田村元の発言 (運輸委員会)

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○国務大臣(田村元君) ただいま議題となりました外国等による本邦外航船舶運航事業者に対する不利益な取扱いに対する特別措置に関する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 国際海運の分野におきましては、伝統的に海運活動を事業者の自主性にゆだね、国家の干渉はできるだけ少なくすることが海運、ひいては貿易の発展に寄与するとの考えから、いわゆる海運自由の原則がとられてまいりました。
 しかしながら、近時、発展途上国の中には、自国商船隊の拡充等を目指して、法律等により自国関係貨物を自国船に留保する等の国旗差別政策を実施し、またはそれを強化するものが増加してきており、わが国海運は、このような国旗差別政策により大きな影響を受けております。
 これらの一方的な国旗差別政策については、海運自由の原則を守る立場から、直接影響を受けている民間海運事業者が、個々に交渉し、あるいは海運同盟の場においてその実施を控えさせるための交渉をするなどの措置をとってまいりましたが、政府といたしましても、他の先進海運諸国とも協調して、外交交渉によりこれらの国旗差別政策を改めさせるよう努力してまいりました。しかしながら、このような措置だけでは十分な効果が期待できないのがその実情であります。
 このため、日本・欧州政府間の団体である先進海運国閣僚会議におきましては、外交交渉によって問題が解決しない場合の究極的な手段として、国旗差別国の船舶の入港制限等を含む対抗措置を整備することが必要であるとの合意に至っており、欧州の先進海運諸国は、これらの国旗差別政策に対抗するため、すでに法律によってそれらの国の船舶に対する入港規制等の措置をとることができる制度を確立しております。
 わが国といたしましても、他の先進海運諸国と同じく、このような国旗差別政策を是正させるための外交交渉を推進する場合における究極的な法的対抗手段を整備する必要があり、そのため、外国等による本邦外航船舶運航事業者に対する不利益な取扱いに対する特別措置に関する法律を制定しようとするものであります。
 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
 本法律案は、第一に、本邦の外航船舶運航事業者が、外国等の国旗差別政策により不利益な取り扱いをされ、その利益が著しく害されている場合において、その事態に対処するため必要があると認めるときは、運輸大臣は、当該外国の外航船舶運航事業者に対し、一定期間内にその事態が消滅しないときは対抗措置を命ずることがある旨を通告することができることとしております。
 第二に、右の一定期間内に、本邦の外航船舶運航事業者の利益が著しく害されている事態がなお消滅していないと認める場合には、運輸大臣は、当該外国の外航船舶運航事業者に対し、その船舶について本邦の港への入港または本邦における貨物の積みおろしの制限または禁止を命ずることができることとしております。
 第三に、当該外国の外航船舶運航事業者が運輸大臣の命令に違反した場合には罰則を適用することとしております。
 これらのほか、運輸大臣が対抗措置の通告及び命令をする場合には、関係行政機関の長と協議して行うこととする等所要の規定を整備することとしております。
 以上がこの法律案を提出する理由であります。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。

発言情報

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発言者: 田村元

speaker_id: 6544

日付: 1977-04-21

院: 参議院

会議名: 運輸委員会