山下元利の発言 (予算委員会)
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○山下(元)委員 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となっております昭和五十三年度一般会計補正予算(第1号)外二件に対し賛成し、日本社会党、公明党・国民会議及び民社党三党共同提出の編成替えを求めるの動議並びに日本共産党革新共同提出の編成替えを求めるの動議に反対の討論を行います。
最近の日本経済の実態は、わが政府・自由民主党がとってきた適切な経済政策によって、国内需要を中心に緩やかな景気回復の道を歩んでおりますが、八月の完全失業者数は百二十一万人と高水準を続け、厳しい雇用情勢はいまだ改善されず、一向におさまらない円高傾向により夏以来輸出数量が予想外に落ち込んでおり、その国内産業への影響がますます憂慮され、景気の先行きは楽観を許さないものがあります。
他方、国際収支の黒字基調は依然として強く、黒字幅縮小のための一層の努力が必要とされております。
このような事態に対し、政府は、過日、内需拡大を図る、事業規模にして約二兆五千億円の公共投資の追加を中心とする総合的な経済対策を決定し、実質七%成長の達成と国際収支の黒字幅縮小の実現に向けて全力を尽くすことを国民に約束したのであります。
今回、編成された補正予算は、この総合経済対策を裏づけるものであって、きわめて時宜にかなった措置であり、一日も早い成立が望まれているのであります。
以下、補正予算の内容について、賛成の理由を申し述べます。
その第一は、景気刺激策の手段として国民生活に密着した公共投資の追加を選択した点であります。
野党の諸君は、今回もまた一兆円減税を主張しておりますが、公共投資の方が減税より景気刺激効果が大きく、かつ、即効性と確実性にすぐれていることは、多くの識者が認めるところであります。
また、わが国では立ちおくれている生活環境施設の充実が急がれておるのであり、公債依存度が実質三七・六%というきわめて異常な財政事情のもとにおいて、財政健全化に責任を持つ政府が、国債の増発につながる所得税減税を避け、公共投資の追加を選択したことは賢明な政治判断であり、当然であると申さなければなりません。
しかも、今回の公共投資の追加に当たっては、特に、いわゆる第三の道として文教、医療、社会福祉などの施設に重点を置いて資金配分が行われており、このことは国民生活の福祉向上を目指す今後の公共投資の方向を示すものとして評価するものであります。
第二は、構造不況業種、中小企業等に対してきわめてきめ細かな配慮のもとに、不況対策、雇用対策が講じられている点であります。
すなわち、構造不況業種に依存している地域に対する緊急融資制度の創設を初め、雇用安定事業の地域適用、雇用保険の特例などの措置を講じ、従来の対策を一段と拡充強化して住民の要請にこたえているほか、造船業の過剰設備対策、金属鉱業に対する緊急融資制度など、各種の措置が具体的に講じられているのであります。
なお、これらの施策の実効を期するため、政府の機動的な政策運営を強く望むものであります。
第三は、経済協力が拡充されている点であります。
経済協力費二百十四億円の追加は、政府開発援助を三年間に倍増するという政府の方針に沿ったものであり、特に、無償資金協力を拡充して援助の質の向上を図っておりますことは、国際社会におけるわが国の責務を積極的に果たすものとして諸外国からも評価を受けるものと信ずるものであります。
第四は、財政の健全化に努めている点であります。
本補正予算におきましては、歳出の追加を賄うため、公共事業等予備費及び一般の予備費の減額等のほか、既定経費を二千二百九十二億円節減することとし、また、公債の追加発行を特別減税による所得税の減収の範囲内にとどめたことは、財政の健全化を図ろうとする政府の姿勢を示すものとして、まことに心強く感ずるものであります。
今回の補正予算は、景気の回復を一層確実なものにし、雇用の安定を確保して、国民の生活安定を図るという、わが国が当面する最も重要な国民の課題に十分こたえ得るものとして賛意を表するものであります。
最後に、日本社会党、公明党・国民会議及び民社党三党共同提出の動議並びに日本共産党・革新共同提出の動議につきましては、わが党は、ただいま申し述べましたような理由により所得税減税に賛成いたしかねますので、両動議に反対いたします。
以上をもって討論を終わります。(拍手)