福田赳夫の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。
野村さんは野村さんとしてのお立場から、この協定の評価というか、御所感を述べられましたが、私といたしましては、とにかく二つの問題がこれはあるんだ、一つは領土問題であり、一つは伝統的漁獲量をなるべく確保する、これは初めから申し上げておるわけですが、その領土の問題についての限り非常にいろいろ紆余曲折があり、困難な問題ではありましたけれども、これはもう明快に、漁業は漁業、領土は領土というわが国の主張どおりに事は決着をいたした、かように考えております。
漁獲量の問題につきましては、なかなか伝統的漁獲量というわが国の考え方というものがそのまま貫き得なかったということを率直に申し上げなければなりませんけれども、これは、二百海里時代という非常に厳しい現実の変化があるわけでございます。そういう中において精いっぱいの成果であった、かように考えておるのであります。
それからさらに、第八条だけでは領土問題が明快になっておらぬじゃないかというお話でありますが、まあ、第一条というのがありますが、これは漁業だけの問題なんです。そのことがまたこの第八条において非常に明快に規定されておるわけでありまして、私どもは、この第八条が設定されたということにおきまして、わが国の領土についての主張が微動でも侵されることがなかった、かように考えておる次第でございます。
また、北方領土返還の国会決議をしようと思うが、あるいは提案をここでするが、一体どういう考え方かというようなお話でございますが、もとより、御決定がありますれば、政府はそれを尊重いたしまして対処する、さような考えでございます。
また、日ソ平和条約につきまして、私がその早期締結のために訪ソするかというお話でございますが、これは、私は日ソ間に平和条約ができることを本当に希望します。希望しますけれども、この問題には領土問題というむずかしい問題があるのでありまして、そう簡単な問題ではない、こういうことも御承知おき願いたいのですが、私が訪ソすればその問題が片づくんだというような環境ができるということになりますれば、私も訪ソする、これはやぶさかではございませんです。
また、この一連の日ソ漁業交渉の結果、日中関係にどういう影響があるのか、日中平和友好条約の方は一体どうなんだ、こういうお尋ねでございますが、私は、日中の関係、日ソの関係、これをこんがらかせて考える考え方、それはいたしておりません。あくまでも日中は日中、日ソは日ソでございます。そして日中につきましては、しばしば申し上げておるわけでございまするけれども、双方が満足し得るような状態ができますれば、なるべく速やかにこれが条約の締結に持っていきたい、かように考えておる次第でございます。
また、さらに公明党申し入れの十八項目にわたる漁業関係者対策、これは篤と矢野書記長等から承っております。それらを踏まえまして懸命に対処いたしたい、かように考えておる次第でございます。
また、わが国の領海、また漁業水域の巡視警戒、そういうことについての体制の拡充強化についての御意見でありまするが、私どもも同様に考えておりまして、鋭意そのように努めたい、かように考えておる次第でございます。(拍手)
〔国務大臣鈴木善幸君登壇〕