宇野宗佑の発言 (予算委員会第一分科会)
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○宇野国務大臣 来週、私は総理にお目にかかりまして、具体的に今日までの経緯を御報告申し上げ、そして福田・カーター会談の参考の資にしていただく、こういう所存でございます。
今日までの経緯は、先生も御承知のとおり、井上ミッションを派遣いたしました。このときわが国は三つのことをアメリカに説明をいたしております。これは、まだ相手の案が決まっておりません、したがいまして交渉という段階ではございませんが、強くわが国の立場を相手方に理解をしてもらうべく説明をしたということでございますが、次の三点でございます。
第一点は、日本としてはもちろんすでにNPTにも参加をいたしておりますし、唯一の被爆国として非核三原則を持っております。だから核拡散防止という基本的な流れに対しては、もちろん双手を挙げて賛成するものである。
しかしながら、第二番目といたしましては、核不拡散条約参加の際に、国会においても附帯決議がついておりますが、核兵器保有国と非核兵器保有国、この間に差があってはならない、何か核兵器保有国だけが平和利用に関しても特権のごとく振る舞ってはいけない。われわれはもちろん非核兵器保有国ではあるが、平和利用に関してはわが国は徹底して開発を進めたいし、そのことについて世界にも貢献をいたしたいと考えておるが、そのことがNPTの第四条では示されておる。つまり、非核保有国の平和利用に支障を来すようなことがあってはならない、こういうふうに書かれておる。
ところが、承るところの米国の新政策によれば、わが国がこれから核燃料サイクルを確立しよう、その中でも特に問題なのは再処理である、そうした再処理に対して三年間待て、凍結をする、こういうふうな様子がうかがわれるが、これではもう明らかにわが国の経済に破綻を来すことになって、せっかくわが国が参加をしたNPTの精神にも反するではないか、言うなれば四条に対してアメリカは責任を持たれないことになるではないか、この点はもっと、われわれのNPTに参加した精神を尊重してもらいたいし、それを主張してこられたアメリカとしてもそうしたことをはっきりしてもらいたい、これを井上ミッションが三番目として申し上げ、なおかつ、いま申し上げました再処理等を含む核燃料サイクルの確立がどうしてもわが国にとっては不可欠なものであるということを主張してまいった次第でございます。
その後に、先生も御承知だろうと存じますが、アメリカの規制委員会の有力スタッフであるギリンスキーさんが来られました。この人は規制委員会の方ですから、政策には直接タッチする立場じゃないと思います。しかしながら、政策決定に参与し得る資格のある人として国務省からはシャインマンさんが来たわけでありまして、この二人が表敬に参りましたから、いま私が申し述べました井上ミッションの三つのポイントを改めて御説明申し上げると同時に、もう一つ、私は次のような観点から主張いたしておいたのであります。
それは、福田政権誕生後、直ちにカーター大統領から電話がございましたし、その後、モンデール副大統領も来日されまして福田総理と会見なさいましたが、そのときの主要テーマは、いま世界は大変な不況問題あるいは物価問題で困っておるのだから、ひとつお互いにがっちりと手を結んでロコモティブ、機関車としての役割りを果たそうではないかというのが主要なお話し合いであった。われわれ日本もさように考えておる。そうなってくると、日本は経済問題においてもことしは六%以上の成長率を見込んでただいま国会で御審議中であるが、それによって国内の需要も喚起し、さらにはまた輸入も増大せしめて、世界の不況に何らかの好影響を与えるように努力をしておる、この日本の立場を考えれば、その日本で一番大切なのは核燃料サイクルなんだから、これに水を差すようなことがあってはとても日米親善とは言えませんぞ、私は実は両氏に対してそういう主張をいたしたわけでございます。
いま申し上げましたような経緯はすべて、私、数次にわたりまして総理大臣とお目にかかりまして御報告申し上げておりまするし、もちんこれは重要な外交問題でございますから外務大臣にも立ち会っていただき、さらにはまたエネルギー関係の問題として通産大臣も同席いたしております。
そういうふうな姿でいよいよ来週土曜日に、参議院もいろいろございましょうから、もし御了解を得るならば出発ということになるでございましょうが、来週の早々にでも、いま申し上げましたような経緯をわれわれからさらに強く総理大臣に御報告をいたしたい、そして総理大臣はそうしたことをおまとめになられまして、恐らくカーターさんとの間においては、交渉ではございませんが一つのトーキングはなされるであろう、こういうふうに私たちは思っている次第でございます。