飯田久一郎の発言 (予算委員会公聴会)
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○飯田公述人 お答えいたします。
第一点の、調整区域には公共事業をやるのは好ましくない、できるだけ市街化区域を活用すべきであるというお考え、私もそう思っているわけであります。ただこれは、後の御質問と関連するわけでありますが、凍結を長期間やりますと、それに対する当初のいわゆるアレルギーという反応で、市街化区域の土地所有者というものは、なかなか売らないという可能性がある。それに対抗する手段として、いま、一部非常に便利な、実質的には市街化区域と違わないような場所にある調整区域を利用したらどうかということを申し上げたのでありますが、私の申し上げているのは、これをただ何となく使うということじゃないわけであります。たとえば公共住宅の建設用地にして使う、これならば周辺のさらに別のところの地価を上げるという心配が余りないのじゃないか。それから、あるいは公共住宅でなく、個人住宅の場合でも、一たん国なら国が手に入れるわけでありますが、その土地を売らない、それで、そこに家を建てることは認める、貸してあげるということですね。それは場合によっては、地価の上昇ということによる利益が借地権者に出てくるわけでありますから、場合によっては借地権も認めない。要するに、比較的安い地代で土地を貸してあげるから、そこに家をお建てくださいというような、限定された目的で、しかも、限定された地域を市街化区域の中に編入するという線引きの変更でありますけれども、こういうことも場合によっては必要ではないか。それをやらないで済めばそれにこしたことはないわけでありますが、ただ、凍結というものに対する抵抗が強い場合に、これを排除する一つの方法として、これも考えられるということを申し上げたわけであります。
それから第二点の、凍結はいいけれども、十年あるいはそれ以上という長期凍結というものは、ほかの商品の場合と違って問題があるのじゃないか、ほかの商品にはそういうことがない、土地だけそういう長期凍結をやるのは、そこには何か理由があるのかというお話でありますが、やはり土地というものはいわゆる有限である、しかも、生活にとっても生産にとっても絶対に欠くことのできない必需品である、こういう性格を持っている資産といいますか財産というものは、ほかにほとんどないわけであります。そういう意味で極端に言えば空気のようなものであって、きわめて大きな公共性を持っておる。普通の商品と違うわけであります。しかも、その価格自身が、先ほど申し上げたとおり、たとえば西独の二十倍とかヨーロッパ諸国の平均に比べても数倍であるというような、異常に高い価格になっておるということを考えますと、こういう非常に公共性の高い土地については、長期の凍結というものも許されるのじゃないか。また、同時に、長期の凍結でなければ意味がない。たとえば仮に一年か二年凍結いたしますと、じゃ、一年か二年、その間待っていよう、その間は全然売らない。二年もたてば必ず解除になるから、そのときに売ればいいじゃないかということで、いわゆる売りどめというものが出てくるわけであります。凍結効果というものが逆効果になる危険があるわけであります。ところが十年とか、あるいはそれ以上になりますと、十年一昔という言葉がありますが、十年先のことはわからないということで、そんなに長い期間、利子に当たる分も全然ない、完全凍結であるということになれば、これはむしろほかの資産を持った方が有利である、いわゆる資産の選択の仕方が変わってくるということで、土地を手放そうという人が出てくる。いまのように、一方で、土地が非常に有利であるから、これをぜひ買いなさいというようなことが盛んに言われている一方で、そういう土地を手放しなさいと言っても、持っている人は手放すわけはないというような面がありまして、どうしても土地の供給をふやすということになりますと、土地には妙味がないということを考えさせる、それには短期間の凍結では意味が余りありませんで、長期間の凍結というものはどうしても必要ではないか、こう考える次第でございます。