井上普方の発言 (予算委員会第一分科会)
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○井上(普)分科員 どうもおかしいと私は思うのです。質の面も考えてほしい。この科学技術の研究費はアメリカあたりでは国防費の中にかなり含まれておるからこれを除いたら大体とんとんだという話はどうもおかしいと思う。というのは、あなたも御承知のように、海底開発の探査の技術にしましても、あるいは宇宙開発の技術にしましても、すべてアメリカの国防費の中から出ているんじゃないですか。このごろ何とかシャトルというのを打ち出すのに金がなくて、日本に協力を求めてくるようにはなりましたけれども、いままでの科学技術の研究というのは、宇宙開発あるいは海底探査というのは全部国防費の中から出ているんじゃありませんか。そういうような面からいたしますと、もう五年間続いた不況の中で、民間の科学技術の研究費というのはともかくぐんと落ちてくる。この中において、先ほど来申しますように、日本独自、日本として世界各国に畏敬せられるような科学技術の開発を一体どう考えるんだ。特にお隣りの中国との関係を考えますときに、もう宇宙開発においては日本よりもはるかに進んでおるでしょう。あるいはまた、海底開発はまだまだかもしれませんけれども、他の分野における資源・エネルギーに対する考え方につきましても中国の方が進んでおるように思われてなりません。そういたしますと、日本としては、独自の科学技術の開発のために方向を一つ打ち出さなければならない。ただいま言われておりますような国民生活の安定のためにとかいうことでは始まらぬのじゃないか、私はこう思うのです。今度も中国に対しましても製鉄の技術が日本から輸出せられるということが報ぜられております。もう中国は科学技術の躍進ということを大きな国家目標の一つにしておる。この中において日本は共存共栄をしなければいかぬし、善隣友好をやらなければいかぬ。その中で日本の科学技術というものが持っておる使命というものは非常に大きいものがあると私は思うのです。
そこで、科学技術庁としてはもう少しと申しますか、全力を挙げて新しい分野の開拓ということに努力をしなければならぬと私は思うのであります、私は科学技術特別委員をやりましてもう六、七年になりますが、その間、科学技術の新しい費目というものはほとんど見られないのであります。科学技術と言えば原子力発電所だ、続いては宇宙開発だ、続いては何だといいますと海底探査だ、いずれもアメリカの後追いばかりをやっているんじゃありませんか。そしていまから五、六年前には科学技術庁の大きな分野にシンクタンクなんということを考えてきたけれども、今度予算書を見てみますと、シンクタンクなんという言葉は全然ない。シンクタンクというのは一体どこに行ってしまったのです。どうなっているのです。あれは意味がなかったのですか。そういうように思いつきのものであってはならないと私は思う。科学技術というものはあくまでも一定の目標を持ち、それに経常的な、民間が行い得ないような質の——量じゃありませんよ、私が言うのは。質の研究開発費というものを投じていくことこそ日本のあるべき姿ではなかろうか、このように思うのです。これは単に役人にばかり任せておいては、大臣、だめなんです。大局的に、国家的な目標において、そしていかにアジアにおいて善隣友好を保ち、かつまた共存共栄ができるかという科学技術の開発にわれわれは乗り出さなければならないと思う。大臣、いかがでございますか。