鈴木善幸の発言 (外務委員会)
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○国務大臣(鈴木善幸君) 四月交渉の段階におきましては、わが方が新領海法を成立を見ていない、また漁業水域に関する暫定措置法も成立がない、こういうようなことで、いわば向こうの一方的な幹部会令なり閣僚会議決定というようなものを、いかにしてこれを表現その他の面でわが方の立場を損なわないように、特に領土問題について影響を与えないようにと、こういう受け身の形での交渉に終始せざるを得なかった、これは率直に申し上げてそういう状況であったわけでございます。
しかし、五月二日に超党派の御支援、御協力によりまして海洋二法が成立をした。私はこれを携えまして再度五月三日に訪ソをし、五月五日からイシコフ大臣とこの海洋二法を背景にして交渉をやったわけでございます。
私は今回の交渉の経過を見、また結果を見まして、この国会の超党派の御協力による海洋二法の成立というものは、非常なこれは交渉において大きな力を与えてくれたと、このように評価をいたしておりますし、また、皆さん方の御協力に心からなる感謝を申し上げておるところでございます。
端的に具体的に申し上げましても、問題になりましたところの協定案文の第二条、すなわち、わが国の領海内でソ連漁船が操業する問題、この問題につきましては領海法の成立ということが決定的な役割りを持ったわけでございまして、三海里、十二海里の中でソ連が操業を続けてきたわけでありますけれども、この領海法、新領海法十二海里によりましてソ連もついにこの中における操業を断念せざるを得なかった。こういうことで、協定文第二文からも、今後両国政府の協議によって入り得る余地の明示的な第二文というものを設定したいということを執拗に言いましたけれども、これを拒否することができた。これはひとえに領海法のおかげでございます。私はこの点につきましても、法文の表現ぶり等からいってまだ余地があるのではないかと、ソ連がソ日協定に当たって十二海里の中の操業をもう一遍蒸し返してくるのではないかという御懸念があるようでございますけれども、この点につきましては、イシコフ大臣も完全にわが方の立場に理解を示し、明確に断念をいたしておりますから、ソ日協定におきましてもこのわが方の領海内における操業というものを蒸し返してくるようなことは絶対にない、また、わが方としては絶対にこれを受け入れないということを明確にしたわけでございます。これらの点は、海洋二法の成立が大きく今回の交渉に役立っておる、また大変な力になっておるということを、私は率直に交渉に当たった人間として申し上げ、また国会の超党派の御協力に感謝を申し上げる次第でございます。