小島静馬の発言 (文教委員会)
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○小島委員 そこで具体的な一つの例を提示したいと思うのでございますが、実は本年三月の十四日でございますが、わが党文教部会におきまして、静岡県豊岡村、ここの学校給食の実態を調査をしてまいりました。実はこの学校給食を愛情弁当というふうに呼んでいるわけでありますが、週に火曜日と木曜日の二日間だけでございますけれども、これはお母さんのつくった弁当を子供が持参をいたします。それをすでに二年近く行っているわけでありますが、その調査の結果に基づきましてまたいろいろお考えを聞いてみたいと思うのでございます。
ごく概括だけを申し上げてみたいと思うのでありますが、この愛情弁当、米飯弁当でございますが、その導入をこの豊岡村の村長の藤森さんという方が先頭に立って実は実施をいたしたわけでございます。五十一年の一月にアンケート調査を実施いたしまして、米飯給食について八五・三%の賛成を得ました。そのうち米飯弁当持参方式について八二・二%の賛成が得られましたので、議会、給食関係者等との慎重協議の上に、五十一年の四月、週二回、火、木曜日の米飯弁当持参の給食を実施いたしたのでございます。
その愛情弁当の内容調査は、これが子供のしつけあるいは親子の連帯感をどのように強めているか等徳育に果たしている役割り、それから朝御飯を炊くことにより家族を含めて米飯機会がふえて、米の消費拡大にどのような効果を及ぼしたか、そういう点についての調査でございます。小・中学生のいる全家庭八百戸を対象にいたしたものでございます。その結果を要約してみますと、現在九八%の父兄が次の効果を高く評価して、愛情弁当に賛成しているのであります。
その一つは、対話と連帯に対する効果。弁当の受け渡しを通じて、元気で勉強してきてねと親から、あるいは、きょうは全部食べてきたよと子供からの対話が生ずる。弁当の量を決めるに当たって親子で相談して決めることなどにより、親子の対話がふえた効果二二%、また台所の手伝いをするようになった一一%、それから子供の健康管理に非常に役立った、これが三八%。こういうことを通じまして親子の連帯感が非常に増してきたことを挙げております。
二番目は、しつけに対する効果でありますが、弁当を自分でかばんに入れる、これが九三%、空き弁当箱の処理は自分でかばんから出す、または洗いおけにつける、これも九六%あります。自分のことは自分でさせる、そのしつけの機会に非常に役立ったようでございます。
それから三番目は、感謝、思いやりに対する効果。お母さんの炊いた御飯は何よりもおいしいと思っている子供が九一%、それから小学校低学年ではお母さんが弁当をつくるのは大変だと思うというふうな気持ち、これが七六%。お母さんに感謝と愛情を深める機会に役立っております。お母さんの、おかずまでつくってやりたいというのが六%でありますね。これは非常に少ないんです。子供の、つくってもらいたい、こういう気持ちは五七%というふうに半分以上を超えております。
それから米の消費拡大に対する効果であります。豊岡村は世帯数二千三百九十戸でございますが、そのうち農家が千九十戸、四五・六%という農村地帯のために、御飯のウエートは八〇%と非常に高いわけでありますが、弁当持参による家庭への波及効果として一・五%、弁当持参による効果として三・七%、計四・二%の米の消費の拡大が進んだものと見込まれております。この結果、御飯中心の食事形態は九〇%近くに達しておるのであります。ちなみに、東京、大阪、名古屋、三大都市四百人の抽出調査によりますと六五%でございます。
そして、これは農村部で、豊岡村は農村部に属するわけでございますが、同時に、静岡県におきましては静岡市の中心ともいうべき静岡市立青葉小学校についての調査をいたしたのでございます。その結果を参考までに申し上げてみますと、静岡市中心部の青葉小学校の父兄百三十六人、これを対象に愛情弁当についてアンケート調査を実施したのであります。その結果、要約をいたしまして、一、朝食が御飯中心の家庭は六四%で、豊岡村の八四%を大幅に下回るにもかかわらず、九二%が賛成をいたしておるのであります。二番目に、賛成の理由として、親子の連帯感が強まるからというのが六九%、あるいは子供の健康状態がわかる、そういう理由でさらに積極的に四〇%の賛成があるわけであります。いずれにしても教育上の観点から好ましいという考え方がはね返ってきているのが、この調査の結果でございます。
それから、豊岡村の愛情弁当に対する措置の仕方でございますが、これは衛生的管理と食味保持のために、保温庫による保管、御飯以外は絶対に持たせない、朝炊いた御飯を持たせる、弁当箱及び弁当袋は常に清潔に保つというようなことを徹底させております。それからパン給食を希望する児童、生徒にはパンを給食する。三番目として、過食過少にならないよう、学年に応じた御飯の分量を指導するとともに、定期的にチェックしている。また、七分づき、麦飯も奨励をいたしております。
その他、愛情弁当持参の日には、きょうは忘れないようにというふうに有線放送で呼びかけるようなこともいたしておりまして、それでも忘れるような事例はありますけれども、親が後ろから届けたり、おもしろいことに級友が一はしずつ分けたという事例もあったようであります。もちろん副食、牛乳は一般生徒と同様に給食をされておるわけでございます。
学校の教師からの要望でございますけれども、教師は、給食時間が短いことが残食あるいは少量持参に連なるので、時間的に余裕を持たせたカリキュラムの編成を望んでいる、こういうのが出ております。村の当局は、愛情弁当に要する米穀にも、学校給食用米穀値引き措置に準じた措置が図られることを要望している。
ちなみに、豊岡村愛情弁当の実施方法として、設置費が、五十一年四月、申し上げたとおりですが、四百十万円の予算、これは保温庫が七つ、及び氏名刻印の弁当箱等約千七百人分。それから、家庭で詰められた弁当は各級ごとの受け箱、十五個から二十個に入れられて、保温庫で、これは常温を百度にして保管、給食のときには五十度ないし六十度に下がるよう前もって引き出しておいて給食をされる。副食及び牛乳は従来どおり給食センターから給食をされる。これが調査の結果の大要でございます。
私ども現場を見まして、非常に子供たちが明るく喜々としてやっている。それからお母さん方の御意見を聞いてみました。いま申し上げましたアンケートの中にも入っておりますけれども、非常にお母さん方が喜んで協力をしているという姿を見てきたわけでございます。教育上の効果といい、あるいは国の施策の方向に対する協力といい、いろいろな面で非常に感銘を受けるところがございまして、ぜひこれを全国的な規模にまで広げることはできないだろうか、そこまで実は思い入れをいたして帰ってきたようなわけでございます。
概要、御報告を申し上げたわけでございますが、何とかそういうふうな方向というものが御検討願えないだろうかと思うのでございます。大臣、ひとついかがでございましょうか。