新田俊三の発言 (予算委員会公聴会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○新田公述人 簡単な御質問ですが、大変むずかしい問題をお出しになりました。これは、独禁法あるいは広く言いまして独禁政策と産業政策の調和に関する問題として長年蓄積されてきた問題でございますが、これは私はこう思うのです。指示カルテルの問題でも、介入の形態自体を議論して、それが法律違反であるかどうかということを争うという、その議論のスタイルがややおかしいのじゃないかということですね。問題がちょっと外れてきていると思うのです。本当に議論しなければならぬのは、構造不況業種をどうするかという、もともと政策論として取り上げなければならぬ根本的問題があって、その問題に関しては、先ほど申しましたように、もっと広い意味での産業政策のレベルで根本的対策を立てて、事業転換なら事業転換についての政策を具体的にやっていくというのがあったら、いまのような問題は恐らく出てこないだろう。アメリカのソロモン委員会報告書は、恐らく皆さんお読みになったと思いますけれども、このソロモン委員会報告書でも、世界的風潮と言っていいと思うのですが、産業政策という問題を地域政策まで含め、なおかつ独占禁止法の問題なんかも同時に関連させながら、全体の産業再編成をやっていこうという視点を出しているわけであります。トリガーの問題なんかはその一環として出てきているわけでありますけれども、この点に関しましては、私は、市場への介入という意味がポジティブな場合とネガティブな場合と二つあって、日本の経済構造の改善にプラスになるような介入、生産的な意味のある介入、それから、構造不況業種に関していま出てきておりますように、一種の介入による組織的な整理という問題と意味合いが違ってくると思うのですよ。たとえば平電炉の場合でも、専門家の方がおられますから詳しくお聞きになるといいと思うのだけれども、商社であるとか、銀行であるとか、そういった機関が介在して組織的な設備のスクラップ化を行っていくという基盤がありまして、それをもっと政府レベルの政策として受けとめられてきますと、今年度予算のような一種の組織的なスクラップ化という形になってくる。こういう介入は、展望のない介入と申しますか、整理のための介入というか、非常に好ましくないと思うのです。ですから、むしろもっと産業構造を変えるために必要だ、あるいは産業再編成のために必要だというのだったら、そういった形態で争うのじゃなくて、本来の産業政策できちんと考えをお出しになって、そのレベルで問題を整理される方が私は前向きじゃないかと思いますね。いまの日本の政策論議というのは、そこまでいかない前でどうも法律論争にひっかかってしまっているというのが印象でございます。

発言情報

speech_id: 108405262X00219780210_024

発言者: 新田俊三

speaker_id: 18490

日付: 1978-02-10

院: 衆議院

会議名: 予算委員会公聴会