園田直の発言 (外務委員会)
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○園田国務大臣 ただいま議題となりました廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
海洋環境保全の必要性なかんずく産業活動等の活発化に伴って生ずる海洋汚染を防止することの必要性は、つとに認識されてきたところでありましたが、海洋の汚染原因の一つである海洋投棄の規制に関する条約を作成することにつきましては、昭和四十七年六月にスウェーデンのストックホルムにおいて開催されました第一回国連人間環境会議においてその重要性が強調されました。この条約は、昭和四十七年十一月にロンドンにおいて開催されました条約作成会議において採択され、わが国は、昭和四十八年六月にこの条約に署名いたしました。
この条約は、昭和五十年八月に効力を生じ、現在フランス、ドイツ連邦共和国、ソビエト連邦、連合王国、アメリカ合衆国を含む四十カ国が締約国となっております。
この条約は、人の健康に危険をもたらし、生物資源及び海洋生物に害を与え、海洋の快適性を損ないまたは他の適法な海洋の利用を妨げるおそれがある廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染を防止することを目的とし、海洋投棄の禁止及び規制、違反行為を防止するための措置等締約国がとるべき措置について規定するとともに、地域的取り決めの締結、技術等の分野での援助等国際的な協力についても定めております。
わが国がこの条約を締結することは、わが国の沿岸海域を含むすべての海洋の環境の保全に資することになるとともに、この分野における国際協力の推進のためにも望ましいと考えます。
よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。
次に、廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の紛争の解決に関する改正の受諾について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約は、その締約国協議会議において、同条約の解釈及び適用に関する紛争の解決のための手続について検討する旨規定しております。この改正は、以上の規定に基づく検討の結果昭和五十三年十月にロンドンにおいて採択されたものであります。この改正は、条約の締約国の三分の二がこの改正の受諾書を機関に寄託した後六十日目の日に、この改正を受諾した締約国について効力を生ずることとなっており、まだ発効いたしておりません。
この改正は、条約の解釈または適用に関する締約国間の紛争であって交渉その他の方法によって解決することができなかったものについて、紛争当事国間の合意により国際司法裁判所に付託しまたは一方の紛争当事国の要請により仲裁に付託すると定めております。また、その仲裁の手続については、紛争当事国が別段の合意をしない限り、新たに追加された付録に定める規則に従うと定めており、付録において仲裁裁判所の構成、費用の負担、裁判手続等について規定しております。
わが国は、従来から、条約の解釈または適用に関して発生することが予想される紛争が公平かつ確実に解決されることが望ましいとの見地から、これらの紛争が最終的に国際司法裁判所または仲裁裁判に付託されるべきであるとの立場をとってきておりますが、この改正の内容は、このようなわが国の立場に合致するものであります。
よって、ここに、この改正の受諾について御承認を求める次第であります。
次に、日本国とポーランド人民共和国との間の通商及び航海に関する条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
わが国とポーランド人民共和国との間には、昭和三十四年に締結された通商に関する条約がありますが、昭和五十三年二月にポーランド側より、ポーランドのガット加盟、両国間の貿易の飛躍的な発展等に伴い、現行条約に比してより広範な事項について規定する新しい通商航海条約を締結したい旨の申し入れがありました。政府としては、このような新条約の締結が両国間の経済交流等の一層の発展に資するところ大であることを考慮してこの申し入れに応ずることとし、昭和五十三年九月及び十月に両国政府間で交渉を行いました結果、条約案文につき最終的合意を見るに至り、昭和五十三年十一月十六日に東京において、わが方本大臣と先方ヴジャシュチック閣僚会議副議長との間で一この条約の署名調印が行われた次第であります。
この条約は、本文二十カ条及び議定書から成っております。この条約は、まず、両国間の貿易の発展及び経済関係の強化のために協力することを規定しております。次に、関税、租税、事業活動等に関する事項についての最恵国待遇、輸出入制限についての無差別待遇、身体及び財産の保護、出訴権についての内国民待遇及び相互主義に基づく最恵国待遇、商船の出入港等についての内国民待遇及び最恵国待遇等を相互に保障しております。また、この条約は、相手国国民を拘禁した場合の領事官への通報義務、その場合の領事官との面会及び通信、入港船舶に対する領事官の援助、両国間の輸送及び通信の促進、仲裁判断の承認及び執行、自由交換可能通貨による支払い、合同委員会の設置等についても定めております。この条約の締結により、わが国とポーランドとの間の経済交流がさらに安定的な基盤の上に一層促進されるものと期待されます。
よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。
次に、特に水鳥の生息地として国際的に重要な、湿地に関する条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
この条約は、特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地及びその動植物の保全を促進することを目的として、昭和四十六年二月にイランのラムサールで開催されました湿地及び水鳥の保全に関する国際会議において採択されたものであります。沼沢地、湿原、干がたを初めとする湿地は、経済上、文化上、科学上及びレクリエーション上大きな価値を有しており、また、そこに生息する水鳥等を保護するとの観点からも湿地の環境保全の必要性が関係国の間で認識されるに至り、この条約として結実したものであります。
この条約は、昭和五十年十二月二十一日に効力を生じ、イラン、ソ連、西ドイツ等の二十二カ国が締約国となっております。
この条約は、各締約国が、その領域内にある湿地を指定するとともに、その保全及び適正利用を図り、湿地に生息する動植物、特に水鳥の保護を促進することを主たる内容としております。
わが国は、自然環境の保全を促進する政策を推進してきておりますが、わが国がこの条約を締結することは、自然環境全般の保全に資することとなるだけでなく環境保全の分野における国際協力を推進する見地からも望ましいものと考えられます。
よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。
次に、南極のあざらしの保存に関する条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
この条約は、南極のアザラシを保護するとともに、これについて科学的な研究を行い、合理的な利用を図ることを目的として、昭和四十七年二月にロンドンで開催されました南極のアザラシの保存に関する会議において採択されたものであります。南極大陸周辺の浮氷水域に生息するアザラシはいまだ大規模な商業的猟獲の対象となったことはありませんが、商業的猟獲が開始される前に何らかの措置をとることの必要性が関係国の間で認識されるに至り、この条約として結実したものであります。
この条約は、昭和五十三年三月十一日に効力を生じ、米国、英国等の八カ国が締約国となっております。
この条約は、締約国の国民または船舶がこの条約の規定及び附属書に規定される規制措置に従う場合を除くほか、南極のアザラシを殺さずまたは捕獲しないことを主たる内容としております。
わが国は、この条約の適用される区域でアザラシの商業的猟獲を行っておらず、また、近い将来これを行うことも予想されておりませんが、わが国がこの条約を締結することは、南極のアザラシの保存のための国際協力を推進する見地から望ましいものと考えられます。
よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。
次に、北西大西洋の漁業についての今後の多数国間の協力に関する条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
北西大西洋の漁業資源の保存及び最適利用のための国際的な協力は、昭和二十五年に発効し、わが国も昭和四十五年に加入するところとなりました北西大西洋の漁業に関する国際条約のもとで行われてまいりましたが、昭和五十一年に至り、北西大西洋の沿岸国であるカナダ、デンマーク、フランス及びアメリカ合衆国が条約の対象水域において相次いで二百海里水域を設定する旨決定したため、これに対応した新しい条約が必要であるとの認識から交渉が行われた結果、昭和五十三年十月にオタワにおいてこの条約が採択されるに至りました。この条約は、昭和五十四年一月一日に効力を生じ、カナダ、欧州経済共同体、ノルウェー、ソビエト連邦等が締約国となっております。
この条約は、北西大西洋の漁業資源の保存及び最適利用を促進すること並びに北西大西洋の漁業資源に関する国際的な協力を促進することを目的としており、総務理事会、科学理事会、漁業委員会及び事務局から成る北西大西洋漁業機関を設立し、科学的調査に係る協力の促進、一定の水域について適用される漁業資源の最適利用のための措置に関する提案の採択等を行う旨規定しております。
わが国がこの条約を締結することは、この条約の実施についてわが国の意見を反映せしめ、北西大西洋の漁業資源の保存及び最適利用のための国際的な協力に参加しつつわが国の漁業の安定した発展を図る上で有意義であると考えられます。
よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。
最後に、日本国政府とフィンランド共和国政府との間の文化協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
わが国とフィンランド共和国との間の文化交流を促進するためにフィンランド共和国との間に文化協定を締結することは、両国間の相互理解と友好関係の一層の強化に資するところ大であると考えられましたので、昭和五十二年二月のコルホネン・フィンランド共和国外務大臣の訪日の機会に、当時の鳩山外務大臣とコルホネン外務大臣との間でこの協定の締結交渉を開始することに意見の一致を見ました。その後交渉を行いました結果、昭和五十三年十二月二十七日に東京において、本大臣とブロムステッド駐日フィンランド共和国大使との間でこの協定の署名を行った次第であります。
この協定の内容は、戦後わが国が締結した各国との文化協定と同様、文化及び教育の各分野における両国間の交流を奨励することを規定しております。
この協定の締結は、両国間の文化交流の一層の促進に資するところ大であると期されます。
よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。
以上七件につき、何とぞ御審議の上、速やかに御承認あらんことを希望いたします。