大塚喬の発言 (予算委員会第一分科会)

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○大塚喬君 この当時の経過を調べてまいりますと、稲山訪中団の北京到着後、水上氏の手紙が渡されまして、数日の後、周総理と訪中団との会見が行われ、その席で周総理は、わが国は自力更生が国是なのでと、水上氏には恥をかかせないようえんきょくに断っておる事実があります。
 この水上書簡は、日本が中国に与えたいわゆる惨禍と申しますか、損害と申しますか、中国が賠償を放棄しようとも、少なくとも百億ドルぐらいは無償経済援助をして贈与すべきであるという国民感情、これを先取りして、この三井物産の水上氏がやったものと、こう考えられるわけでありますが、これらは生き馬の目を抜くような商社、こういうものの実態を国民の前にもわれわれの前にも明らかにさらけ出したものと驚くと一緒に、驚嘆の意を深くするものであります。
 しかし、三井物産のこの周総理に対する手紙、提案、これは表向きのことで、その本音は、いまの書簡の内容にありましたように、日本国民の贖罪という善意、誠意を表に立てて、その美名の陰に、全国民の血と汗の税金をおのれの私利私欲を肥やすためにそのえじきにしよう、こういう深いたくらみがあることはこれは疑いを入れないところであろうと思います。
 三井物産と田中の、いや財界と自民党との私は大変恥ずかしい関係、その姿がそこからちらりのぞかれておると、こういう感じを持つものでありますが、園田外務大臣にこの点でお尋ねをいたしますが、若い時分漢文、孟子をおやりになって、これらの問題について勉強されたことがあろうかと思いますが、「力をもって仁に仮る者は覇たり。覇は大国たるを要す。」と、こういう文章がございますが、いま日中間でこじれておる覇権の原典、この問題が私はここにある、こう断言をし、これらの問題についてさらに論議を進めたいと思うわけであります。
 この孟子の中に出ておりますように、覇権という問題は昔もいまも国際間では使用されておる用語であることを私は考えるわけであります。特に現在の中国では、俗語でも個人間や社会的な内部の問題でも、この覇権という問題が使われておるわけでありますが、水上氏のこの書簡の内容はやはりこれらの問題に重大なかかわり合いを持つものと、こう考えるわけであります。つまり表面では国民の意思とか善意とかいうにしきの御旗を掲げながら、その実は政治権力や財力で無理無体に反対意思を封じ込め、私利私欲をむさぼるもの、こういうものを覇と言うというその言葉の中に、やっぱり手紙のそういう意思がにじみ出しておる、こういうことになるだろうと思うわけであります。
 この三井物産の覇権の問題、覇権というかこの手紙の内容の問題についてひとつお尋ねをいたしますが、ちょっときょうは警察関係を呼んでおりませんが、いまの問題は至急に、私の時間が三十分までなものですから、大丈夫でしょうか。

発言情報

speech_id: 108415266X00219780330_014

発言者: 大塚喬

speaker_id: 3139

日付: 1978-03-30

院: 参議院

会議名: 予算委員会第一分科会