宮澤喜一の発言 (決算委員会)
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○国務大臣(宮澤喜一君) 私ども、雇用の問題は経済企画庁としてはいわゆるマクロでしかとらえられない問題でございますけれども、それにいたしましても、現在の五十三年度の経済運営が私どもの考えておりますようにいくといたしまして、なお五十三年度末には百十万の完全失業があると、今年度に比べて五万程度の改善しかないということでございますので、これは残念な状態でございます。同時に、いわゆる企業の稼働率指数につきましても、五十三年度末、来年の三月でせいぜい稼働率指数で九二ぐらい、と申しますことは、稼働率で八三、四でございますから、そのように考えますと、五十三年度というのは、将来に向かってわが国の経済が自律反転力を取り戻して拡大均衡に入るためのつなぎの役割りを担う年であって、この単年度で雇用なり稼働率なりが回復を完全にするという年には単年度としてはなり得ないというふうに私どもはこの年を、五十三年度を見ておるわけでございます。
したがいまして、製造業においては、一つ一つに出入りはございますものの、恐らく製造業の雇用の増というものはネットとしては見れないのではないか。その中で恐らく製造業の対応は、多少ずつ稼働率が上がってまいりますと、現にいる人たちに対する時間外給与の増大、いわゆる幾らかの残業手当というような、そういう形で動いていって、新規雇用というところまではいかないのではないだろうか、どうもそう考えざるを得ないというふうに思っておるわけであります。
このことは、しかしそれでそれが本来の姿、今後の日本経済の本来の姿であると申し上げておるのではありませんで、政府の経済運営が考えどおりいきますれば、将来に向かってそういう拡大均衡に入るための、いわゆる不況からの脱出と申しますか、そういう役割りをこの年、五十三年度が担うということに私ども考えておるわけでございます。
なお、失業統計の問題でございますけれども、過剰雇用がどのぐらいあるかということはしばしば国会でも御議論になりますし、私どもとしても大きな関心のあるところでございますけれども、その過剰雇用ということが十分に定義されないこともございまして、労働省としてはそのような統計は持っていないという立場だというふうに私ども承知をいたしておるわけでございます。