河本敏夫の発言 (予算委員会)
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○河本国務大臣 ただいま日中の経済関係につきましていろいろお話がございましたが、まず第一番に、中国の国家建設計画、一九八五年までの十カ年計画は、昨年来完全に軌道に乗りつつあると私どもは判断をいたしております。欧米諸国の判断も同じだと思います。
いま御指摘がございましたが、特にことしになりましてから、中国と欧米諸国との経済交流はきわめて盛んであります。欧米諸国からも要人がたくさん中国に行っておりますし、また中国からもやはり要人がたくさん先方に出向いております。きわめて交流が盛んになっております。したがいまして、日本だけが特別に有利な立場にあるということではございません。すべて経済原則に基づきまして、国際競争力という観点に立って中国との間の経済諸問題は進められておるということでございます。
ところが、わが国の場合は、最近円高等の事情もございまして、非常にやりにくい分野がふえております。しかしながら、これはいろいろな努力によりまして解決しなければならぬと考えておりますが、まず、その前提条件といたしまして、貿易の枠を思い切って拡大すみということが肝心だと思います。いまそういう方向で具体的に話が進んでおります。貿易の枠を拡大するにいたしましても、いまお話しのように、日本が中国から石油引き取りの枠を拡大いたしませんとそれは実現をいたしません。
そこで、日本がどの程度の石油を中国から引き取れるかということがこれからの最大の課題だと思います。幸いにいたしまして、わが国の将来の石油事情を考えますと、今後六%成長が続きますと、大体昭和六十年には、省エネルギーなどで相当節約いたしましても、現在の国内の消費量二億九千万トンがほぼ五割ふえまして、四億三千二百万トンとふえる予定になっております。これは昨年八月に総合エネルギー調査会が中間報告を出しましたが、その中に明記されておる数字でございます。
それから、もう一つは、重質油といいましても、世界全体が重質油の傾向にいまなりつつあります。中近東の主だった国におきましても重質油の生産がだんだんとふえております。したがいまして、日本がこれから七、八年の間に一億四千万トンという消費を伸ばしていくということのためには、重質油も相当買わなければならぬ。それは世界の大勢だと私は思います。
そういうことで、政府では最近重質油問題に対応するために重質油懇談会というものをつくりまして、民間の権威者に集まっていただきまして、重質油に関係するすべての問題をいま整理して検討中でございます。特に重質油を分解精製するための技術開発が非常におくれておりますので、ごく最近二組のチームを欧米諸国に送りまして、世界における重質油精製技術の現状について十分調査をさせようと思いまして、いまその準備をいたしております。それから同時に、重質油の分解精製をいたしますといろいろな副製品が出てまいりますので、その市場を開拓するにはどうしたらいいかということもあわせて関係者に研究をしていただいております。そういうことを背景といたしまして、重質油に日本全体が対応できるような政策を強力に進めておりますが、その過程におきまして中国油の問題を解決していきたいと考えております。
なお、電力業界のお話が出ましたが、電力業界は現在原油、重油、ナフサ等の石油類を年間約八千万トン消費しております。その中で原油の生だきと言われるものが約二千二百万トンございまして、その一部が中国油を使用しておるというのが現状でございます。
ただ、原則として申し上げたいことは、これからの発電所は、大体原子力発電、LNG発電、石炭火力、それから水力、地熱、こういうものが中心になりますので、石油火力発電というものは若干ふえますけれども、まずほとんどふえないというのが現状でございますので、全体の石油使用量八千万トンというものは今後全体としては余りふえない、こういうことになっておりますが、その中におきましても、先ほど申し上げましたように世界全体が重質油の傾向にありますので、中国石油引き取り等についても、いろいろな角度から電力業界に協力してもらう分野は大変多いと思います。先般、一部の新聞に電力業界が協力をしない云々という記事が出ておりましたが、必ずしもそういうわけではございませんで、いろいろな角度から協力方につきまして検討していただいておるところでございます。