熊谷善二の発言 (外務委員会)

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○熊谷政府委員 まず第一に、日本の特許庁がこの条約に基づきます国際調査機関になるという前提で私ども本件加入のメリットを考えているわけでございますが、その場合に日本語の使用が可能になりまして、日本語によります国際出願を特許庁が受け付けました場合に、出願者の希望いたします各国の特許庁に出願がなされたと同様の効果を持つことになっております。従来はそれぞれの希望する特許庁に参りまして手続をとらなければならなかった、こういう点は非常に簡便化されるということになるわけでございます。
 第二に、従来はいわゆるパリ同盟条約に基づきます優先権の効果を与える規定が一年間与えられておりまして、今回は翻訳書の提出が二十カ月以内に出すということになりますので、約八カ月の手続の繰り延べの余裕ができるということになるわけでございます。
 さらに、この機関におきまして行われます国際調査報告、これにつきまして特許庁の方から出願人に先行文献調査を行った報告書が送られてまいりますので、それによりましてこの出願を将来にわたって継続していくかどうかということにつきましての判断ができる、そういう材料が出願者に与えられるということは非常に有益なことでございまして、場合によりますと出願を取り下げる、もうすでに先行文献があることがわかった以上は取り下げるということになりますと、それに伴う労力、費用というものは従来に比して軽減されることは明らかでございます。
 それから、この条約の中には、ジュネーブの国際事務局におきまして国際公開を行うという制度がございます。この国際公開はパンフレットの形式で各国に頒布され、一般の方々の閲覧に供せられる形になるわけでございますが、世界各国でどういうものが出願されているかということを承知することができる、こういうことになるわけで、この点もこの条約の大きなメリットかと考えております。
 最後に、先ほど先生すでに御指摘ございましたが、特に日本の中小企業にとりまして、ただいままで申しました出願の手続の繁雑さあるいは費用の問題、また語学の問題等々ございますので、とりわけ情報に不足をしがちである中小企業にとりましては、今回はいろいろな材料が提供されることによりまして中小企業がとりわけ役に立つものと考えておるわけでございます。
 ちなみに、この条約に加盟する際に、アメリカでも同様、国会で審議が行われましたわけでございますが、アメリカにおきましても大統領が議会に対してメッセージを出された中に、特にこの条約の加盟は中小企業者また町の発明家に役立つと思うということが記されておりまして、この点は各国にとりましても大体同様な事情があろうかというふうに存じております。

発言情報

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発言者: 熊谷善二

speaker_id: 19727

日付: 1978-03-24

院: 衆議院

会議名: 外務委員会