第一次試験を行うということになりますと、高等学校側の教科の課程の中に食い込むわけでございますが、この点やむを得ないと私ども考えておりましたのですが、食い込むこと自身は問題がないことで、この点は高校教育にとっては非常に好ましいものではないことは明らかでございます。ただ、大学自身の授業課程を実は今度は圧縮するというのは、前々も議論した過程はあるわけでございますが、私ども共通一次試験を行って二次試験を行うという方式を一応改善の第一歩だというふうに考えているわけですが、そうなりますと、従来とも問題になっておりますように、コンピューター処理なりなんなりがございまして、そのようなことを考えると、その間に五十日ないし五十五日くらいの間隔を置かなければなりません。そういうことで、三月に高等学校教育が完全に終わった段階で試験を始めますと、大学の授業に食い込むことがものすごく多くなってまいりまして、現在の四月入学、三月卒業という四年課程を縮める点で非常な問題が出てまいります。五月入学ということではやはり処置ができません。もっと延びていく可能性がございます。あるいは六月ないし七月ということになります。八月の休暇を利用するという問題もございますが、それを考えますと、大学の野外実習なり社会見学なりが実は休暇中に行われている面がございまして、そこの点をやりますと、自主的に大学で当然に行わなければならない課程の充足という点に重要な影響を及ぼすおそれが非常に多うございます。ただしかし、この基本的問題は、その意味で当面はやむを得ないとしても、今後研究していくべき問題であろうということにはなりましたのですが、共通一次試験が高等学校側に入るということは当然に不都合があるわけですけれども、いささか言いわけじみたことになりましょうか、共通一次試験は高等学校における低学年の必修科目を主としてやっているわけでございますので、その点では内容的には支障は与えないことになりますので、そういう点で従来も高等学校側の了解をいただいてきたわけですが、この点も今後ともその短縮を考えると同時に、実際上の実施に当たっては、高等学校側、あるいは受験生諸君の十分の理解を得た上でやらざるを得ないのではないかというふうに考えております。
 ただ、五十五日を要するというのは現段階におけるコンピューター処理の問題でございますので、今後ともこの点は、研究部なりなんなりの方で十分検討を続けて、短縮をするということは積極的に考えていきたいというふうに思っております。つまり、九月入学問題については非常に大きい問題なので今後検討する、それから大学自身の授業短縮ということでそれに対処することもいま申しましたような問題がございますが、これから研究していこうということで、当面はやはり十二月下旬に実施させていただく、その点については、今後コンピューター処理なりなんなりで短縮を考えるというようなことでお願いせざるを得ないのではないか、そういう点で高等学校側の十分の御理解を得るように努めていきたいというふう、に考えているわけでございます。
 第二番目の、共通第一次の出題教科科目の数の問題、これは五教科六ないし七科目ということになります。いろいろとこれを減らしてはどうかという御意見があるわけでございますが、私どもとしては、もしこれを減らせば高等学校教育、これは外国語以外は必修科目に相当しておることを考えますと、国立大学全般がそれを少なくすると、高等学校の教育を入試というものがゆがめてしまうことを非常に恐れております。そういう意味で正常化の一つの役割りを果たすのではないかという考えを持っておりますので、この五教科七科目についてはこのまま行わせていただきたいというふうに思っております。ただ、今後これも研究を積み重ねて、高等学校側がたとえば五科目を主張するということであれば、その点を十分に検討しながら、さらに二次試験との組み合わせを考えながら、実施を始めた過程の中でまた検討を進めていきたいと考えておるわけで、五教科七科目を減らそうという点は、私どもとしては現時点では考えにくいように考えております。と申しますのは、共通一次、二次方式の一つの趣旨の大きな眼目になっておるように思っているかです。しかし、これを将来ともそうやるということではなく、実施過程を踏みながら、それを研究題目として考えていこうということにしておるわけでございます。
 三番目の職業高校出身者に対する配慮ということですが、これは新しく理事会まで上せまして確認をいたしましたのは、英語Aを実施しようということに決定いたしました。従来とも共通一次の出題科目の中に、職業高校方面の方々に対する配慮を数学一般さらに基礎理科というものを加えてやっておりましたが、非常に問題なのは、選択科目の外国語の問題でございます。それにつきましては英語Aが職業高校では選択されているケースが非常に多うございますので、その英語Aを履修した生徒諸君について英語Aを出題することを考えようということを、いままで何かその点を考慮しなければならぬというふうに考えておりましたが、それを決定いたしました。したがって、数学一般、基礎理科並びに英語Aというものを課するということにいたしました。それで、この共通一次試験は必修科目について課するということを趣旨にしておりますので、専門教科については二次試験の方に譲る形になろうかと思います。つまり二次試験において代替科目の出題、あるいは推薦入学実施ということについて、二次試験についてその点の配慮が二段目として考えていくのはどうか。ただ、この二次試験における代替科目あるいは推薦入学の実施につきましては、各大学の自主的判断ということに任せざるを得ないと思っております。つまり各大学の事情によって現在でも行っておりますが、それをこの趣旨にあわせて各大学の判断において行っていただく。共通的にやりますのは、基礎的な学科に関与した数学一般、基礎理科並びに英語Aを行うということを決定した次第でございます。
 それから四番目の各大学の行う第二次試験の問題でございますが、これについては前回も非常な御指摘をいただいたわけですが、第二次試験の内容方法については、すでに御承知のようにガイドラインをわれわれ国大協としては出しておりますが、大学ではその点についてかなりの配慮をしているように思っておりますし、今後とも配慮を期待しているわけですが、御承知のように三月末の段階で中間的な検討の状態を集計いたしました。それを見ますと、一般的に言いますと、この趣旨をかなり配慮したと思える節がありますけれども、中には必ずしもガイドラインの趣旨が徹底しておらないというふうに見受けられる面がございます。具体的に各大学の意見を聞いたわけではございませんが、その数字の上から、そのような徹底をしておらないのではないかと思えるような節もないではございません。ただ、この第二次試験につきましてはたびたびお話し申し上げましたように、各大学の自主性で行う、それを尊重しなければならないということは、やはり大学の特質として今後ともそれを貫いていかなければならないかと思います。
 ただ、問題でございますのは、この共通一次方式というものの趣旨はお互いに徹底しなければならぬというふうに考えております。その趣旨を徹底した上で、各大学の自主的判断がそれに乗っからなければならないというふうに考えておりますので、今度集計したものをいずれ近いうちに各大学にそれをフィードバック、流します。それを見ながら各大学はまた改めて検討を進めて、この七月段階の発表に行くはずであります。そういう点で、その集計をまとめたものを、そのまま集計表だけでなしに、その前にまた私どもとしてはこの方式の趣旨徹底という点を、前文にそれを乗っけて、今後それの趣旨の徹底を図るというふうに努力していきたいというふうに考えております。この集計の表は、各大学にそのまま返すのではございませんで、それの総括表なり何なりも全部つくりましてやりますから、一括して各大学がその状況を判断できるように思います。そういうことで、それに国大協としての趣旨を加えて送って、今後七月段階までの間にその趣旨が十分徹底するように努力していきたいと存じます。その趣旨において各大学の自主的判断を願うということになろうかというふうに存じております。
 この次の、予備選抜の問題ですが、これについてもずいぶんと御指摘いただきました。予備選抜について言えば、原則的には足切りをしないのは当然でございます。これも趣旨を徹底しなければならぬかと思います。
 ただ、前回も私申し上げましたように、二次試験では、一次試験で判断しにくいようなことが残りますから、その点についてたとえば面接、小論文、あるいは学力試験についても、客観方式でないような、思考過程なんかもわかるような学力試験もあってしかるべきだというふうに報告書にも書いております。そういうことからしますと、綿密な試験をやるということからしますと、その予備選抜をしないという原則といささかそこに矛盾を感ずるわけでございます。これは前回私も申し上げました。そういう点で、そういう具体的な方式をやろうと努力する大学においては、場合によっては足切りということが起こる可能性もあろうかと思いますが、そうでなくて、単純に物理的な一つの考え方から足切りをするというようなことは、原理原則、理念上の問題からも切るべきではないというふうに考えております。これもその点の趣旨の徹底は図りたいと存じます。このことの決定は、やはり各大学の自主的判断に任せざるを得ません。しかし、その趣旨の徹底は、今後とも従来にも増して図る必要があろうかというふうなことを考えておるわけであります。つまり、安易な立場でこういうことをやるということは厳に慎むべきだという趣旨の徹底をしたいというふうに考えておるわけでございます。
 それから第二次募集につきましては、前回、いま検討を始めましたということを申し上げましたが、各種委員会で従来とも少しはやってまいりましたが、前回の各種委員会でそれを決定いたしました。つまり、ある定員の一部を留保して第二次募集をするということの自由裁量を各大学に任せる、統一的にやることはいたしません。統一的にやることはしませんが、各大学か、それを実施したいという大学については実施することが可能であるというふうなまとめをさせていただきました。
 ただ、ここで非常に重要な問題がございます。と申しますのは、無原則的に二次募集をしますと、すでにある大学に合格した生徒諸君が、また別の大学で二次募集をやるというのに志望されるというようなことが起こりますと、この趣旨が非常に崩れてまいります。実は従来ともこの点の心配を持っておったわけでございますが、そういうことを避けなければならない。そういうことで、他の国立大学にすでに合格してしまった生徒諸君は、この二次募集に志願する資格を持たないということを厳に規定しようかというふうに考えております。それで、その二次募集をするということを事前に公示する大学もあってしかるべし、あるいは事後にやってもあり得るであろうということの幅を持たせて、そして、それをやろうという大学はそれを実施するという可能性を持つということの決定を理事会まで持っていっていたしました。これは、後段でちょっと心配の点を申しましたようなことにつきましては、入試センターの方でその技術的な処置をしなければなりません。十分注意してやらなければならぬ、混乱を起こさないようにすべきであろうというふうに考えておるわけでございます。
 第七番目の、高等学校側の意見の反映その他、第三者のこの国立大学に対する意見というものの反映は当然に図らなければならないと思います。そういうことで、高校側等の関係者の意見を反映するための機構を入試センターに置くことが必要であるということを、従来は議論されただけですが、確認をいたしました。具体的には二種類のものがつくられるのではないかと考えております。と申しますのは、入試センターが設置された後にそのセンターで検討すべき問題でございますが、全般的な入試制度ということについての御意見を高等学校側から伺うというような意味での連絡協議会とたとえば申しましょうか、そういうものが一つあると思います。それから、非常に具体的に入試に関連して出てきている問題は、教科課目あるいはないし課目の数ではなくて、その中身の出題そのものについてへの批判が非常に強いわけであります。この点は、出題そのものについて十分大学側が注意をしなくてはならないのは当然でございますが、それについてやはり高等学校側からの御意見を十分反映させる必要がございますが、そういう立場における協議会といいますか、連絡機構といいますか、というものも持つ必要があろうというふうに考えておるわけでありまして、多分これも入試センター自身に具体的に考えてもらうように申し送りをすることになりますが、そのような二種類の形で高等学校側の十分な意見の反映をさせて高等学校教育の正常化に幾らかでも役立つ、正常化に役立つと言うことは少し立場上おかしいですが、大学側が高等学校側の教科をゆがめることを避けるべきだという点の努力をしていこうというふうに考えておるわけでございます。
 一応、いままで概略的に、この間私ども伺いました点を七つの点にしぼらせていただきまして、それの検討結果を申し上げたわけでございます。

発言情報

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発言者: 加藤陸奥雄

speaker_id: 23456

日付: 1977-04-22

院: 衆議院

会議名: 文教委員会入試問題に関する小委員会