宮澤喜一の発言 (決算委員会)
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○国務大臣(宮澤喜一君) 現在のいわゆる減量経営というものが、石油危機に際会しましたときに政府がとった政策、その結果として出てきているのではないかとおっしゃいますことは、私率直に真理の面があると思います。
現実の経済の動きを見てみますと、石油危機が起こりました昭和四十八年でございますが、この年には、公定歩合が四十八年年間で五回上がっております。これはもともと経済が過熱の情勢にありましたので、四月、五月、七月、八月と四遍上げておるわけでございますけれども、そこへ石油危機が参りまして、十二月には一挙に二%公定歩合を上げております。九%になっておるわけでありますが、ここのあたりで政府が総需要の管理、抑制ということにはっきりした態度を打ち出しましたことはこの事実からも明らかであります。もとより申し上げましたように、その目的は物価の抑制と国際収支の問題に対処するためであったわけであります。
しかるところ、ただいま御審議をいただいておりますこの四十九年でございますが、この年には一切公定歩合の動きはございませんで、五十年になりましてから、今度は一、二、三、四回公定歩合を下げております。で、現実の景気の谷は、後にわかったことでございますが、五十年の三月であったわけですけれども、十月まで公定歩合を下げ続けておると。また五十一年は公定歩合については何にも動きがございませんで、五十二年になりまして今回まで三遍、五十二年になりまして三遍公定歩合を下げて現在に至っておると、こういう姿でございますから、明らかに四十八年のおしまいになって政府は総需要の厳しい管理に乗り出し、そして四十九年はそれの推移を見ながら、五十年の四月になりまして、今度は一応事態が収拾しつつあると見て公定歩合の引き下げに入ったと、こういうのが経緯であったと思いますので、したがいまして、政府としては一応総需要の管理に成功をし、物価についても国際収支についてもめどが立ったというところで、五十年の四月から今度は公定歩合を下げる政策を続いて今日までやっておるわけでございます。しかしとにかく、石油の価格があれだけ、四倍にも五倍にもなったという大きな変化に対して、物価と国際収支の面ではわれわれは成功いたしましたけれども、日本経済を順調な拡大均衡に乗せていくという政策には今日現在まだ成功していない。政府としては、公定歩合を下げる一方で、公共投資を中心に不況脱出、雇用の改善を図っておるというのが現在の姿でございます。
したがいまして、冒頭に申しましたように、この石油危機にどう対処したかということは各国によって対応の仕方が違っておりまして、私は総じてわが国の場合には成功をしたと申し上げておりますけれども、同時に、まだまだ拡大均衡への民間の自信を十分に政府が確立するに至っていない。そのために、今回のような財政主導の予算を昨年よりさらに大きな重点を置きまして御審議を願っておるというのが今日の姿であると存じます。