山田久就の発言 (公害対策及び環境保全特別委員会)
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○国務大臣(山田久就君) ただいま議題となりました瀬戸内海環境保全臨時措置法及び水質汚濁防止法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
瀬戸内海の環境保全につきましては、その美しい景勝地、貴重な漁業資源の宝庫としての特殊性にかんがみ、昭和四十八年に瀬戸内海環境保全臨時措置法が議員提案により全会一致で制定され、同法に基づいて産業排水に係る化学的酸素要求量で表示した汚濁負荷量を四十七年当時の二分の一程度に減少させる措置、特定施設の設置等の許可制、埋め立て免許等に際しての瀬戸内海の特殊性への配慮等の特別の措置が講じられてきたところであります。
さらに、同法により政府が策定すべきものとされていた瀬戸内海の環境保全に関する基本計画は今般閣議決定を見、今後この基本計画に沿って、各般にわたる環境保全施策を実施に移してまいる所存でありますが、同法は本年十一月に期限が到来することとなっており、これを引き継ぐ立法措置を講ずることが強く要請されてきているところであります。
他方、全国の公共用水域の水質の状況は、総体的には改善の傾向にあるものの、瀬戸内海を初めとして伊勢湾、東京湾等の広域の閉鎖性水域においては、水質環境基準の達成はなお困難な状況にあり、一層の水質保全対策を講ずることが緊要の課題となっております。
このような情勢にかんがみ、政府といたしましては、瀬戸内海の環境保全対策の一層の推進を図る観点から、新たに富栄養化による被害発生の防止、自然海浜の保全等の措置を盛り込むとともに、瀬戸内海を初めとする広域の閉鎖性水域についての新たな水質保全対策として、汚濁負荷量の総量を一定量以下に削減するいわゆる総量規制制度を設けることとし、この法律案を提出した次第であります。
次に、法律案の主な内容について御説明申し上げます。
まず第一に、瀬戸内海環境保全臨時措置法の改正であります。
現在同法に規定されている事項で今後とも必要と認められる施策はこれを引き続き講ずるとともに、新たな観点に立った施策を追加し、また、失効規定を削除して法律の題名を瀬戸内海環境保全特別措置法とすることといたしております。
新たな施策の一は、府県計画の策定でありまして、関係府県は、基本計画に基づいて府県計画を定めるものとし、国及び地方公共団体は、基本計画及び府県計画の達成の推進に努めることといたしております。
その二は、富栄養化による被害発生の防止でありまして、燐その他の政令で定める物質につき、関係府県知事は、環境庁長官の指示により定める指定物質削減指導方針に従って、指定物質を排出する者に対し必要な指導等を行うことができることといたしております。
その三は、自然海浜の保全でありまして、関係府県は条例で定めるところにより、海水浴等に利用されている自然の海浜地等を自然海浜保全地区として指定し、地区内で行われる工作物の新築等の行為を届け出させ、これに対し必要な指導等を行うことができることといたしております。
その四は、海難等による油の排出の防止、赤潮の発生機構の解明等でありまして、政府は、このため必要な措置を講ずるように努めるものといたしております。
第二に、水質の総量規制を制度化するための水質汚濁防止法の改正であります。
まず、内閣総理大臣は、水質環境基準の確保が困難な広域の閉鎖性水域の水質汚濁に関係のある地域として政令で定める地域について、政令で定める水質汚濁項目に係る汚濁負荷量の総量の削減に関する基本方針を定めるものとしており、特に瀬戸内海については、改正後の瀬戸内海環境保全特別措置法において総量規制を導入することを明文化し、法律上基本方針を定めるべきものといたしております。
次に、都道府県知事は、基本方針に基づいて総量削減計画を定めるとともに、総量削減計画に基づき、指定地域内の一定規模以上の工場または事業場が遵守すべき総量規制基準を定めなければならないことといたしております。
また、総量規制基準を遵守すべき工場または事業場以外の者に対しても、都道府県知事は、総量削減計画の達成のために必要な指導等を行うことができることといたしております。
このほか、この制度の実効性を担保するため、計画変更命令、改善命令、汚濁負荷量の測定記録義務等の規定を設けることといたしております。
なお、この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することといたしております。
以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。