寺田熊雄の発言 (法務委員会)
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○寺田熊雄君 次に、私がこれは実際に扱った事件なんですが、少年の刑事事件なんです。
少年が逮捕せられ、勾留せられた後、家裁に送られて鑑別所で観護処分を受けますね。それから審判になる。そして、窃盗を三年間にわたって二十何件も犯したと、そういうことで、その少年はたしか五人であったと思いますが、そのうち四人が保護監察処分になりまして、それから一人が前歴があるというので少年院送致になって、もう鑑別所から釈放されないまますぐ少年院に送られてしまった。
ところが、その処分が終わって保護処分になりました少年が、私のところに来て一致して無罪を訴える。で、なおよく調べてみますと、確かに無罪だという心証が得られるわけですね。それから、物を買った古物商も呼んで聞いてみますと、古物商も、買った覚えはないのだけれども、警察官が来て、おまえのところに売ったと子供たちが言っているのだから買ったに違いないと、いやそんなことありませんと言うと、それじゃ警察に来てもらうというので、もうしようがないから認めてしまったと、こういうことでますますわれわれが心証を深めまして、高等裁判所に抗告をいたしました。高等裁判所の方がよく調べて少年の言い分が正しいというので家庭裁判所の審判を取り消しまして、家庭裁判所もその高等裁判所の裁判の結果を受けて取り消して、結局、四人の少年は不処分、それから少年院に送致された子供はそれを取り消されて保護観察処分になる。そういう実例があったわけです。
警察の方は、もうどうしてもなかなかまいったと言わず、これは私どもはやはり有罪だということを信じておると言ってがんばる。人権擁護委員会もやはりこれは間違いなく人権侵犯事件だというので警察に勧告をするという処分があったわけですが、そういう場合は、これは当然刑事補償、一般の刑事訴訟法によった無罪の処分と同じように扱って——その間相当長い間拘禁されているわけですからね、子供たちは。だからやはりこれも刑事補償の対象にすべきではないかと私どもは確信するのですが、どうでしょう。これは刑事局長の専門的立場と大臣の両方のお考えを承りたいのですが。