工藤晃の発言 (社会労働委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○工藤(晃)委員(新自) 私は新自由クラブを代表して、政府提出の健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案に対する修正案及び修正の部分を除く原案に対し、賛成の意思を表明いたします。(拍手)
このたびの改正法案は、昭和四十九年度以降五十二年度までの推定一千六百二億円の累積赤字の解消を目的としたものであります。診療内容の向上に資するところが皆無であることに対しては、まことに遺憾と言わざるを得ないものであります。特にボーナス保険料を、政管健保には強制、組合健保には任意とする、このような不公正の拡大は、社会保障の後退であり、社会正義にもとるものであるとの非難に対しても、反論の余地のないものであります。しかし、あえて、このような措置を講ぜざるを得なかったところに、現行健康保険制度の矛盾点を露呈していると言わざるを得ないのであります。すなわち、あくまでも受益者負担の原則を貫く保険をたてまえとするゆえんのものであるからであります。
いまこそ、このような考え方を改め、社会保障の推進という立場に立って、いつでも、だれでもが、到達し得る最高の水準の医療が享受でき、健康権の確立を図ることに対しては、だれしも異論のないところであります。平均寿命の延長、疾病構造の変化、国民の健康概念の発達に伴い、これから保健、医療要求の増大、拡大に対応した、よりよい保険、医療サービスの供給体制が整備されることが強く要求されることは当然であり、現行制度は、このような国民の強い要求に対応し得ない古典的で形骸化されたものであります。
私は、社会労働委員会において、自由主義経済体制の中における健保制度のあり方について、人命尊重を平等にするためには応分の負担を公平にしなければならない。換言すれば、負担の平等のみに注目していたのでは人命が不平等に取り扱われることを強く指摘し続けてまいりました。その改善のためには、各制度の合理的一元化を目標に、まず各制度間の財源のプール化、物から医療技術尊重への診療報酬制度の改革を含め、近代医学に即応できる制度への抜本的改革を図り、構造的赤字財政のつくろいに終始しているようでは何の前進もあり得ないことを強く主張いたしてまいったのであります。
それに対し、私との質疑の中で渡辺厚生大臣は、私の主張に対して大筋の賛意を表明され、今回は累積赤字解消のためのあくまで緊急避難的暫定措置であり、この暫定措置は昭和五十四年度中に抜本改正とともに整合性ある解決を図ることを明確に約束をされ、前国会の社会労働委員会において私か提案いたしました
一、抜本改正のための受け皿としての小委員会を設置してはどうかとの発言に対しても、社会労働委員会の中に一歩前進の具体的内容を含んで設置される運びとなってまいりました。この小委員会をして、人命か尊重される社会保障的健康保険制度の抜本的改革の強い足がかりとしたいものであります。
二番、今国会において、健保の抜本改革に関連して、医師税制改革の代案として、一人法人を初め、診療担当者側に強制されていた税制上の不都合なものを整合性あるものにしたいとの積極的かつ明確な答弁を渡辺厚生大臣より回答を得ました。
三番「薬剤公害発生時の患者に対する経済的救済の為の製薬メーカーサイドに於ける、強制薬害対策保険の新設と、国及び、製薬業界、医薬関係者並びに、被治療者相互を一体とした社会経済的救済を主眼とする、相互薬害対策基金新設に関する提案」に対しても、政府側から積極的に取り組む姿勢を提示されました。
四番、政府が五十三年度の重要政策として掲げている「健康づくり」については、企業の抱えている遊休土地を開放して、国民の健康づくりの広場や農園などに利用するため、新自由クラブの提唱している交付公債の発行による公有化あるいは税制面よりの配慮により、国民の健康づくりのための有効利用を図るべきではないかとの意見に対しても、大臣は前向きに考えるとの発言をなさいました。
五番、国民にとって健康の問題は瞬時もゆるがせにできない最も大切なものであります。
最後に、ボーナス保険料に対しても可能な限りの譲歩を示したことなど、一歩前進と認め、今後、国会の場においての公約を誠意を尽くして実行していただくことを強く要求し、あすへの整合性ある健康保険制度を確保するため、健保法の一部改正法案をやむを得ない措置と判断し、賛成の討論を終わります。(拍手)