中山正暉の発言 (建設委員会)

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○中山(正)委員 いまのお話のございました専門的技術者の問題とか、それからまた建設資材が確保できるかどうかとか、それから品不足によって値上がりがするという悪い効果が出てくるのではないかとか、いろいろな心配がございますので、そういう面に関しましてもどうぞ万全の御配慮をお願いを申し上げ、一日も早く予算案が成立することを私も祈念をいたすものでございます。
 しかし、いろいろ見ておりますと、大変建設事業を進めてまいります上に、たとえば政府と違った政治思想を背景にしている自治体というのが非常に多くなっているわけでございます。象徴的なのは、私の地元ではございますが、大阪府でございまして、これはもうたとえば万博までに仕上げなければならない第二阪和国道あたりは三カ所で寸断をされておりまして、和歌山からはずっと道路が入ってくる。ところが大阪へ入った途端にこれが寸断をされて——商売人さんが和歌山との間で行き来して、一日に物を仕入れて何回も行ったり来たりして、そしてその商売人さんがもうかって、税金を納めてもらって国がよくなる。そういう経済効果を逆に減殺をするような自治体の方向というのがどうも私には見えるような気がしてしょうがないわけでございますが、大阪府の年末の陳情がございました際にも、聞いてみますと、たとえば高速道路、いま松原というところでやっておりますが、これでも十三カ所の遺跡調査がなされております。その十三カ所の遺跡調査のうちで七年かかってやっとこれも一カ所済んだきり。そういう政府と考えの違う政治勢力といいますか、そういう方々は、万国博であのとき大阪に一兆円落ちましたが、そのうちで大阪市に落ちたものが大体四千億、それから大阪府に落ちたものが二千二百億、三環状縦断放射線その他いろいろなものを含めまして六千二百億ぐらいの金が落ちております。それで大阪の経済基盤がぐんと上がりました。それでショックを受けた勢力があるようでございまして、だからといって住民運動をうんとあおって押しかけていく時代ではない。そこで、庶民の遺跡を保存しようというような考え方に変わってきたようです。
 たとえば中之島の古い市役所、マグニチュード五か六のやつで揺れたらもう崩れてしまうような大阪市役所を、地震対策を立てろという連中が今度はこれを保存しろという言い方をしている。不思議な傾向であるわけでございますが、その中で、その政治的目的は何かと言えば、保存という名の妨害でございまして、都市機能をいかに低下させるか。大阪府下は岩手県の大体八分の一の広さしかございませんが、人口は岩手県の大体六倍から七倍。そこにひしめき合う都市住民のいら立ちといいますか、そういうものを政治的目的につなげようといいますか、そういう中で荒本−松原間というところだけでも十三カ所の中で一カ所解決しただけだ。
 私は大阪府の方に、こういういわゆる庶民の遺跡というものを含めてどのくらいあるのかと聞いてみたら、大阪府下に五千四百カ所ある。二千六百年の歴史の中でだれかが生きていた。特に関西は歴史的な土地でございますから、景気浮揚のための道路をつくっているところで、まるで紋次郎ばりのかさを着て竹べらで二千年前のさらを掘っているという形、これはどう見ましても、幾ら政府が水源地に水をためても出先の実施行政をやっているところで水道のじゃ口をひねらなかったら、これは不況が克服はできないわけでございます。
 そんなところで、一体文化財行政というものと建設省がどんなふうな話し合いをされておられるのか。日本道路公団あたりでは「日本道路公団の建設事業等工事施工に伴う埋蔵文化財包蔵地の取扱いに関する覚書」というようなものをお決めになってやっておられるようでございますが、大阪のNHKの前に高津宮、これは民のかまどはにぎわいにけりとおっしゃった仁徳天皇の御殿があったところと言われておりますが、その前も両側に道路がつきまして、そしてわずかの間が遺跡の調査ということで二年おくれましたために、毎日毎日法円坂の高速道路は渋滞を重ねておりまして、これが自動車に乗って商売をしていらっしゃる方々、産業の町、商売人の町という大阪の方々に不平、不満を大分醸し出している。そんなことを見てみましても、また中国縦貫道路を見てみましても青葉台というところで、わずかの間でとめますために、大阪あたりの会社の管理支配をしていらっしゃる方々は兵庫県あたり、六甲山のふもとあたりから来られるわけでございますが、そこで大渋滞を起こして、これまた大変な悪い効果を及ぼしている。
 そういう意味で、遺跡を保存するためには一体どういう基準でこれからやられるのか。税金のむだ遣いだと言って騒がれる方々が——七千億からの成田空港が今日まで放置され、あの鉄塔が建っております下は遺跡でございます。あれを保存しよう、その上に建造物を建てて、そこへ鉄塔を建てて四日も五日も——ああいう団体に対して破壊活動防止法を適用して解散団体に指定をしないという政府も私はおかしいと思うのです。ちゃんと破壊活動防止法という法律をつくって、戸だなの中へ積んであるだけというばかばかしい法律があるわけでございますが、あれも遺跡の保存が基本の問題になっておりまして物事が進まない。
 船舶経済時代には港をつくらなければなりませんし、航空機経済時代には飛行場をつくらなければいけない。この大阪の第二阪和国道の場合にも、今度つくります大阪の国際空港に関連をしてくるわけでございますが、そういう意味で、その遺跡保存調査ということで、特に初め計画を立てても学者先生が、大体政府に反対する方々が多いわけでございますが、そういう方々が中に入って遺跡の調査をされる。それでまた政府の考え方が現場でどんどん曲げられていってしまう。そういうことに対して、一体どんなふうに対処をなさっていかれる御方針か。
 そして文化財というのは、学術的に価値のあるもの以外、記録をとって保存をしておくだけというのもありますが、それはもう骨とう品の価値と同じで主観的な価値で、回教徒の人がゴルゴダの丘に行っても三文の値打ちもないわけでございますが、それと同じような意味で主観的な価値というものが大変文化財では感覚的に支配をされる。
 そういう中で、これから不況を克服するためには、二千年前にだれかが食べていたさらよりも、いま生きている人たちのおさらの上に何を乗せて食べさせるかということが大きな問題になってきているときでございますから、それを一体どう解決するかというのは、政治的な責任として大きな問題であると思います。
 過去にこだわるのも結構でございますが、われわれには子供の時代、孫の時代にどう責任を持つかという大きな責任があるわけでございますので、日本のために、そういう文化財調査を不況克服の道路事業にどういうふうに合わせていかれるのか、その辺の御見解を伺いたいと思います。

発言情報

speech_id: 108404149X00319780210_008

発言者: 中山正暉

speaker_id: 32328

日付: 1978-02-10

院: 衆議院

会議名: 建設委員会