外務委員会
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会
会議録情報#0
昭和五十二年六月八日(水曜日)
午前十一時四十四分開会
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委員の異動
六月八日
辞任 補欠選任
羽生 三七君 竹田 四郎君
川村 清一君 安永 英雄君
小笠原貞子君 渡辺 武君
—————————————
出席者は左のとおり。
委員長 寺本 広作君
理 事
大鷹 淑子君
亀井 久興君
秦野 章君
小柳 勇君
委 員
岡田 広君
長谷川 信君
福井 勇君
二木 謙吾君
川村 清一君
久保 亘君
竹田 四郎君
対馬 孝且君
羽生 三七君
安永 英雄君
塩出 啓典君
矢原 秀男君
立木 洋君
渡辺 武君
田渕 哲也君
国務大臣
外 務 大 臣 鳩山威一郎君
農 林 大 臣 鈴木 善幸君
政府委員
防衛庁防衛局長 伊藤 圭一君
外務省アジア局
長 中江 要介君
外務省アジア局
次長 大森 誠一君
外務省欧亜局長 宮澤 泰君
外務省条約局長 中島敏次郎君
外務省条約局外
務参事官 村田 良平君
水産庁長官 岡安 誠君
水産庁次長 佐々木輝夫君
資源エネルギー
庁次長 大永 勇作君
資源エネルギー
庁石油部長 古田 徳昌君
事務局側
常任委員会専門
員 服部比左治君
説明員
外務大臣官房外
務参事官 井口 武夫君
—————————————
本日の会議に付した案件
○北西太平洋のソヴィエト社会主義共和国連邦の
地先沖合における千九百七十七年の漁業に関す
る日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦
政府との間の協定の締結について承認を求める
の件(内閣提出、衆議院送付)
○日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸
棚の北部の境界画定に関する協定及び日本国と
大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部
の共同開発に関する協定の締結について承認を
求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
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この発言だけを見る →午前十一時四十四分開会
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委員の異動
六月八日
辞任 補欠選任
羽生 三七君 竹田 四郎君
川村 清一君 安永 英雄君
小笠原貞子君 渡辺 武君
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出席者は左のとおり。
委員長 寺本 広作君
理 事
大鷹 淑子君
亀井 久興君
秦野 章君
小柳 勇君
委 員
岡田 広君
長谷川 信君
福井 勇君
二木 謙吾君
川村 清一君
久保 亘君
竹田 四郎君
対馬 孝且君
羽生 三七君
安永 英雄君
塩出 啓典君
矢原 秀男君
立木 洋君
渡辺 武君
田渕 哲也君
国務大臣
外 務 大 臣 鳩山威一郎君
農 林 大 臣 鈴木 善幸君
政府委員
防衛庁防衛局長 伊藤 圭一君
外務省アジア局
長 中江 要介君
外務省アジア局
次長 大森 誠一君
外務省欧亜局長 宮澤 泰君
外務省条約局長 中島敏次郎君
外務省条約局外
務参事官 村田 良平君
水産庁長官 岡安 誠君
水産庁次長 佐々木輝夫君
資源エネルギー
庁次長 大永 勇作君
資源エネルギー
庁石油部長 古田 徳昌君
事務局側
常任委員会専門
員 服部比左治君
説明員
外務大臣官房外
務参事官 井口 武夫君
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本日の会議に付した案件
○北西太平洋のソヴィエト社会主義共和国連邦の
地先沖合における千九百七十七年の漁業に関す
る日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦
政府との間の協定の締結について承認を求める
の件(内閣提出、衆議院送付)
○日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸
棚の北部の境界画定に関する協定及び日本国と
大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部
の共同開発に関する協定の締結について承認を
求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
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寺
寺本廣作#1
○委員長(寺本広作君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、小笠原貞子君が辞任され、その補欠として渡辺武君が選任されました。
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この発言だけを見る →この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、小笠原貞子君が辞任され、その補欠として渡辺武君が選任されました。
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寺
寺本廣作#2
○委員長(寺本広作君) 北西太平洋のソヴィエト社会主義共和国連邦の地先沖合における千九百七十七年の漁業に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との問の協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。
これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。
この発言だけを見る →これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。
川
川村清一#3
○川村清一君 質疑に入る前に一言鈴木農林大臣に申し上げたいと思いますが、協定の内容につきましてはいろいろ問題がありますので、これにつきましては質疑を通していろいろ意見を申し上げますが、しかし、本協定を取り決められるまでに当たりまして三回も訪ソされ、そして九十日間にわたる長期間非常に御苦労されましたことにつきましては、心から敬意を表します。
それで質疑に入りますが、まず最初にお伺いいたしたいことは、人類共通の財産である海洋の利用についてでありますが、これはもう今日、二百海里時代という新しい海洋法時代に入ったことをわれわれは厳格にこれを認めなければならない、こういうふうに思いますが、これは外務大臣でも農林大臣でも結構でございますが、これに対する御所見をひとつお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →それで質疑に入りますが、まず最初にお伺いいたしたいことは、人類共通の財産である海洋の利用についてでありますが、これはもう今日、二百海里時代という新しい海洋法時代に入ったことをわれわれは厳格にこれを認めなければならない、こういうふうに思いますが、これは外務大臣でも農林大臣でも結構でございますが、これに対する御所見をひとつお伺いしたいと思います。
鳩
鳩山威一郎#4
○国務大臣(鳩山威一郎君) ただいま川村先生御指摘のように、二百海里時代が急速に訪れたという感がいたすわけでございます。
第三次国連海洋法会議が始まりまして以来、二百海里の経済水域の問題、これが論議をされてまいったわけでございます。日本政府といたしましては、このようなことは国際的な取り決めができて、それから各国が実施をするということが至当であるというふうに考えてきたわけでございますけれども、このことがまだ実現しないうちに、それぞれ広い沿岸を持つ国が国内法でこれを実施するに至ったということは、私どもといたしましてはやはり問題があると思いますが、現実問題として、ただいま御指摘のように、各国、広い沿岸を持つ国が実施するに至ったということでございまして、わが国といたしましても急遽これに対処しなきゃならない、こういう時代になったということは御指摘のとおりでございます。
この発言だけを見る →第三次国連海洋法会議が始まりまして以来、二百海里の経済水域の問題、これが論議をされてまいったわけでございます。日本政府といたしましては、このようなことは国際的な取り決めができて、それから各国が実施をするということが至当であるというふうに考えてきたわけでございますけれども、このことがまだ実現しないうちに、それぞれ広い沿岸を持つ国が国内法でこれを実施するに至ったということは、私どもといたしましてはやはり問題があると思いますが、現実問題として、ただいま御指摘のように、各国、広い沿岸を持つ国が実施するに至ったということでございまして、わが国といたしましても急遽これに対処しなきゃならない、こういう時代になったということは御指摘のとおりでございます。
川
川村清一#5
○川村清一君 このような時代を迎えるに至った経過を考えてみたときに、わが日本としても相当反省しなければならない点があるんではないかと、こう私は率直に思うわけでありますが、二百海里時代というものが国連の海洋法会議で取り上げられるようなそういう原因をつくったのは一体だれか、日本にはそういう責任はなかったかどうか、こういうようなことについてどうお考えになられますか。
この発言だけを見る →鈴
鈴木善幸#6
○国務大臣(鈴木善幸君) わが国の今日までとってまいりました漁業政策は、率直に、沿岸から沖合い、沖合いから遠洋漁業へと、そういう一連の政策を進めてきたわけでございます。これは今日厳しい、冷厳な二百海里時代を迎えまして、また反省もし、再検討も迫られておるということでございます。
ただ、この際御理解を賜りたいことは、沿岸の漁民、これをできるだけ日本列島周辺では操業の機会を与える。これに大企業その他の漁船が同じ海域で沿岸漁業と摩擦を起こすということは適当でない。また、わが国のたん白食糧の過半を水産たん白で賄っておるという国の要請、食糧事情等からいたしまして、大型漁船、大手の漁業というものは沿岸の漁業を圧迫しないように、それとの操業の場をできるだけ競合を避けるという意味でそういう政策をとってきたわけでございます。その間におきまして、沿岸国の沖合いにおいて過度の漁獲をしたり資源を荒らすような行き過ぎがあったという点は反省せざるを得ない点でございます。
しかし私どもは、この二百海里時代というものを迎えまして、そういう過去の行き過ぎにつきましては十分反省もし、これに対応する新しいわが国の漁業体制、操業体制というものを確立をしなければならない、このように考えております。
この発言だけを見る →ただ、この際御理解を賜りたいことは、沿岸の漁民、これをできるだけ日本列島周辺では操業の機会を与える。これに大企業その他の漁船が同じ海域で沿岸漁業と摩擦を起こすということは適当でない。また、わが国のたん白食糧の過半を水産たん白で賄っておるという国の要請、食糧事情等からいたしまして、大型漁船、大手の漁業というものは沿岸の漁業を圧迫しないように、それとの操業の場をできるだけ競合を避けるという意味でそういう政策をとってきたわけでございます。その間におきまして、沿岸国の沖合いにおいて過度の漁獲をしたり資源を荒らすような行き過ぎがあったという点は反省せざるを得ない点でございます。
しかし私どもは、この二百海里時代というものを迎えまして、そういう過去の行き過ぎにつきましては十分反省もし、これに対応する新しいわが国の漁業体制、操業体制というものを確立をしなければならない、このように考えております。
川
川村清一#7
○川村清一君 私は、昭和四十年に本院の議員になったわけでありますが、今日まで十二年間、そのうち八年間は農林水産委員会に所属しております。
この漁業の動向に関する年次報告、つまり漁業白書でありますが、これは昭和四十一年度のものでございますが、この昭和四十年度におきましては、四十年は海・内漁業における総生産量というものは六百九十万トン、三十九年は六百三十五万トン、これが昭和五十年、四十九年、もう十年間の間に一千万トンを超えているではありませんか。これはあなた方の国益観から言うと、あるいはまた高度経済成長の経済政策から言えば、まことに結構なことであるかもしれません。そしてその一千万トンになった総生産量の約四〇%から四五%、四百万トンから四百五十万トンというものは、これは遠洋漁業によって漁獲しておるのが現実の姿であります。そして日本は世界一の水産国になっておるわけであります。
いま鈴木農林大臣がおっしゃいましたように、沿岸から沖合いへ、沖合いから遠洋へという、こういう政策の上に立って、外延的に日本の漁業というものを外へ外へと伸ばしていった。したがってこのように生産が伸びていった。
ところが、この問題に対して世界各国はどういう評価をしておったか。特に開発途上国の国々はどのような評価をなされておったか。端的に言って、今日のこの二百海里問題というのは、これは一つは南北の問題である。いわゆる先進国とそれに対する開発途上国の資源に対する一つの戦いといいますか、開発途上国の資源ナショナリズムのあらわれがここに出てきたのであって、でありますから、一九七三年の第三次国連海洋法会議の第一会期において、アフリカのある国の代表はこういうようなことを言っているではありませんか。自国の沿岸をすっかり汚染してしまって、沿岸でとれる魚を食べられないほど沿岸を汚してしまって、そしてその国がわがアフリカの沿岸に来て魚を乱獲しているではないかと、こういう発言をしておる。暗に日本を指しているではありませんか。日本だけではない、ソ連もこの中に入っている、いわゆる世界の先進国が後進国の資源を乱獲した。このあらわれが今日のこの事態を迎える原因になったと私はそう判断している。これに対して政府の御見解をお聞きしたい。
この発言だけを見る →この漁業の動向に関する年次報告、つまり漁業白書でありますが、これは昭和四十一年度のものでございますが、この昭和四十年度におきましては、四十年は海・内漁業における総生産量というものは六百九十万トン、三十九年は六百三十五万トン、これが昭和五十年、四十九年、もう十年間の間に一千万トンを超えているではありませんか。これはあなた方の国益観から言うと、あるいはまた高度経済成長の経済政策から言えば、まことに結構なことであるかもしれません。そしてその一千万トンになった総生産量の約四〇%から四五%、四百万トンから四百五十万トンというものは、これは遠洋漁業によって漁獲しておるのが現実の姿であります。そして日本は世界一の水産国になっておるわけであります。
いま鈴木農林大臣がおっしゃいましたように、沿岸から沖合いへ、沖合いから遠洋へという、こういう政策の上に立って、外延的に日本の漁業というものを外へ外へと伸ばしていった。したがってこのように生産が伸びていった。
ところが、この問題に対して世界各国はどういう評価をしておったか。特に開発途上国の国々はどのような評価をなされておったか。端的に言って、今日のこの二百海里問題というのは、これは一つは南北の問題である。いわゆる先進国とそれに対する開発途上国の資源に対する一つの戦いといいますか、開発途上国の資源ナショナリズムのあらわれがここに出てきたのであって、でありますから、一九七三年の第三次国連海洋法会議の第一会期において、アフリカのある国の代表はこういうようなことを言っているではありませんか。自国の沿岸をすっかり汚染してしまって、沿岸でとれる魚を食べられないほど沿岸を汚してしまって、そしてその国がわがアフリカの沿岸に来て魚を乱獲しているではないかと、こういう発言をしておる。暗に日本を指しているではありませんか。日本だけではない、ソ連もこの中に入っている、いわゆる世界の先進国が後進国の資源を乱獲した。このあらわれが今日のこの事態を迎える原因になったと私はそう判断している。これに対して政府の御見解をお聞きしたい。
鈴
鈴木善幸#8
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は川村さんが御指摘になりましたように、漁業資源だけでなしに、この海洋に対する二百海里の沿岸国の主権的権利を行使しようということは、一つの資源ナショナリズムのあらわれでもあると思います。私は先ほど来率直に、行き過ぎたこれら開発途上国の沿岸におけるわが国漁船の過度の漁獲、乱獲等につきましては、この際深刻に反省をしなければならないということを申し上げたわけでありますが、一面におきまして、ほかの海底の資源等と違いまして、水産資源というのはとらないからといってそれだけふえるものではない、やはり適正な漁獲をやる、また保存の措置を講ずる、こういうことで人類全体の食糧問題に貢献できるものだと、このように考えております。二百海里というなわ張りを張って、自分もとらない、人にもとらせない、そして魚は世代交代をしていくと、こういうようなことでは、私は人類共有の財産、貴重な食糧資源というものを本当に活用するゆえんではない、このように考えます。
そういうようなことで、今後沿岸国との協調また技術協力その他を通じまして十分相協力をし、その理解の上に立って適正な漁獲量を上げて、再生産を十分確保するような措置を講じながら人類全体の食糧問題に貢献をしていくということが必要であろうかと、このように思うわけでございます。
この発言だけを見る →そういうようなことで、今後沿岸国との協調また技術協力その他を通じまして十分相協力をし、その理解の上に立って適正な漁獲量を上げて、再生産を十分確保するような措置を講じながら人類全体の食糧問題に貢献をしていくということが必要であろうかと、このように思うわけでございます。
川
川村清一#9
○川村清一君 農林大臣のおっしゃることを否定するものではないのです。その原則は国連の海洋法会議の中でも議論されておりますし、きのうの本会議における質問に対する御答弁の中にも、いまや実績主義ではなくて余剰原則というか余剰主義という立場に立って考えられるようになってきておるということは、いま大臣がおっしゃっていると同じことであって、これは海中の生物であっても生物ですから、これは利用しなければ、とらなければいつまでも生きているというものでなくて、やがてこれは死滅するのでありますから、その沿岸国が利用してなお余りあるものがあるならばよその国にこれを分かち与えるというこういう考え方、これは言うまでもなくいまの海洋法会議における単一草案の中にきちんと出ているわけでありますから、それは否定するものではないのです。
しかし、これはひとつ考えていただきたい。われわれ社会党は、国連海洋法会議の一九七三年のそのときから、これはもう世界の大勢である、歴史はそういうふうに動いているのである、歯車はそっちの方に回っているのだ、もうこれを逆転させることはできない、いわゆる開発途上国の資源ナショナリズムのあらわれなんだから、だからこの当時におきましては日本はもちろんアメリカもソビエトも反対しておった。いわゆる先進国は皆反対しておった。しかしわれわれは、これは阻止することのできない流れであるから、ただ反対反対と言うのではなくて、むしろ日本が主導権を持ってこれをまとめる方向に努力すべきである、そしてそのまとめる中でこの日本の今日までの遠洋漁業の実績というものをできるだけ守っていかなければならない。これが沿岸国が勝手に一方的に二百海里の線を引いていったならば、もう海洋の秩序というものは全くなくなってしまってめちゃめちゃになる、その結果は日本の遠洋漁業そのものが壊滅状態になるのではないかということを恐れて、だから政府はまとめる方向に努力するとともに、日本の遠洋漁業の既得権を守るために強力ないわゆる水産外交というか漁業外交というか、この外交を進めるべきであるということを主張し、政府に進言してきたわけであります。一体日本の政府、特に外務省はどういう態度できましたか、やってきましたか、どうですか。
この発言だけを見る →しかし、これはひとつ考えていただきたい。われわれ社会党は、国連海洋法会議の一九七三年のそのときから、これはもう世界の大勢である、歴史はそういうふうに動いているのである、歯車はそっちの方に回っているのだ、もうこれを逆転させることはできない、いわゆる開発途上国の資源ナショナリズムのあらわれなんだから、だからこの当時におきましては日本はもちろんアメリカもソビエトも反対しておった。いわゆる先進国は皆反対しておった。しかしわれわれは、これは阻止することのできない流れであるから、ただ反対反対と言うのではなくて、むしろ日本が主導権を持ってこれをまとめる方向に努力すべきである、そしてそのまとめる中でこの日本の今日までの遠洋漁業の実績というものをできるだけ守っていかなければならない。これが沿岸国が勝手に一方的に二百海里の線を引いていったならば、もう海洋の秩序というものは全くなくなってしまってめちゃめちゃになる、その結果は日本の遠洋漁業そのものが壊滅状態になるのではないかということを恐れて、だから政府はまとめる方向に努力するとともに、日本の遠洋漁業の既得権を守るために強力ないわゆる水産外交というか漁業外交というか、この外交を進めるべきであるということを主張し、政府に進言してきたわけであります。一体日本の政府、特に外務省はどういう態度できましたか、やってきましたか、どうですか。
鳩
鳩山威一郎#10
○国務大臣(鳩山威一郎君) わが国の国連海洋法会議に臨みます態度というものは、当初は二百海里問題につきまして積極性を持っていなかった面もございます。しかし、わが国に対します開発途上国の批判というものもございますけれども、わが国が最も大きく依存しておりましたのは北洋漁業でございますし、またアメリカとの間、ソビエトとの間、このような大国との間で、この間におきましては従来から条約のもとに資源の保存という点も考えて漁業を実施してきた、こういう経過でございます。
海洋法の秩序というものにつきまして、昨年からわが国といたしましても二百海里時代、こういった方向を認める方向に進んできたわけでございます。その間にはいろいろな変化があったわけでございますが、南北問題という点におきましていま御指摘ありましたけれども、また一方におきまして大国が広大な沿岸を持っておって、それが海洋資源も支配をするという点につきまして、また小国あるいは沿岸を持たない国、これらの国の批判というものも非常に強くあったわけであります。そういったことでわが国の二百海里に対する体制というものがいま御指摘のようにおくれたという点は率直に認めなければなりません。しかし、過去におきましてはいろいろな問題があったということもお認めいただきたいと思うのでございます。
この発言だけを見る →海洋法の秩序というものにつきまして、昨年からわが国といたしましても二百海里時代、こういった方向を認める方向に進んできたわけでございます。その間にはいろいろな変化があったわけでございますが、南北問題という点におきましていま御指摘ありましたけれども、また一方におきまして大国が広大な沿岸を持っておって、それが海洋資源も支配をするという点につきまして、また小国あるいは沿岸を持たない国、これらの国の批判というものも非常に強くあったわけであります。そういったことでわが国の二百海里に対する体制というものがいま御指摘のようにおくれたという点は率直に認めなければなりません。しかし、過去におきましてはいろいろな問題があったということもお認めいただきたいと思うのでございます。
川
川村清一#11
○川村清一君 それはわかるんですけれども、とにかく海洋法会議に対する対処の仕方もきわめて消極的であった。私なんかは農林水産委員会で農林大臣に海洋法会議に出る政府代表は大臣クラスの方、そういう大物を出すべきでないかということを申し上げておったが、そういったようなことについても一つも心配りがなかった、そうしてようやく賛成といいますか、その体制をまとめるように動き出したのは去年ぐらいからであって、それまではもう反対をしておった。
ところが、一体日本政府は、アメリカやソビエト、日本とともに反対しておった国がどういう動き方をしておるかということをちっとも見ておらない。われわれは必ずアメリカ、ソ連はこれに乗ってくるだろうというふうに見ておった。特にアメリカであります。アメリカがやったら必ずソ連もやるんだから、まずアメリカを抑えなければならない。いわゆる世界の全部の国が合意する前にアメリカが一方的に漁業専管水域二百海里なんというものを決めるようなことになったら、これは必ずソ連もやるから大変なことになるということで、アメリカを抑えるようにということをずいぶん進言してきました。
アメリカが一体何でやったか、反対しておったアメリカが何で一方的にこの二百海里を設定したか、その原因をつくったのはどこの国か、これは日本の国でしょう。いわゆるアメリカの水域に行って日本の船が余りにとりまくるものだからアラスカの漁民あたりから非常に苦情が出てきて、そうしてアラスカ州の国会議員が議員立法としてこの法案を出したわけですよ、御承知のように。そうしてアメリカの国会を通ってしまった。その時点でフォード大統領は拒否して署名しないであろうというような見方を外務省の方は持っておったんではないですか。日本のパートナーのアメリカが日本の反対を押し切ってやるなんということはないだろうといったような甘い見方をしておったんではないでしょうか。
フォードだってこれは政治家ですから、大統領選挙のときにアラスカ州から出たその議員立法に反対するようなことであったら選挙に大きな影響があるから、これはもう署名してしまって、そこでアメリカは一九七七年三月一日から沿岸二百海里を漁業専管水域にするという法律を制定してしまったんです。アメリカがやったら必ずソ連がやる、これはわかり切ったことじゃないですか、対抗上。なぜかならば、ソ連は日本以上に世界の遠洋漁業国。わが国が総漁獲量の中の四〇%から四五形を遠洋に依存しておるが、ソ連は総漁獲量の六〇%から六五%を遠洋で漁業している世界一の遠洋漁業国です。そのソ連がアメリカから締め出され、カナダからも締め出され、ヨーロッパ、ECからも締め出され、ノルウェーからも締め出されるということになったら、当然ソ連は自国の水域の資源を守るという立場の政策をとることは当然ではないですか。日本だってその立場になったらそういうような意見が出てくると思うんです。
ただ、アメリカの水域とソ連の水域の違うところは、アメリカの言っているのは、また後で質問しますが、日本のたとえばスケトウの漁獲にしましても、これは大手資本会社のいわゆる母船式の底びき船だ。ところがソ連の二百海里水域というものは、わが国の中小漁業の漁場である。しかも北洋漁業というのは決して、ソ連の二百海里の水域ではあるけれども、ソ連人が開拓した漁業ではないんです。全部日本の漁船が、特に北海道の漁業者が小さな船で、本当に血と汗を流して命がけで開発した漁業である。サケ・マス漁業に一つ例をとってみるというと、この十年間でサケ・マス漁業だけで死んだ漁師の方が百十五人いる。あの広い海のどこへ網を刺しても魚がいるというものではない、これは御存じのとおり。ツブ漁業一つとっても、エビ漁業をとっても、あるいはニシン、サケ・マスはもちろんのこと、スケトウにしても、どこへ行くというとそういう魚がいるか、どういう漁法でやればその資源をよくとれるか、これは全部北海道の漁民を主として日本の漁業者が本当に命がけで開拓した漁業なんです。そうして、この漁業というものは日本の国民経済の上に重大な影響を与えておる。特に北海道の経済さらに道民生活、日本国民全体の食糧の問題からいっても重大な問題であるから、したがってソ連がもしやるようなことになったらこれは大変なことになるので、アメリカを抑えるようにということをやってきたが、何も手を打ってない。ですから、ソ連も一九七七年三月一日からこれを実施するということを去年の十二月、最高会議幹部会において決定をして幹部会令として布告をしたではありませんか。それを受けてことしの二月、閣僚会議が決定をして全部具体的に線引きもやってしまった。そこでこっちの方は、日本の方はあわて出した。鈴木農林大臣は二月の末に訪ソされておるんです。その時点から日本政府があわて出して、そうして今日まで非常な心労をされて、国民は深刻な影響を受け、損害を受けておる、これが実態ではないですか。
一体、外務省の日本大使館なんというのは何をやっているんですか。アメリカの動きがどうだとか、ソ連の動きがどうだとかという、そういう情報を何かとっているのかどうか。情報もわからなかったら先に手を打ったって手を打てないでしょう。だから外交がすべて後手後手、そうしてその場限りの外交をやって、もはやその事態が発生してからあわてふためいているというのが、これが実態ではないですか、どうですか。これは外務大臣と農林大臣から御見解をお聞きしたい。
この発言だけを見る →ところが、一体日本政府は、アメリカやソビエト、日本とともに反対しておった国がどういう動き方をしておるかということをちっとも見ておらない。われわれは必ずアメリカ、ソ連はこれに乗ってくるだろうというふうに見ておった。特にアメリカであります。アメリカがやったら必ずソ連もやるんだから、まずアメリカを抑えなければならない。いわゆる世界の全部の国が合意する前にアメリカが一方的に漁業専管水域二百海里なんというものを決めるようなことになったら、これは必ずソ連もやるから大変なことになるということで、アメリカを抑えるようにということをずいぶん進言してきました。
アメリカが一体何でやったか、反対しておったアメリカが何で一方的にこの二百海里を設定したか、その原因をつくったのはどこの国か、これは日本の国でしょう。いわゆるアメリカの水域に行って日本の船が余りにとりまくるものだからアラスカの漁民あたりから非常に苦情が出てきて、そうしてアラスカ州の国会議員が議員立法としてこの法案を出したわけですよ、御承知のように。そうしてアメリカの国会を通ってしまった。その時点でフォード大統領は拒否して署名しないであろうというような見方を外務省の方は持っておったんではないですか。日本のパートナーのアメリカが日本の反対を押し切ってやるなんということはないだろうといったような甘い見方をしておったんではないでしょうか。
フォードだってこれは政治家ですから、大統領選挙のときにアラスカ州から出たその議員立法に反対するようなことであったら選挙に大きな影響があるから、これはもう署名してしまって、そこでアメリカは一九七七年三月一日から沿岸二百海里を漁業専管水域にするという法律を制定してしまったんです。アメリカがやったら必ずソ連がやる、これはわかり切ったことじゃないですか、対抗上。なぜかならば、ソ連は日本以上に世界の遠洋漁業国。わが国が総漁獲量の中の四〇%から四五形を遠洋に依存しておるが、ソ連は総漁獲量の六〇%から六五%を遠洋で漁業している世界一の遠洋漁業国です。そのソ連がアメリカから締め出され、カナダからも締め出され、ヨーロッパ、ECからも締め出され、ノルウェーからも締め出されるということになったら、当然ソ連は自国の水域の資源を守るという立場の政策をとることは当然ではないですか。日本だってその立場になったらそういうような意見が出てくると思うんです。
ただ、アメリカの水域とソ連の水域の違うところは、アメリカの言っているのは、また後で質問しますが、日本のたとえばスケトウの漁獲にしましても、これは大手資本会社のいわゆる母船式の底びき船だ。ところがソ連の二百海里水域というものは、わが国の中小漁業の漁場である。しかも北洋漁業というのは決して、ソ連の二百海里の水域ではあるけれども、ソ連人が開拓した漁業ではないんです。全部日本の漁船が、特に北海道の漁業者が小さな船で、本当に血と汗を流して命がけで開発した漁業である。サケ・マス漁業に一つ例をとってみるというと、この十年間でサケ・マス漁業だけで死んだ漁師の方が百十五人いる。あの広い海のどこへ網を刺しても魚がいるというものではない、これは御存じのとおり。ツブ漁業一つとっても、エビ漁業をとっても、あるいはニシン、サケ・マスはもちろんのこと、スケトウにしても、どこへ行くというとそういう魚がいるか、どういう漁法でやればその資源をよくとれるか、これは全部北海道の漁民を主として日本の漁業者が本当に命がけで開拓した漁業なんです。そうして、この漁業というものは日本の国民経済の上に重大な影響を与えておる。特に北海道の経済さらに道民生活、日本国民全体の食糧の問題からいっても重大な問題であるから、したがってソ連がもしやるようなことになったらこれは大変なことになるので、アメリカを抑えるようにということをやってきたが、何も手を打ってない。ですから、ソ連も一九七七年三月一日からこれを実施するということを去年の十二月、最高会議幹部会において決定をして幹部会令として布告をしたではありませんか。それを受けてことしの二月、閣僚会議が決定をして全部具体的に線引きもやってしまった。そこでこっちの方は、日本の方はあわて出した。鈴木農林大臣は二月の末に訪ソされておるんです。その時点から日本政府があわて出して、そうして今日まで非常な心労をされて、国民は深刻な影響を受け、損害を受けておる、これが実態ではないですか。
一体、外務省の日本大使館なんというのは何をやっているんですか。アメリカの動きがどうだとか、ソ連の動きがどうだとかという、そういう情報を何かとっているのかどうか。情報もわからなかったら先に手を打ったって手を打てないでしょう。だから外交がすべて後手後手、そうしてその場限りの外交をやって、もはやその事態が発生してからあわてふためいているというのが、これが実態ではないですか、どうですか。これは外務大臣と農林大臣から御見解をお聞きしたい。
鳩
鳩山威一郎#12
○国務大臣(鳩山威一郎君) 御指摘のように、二百海里をアメリカ並びにソ連が国内法で実施をした。アメリカの二百海里の立法の動きにつきましては、アメリカの国柄でありますから、日本としても十分にわかっておったわけでございます。国連海洋法の進展がなかなか結論が出ないということもあって、議員立法の動きに対しまして、大統領といたしましても拒否権の発動ができなかったと思います。そういう事態に対しまして、日本といたしましては、この海洋法会議の結論が出る前に単独で措置をされることにつきましては、日本としては極力説得に努力をしておったところでございます。しかし、事態は急転をして議員立法の成立を見て、特にただいま御指摘のようなアラスカの議員の熱心な方がおられまして、ついに法案が成立をしたというのが御指摘のとおりな経過でございます。
外務省あるいは在外公館といたしましても、農林当局と連絡をとりながら努力をしたところでございますけれども、事実はいま御指摘のような経過になったということでございまして、いまここでいろいろ言いわけめいたことは申しても仕方がありませんけれども、努力を続けておりましたけれども、このような経過になったということでございます。
わが国自身といたしまして、国会の御配慮によりまして、五月二日にわが国といたしましても、漁業水域に関する暫定措置法を急遽お認めをいただいたことにつきましては、厚く御礼を申し上げる次第でございますが、対処のおくれましたことにつきまして、これは大変残念なことであると言うほかないと思います。
この発言だけを見る →外務省あるいは在外公館といたしましても、農林当局と連絡をとりながら努力をしたところでございますけれども、事実はいま御指摘のような経過になったということでございまして、いまここでいろいろ言いわけめいたことは申しても仕方がありませんけれども、努力を続けておりましたけれども、このような経過になったということでございます。
わが国自身といたしまして、国会の御配慮によりまして、五月二日にわが国といたしましても、漁業水域に関する暫定措置法を急遽お認めをいただいたことにつきましては、厚く御礼を申し上げる次第でございますが、対処のおくれましたことにつきまして、これは大変残念なことであると言うほかないと思います。
鈴
鈴木善幸#13
○国務大臣(鈴木善幸君) 川村先生御指摘のような経過をまさにとっておるわけでございます。水産庁としても、外務省並びに在外公館と連絡をとり、できるだけの情報の収集にも努めておったわけでございます。また、国会議員団の中でも海洋問題に関心を持たれる方が——私もそのメンバーの一人であったわけでありますが、海洋議員連盟というようなものをつくって、一昨年あたりからアメリカの同様の関心を持つ議会人の諸君と接触をとり、しばしば交流もいたしましてこの問題に取り組んできた。またそれらの諸君も、海洋法会議で会議がだんだん進んでおる段階において、世界の政治経済のリーダーであるアメリカが先んじてそれをやるということは適当でないと、こういうようなことで、それなりの努力を国内の国会等においてもやってくれておったわけでありますが、残念ながら選挙その他の諸情勢等もありまして、アメリカが大国としては先頭を切ったと、それにソ連が呼応したと、こういうような状況でございます。
対ソ連の関係におきましても、一九七六年の十二月十日に幹部会令が発布されたわけでありまして、今年二月二十四日にそれを体して閣僚会議の決定がなされた。この間におきまして、水産庁からは松浦部長をモスクワに派遣をいたしまして、ソ連漁業省当局といろいろ接触をしておったわけであります。その結果、両国の大臣間の話し合いでこの二百海里問題を今後話し合う、それがまずスタートラインである、ぜひ両国の両大臣間で会談を持とうではないか、それなくしては今後の話し合いに入れない、こういうことがようやくソ側から正式の連絡がございまして、私が二月二十七日に第一回の訪ソをしたと、こういう経過に相なっております。
農林省としても、そういうようなことでできるだけのソ側との接触等につきましても努力を重ねておったわけでありますが、結果的にこのような推移をたどったということにつきましては、外務大臣が申し上げましたように、まことに残念にたえないところでございます。
この発言だけを見る →対ソ連の関係におきましても、一九七六年の十二月十日に幹部会令が発布されたわけでありまして、今年二月二十四日にそれを体して閣僚会議の決定がなされた。この間におきまして、水産庁からは松浦部長をモスクワに派遣をいたしまして、ソ連漁業省当局といろいろ接触をしておったわけであります。その結果、両国の大臣間の話し合いでこの二百海里問題を今後話し合う、それがまずスタートラインである、ぜひ両国の両大臣間で会談を持とうではないか、それなくしては今後の話し合いに入れない、こういうことがようやくソ側から正式の連絡がございまして、私が二月二十七日に第一回の訪ソをしたと、こういう経過に相なっております。
農林省としても、そういうようなことでできるだけのソ側との接触等につきましても努力を重ねておったわけでありますが、結果的にこのような推移をたどったということにつきましては、外務大臣が申し上げましたように、まことに残念にたえないところでございます。
川
川村清一#14
○川村清一君 農林大臣にお尋ねしますが、政府が提案されました領海法並びに二百海里法につきましては、国民の利益を守るためにも何としても日ソ漁業協定を早く、しかも有利に締結をしてほしいということから、国会におきましては衆参両院ともまさに超党派的に協力して、そして政府の大体希望される時点に合わせてこの法律を制定したことは御存じのとおりであります。
さて、われわれが二百海里法を決めて、このことによってソ連と日本とはいろいろ議論する共同の土俵ができるんだ、その共同の土俵の上で鈴木農林大臣と向こうのイシコフ漁業大臣とひとつ相撲をとって、ぜひ鈴木さんに勝ってもらいたい、こういう期待を持っておったんですが、どうも今度の暫定協定案を見ますというと、せっかくわれわれ努力したんですが、この二百海里法なり領海法というものは大して利用されなかったんではないか、大したメリットもなかったんではないか、率直に言ってそう感じとられるんですが、交渉の当事者である鈴木農林大臣の率直な御見解をぜひ承っておきたいと思います。
この発言だけを見る →さて、われわれが二百海里法を決めて、このことによってソ連と日本とはいろいろ議論する共同の土俵ができるんだ、その共同の土俵の上で鈴木農林大臣と向こうのイシコフ漁業大臣とひとつ相撲をとって、ぜひ鈴木さんに勝ってもらいたい、こういう期待を持っておったんですが、どうも今度の暫定協定案を見ますというと、せっかくわれわれ努力したんですが、この二百海里法なり領海法というものは大して利用されなかったんではないか、大したメリットもなかったんではないか、率直に言ってそう感じとられるんですが、交渉の当事者である鈴木農林大臣の率直な御見解をぜひ承っておきたいと思います。
鈴
鈴木善幸#15
○国務大臣(鈴木善幸君) 四月交渉の段階におきましては、わが方が新領海法を成立を見ていない、また漁業水域に関する暫定措置法も成立がない、こういうようなことで、いわば向こうの一方的な幹部会令なり閣僚会議決定というようなものを、いかにしてこれを表現その他の面でわが方の立場を損なわないように、特に領土問題について影響を与えないようにと、こういう受け身の形での交渉に終始せざるを得なかった、これは率直に申し上げてそういう状況であったわけでございます。
しかし、五月二日に超党派の御支援、御協力によりまして海洋二法が成立をした。私はこれを携えまして再度五月三日に訪ソをし、五月五日からイシコフ大臣とこの海洋二法を背景にして交渉をやったわけでございます。
私は今回の交渉の経過を見、また結果を見まして、この国会の超党派の御協力による海洋二法の成立というものは、非常なこれは交渉において大きな力を与えてくれたと、このように評価をいたしておりますし、また、皆さん方の御協力に心からなる感謝を申し上げておるところでございます。
端的に具体的に申し上げましても、問題になりましたところの協定案文の第二条、すなわち、わが国の領海内でソ連漁船が操業する問題、この問題につきましては領海法の成立ということが決定的な役割りを持ったわけでございまして、三海里、十二海里の中でソ連が操業を続けてきたわけでありますけれども、この領海法、新領海法十二海里によりましてソ連もついにこの中における操業を断念せざるを得なかった。こういうことで、協定文第二文からも、今後両国政府の協議によって入り得る余地の明示的な第二文というものを設定したいということを執拗に言いましたけれども、これを拒否することができた。これはひとえに領海法のおかげでございます。私はこの点につきましても、法文の表現ぶり等からいってまだ余地があるのではないかと、ソ連がソ日協定に当たって十二海里の中の操業をもう一遍蒸し返してくるのではないかという御懸念があるようでございますけれども、この点につきましては、イシコフ大臣も完全にわが方の立場に理解を示し、明確に断念をいたしておりますから、ソ日協定におきましてもこのわが方の領海内における操業というものを蒸し返してくるようなことは絶対にない、また、わが方としては絶対にこれを受け入れないということを明確にしたわけでございます。これらの点は、海洋二法の成立が大きく今回の交渉に役立っておる、また大変な力になっておるということを、私は率直に交渉に当たった人間として申し上げ、また国会の超党派の御協力に感謝を申し上げる次第でございます。
この発言だけを見る →しかし、五月二日に超党派の御支援、御協力によりまして海洋二法が成立をした。私はこれを携えまして再度五月三日に訪ソをし、五月五日からイシコフ大臣とこの海洋二法を背景にして交渉をやったわけでございます。
私は今回の交渉の経過を見、また結果を見まして、この国会の超党派の御協力による海洋二法の成立というものは、非常なこれは交渉において大きな力を与えてくれたと、このように評価をいたしておりますし、また、皆さん方の御協力に心からなる感謝を申し上げておるところでございます。
端的に具体的に申し上げましても、問題になりましたところの協定案文の第二条、すなわち、わが国の領海内でソ連漁船が操業する問題、この問題につきましては領海法の成立ということが決定的な役割りを持ったわけでございまして、三海里、十二海里の中でソ連が操業を続けてきたわけでありますけれども、この領海法、新領海法十二海里によりましてソ連もついにこの中における操業を断念せざるを得なかった。こういうことで、協定文第二文からも、今後両国政府の協議によって入り得る余地の明示的な第二文というものを設定したいということを執拗に言いましたけれども、これを拒否することができた。これはひとえに領海法のおかげでございます。私はこの点につきましても、法文の表現ぶり等からいってまだ余地があるのではないかと、ソ連がソ日協定に当たって十二海里の中の操業をもう一遍蒸し返してくるのではないかという御懸念があるようでございますけれども、この点につきましては、イシコフ大臣も完全にわが方の立場に理解を示し、明確に断念をいたしておりますから、ソ日協定におきましてもこのわが方の領海内における操業というものを蒸し返してくるようなことは絶対にない、また、わが方としては絶対にこれを受け入れないということを明確にしたわけでございます。これらの点は、海洋二法の成立が大きく今回の交渉に役立っておる、また大変な力になっておるということを、私は率直に交渉に当たった人間として申し上げ、また国会の超党派の御協力に感謝を申し上げる次第でございます。
川
川村清一#16
○川村清一君 いまの御答弁に対する意見は後ほど申し上げますが、実は私ことしの二月五日、社会党の代表質問を行ったんでありますが、その質問の中に領海法の問題を取り上げまして、そして領海十二海里と、それをどこへ線を引くかということ、そのときに、領海法に基づいて十二海里に基線を引くとなれば、当然北方領土あるいは竹島、尖閣列島、こういう外国との領土問題でいろいろ問題を起こしているこの島にどういうふうに線を引くかということがやはり当然起きてくる問題であるので、政府はどういう対処をするのかということをお尋ねしましたら、福田総理大臣は、これはもう日本の固有の領土であるから、この領土には十二海里の領海の線を引くんだと、こういう御答弁でありました。その後政府からいただいたこの領海の範囲という地図を見ますというと、やはり総理のおっしゃったように、北方領土いわゆる北方四島それから竹島、尖閣列島、ここには全部こう領海の線を引いてあるわけであります。
そこで、こちらは西南の方は別として、北方領土四島についてお尋ねしたいんですが、確かに固有の領土である。であるとすれば、十二海里の領海の線が引かれるわけでありますが、一体北方領土の領海十二海里というものは、日本政府はこう地図の上に線引きましたが、これはソ連初め諸外国がこれを認めているのかどうか。日本の領海であるということをソ連初め諸外国が認めているのかどうか、この点外務大臣からひとつ御見解を承りたいと思います。
この発言だけを見る →そこで、こちらは西南の方は別として、北方領土四島についてお尋ねしたいんですが、確かに固有の領土である。であるとすれば、十二海里の領海の線が引かれるわけでありますが、一体北方領土の領海十二海里というものは、日本政府はこう地図の上に線引きましたが、これはソ連初め諸外国がこれを認めているのかどうか。日本の領海であるということをソ連初め諸外国が認めているのかどうか、この点外務大臣からひとつ御見解を承りたいと思います。
鳩
鳩山威一郎#17
○国務大臣(鳩山威一郎君) 北方領土につきましては、ソ連政府と日本政府との間に見解が一致しておらないのは御承知のとおりでございます。したがいまして、日本が領海を北方領土につきましても持つということにつきましては、ソ連政府はそれを認めるものでないということは当然想定されるところでございます。竹島につきましても……
この発言だけを見る →川
川村清一#18
○川村清一君 竹島はいいです。竹島や尖閣列島はいま議論していませんから、それはいいですが……。
そうしますと、線を引かれたこの領海というもの、これはわが方だけがわが領海だと言っているだけであって、相手のソ連は認めておらない。こういうように領海というものは簡単なものじゃないですね。領土、領海、領空といって、主権がそこに存在しているんです。
そうすると、わが主権がここにあるということをソ連は認めていないということなんですが、わが方が一方的にこれはわが領土だと言っているのか。それから諸外国はどうだ。領海、領土これは一体的なものであって、アメリカやその他の国はこの領海を認めているのか認めていないのか。ソ連は認めていないことはわかったがほかの国はどうなんですか。外国から認められない領海、領土なんというものは一体この地球上に存在しているのかどうか、不敏にしてわかりませんので、そういう例があったらひとつ外務省のどなたでもいいから教えてくれませんか。
この発言だけを見る →そうしますと、線を引かれたこの領海というもの、これはわが方だけがわが領海だと言っているだけであって、相手のソ連は認めておらない。こういうように領海というものは簡単なものじゃないですね。領土、領海、領空といって、主権がそこに存在しているんです。
そうすると、わが主権がここにあるということをソ連は認めていないということなんですが、わが方が一方的にこれはわが領土だと言っているのか。それから諸外国はどうだ。領海、領土これは一体的なものであって、アメリカやその他の国はこの領海を認めているのか認めていないのか。ソ連は認めていないことはわかったがほかの国はどうなんですか。外国から認められない領海、領土なんというものは一体この地球上に存在しているのかどうか、不敏にしてわかりませんので、そういう例があったらひとつ外務省のどなたでもいいから教えてくれませんか。
中
中島敏次郎#19
○政府委員(中島敏次郎君) ソ連がわが北方四島周辺におけるところのわが国の領海に対してどういう立場をとるであろうかという想定につきましては、いま外務大臣のお答えになられましたとおりでございますが、たとえばアメリカに関しましては、これらの四島は御承知のようにわが国がサンフランシスコ平和条約の第二条(c)項によりまして放棄いたしましたところの千島列島には入っていないと、歴史的事情からいってもわが国の固有の領土であって、これはわが国の領土として返還されるべきものである、こういう立場にあるわけでございまして、その立場につきましてはサンフランシスコ平和条約の主要なる起草国として米国もそのとおりであるという見解をかねて表明いたしております。
したがいまして、そのアメリカ側の立場からいけば、これら四島の周辺にありますところのわが国の領海は、当然わが国の領海であるということを認めるという立場にあるものというふうに考えます。
この発言だけを見る →したがいまして、そのアメリカ側の立場からいけば、これら四島の周辺にありますところのわが国の領海は、当然わが国の領海であるということを認めるという立場にあるものというふうに考えます。
川
川村清一#20
○川村清一君 理屈はわかるんですけれども、私は国民の一人として感情的にどうしてもこれは納得できないわけです。
政府は、固有の領土である。領海三海里ということになると、わずか五千四百メーター程度ですからまあまあということになりますが、十二海里ということになって、その十二海里がこれはわが方は領海だと思っている。一体この辺の漁師の人たちにどういうふうに説明するんですか、政府は。十二海里だと思って出漁して行くというと、これはソ連に領海侵犯だといって、みんな拿捕される、捕獲されてしまう。これはどう言って説明するんですか、この周辺の漁民の方々に。日本の領海なんだ、領海行ってつかまるなんたらおかしい話だ。外国につかまっちゃう。それでも領海だ領海だと言っている。その辺はどういうふうに説明しますか、国民の皆さんに。
この発言だけを見る →政府は、固有の領土である。領海三海里ということになると、わずか五千四百メーター程度ですからまあまあということになりますが、十二海里ということになって、その十二海里がこれはわが方は領海だと思っている。一体この辺の漁師の人たちにどういうふうに説明するんですか、政府は。十二海里だと思って出漁して行くというと、これはソ連に領海侵犯だといって、みんな拿捕される、捕獲されてしまう。これはどう言って説明するんですか、この周辺の漁民の方々に。日本の領海なんだ、領海行ってつかまるなんたらおかしい話だ。外国につかまっちゃう。それでも領海だ領海だと言っている。その辺はどういうふうに説明しますか、国民の皆さんに。
中
中島敏次郎#21
○政府委員(中島敏次郎君) この周辺の漁民の方々が従来これら四島の近辺に近づきまして領海侵犯その他のかどで向こう側に逮捕せられておるという事態があることは、先生御指摘のように遺憾ながら事実でございまして、わが方政府といたしましては、このような拿捕、ことにいわゆる領海侵犯と称するもののかどで拿捕されるという事態に対しましては、これを抗議し、またその返還を要求しているわけでございます。
そこで問題は、今般の取り決めによってその事態が変わったのかどうかという点にあり得るんだろうと思います。ことに先生は十二海里になったこととの関連でどうなんだと、こういう御質問だと理解いたしますが、その点につきましては、従来わが国の領海は三海里であり、それが今般十二海里になったということにつきまして、いまの事態には直接の変化はもたらさないだろうというふうに考えております。わが国といたしましては、これら四島の周辺にはわが国の領海があるという立場でございますから、その立場に立って今後ともこの種の問題に対処していくということでございます。
他方、これは全くわが政府として認めるものではございませんけれども、ソ連側はこれら四島がみずからの領土であるという立場に立ち、そしてその回りにみずからの領海があるという立場に立っているものと見られるわけでございまして、その事態、双方の領有権主張が重なっておって、したがってその周辺における領海がそれぞれみずからの領海であるという立場のぶつかり合いというものは今回の協定によっても依然として解消はしていない、変化はないと、むしろ実態の問題としては申し上げるほかない、だろうと思います。
ただその場合に、そのことによってわが国がこれら四島の領有権主張、またその四島の周辺にありますところの領海に対する、領海がわが国の領海であるという立場を害されることがあってはならないということで、協定の第八条におけるところの留保を明確に行ったと、こういう形になっております。
この発言だけを見る →そこで問題は、今般の取り決めによってその事態が変わったのかどうかという点にあり得るんだろうと思います。ことに先生は十二海里になったこととの関連でどうなんだと、こういう御質問だと理解いたしますが、その点につきましては、従来わが国の領海は三海里であり、それが今般十二海里になったということにつきまして、いまの事態には直接の変化はもたらさないだろうというふうに考えております。わが国といたしましては、これら四島の周辺にはわが国の領海があるという立場でございますから、その立場に立って今後ともこの種の問題に対処していくということでございます。
他方、これは全くわが政府として認めるものではございませんけれども、ソ連側はこれら四島がみずからの領土であるという立場に立ち、そしてその回りにみずからの領海があるという立場に立っているものと見られるわけでございまして、その事態、双方の領有権主張が重なっておって、したがってその周辺における領海がそれぞれみずからの領海であるという立場のぶつかり合いというものは今回の協定によっても依然として解消はしていない、変化はないと、むしろ実態の問題としては申し上げるほかない、だろうと思います。
ただその場合に、そのことによってわが国がこれら四島の領有権主張、またその四島の周辺にありますところの領海に対する、領海がわが国の領海であるという立場を害されることがあってはならないということで、協定の第八条におけるところの留保を明確に行ったと、こういう形になっております。
川
川村清一#22
○川村清一君 いや、そのあなたのおっしゃる理屈はようわかるんです。ようわかるけれども、国民感情として、国民の一人として何としてもこれは納得できないから、漁民の方々にどう説明なされるのかということを私は聞いているんであって、いままでは領海三海里であった。ソ連の方は十二海里であった。そこで、固有の領土であるけれども、まあ実質的には行政権は向こうが持っているわけだから、したがって十二海里の中へ入るなよと、入るとつかまるから入るなよと言っていろいろと指導してきたんです。
ところが、今度はこっちが十二海里になったんですから、三海里でなくてこっちも十二海里なんですからもっと行けるわけですよ。行ったらみんなつかまってしまうということでは、これはせっかく十二海里引いたってこの特殊地域というものはこれは全く別扱いみたいなんだ。だとすれば、そんな別扱いをするならばむしろ、領海法には特定海域というのがありますね、宗谷海峡、津軽海峡、対馬海峡が。これは、十二海里だけれどもそこのところだけ特定海域として三海里凍結というようなところがあるでしょう。このとおりやれというわけじゃないですよ。このような扱い、いわゆる十二海里であるけれどもこの北方四島についてはこの領海法が適用されないとかなんとかということを法律に明記しなければ、領海法という法律にあって、そうして法律を守っていてつかまってしまうといったようなことになったらこれはおかしな話じゃないですか。法律なんですよ、法律に規定されておってわが領海、そこへ行ってみんなつかまってしまう。これどういうふうに説明し、どうやって指導しますか。だとすれば、この法律の中においてこの地域は特定海域、いわゆる四島が返還されるまでは特定海域、まあどういう名称にするかそれはわかりませんが、そのような扱いをするように法律に明記した方が筋が通ってすっきりするんではないですか。これは国益に合うか合わないかという、そういう観点ではなくて、私は法理論からいってそれが筋じゃないかと思うんですが、いかがなものですか。
この発言だけを見る →ところが、今度はこっちが十二海里になったんですから、三海里でなくてこっちも十二海里なんですからもっと行けるわけですよ。行ったらみんなつかまってしまうということでは、これはせっかく十二海里引いたってこの特殊地域というものはこれは全く別扱いみたいなんだ。だとすれば、そんな別扱いをするならばむしろ、領海法には特定海域というのがありますね、宗谷海峡、津軽海峡、対馬海峡が。これは、十二海里だけれどもそこのところだけ特定海域として三海里凍結というようなところがあるでしょう。このとおりやれというわけじゃないですよ。このような扱い、いわゆる十二海里であるけれどもこの北方四島についてはこの領海法が適用されないとかなんとかということを法律に明記しなければ、領海法という法律にあって、そうして法律を守っていてつかまってしまうといったようなことになったらこれはおかしな話じゃないですか。法律なんですよ、法律に規定されておってわが領海、そこへ行ってみんなつかまってしまう。これどういうふうに説明し、どうやって指導しますか。だとすれば、この法律の中においてこの地域は特定海域、いわゆる四島が返還されるまでは特定海域、まあどういう名称にするかそれはわかりませんが、そのような扱いをするように法律に明記した方が筋が通ってすっきりするんではないですか。これは国益に合うか合わないかという、そういう観点ではなくて、私は法理論からいってそれが筋じゃないかと思うんですが、いかがなものですか。
鳩
鳩山威一郎#23
○国務大臣(鳩山威一郎君) ただいま御指摘のございました、漁民の立場から申しまして、わが国の領海内でソ連の官憲に拿捕されるというようなことはまことに残念なことでございます。現実問題といたしまして、この点につきましては水産当局の方とよく連絡をいたしまして、適切な措置をとっていただきたいと思います。
しかし、法律の段階でこの北方四島につきまして日本の固有の領土であるということを、法律の段階で固有の領土につきましてみずから領海というものを何らかの制限をするということにつきましては、やはりそれはそれなりでまた苦しい立場にもあるわけでございますので、その点は実際的な措置によりまして適切な解決と申しますか、漁民の方々に御迷惑が及ばないように適切な措置をとりたいと、このように思います。
この発言だけを見る →しかし、法律の段階でこの北方四島につきまして日本の固有の領土であるということを、法律の段階で固有の領土につきましてみずから領海というものを何らかの制限をするということにつきましては、やはりそれはそれなりでまた苦しい立場にもあるわけでございますので、その点は実際的な措置によりまして適切な解決と申しますか、漁民の方々に御迷惑が及ばないように適切な措置をとりたいと、このように思います。
川
川村清一#24
○川村清一君 漁民の方々に御迷惑をかけないようになんとおっしゃっていますが、一体戦後、今日まで、あの周辺の漁民の方々の拿捕された船の数がどのくらいあって、拿捕された人の数がどのくらいあるか、それは外務大臣御存じですか。それは莫大なものなんですよ、今日までのこの水域の中において。ですからそういうふうに、まあ漁民の方々に迷惑をかけないように努力しますなんということはおっしゃらない方がいいんであって、そんなことを言ったってできっこないんです、これは。ですから、それならばその水域の中で操業してもつかまらないような、安全操業をどう守るか、領土問題はもちろんですが、その領土問題を解決するのにもし時間がかかるとするならば、それまでの、それこそ暫定協定のようなものによって安全操業だけでも認められるような措置を私はとってもらいたいと思うわけです。
そこで鈴木農林大臣にお尋ねしますが、鈴木農林大臣は水産の専門家でございますのでよく御存じだと思いますが、貝殻鳥のコンブ漁業ですね、あれを今回の協定ではもう全部ゼロにしてしまったということは、これは大変なことなんですが、あの経緯は十分御承知だと思うんですが、どうしてこういうことになったんですか。あそこの貝殻島でコンブをとっている漁業者というのは本当に零細漁民だけなんです。これは中小漁業なんかとは違う、もっともっと零細な、もうコンブだけで食べているような、そういう漁民なんです。これをゼロにしてしまっている。民間協定が破棄されちゃってゼロになっちゃった。大変なことなんですが、どうしてこんなことになったんですか。
この発言だけを見る →そこで鈴木農林大臣にお尋ねしますが、鈴木農林大臣は水産の専門家でございますのでよく御存じだと思いますが、貝殻鳥のコンブ漁業ですね、あれを今回の協定ではもう全部ゼロにしてしまったということは、これは大変なことなんですが、あの経緯は十分御承知だと思うんですが、どうしてこういうことになったんですか。あそこの貝殻島でコンブをとっている漁業者というのは本当に零細漁民だけなんです。これは中小漁業なんかとは違う、もっともっと零細な、もうコンブだけで食べているような、そういう漁民なんです。これをゼロにしてしまっている。民間協定が破棄されちゃってゼロになっちゃった。大変なことなんですが、どうしてこんなことになったんですか。
鈴
鈴木善幸#25
○国務大臣(鈴木善幸君) この点は川村さんにも御理解がいただけると思うのでありますが、ソ連側が、日本の領海が三海里であったと、三海里の外は公海であるということで、今日まで三海里の外で漁業をやってまいりました。しかし、そのことが日本の沿岸漁業者の漁業を制約をし、また漁網、漁具等に多大の被害をもたらした。でありますので、早く幅員を十二海里にすべきであるということで、政府においても国会においてもそのことでこの領海十二海里法というのが急速に御決定をいただいたという経緯にございます。
これに対しまして、ソ連側はいままでサバ、イワシを中心にして、また底魚も若干ございますが、三海里と十二海里の間で多くの漁獲を上げてきたということ等から、もう執拗にこの中における操業を要求してきたわけでございます。しかしわが方としては、立法の趣旨、経緯等からいたしまして断じて十二海里の中では外国漁船の操業は認めない、こういう強い主張で押し返しまして、第二条においてソ側もこれを断念をする、ソ日協定においてもそういう線で十二海里の中では操業をしない、こういうことにようやくとにかく相手方を説得をしてそこに至ったわけでございます。
そういう中におきまして、羅臼の漁民諸君の漁業であるとか、あるいは貝殻鳥のコンブの問題であるとか、これを交渉の段階において政府の立場で要求をする、こういうことになりますと、それではお互いにまた領海の中で操業をすることを政府間で協定しようではないか。こちらでは拒否する、向こうには入れてくれ、こういうことの交渉はなかなかこれは、全体の主張を生かす、全体の漁民をいままでの外国漁船の被害から守る、こういう観点から私はこの際の交渉としては適当でないと。ソ日協定及び基本協定が締結をやがてされる段取りに相なっておるわけでありますが、そういうことを踏まえながら、もともと貝殻島のコンブの漁の問題は、高碕先輩が大日本水産会の会長の当時、地元漁民の要請にこたえ、これと一緒になりましてかち得た民間協定としての操業体制でございます。私は、今後におきまして、やはり民間協定としてこの問題を処理してまいるように政府としても温かくこれを支援をしていきたい、このように考えております。観点は別であります。観点は、わが方の、とにかく北方四島はわが国固有の領土であるんだから別の角度があるではないか、こういう御主張は当然あります。しかし、残念ながら現にこの北方四島を占有をしその施政を行ったのはソ連側である、こういう厳しい現実もございます。どうしてもこれは具体的な話し合いで処理する以外にない、このように考えておるわけであります。
この発言だけを見る →これに対しまして、ソ連側はいままでサバ、イワシを中心にして、また底魚も若干ございますが、三海里と十二海里の間で多くの漁獲を上げてきたということ等から、もう執拗にこの中における操業を要求してきたわけでございます。しかしわが方としては、立法の趣旨、経緯等からいたしまして断じて十二海里の中では外国漁船の操業は認めない、こういう強い主張で押し返しまして、第二条においてソ側もこれを断念をする、ソ日協定においてもそういう線で十二海里の中では操業をしない、こういうことにようやくとにかく相手方を説得をしてそこに至ったわけでございます。
そういう中におきまして、羅臼の漁民諸君の漁業であるとか、あるいは貝殻鳥のコンブの問題であるとか、これを交渉の段階において政府の立場で要求をする、こういうことになりますと、それではお互いにまた領海の中で操業をすることを政府間で協定しようではないか。こちらでは拒否する、向こうには入れてくれ、こういうことの交渉はなかなかこれは、全体の主張を生かす、全体の漁民をいままでの外国漁船の被害から守る、こういう観点から私はこの際の交渉としては適当でないと。ソ日協定及び基本協定が締結をやがてされる段取りに相なっておるわけでありますが、そういうことを踏まえながら、もともと貝殻島のコンブの漁の問題は、高碕先輩が大日本水産会の会長の当時、地元漁民の要請にこたえ、これと一緒になりましてかち得た民間協定としての操業体制でございます。私は、今後におきまして、やはり民間協定としてこの問題を処理してまいるように政府としても温かくこれを支援をしていきたい、このように考えております。観点は別であります。観点は、わが方の、とにかく北方四島はわが国固有の領土であるんだから別の角度があるではないか、こういう御主張は当然あります。しかし、残念ながら現にこの北方四島を占有をしその施政を行ったのはソ連側である、こういう厳しい現実もございます。どうしてもこれは具体的な話し合いで処理する以外にない、このように考えておるわけであります。
川
川村清一#26
○川村清一君 大臣も御認識いただいているように、貝殻島周辺のコンブ漁業というのは、民間協定ができる前までは、あの零細な漁業者がコンブとりに行くわけです。船のエンジンをかけたままコンブをとっている。そうすると、ソ連の巡視船がどっとあらわれてくると、もうクモの子を散らすように逃げるわけです。たまたま逃げおくれた船がつかまってしまうといったような大変な時代をずっと戦後続けてきたわけであります。そういうような経過の中で、いまお話のあったように、高碕達之助さん、大日本水産会会長がソ連と話し合って、そうして民間協定でもって自後十幾年間この漁民たちは安心して操業ができたわけです。ところが今度の協定で全然できなくなった。これは大変なことなんですね。
そこで、大臣のいまの御答弁によれば、政府間協定はそういうようないきさつでだめにはなったけれども、何とか民間協定でやれるように努力したいというようなことをおっしゃって、私もまあまあと安心しましたが、さてそのめどがあるのかどうかという問題が一つあるわけです。そういう民間協定ができ得る、そういうめどがあるのかどうか、その点をひとつ確かめておかなければならないと思うわけであります。
それから、貝殻島はどこにあるか御存じなんでしょうな。どうも大臣のお話を聞くと、よく御理解いただいてないような気がするので私は聞いたんですが、貝殻鳥というのは、納沙布岬に立って見ますというと、すぐ手が届くようなところにあるんですよ。とても領海三海里——三海里というと五千四百メーター。五千メーターなんかないんですよ。四キロ、四千メーター以内じゃないですか。そういうところにある島なんですよ。何でそれじゃここへ行ったらみんなつかまるのかというと、三海里なくても、これはわが方の十二海里法、あれにも書かれておりますが、要するに領海十二海里、領海十二海里重なるというと中間線をとるわけです。だから、貝殻島という全く人一人いない無人島なんですよ、だけれどもソ連はこれをわが領土という見解を持っているからここから十二海里引く、日本も納沙布岬から十二海里を引くと、四キロぐらいしかないんですから完全に重なるのは当然です。そういう地域は真ん中線、中間線を引くので、中間線を越えているから結局つかまっておったということなんで、三海里もなかったんだということをひとつぜひ御理解いただきたいと思う。そんな近いところ、見えるんです、すぐ。手を伸ばせば届くようなところなんですよ。ここへ本当に零細な漁民の方がコンブとりに行ってみんなつかまる。それで、胸を張って、北方領土はわが固有の領土だ領土だなんて総理大臣初め皆さん方おっしゃっていますが、そんなこと言ったって国民の皆さん承知できませんよ。本当に固有の領土だというんなら、具体的にせめてそのくらいできるようなことをしたらどうですか。口で言っているだけであって、実質的には何もないじゃないですか。それで、やった人は皆拿捕されてつかまっちゃう。船もろとも向こうの方に連行されていくというのがこれが、実態でしょう。
それからもう一点、昨夜の福田総理大臣の御答弁を聞いて感じたことをお尋ねするんですが、これまた外務大臣それから農林大臣どちらでもよろしゅうございますからお答えいただきたいんです。本当は総理大臣にお尋ねしたいのですが、総理大臣はこの委員会には来られませんので聞く機会がありませんので。北方領土についてはソ連が管轄している現実は認めなければならないと言われた福田総理の発言は、今後のソ日協定取り決めに当たってこの現実を認めなければならないというその現実から言って、北方領土水域はわが国二百海里法の適用除外水域にすることもあり得ることを示唆した発言と私は受けとめたのでありますが、こういう考えが本当にあるんですか、ないんですか。いささかもないんですか。
この発言だけを見る →そこで、大臣のいまの御答弁によれば、政府間協定はそういうようないきさつでだめにはなったけれども、何とか民間協定でやれるように努力したいというようなことをおっしゃって、私もまあまあと安心しましたが、さてそのめどがあるのかどうかという問題が一つあるわけです。そういう民間協定ができ得る、そういうめどがあるのかどうか、その点をひとつ確かめておかなければならないと思うわけであります。
それから、貝殻島はどこにあるか御存じなんでしょうな。どうも大臣のお話を聞くと、よく御理解いただいてないような気がするので私は聞いたんですが、貝殻鳥というのは、納沙布岬に立って見ますというと、すぐ手が届くようなところにあるんですよ。とても領海三海里——三海里というと五千四百メーター。五千メーターなんかないんですよ。四キロ、四千メーター以内じゃないですか。そういうところにある島なんですよ。何でそれじゃここへ行ったらみんなつかまるのかというと、三海里なくても、これはわが方の十二海里法、あれにも書かれておりますが、要するに領海十二海里、領海十二海里重なるというと中間線をとるわけです。だから、貝殻島という全く人一人いない無人島なんですよ、だけれどもソ連はこれをわが領土という見解を持っているからここから十二海里引く、日本も納沙布岬から十二海里を引くと、四キロぐらいしかないんですから完全に重なるのは当然です。そういう地域は真ん中線、中間線を引くので、中間線を越えているから結局つかまっておったということなんで、三海里もなかったんだということをひとつぜひ御理解いただきたいと思う。そんな近いところ、見えるんです、すぐ。手を伸ばせば届くようなところなんですよ。ここへ本当に零細な漁民の方がコンブとりに行ってみんなつかまる。それで、胸を張って、北方領土はわが固有の領土だ領土だなんて総理大臣初め皆さん方おっしゃっていますが、そんなこと言ったって国民の皆さん承知できませんよ。本当に固有の領土だというんなら、具体的にせめてそのくらいできるようなことをしたらどうですか。口で言っているだけであって、実質的には何もないじゃないですか。それで、やった人は皆拿捕されてつかまっちゃう。船もろとも向こうの方に連行されていくというのがこれが、実態でしょう。
それからもう一点、昨夜の福田総理大臣の御答弁を聞いて感じたことをお尋ねするんですが、これまた外務大臣それから農林大臣どちらでもよろしゅうございますからお答えいただきたいんです。本当は総理大臣にお尋ねしたいのですが、総理大臣はこの委員会には来られませんので聞く機会がありませんので。北方領土についてはソ連が管轄している現実は認めなければならないと言われた福田総理の発言は、今後のソ日協定取り決めに当たってこの現実を認めなければならないというその現実から言って、北方領土水域はわが国二百海里法の適用除外水域にすることもあり得ることを示唆した発言と私は受けとめたのでありますが、こういう考えが本当にあるんですか、ないんですか。いささかもないんですか。
鈴
鈴木善幸#27
○国務大臣(鈴木善幸君) まず前段の御発言について私も申し上げるわけでありますが、いま川村さんがおっしゃったような気持ち、これは国民の全部が抱いておる気持ちだろうと思います。実際にモスクワにおいてソ側と交渉しております当事者として、全くそのような気持ちで、歯ぎしりをしはらわたが煮えくり返るような立場でこの交渉に当たった場面もたくさんございます。私はこの国民的な考え方というものを十分承知しておりますから、何とかわが方の立場を損なわないようにということで耐えがたきを耐えながらもがんばってきたということでございまして、国民の皆さんの御心情というものは私はよく承知しておるつもりでございます。
なお、北方四島の問題に絡んでのソ日の協定の際の取り扱いの問題についてのお尋ねがございました。ここで申し上げるまでもなく、わが方の漁業水域に関する画定措置法、これは政令を待つまでもなく、わが国の領土の沿岸、沖合い十二海里の領海の外百八十八海里にこの漁業水域に関する暫定措置法が適用される。この法律では、はっきりこの水域内におけるところのわが方の漁業に関する管轄権というものが、実施されることに明定をされておるわけでございます。私はソ日協定に当たりましては、このわが方の画定措置法というもの、これが適用されておる海域というものをソ側が認めない限りは、私はソ日協定の交渉に入れない、協定は結ばれない。これが大前提でございます。これが基本的な問題である。政令によって線引きが決まるものではなしに、もうすでに暫定措置法によってわが方の管轄権の及ぶ漁業水域というものは決まっておる。これは国権の最高機関である国会で御決定になっておる。ちょうどソ連の幹部会令、それに相当する権威を持つものでございます。
そこで、後は運用の問題になりますが、これは今後のソ側との交渉の際におきまして、わが方としてはわが方の立場を害さないという基本的な立場で取り組んでまいりたい、こう思っております。
コンブの民間協定につきましては、先ほど申し上げましたように、これは民間協定として長く続けてき、また実績を持っておるわけでございますから、この協定、基本協定等が成立をしました時点におきまして、政府としても積極的にこの民間交渉を支援をして、今後においてこれができるように最善を尽くしたい。また、その間における関係漁民の救済措置につきましては、十分やってまいる考えでございます。
この発言だけを見る →なお、北方四島の問題に絡んでのソ日の協定の際の取り扱いの問題についてのお尋ねがございました。ここで申し上げるまでもなく、わが方の漁業水域に関する画定措置法、これは政令を待つまでもなく、わが国の領土の沿岸、沖合い十二海里の領海の外百八十八海里にこの漁業水域に関する暫定措置法が適用される。この法律では、はっきりこの水域内におけるところのわが方の漁業に関する管轄権というものが、実施されることに明定をされておるわけでございます。私はソ日協定に当たりましては、このわが方の画定措置法というもの、これが適用されておる海域というものをソ側が認めない限りは、私はソ日協定の交渉に入れない、協定は結ばれない。これが大前提でございます。これが基本的な問題である。政令によって線引きが決まるものではなしに、もうすでに暫定措置法によってわが方の管轄権の及ぶ漁業水域というものは決まっておる。これは国権の最高機関である国会で御決定になっておる。ちょうどソ連の幹部会令、それに相当する権威を持つものでございます。
そこで、後は運用の問題になりますが、これは今後のソ側との交渉の際におきまして、わが方としてはわが方の立場を害さないという基本的な立場で取り組んでまいりたい、こう思っております。
コンブの民間協定につきましては、先ほど申し上げましたように、これは民間協定として長く続けてき、また実績を持っておるわけでございますから、この協定、基本協定等が成立をしました時点におきまして、政府としても積極的にこの民間交渉を支援をして、今後においてこれができるように最善を尽くしたい。また、その間における関係漁民の救済措置につきましては、十分やってまいる考えでございます。
寺
寺
寺本廣作#29
○委員長(寺本広作君) ただいまから外務委員会を再開いたします。
午前に引き続き、北西太平洋のソヴィエト社会主義共和国連邦の地先沖合における千九百七十七年の漁業に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題とし質疑を続行いたします。質疑のある方は順次御発言を願います。
この発言だけを見る →午前に引き続き、北西太平洋のソヴィエト社会主義共和国連邦の地先沖合における千九百七十七年の漁業に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題とし質疑を続行いたします。質疑のある方は順次御発言を願います。