曾禰益の発言 (予算委員会第五分科会)

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○曽祢分科員 それでは質問を開始させていただきます。
 いまさら申し上げることもないのですけれども、憲法二十五条の、すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する、そして国が社会福祉、社会保障等についてその充実を図らなければならないというこの大方針が、現実において必ずしも理想どおりに行われていないというのが実態であることは、われわれも、悲しいことであるけれども、事実はそうではないかと思うのであります。したがいまして、この放送が取り上げようとした身障者の場合についても、わが国の現状においては、その身障者、精神及び肉体の障害者、心身障害者と言った方がいいのかと思いますが、この処遇について、憲法の理想どおりにいっていないということを全面的に、広範にとらえて、これを国民に知らせる、あるいは中学三年生の教材にするということならば、私は異論ございません。むろん個々の内容の取捨選択がいいか悪いかは別として。
 ところが、この特定の放送を聞きまして、その筆記をごらんになればわかるのでございますけれども、ここでは心身障害者の労働問題、雇用問題だけにしぼって取り上げているのですね。しかも具体的に東京都内の一製びん工場における——個人の名前をちゃんと具体的に出してあるのです。そこにおける心身障害者と健常者とに大きな賃金格差がある、だから理想と現実が食い違っている、こういうとらえ方をしているのですが、私の見るところでは、そのとらえ方は少しずれているのではないかと思うわけであります。
 以下、この放送の内容が私から見れば適当でないと思われる点を申し上げて、御意見を伺いたいと思います。
 その前に、私も多少手続上の勉強が不足であって、きょうNHKが来られてないのは非常に残念ですが、私の側にも手落ちがなかったわけではございませんから、それを問題にしていませんが、私はここで申し上げることをNHKの方に知らさないでやっているのではない。三月一日にNHKの学校放送番組の担当部長の石田さんという方、放送総局主幹の小池さんという方を私の衆議院会館にお招きいたしまして、この問題について私の意見を交えて意見の交換をやっております。その意見の交換は、結果的にはすれ違いでございましたけれども、本来ならばその継続として国会の場に来ていただいてやるつもりであった。決して不在判決なんということを私は考えておらなかった。この点を委員長初め同僚委員の方にもあらかじめ御了解願いたいと思います。
 そこで、私がこの内容が不適当だという理由は、いま申し上げましたように、元来、心身障害者と健常者との間には、実際上理想に反するような差があることは事実でございますけれども、それは同時に心身障害者に対しては、国及び社会が、いろいろな社会保障、福祉の面で、あるいは年金なりその他の方法で、何とかその差をなくするように努力していることは事実です。ただ、そのレベルが残念ながら西欧先進国に比べると非常に低過ぎる。でございますから、これを賃金の面だけでとらえるのはおかしいんじゃないか。心身障害者はそういったような他の方法による国の補助というものを受けているということも、一つのエレメントとして考慮に入れなければ公正な判断はできないと思うのです。
 それで、労働能力の著しく劣る心身障害者の場合には、最低賃金法による除外の許可を受けて能力に応じた賃金を支払うことも適法とされていると思うのです。まずこの点について労働省の見解を伺いたい。

発言情報

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発言者: 曾禰益

speaker_id: 12807

日付: 1977-03-11

院: 衆議院

会議名: 予算委員会第五分科会