福田赳夫の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(福田赳夫君) 曽祢さんから、協定第一条は、どうもソ側に一方的な有利の規定であって、領土権のソ側の主張を押しつけられたのじゃないかというような御見解でございますが、第八条という規定がなければそういうような御感触にあるいはなるかもしれませんと思いますが、第八条で第一条の問題というものはこれを打ち消してもう全部殺しておるわけなんです。
 そういうようなことで、私どもといたしましては、第八条の規定がある以上、第一条というものは領土には何らの関係がない、もう漁業問題というその問題の限界の中にとどまっておる規定である、そういう理解でございます。
 また、曽祢さんは、条約第二条、これは暫定措置法を援用すべきであったではないかというお話でございまするけれども、この問題は、わが国はもうすでに暫定措置法が成立をいたしておるわけでありまして、この暫定措置法を踏まえて、これまでの、また、これからの日ソ漁業問題、また、その他の漁業諸問題は措置するわけなんでございます。
 今度はいよいよソ日協定交渉が始まるわけでありまするが、ソ日協定におきましては、この暫定措置法の基盤の上に立って交渉する、こういう基本的な考え方を持っておることを御承知願いたいのであります。
 また、暫定措置法第十四条で、政令で四島の周辺を除外するという懸念があるがどうかというようなお話でございまするけれども、これは暫定措置法ができて、わが国は、わが国の主張する水域、つまり北方四島を含めた水域に全部もう網は張られておるわけであります。
 ただ、北方四島の水域におきましては、まことに残念な話ではございまするけれども、わが国の実力的支配ということになっておらない。その関係は、日ソ漁業協定、これからソ日の段階に入るわけでございまするけれども、なかなかこれを改善をするということはむずかしいのじゃあるまいか、そういうふうに思うのです。その際にどういう措置をするか、これは今後の問題として留保しておかなければならぬ問題である、かように考えております。
 いずれにいたしましても、しかし、北方四島のわが国の領土的な主張ということにつきましては、いささかも譲る考えはございません。
 また、第八条だけでわが国の領土主張というのは安全だと言えるかというお話でございますが、これは安全でございます。すでに、しばしばお答え申し上げておりますので、省略させてしだきます。
 それから、これから先もソビエト連邦側は、領土解決済みという主張を繰り返してくるのではないか、また、これを強化してくるのではないかというような御懸念でございまするけれども、確かにそういう懸念はあると私は思うのです。そういうことも言っておる事実もあるわけであります。しかし、とにかく田中・ブレジネフ共同声明におきましてこれは非常に明確になっておるわけでありまして、懸案中の諸問題を解決して、そして平和条約を締結する。懸案中の諸問題とは一体何だというと、領土も含むということになっておりますので、この問題は解決済みという問題じゃございません。解決済みというソビエトの主張は間違っておる。わが方といたしましては、これは未解決の問題であるという立場を貫き通したい、そういうふうに考えておる次第でございます。
 それから、海洋二法を早く通しておけば日ソ漁業交渉は難航しなかったのじゃないかというような御所見でございまするが、これは確かに海洋二法がもっと早く成立しておりますれば、あるいは交渉の期間を多少縮められたかとも思うのでありまするけれども、しかし、皆さんの御協力において海洋二法の成立を見ました。成立を見ましたその二法を踏まえまして交渉をいたしたわけでありまして、この海洋二法の成立が、この交渉に非常に大きな役割りを担ったということにつきましては、深く感謝申し上げておる次第でございます。
 また、わが日本は、海洋新時代というような傾向を余りわきまえずに、いままでこの問題に手抜かりがあったのじゃないかというおしかりでございますが、これはわが国とすると、ほかの国と違いまして、公海の自由というものは、私どもとしては非常に大事な問題なのです。そういうような立場を堅持する、そういうことからこの十二海里の問題にいたしましても、二百海里の問題にいたしましても、あるいは多少諸外国に足並みがおくれたというような点はあるかもしれませんけれども、今日、もうその問題は解決してしまった。その新しい海洋二法、これを踏まえて、今後、世界における漁業政策、これを雄渾に打ち出していきたい、かように考えております。
 そこまででございます。(拍手)
    〔国務大臣鳩山威一郎君登壇〕

発言情報

speech_id: 108005254X03219770603_021

発言者: 福田赳夫

speaker_id: 20078

日付: 1977-06-03

院: 衆議院

会議名: 本会議