宇野宗佑の発言 (予算委員会第一分科会)
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○宇野国務大臣 細部にわたりましては政府委員からお答えさせますが、私に与えられました問題に関しましては申し上げておきたいと思います。
安全研究委員会の結論に知事がどう対応すると思うか、見通しはどうかということでございますが、これはもうあくまでも知事自体の判断でございますから、二十三日に安全委員会が結論を出されて、知事がそれに直ちに決断したい、こういうふうに伝わってきております。ただ、私といたしましては、知事の決断も尊重いたします。同時に、佐世保市自体もやはり二十九日が議会の最終である、この辺に議会としての決意もしたい、市長も決意したい、こうなっておりますから、やはり知事、市長あるいは両議会、こうしたものを総合的に判断をしていかざるを得まい、こういうふうに思っております。こいねがわくば、長崎並びに地元の佐世保の意見が似通った、できたら一致したものであるということをこいねがいながら待機いたしておりますので、私みずからは見通しはどうかということはちょっと御遠慮さしていただきます。
また、研究委員会で燃料棒を抜くことが多数の意見だが、可能か、そしてそれを青森県に要請できるかというお話でございますが、これは非常に重大な問題でございます。私自身といたしましては、今日も燃料棒はもうすでに御承知のとおりに冷態停止状態という状態で、私さわってもいいと思うのです。私みずからがさわってみようかと、さわれと言うのだったらさわろうと思うくらいのことであります。だから、科学技術的にはこれは絶対安全だということになっておりますから、そのままの姿で、できたら長崎に受け入れていただきたいと存じております。しかし、いま事は単に科学技術の純粋理論だけではなくして、多分に政治的な問題も加味され、あるいはまた社会的な問題も加味されておるということも私は重々存じておりますが、この問題、まだ正式に知事からもあるいは研究委員会からも御連絡を承っておらないときに、私がコメントするのはどうであろうかと存じております。したがいまして、現在、私の心境を申し上げれば、大丈夫だからひとつそのまま入れていただきたいということを申し上げる以外にございません。
その次は、県民感情は製作した港でやれということだ、県民感情から申し上げればそうした御意見もあろうかと存じますが、何分にも原子力船でございますから、したがいまして、これはその手続に従って六十日以前に入港届を出さなくちゃなりませんし、特に政府が昨年の二月に長崎県にお願いしたばかりでございますから、お願いをしておきながら、いやあなたのところ都合悪いからこちらだというわけにもまいりませんし、手続上そう簡単に製作した港へ持っていくというふうなことはとうてい現状では考えられない次第でございます。
したがいまして、唯一の被爆県であるということは重々承知いたしておりますが、これからは原子力船時代でございますから、原子力船に対する御理解をなお一層深めていただくように今後もわれわれは努力をいたしたい、かように存じておる次第でございます。だから、せっかくの中村委員の仰せでございますが、要請を撤回せよというのは、ちょっと私といたしましても、これは内閣の継続性でございますので、前内閣がお決めになったことは、自由民主党の内閣である以上は、これを継続していく。外国におきましても、いろいろ重要な問題は水際まで継続するというのが通例でございますから、ましてや、同じ自由民主党の内閣でございますので、これははなはだ私といたしましても、こういうようなことはできないということを申し上げざるを得ないわけでございます。
強行入港もあり得るかというのでございますが、できましたらそういうことのないように私は考えたい。やはりお互い国民同士でございますから、何かこう敵と味方に分かれたようなすさまじい光景を展開しながらこの問題が解決するということは、果たして今後の原子力行政のためにプラスになるかどうであろうかということも、やはり為政者といたしましては考えていかなくちゃなりません。特に、福田総理大臣もそうした点におきましては、極力県民の方々の御理解を仰いで、粛粛と青森県から出て粛々と長崎県に入る、そういうふうな方途で科学技術庁長官は努力せよ、こういうふうな厳命も受けております。決してさようなことを私は望む男ではございませんが、そのためにも御理解をお願いいたしたいと存ずる次第でございます。
なおかつ、母港問題でございますが、佐世保市当局は、これはひとつはっきり母港として、将来原子力船の建造、そうしたものに関しても、集約産業として佐世保市にそういうふうな産業を残していきたいものだというふうなお考え方を率直に申し述べられております。私も、これは一つの市長としての大見識であろう、こういうふうに考えております。そのために市長も非常に努力をしておられまして、できたら母港としてはっきりしてほしいのだ、こういうふうな考え方があろうかと存じます。しかしまた、長崎県という県もございますから、その中の佐世保市の問題でございます。いろいろとその間、やはり県民感情、市民感情等もございましょうから、その辺も考えながらやっていかなくちゃなりませんので、だから、今日ただいま佐世保を母港とするというふうなことは、ちょっと私からは慎まなければならないんじゃないだろうか。だから、とにかく佐世保で修繕をさしていただいて、三年の間に母港を決めたいものである、こういうふうに存じておるような次第でございます。
そのほかに、手を挙げている港はないかということでございますが、あちらこちらあるらしゅうございます。しかしながら、すぐにそれが間に合うかと申し上げますと、中には全く岸壁もない、埠頭もない、しゅんせつもしなくちゃならぬというふうなところもございましょうし、やはり一部の方々が賛成でございましても、住民の方々全部が、じゃそれに対して同調されるかどうか、まだこれは少しもわれわれといたしましては調査も何にもいたしておらない段階でございます。幾つかの方面から、おれのところはひとつ今後の発展のためにぜひともこれは受け入れたいというお気持ちは、どんどんと耳にいたしておるようなところでございますが、政府といたしましては、まだ、じゃどこにするかとか、調査をしたかとか、そういうことは全くいま考えておらないところでございます。
しかし、将来原子力船時代を迎えるわけでありますから、こういう問題に関しましても、やはり無事「むつ」を佐世保に入らしていただいて、そこで修繕を開始すると同時に、やはり私は、全国的にも母港問題というものは真剣に取り組んでいく必要があるのではなかろうか、こういうふうに考えております。いずれにいたしましても、修理期間の間に母港は決めなくちゃならぬ、こういうふうに考えておる次第でございます。
その次に、自民党内に外国修理の意見があるが検討したのかという問題でございます。これは、一部何か新聞で伝わったことがございますが、検討と申しますと、これは折衝したのかということになりますが、その折衝は全く外国とはいたしておりません。特にわれわれが考えるところは、やはり太平洋ということになれば、一番近いところはアメリカだなというふうなことを自民党内で言われた方々もおられまして、それが、私が就任いたしましてから一部にそういうような御意見もあったのですが、しかしもう佐世保にお願いをして、いまさら外国だというようなわけにいきますまい。しかしまあ、そういう御意見があれば、それに対してやはりお答えするのも科学技術庁長官としての務めであるからというので、政府委員の方に尋ねましたところ、昨年党内からもそういう声がありましたが、実は各国の法規を調べました、法規だけを。その結果、アメリカの法規なんかはもう全く何重にも関門がございまして、四月十四日、青森から出ていかなくちゃならないこのときに、じゃそこに修理頼むといったって、その修理自体に関しましても幾つもの法規がございまして、外国船はこの限りにあらずと、全く外国船を頭から適用除外のような国もあるので、とてもそれは無理でございましょうということはもう調べてありますということだったものですから、私も、そうした御意見を持っておられる方々には、実はこうだったんだとお伝えしたまででございまして、したがって、具体的にアメリカと折衝したとか、他国と折衝したということはないわけでございます。したがいまして、今日は、ひたすら佐世保市にお願いを申し上げたいというところでございます。
なおかつ、五十二年度の原子力船事業団の予算に関しまして、余り前向き過ぎるじゃないかという御意見でございますが、昨年は、残念にいたしまして、延長法案がとうとう流れてしまったわけでございます。われわれといたしましては、何としても昨年この法案を通していただきまして、しっかりした立場で「むつ」の改修に当たりたい、今後十年もかかるわけでございますから、そう思っておりましたが、流れました。しかし、ことしはぜひともこの事業団法の改正は国会で御承認を賜りまして、そして速やかに原子力船時代を迎えるその第一号船をりっぱな健全な体にして、国民の御信頼を仰いでやっていきたい。何と申し上げましてもいま日本は油を外国から輸入しておりますが、その油を運ぶのに油を食わなくちゃならないということじゃなくして、やはり原子力で船を動かした方が得策でございますから、さような意味でどうしてもことしは「むつ」のしっかりした体制を持ちたいものである、こう考えましたので、もちろんこの国会にも事業団法の延長改正法案を出しておるわけでございます。だから、これはもう間違いもなく通していただきたい、通ったらこれだけの仕事をしなくちゃならないということで、その予算も組んでおるような次第でございます。
いろいろ技術的な問題は、あるいは質問の中には含まれておるかもしれませんが、技術的な問題に関しましては局長の方から答弁をさしていただきたいと思います。