外務委員会
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会
会議録情報#0
昭和五十四年六月一日(金曜日)
午前十時三十八分開議
出席委員
委員長 塩 谷 一夫君
理事 愛野興一郎君 理事 大坪健一郎君
理事 奥田 敬和君 理事 川田 正則君
理事 井上 一成君 理事 土井たか子君
理事 渡部 一郎君 理事 渡辺 朗君
鯨岡 兵輔君 小坂善太郎君
佐野 嘉吉君 中山 正暉君
永田 亮一君 福田 篤泰君
毛利 松平君 小林 進君
高沢 寅男君 松本 七郎君
浅井 美幸君 中川 嘉美君
寺前 巖君 依田 実君
楢崎弥之助君
出席国務大臣
内閣総理大臣 大平 正芳君
外 務 大 臣 園田 直君
出席政府委員
外務大臣官房審
議官 矢田部厚彦君
外務省アジア局
長 柳谷 謙介君
外務省アジア局
次長 三宅 和助君
外務省欧亜局長 宮澤 泰君
外務省中近東ア
フリカ局長 千葉 一夫君
外務省経済局長 手島れい志君
外務省経済局次
長 羽澄 光彦君
外務省経済協力
局長 武藤 利昭君
外務省条約局長 伊達 宗起君
外務省条約局外
務参事官 山田 中正君
資源エネルギー
庁長官官房審議
官 児玉 勝臣君
委員外の出席者
警察庁警備局外
事課長 鳴海 国博君
科学技術庁原子
力安全局原子力
安全課長 辻 栄一君
科学技術庁原子
力安全局放射能
監理室長 米本 弘司君
科学技術庁原子
力安全局原子力
安全調査室長 佐々木寿康君
国土庁長官官房
防災企画課長 柳 晃君
外務大臣官房外
務参事官 井口 武夫君
運輸大臣官房審
議官 西村 康雄君
外務委員会調査
室長 高杉 幹二君
―――――――――――――
委員の異動
六月一日
辞任 補欠選任
東中 光雄君 寺前 巖君
同日
辞任 補欠選任
寺前 巖君 東中 光雄君
―――――――――――――
五月三十日
千九百七十四年の海上における人命の安全のた
めの国際条約の締結について承認を求めるの件
(条約第一二号)(参議院送付)
千九百七十四年の海上における人命の安全のた
めの国際条約に関する千九百七十八年の議定書
の締結について承認を求めるの件(条約第一三
号)(参議院送付)
所得に対する租税及びある種の他の租税に関す
る二重課税の回避のための日本国とドイツ連邦
共和国との間の協定を修正補足する議定書の締
結について承認を求めるの件(条約第一五号)
(参議院送付)
千九百七十一年の国際小麦協定を構成する小麦
貿易規約及び食糧援助規約の有効期間の第五次
延長に関する千九百七十九年の議定書の締結に
ついて承認を求めるの件(条約第一六号)(参議
院送付)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
原子力の平和的利用における協力のための日本
国政府とカナダ政府との間の協定を改正する議
定書の締結について承認を求めるの件(条約第
三号)
廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止
に関する条約の締結について承認を求めるの件
(条約第一〇号)
廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止
に関する条約の紛争の解決に関する改正の受諾
について承認を求めるの件(条約第一一号)
日本国とポーランド人民共和国との間の通商及
び航海に関する条約の締結について承認を求め
るの件(条約第四号)(参議院送付)
特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に
関する条約の締結について承認を求めるの件
(条約第五号)(参議院送付)
南極のあざらしの保存に関する条約の締結につ
いて承認を求めるの件(条約第六号)(参議院送
付)
北西大西洋の漁業についての今後の多数国間の
協力に関する条約の締結について承認を求める
の件(条約第七号)(参議院送付)
日本国政府とフィンランド共和国政府との間の
文化協定の締結について承認を求めるの件(条
約第八号)(参議院送付)
国際情勢に関する件
――――◇―――――
この発言だけを見る →午前十時三十八分開議
出席委員
委員長 塩 谷 一夫君
理事 愛野興一郎君 理事 大坪健一郎君
理事 奥田 敬和君 理事 川田 正則君
理事 井上 一成君 理事 土井たか子君
理事 渡部 一郎君 理事 渡辺 朗君
鯨岡 兵輔君 小坂善太郎君
佐野 嘉吉君 中山 正暉君
永田 亮一君 福田 篤泰君
毛利 松平君 小林 進君
高沢 寅男君 松本 七郎君
浅井 美幸君 中川 嘉美君
寺前 巖君 依田 実君
楢崎弥之助君
出席国務大臣
内閣総理大臣 大平 正芳君
外 務 大 臣 園田 直君
出席政府委員
外務大臣官房審
議官 矢田部厚彦君
外務省アジア局
長 柳谷 謙介君
外務省アジア局
次長 三宅 和助君
外務省欧亜局長 宮澤 泰君
外務省中近東ア
フリカ局長 千葉 一夫君
外務省経済局長 手島れい志君
外務省経済局次
長 羽澄 光彦君
外務省経済協力
局長 武藤 利昭君
外務省条約局長 伊達 宗起君
外務省条約局外
務参事官 山田 中正君
資源エネルギー
庁長官官房審議
官 児玉 勝臣君
委員外の出席者
警察庁警備局外
事課長 鳴海 国博君
科学技術庁原子
力安全局原子力
安全課長 辻 栄一君
科学技術庁原子
力安全局放射能
監理室長 米本 弘司君
科学技術庁原子
力安全局原子力
安全調査室長 佐々木寿康君
国土庁長官官房
防災企画課長 柳 晃君
外務大臣官房外
務参事官 井口 武夫君
運輸大臣官房審
議官 西村 康雄君
外務委員会調査
室長 高杉 幹二君
―――――――――――――
委員の異動
六月一日
辞任 補欠選任
東中 光雄君 寺前 巖君
同日
辞任 補欠選任
寺前 巖君 東中 光雄君
―――――――――――――
五月三十日
千九百七十四年の海上における人命の安全のた
めの国際条約の締結について承認を求めるの件
(条約第一二号)(参議院送付)
千九百七十四年の海上における人命の安全のた
めの国際条約に関する千九百七十八年の議定書
の締結について承認を求めるの件(条約第一三
号)(参議院送付)
所得に対する租税及びある種の他の租税に関す
る二重課税の回避のための日本国とドイツ連邦
共和国との間の協定を修正補足する議定書の締
結について承認を求めるの件(条約第一五号)
(参議院送付)
千九百七十一年の国際小麦協定を構成する小麦
貿易規約及び食糧援助規約の有効期間の第五次
延長に関する千九百七十九年の議定書の締結に
ついて承認を求めるの件(条約第一六号)(参議
院送付)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
原子力の平和的利用における協力のための日本
国政府とカナダ政府との間の協定を改正する議
定書の締結について承認を求めるの件(条約第
三号)
廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止
に関する条約の締結について承認を求めるの件
(条約第一〇号)
廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止
に関する条約の紛争の解決に関する改正の受諾
について承認を求めるの件(条約第一一号)
日本国とポーランド人民共和国との間の通商及
び航海に関する条約の締結について承認を求め
るの件(条約第四号)(参議院送付)
特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に
関する条約の締結について承認を求めるの件
(条約第五号)(参議院送付)
南極のあざらしの保存に関する条約の締結につ
いて承認を求めるの件(条約第六号)(参議院送
付)
北西大西洋の漁業についての今後の多数国間の
協力に関する条約の締結について承認を求める
の件(条約第七号)(参議院送付)
日本国政府とフィンランド共和国政府との間の
文化協定の締結について承認を求めるの件(条
約第八号)(参議院送付)
国際情勢に関する件
――――◇―――――
塩
塩谷一夫#1
○塩谷委員長 これより会議を開きます。
廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の締結について承認を求めるの件、廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の紛争の解決に関する改正の受諾について承認を求めるの件、日本国とポーランド人民共和国との間の通商及び航海に関する条約の締結について承認を求めるの件、特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約の締結について承認を求めるの件、南極のあざらしの保存に関する条約の締結について承認を求めるの件、北西大西洋の漁業についての今後の多数国間の協力に関する条約の締結について承認を求めるの件及び日本国政府とフィンランド共和国政府との間の文化協定の締結について承認を求めるの件、以上の各件を議題といたします。
まず、政府よりそれぞれ提案理由の説明を聴取いたします。外務大臣園田直君。
―――――――――――――
廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の締結について承認を求めるの件
廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の紛争の解決に関する改正の受諾について承認を求めるの件
日本国とポーランド人民共和国との間の通商及び航海に関する条約の締結について承認を求めるの件
特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約の締結について承認を求めるの件
南極のあざらしの保存に関する条約の締結について承認を求めるの件
北西大西洋の漁業についての今後の多数国間の協力に関する条約の締結について承認を求めるの件
日本国政府とフィンランド共和国政府との間の文化協定の締結について承認を求めるの件
〔本号末尾に掲載〕
―――――――――――――
この発言だけを見る →廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の締結について承認を求めるの件、廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の紛争の解決に関する改正の受諾について承認を求めるの件、日本国とポーランド人民共和国との間の通商及び航海に関する条約の締結について承認を求めるの件、特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約の締結について承認を求めるの件、南極のあざらしの保存に関する条約の締結について承認を求めるの件、北西大西洋の漁業についての今後の多数国間の協力に関する条約の締結について承認を求めるの件及び日本国政府とフィンランド共和国政府との間の文化協定の締結について承認を求めるの件、以上の各件を議題といたします。
まず、政府よりそれぞれ提案理由の説明を聴取いたします。外務大臣園田直君。
―――――――――――――
廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の締結について承認を求めるの件
廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の紛争の解決に関する改正の受諾について承認を求めるの件
日本国とポーランド人民共和国との間の通商及び航海に関する条約の締結について承認を求めるの件
特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約の締結について承認を求めるの件
南極のあざらしの保存に関する条約の締結について承認を求めるの件
北西大西洋の漁業についての今後の多数国間の協力に関する条約の締結について承認を求めるの件
日本国政府とフィンランド共和国政府との間の文化協定の締結について承認を求めるの件
〔本号末尾に掲載〕
―――――――――――――
園
園田直#2
○園田国務大臣 ただいま議題となりました廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
海洋環境保全の必要性なかんずく産業活動等の活発化に伴って生ずる海洋汚染を防止することの必要性は、つとに認識されてきたところでありましたが、海洋の汚染原因の一つである海洋投棄の規制に関する条約を作成することにつきましては、昭和四十七年六月にスウェーデンのストックホルムにおいて開催されました第一回国連人間環境会議においてその重要性が強調されました。この条約は、昭和四十七年十一月にロンドンにおいて開催されました条約作成会議において採択され、わが国は、昭和四十八年六月にこの条約に署名いたしました。
この条約は、昭和五十年八月に効力を生じ、現在フランス、ドイツ連邦共和国、ソビエト連邦、連合王国、アメリカ合衆国を含む四十カ国が締約国となっております。
この条約は、人の健康に危険をもたらし、生物資源及び海洋生物に害を与え、海洋の快適性を損ないまたは他の適法な海洋の利用を妨げるおそれがある廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染を防止することを目的とし、海洋投棄の禁止及び規制、違反行為を防止するための措置等締約国がとるべき措置について規定するとともに、地域的取り決めの締結、技術等の分野での援助等国際的な協力についても定めております。
わが国がこの条約を締結することは、わが国の沿岸海域を含むすべての海洋の環境の保全に資することになるとともに、この分野における国際協力の推進のためにも望ましいと考えます。
よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。
次に、廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の紛争の解決に関する改正の受諾について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約は、その締約国協議会議において、同条約の解釈及び適用に関する紛争の解決のための手続について検討する旨規定しております。この改正は、以上の規定に基づく検討の結果昭和五十三年十月にロンドンにおいて採択されたものであります。この改正は、条約の締約国の三分の二がこの改正の受諾書を機関に寄託した後六十日目の日に、この改正を受諾した締約国について効力を生ずることとなっており、まだ発効いたしておりません。
この改正は、条約の解釈または適用に関する締約国間の紛争であって交渉その他の方法によって解決することができなかったものについて、紛争当事国間の合意により国際司法裁判所に付託しまたは一方の紛争当事国の要請により仲裁に付託すると定めております。また、その仲裁の手続については、紛争当事国が別段の合意をしない限り、新たに追加された付録に定める規則に従うと定めており、付録において仲裁裁判所の構成、費用の負担、裁判手続等について規定しております。
わが国は、従来から、条約の解釈または適用に関して発生することが予想される紛争が公平かつ確実に解決されることが望ましいとの見地から、これらの紛争が最終的に国際司法裁判所または仲裁裁判に付託されるべきであるとの立場をとってきておりますが、この改正の内容は、このようなわが国の立場に合致するものであります。
よって、ここに、この改正の受諾について御承認を求める次第であります。
次に、日本国とポーランド人民共和国との間の通商及び航海に関する条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
わが国とポーランド人民共和国との間には、昭和三十四年に締結された通商に関する条約がありますが、昭和五十三年二月にポーランド側より、ポーランドのガット加盟、両国間の貿易の飛躍的な発展等に伴い、現行条約に比してより広範な事項について規定する新しい通商航海条約を締結したい旨の申し入れがありました。政府としては、このような新条約の締結が両国間の経済交流等の一層の発展に資するところ大であることを考慮してこの申し入れに応ずることとし、昭和五十三年九月及び十月に両国政府間で交渉を行いました結果、条約案文につき最終的合意を見るに至り、昭和五十三年十一月十六日に東京において、わが方本大臣と先方ヴジャシュチック閣僚会議副議長との間で一この条約の署名調印が行われた次第であります。
この条約は、本文二十カ条及び議定書から成っております。この条約は、まず、両国間の貿易の発展及び経済関係の強化のために協力することを規定しております。次に、関税、租税、事業活動等に関する事項についての最恵国待遇、輸出入制限についての無差別待遇、身体及び財産の保護、出訴権についての内国民待遇及び相互主義に基づく最恵国待遇、商船の出入港等についての内国民待遇及び最恵国待遇等を相互に保障しております。また、この条約は、相手国国民を拘禁した場合の領事官への通報義務、その場合の領事官との面会及び通信、入港船舶に対する領事官の援助、両国間の輸送及び通信の促進、仲裁判断の承認及び執行、自由交換可能通貨による支払い、合同委員会の設置等についても定めております。この条約の締結により、わが国とポーランドとの間の経済交流がさらに安定的な基盤の上に一層促進されるものと期待されます。
よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。
次に、特に水鳥の生息地として国際的に重要な、湿地に関する条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
この条約は、特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地及びその動植物の保全を促進することを目的として、昭和四十六年二月にイランのラムサールで開催されました湿地及び水鳥の保全に関する国際会議において採択されたものであります。沼沢地、湿原、干がたを初めとする湿地は、経済上、文化上、科学上及びレクリエーション上大きな価値を有しており、また、そこに生息する水鳥等を保護するとの観点からも湿地の環境保全の必要性が関係国の間で認識されるに至り、この条約として結実したものであります。
この条約は、昭和五十年十二月二十一日に効力を生じ、イラン、ソ連、西ドイツ等の二十二カ国が締約国となっております。
この条約は、各締約国が、その領域内にある湿地を指定するとともに、その保全及び適正利用を図り、湿地に生息する動植物、特に水鳥の保護を促進することを主たる内容としております。
わが国は、自然環境の保全を促進する政策を推進してきておりますが、わが国がこの条約を締結することは、自然環境全般の保全に資することとなるだけでなく環境保全の分野における国際協力を推進する見地からも望ましいものと考えられます。
よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。
次に、南極のあざらしの保存に関する条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
この条約は、南極のアザラシを保護するとともに、これについて科学的な研究を行い、合理的な利用を図ることを目的として、昭和四十七年二月にロンドンで開催されました南極のアザラシの保存に関する会議において採択されたものであります。南極大陸周辺の浮氷水域に生息するアザラシはいまだ大規模な商業的猟獲の対象となったことはありませんが、商業的猟獲が開始される前に何らかの措置をとることの必要性が関係国の間で認識されるに至り、この条約として結実したものであります。
この条約は、昭和五十三年三月十一日に効力を生じ、米国、英国等の八カ国が締約国となっております。
この条約は、締約国の国民または船舶がこの条約の規定及び附属書に規定される規制措置に従う場合を除くほか、南極のアザラシを殺さずまたは捕獲しないことを主たる内容としております。
わが国は、この条約の適用される区域でアザラシの商業的猟獲を行っておらず、また、近い将来これを行うことも予想されておりませんが、わが国がこの条約を締結することは、南極のアザラシの保存のための国際協力を推進する見地から望ましいものと考えられます。
よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。
次に、北西大西洋の漁業についての今後の多数国間の協力に関する条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
北西大西洋の漁業資源の保存及び最適利用のための国際的な協力は、昭和二十五年に発効し、わが国も昭和四十五年に加入するところとなりました北西大西洋の漁業に関する国際条約のもとで行われてまいりましたが、昭和五十一年に至り、北西大西洋の沿岸国であるカナダ、デンマーク、フランス及びアメリカ合衆国が条約の対象水域において相次いで二百海里水域を設定する旨決定したため、これに対応した新しい条約が必要であるとの認識から交渉が行われた結果、昭和五十三年十月にオタワにおいてこの条約が採択されるに至りました。この条約は、昭和五十四年一月一日に効力を生じ、カナダ、欧州経済共同体、ノルウェー、ソビエト連邦等が締約国となっております。
この条約は、北西大西洋の漁業資源の保存及び最適利用を促進すること並びに北西大西洋の漁業資源に関する国際的な協力を促進することを目的としており、総務理事会、科学理事会、漁業委員会及び事務局から成る北西大西洋漁業機関を設立し、科学的調査に係る協力の促進、一定の水域について適用される漁業資源の最適利用のための措置に関する提案の採択等を行う旨規定しております。
わが国がこの条約を締結することは、この条約の実施についてわが国の意見を反映せしめ、北西大西洋の漁業資源の保存及び最適利用のための国際的な協力に参加しつつわが国の漁業の安定した発展を図る上で有意義であると考えられます。
よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。
最後に、日本国政府とフィンランド共和国政府との間の文化協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
わが国とフィンランド共和国との間の文化交流を促進するためにフィンランド共和国との間に文化協定を締結することは、両国間の相互理解と友好関係の一層の強化に資するところ大であると考えられましたので、昭和五十二年二月のコルホネン・フィンランド共和国外務大臣の訪日の機会に、当時の鳩山外務大臣とコルホネン外務大臣との間でこの協定の締結交渉を開始することに意見の一致を見ました。その後交渉を行いました結果、昭和五十三年十二月二十七日に東京において、本大臣とブロムステッド駐日フィンランド共和国大使との間でこの協定の署名を行った次第であります。
この協定の内容は、戦後わが国が締結した各国との文化協定と同様、文化及び教育の各分野における両国間の交流を奨励することを規定しております。
この協定の締結は、両国間の文化交流の一層の促進に資するところ大であると期されます。
よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。
以上七件につき、何とぞ御審議の上、速やかに御承認あらんことを希望いたします。
この発言だけを見る →海洋環境保全の必要性なかんずく産業活動等の活発化に伴って生ずる海洋汚染を防止することの必要性は、つとに認識されてきたところでありましたが、海洋の汚染原因の一つである海洋投棄の規制に関する条約を作成することにつきましては、昭和四十七年六月にスウェーデンのストックホルムにおいて開催されました第一回国連人間環境会議においてその重要性が強調されました。この条約は、昭和四十七年十一月にロンドンにおいて開催されました条約作成会議において採択され、わが国は、昭和四十八年六月にこの条約に署名いたしました。
この条約は、昭和五十年八月に効力を生じ、現在フランス、ドイツ連邦共和国、ソビエト連邦、連合王国、アメリカ合衆国を含む四十カ国が締約国となっております。
この条約は、人の健康に危険をもたらし、生物資源及び海洋生物に害を与え、海洋の快適性を損ないまたは他の適法な海洋の利用を妨げるおそれがある廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染を防止することを目的とし、海洋投棄の禁止及び規制、違反行為を防止するための措置等締約国がとるべき措置について規定するとともに、地域的取り決めの締結、技術等の分野での援助等国際的な協力についても定めております。
わが国がこの条約を締結することは、わが国の沿岸海域を含むすべての海洋の環境の保全に資することになるとともに、この分野における国際協力の推進のためにも望ましいと考えます。
よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。
次に、廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の紛争の解決に関する改正の受諾について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約は、その締約国協議会議において、同条約の解釈及び適用に関する紛争の解決のための手続について検討する旨規定しております。この改正は、以上の規定に基づく検討の結果昭和五十三年十月にロンドンにおいて採択されたものであります。この改正は、条約の締約国の三分の二がこの改正の受諾書を機関に寄託した後六十日目の日に、この改正を受諾した締約国について効力を生ずることとなっており、まだ発効いたしておりません。
この改正は、条約の解釈または適用に関する締約国間の紛争であって交渉その他の方法によって解決することができなかったものについて、紛争当事国間の合意により国際司法裁判所に付託しまたは一方の紛争当事国の要請により仲裁に付託すると定めております。また、その仲裁の手続については、紛争当事国が別段の合意をしない限り、新たに追加された付録に定める規則に従うと定めており、付録において仲裁裁判所の構成、費用の負担、裁判手続等について規定しております。
わが国は、従来から、条約の解釈または適用に関して発生することが予想される紛争が公平かつ確実に解決されることが望ましいとの見地から、これらの紛争が最終的に国際司法裁判所または仲裁裁判に付託されるべきであるとの立場をとってきておりますが、この改正の内容は、このようなわが国の立場に合致するものであります。
よって、ここに、この改正の受諾について御承認を求める次第であります。
次に、日本国とポーランド人民共和国との間の通商及び航海に関する条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
わが国とポーランド人民共和国との間には、昭和三十四年に締結された通商に関する条約がありますが、昭和五十三年二月にポーランド側より、ポーランドのガット加盟、両国間の貿易の飛躍的な発展等に伴い、現行条約に比してより広範な事項について規定する新しい通商航海条約を締結したい旨の申し入れがありました。政府としては、このような新条約の締結が両国間の経済交流等の一層の発展に資するところ大であることを考慮してこの申し入れに応ずることとし、昭和五十三年九月及び十月に両国政府間で交渉を行いました結果、条約案文につき最終的合意を見るに至り、昭和五十三年十一月十六日に東京において、わが方本大臣と先方ヴジャシュチック閣僚会議副議長との間で一この条約の署名調印が行われた次第であります。
この条約は、本文二十カ条及び議定書から成っております。この条約は、まず、両国間の貿易の発展及び経済関係の強化のために協力することを規定しております。次に、関税、租税、事業活動等に関する事項についての最恵国待遇、輸出入制限についての無差別待遇、身体及び財産の保護、出訴権についての内国民待遇及び相互主義に基づく最恵国待遇、商船の出入港等についての内国民待遇及び最恵国待遇等を相互に保障しております。また、この条約は、相手国国民を拘禁した場合の領事官への通報義務、その場合の領事官との面会及び通信、入港船舶に対する領事官の援助、両国間の輸送及び通信の促進、仲裁判断の承認及び執行、自由交換可能通貨による支払い、合同委員会の設置等についても定めております。この条約の締結により、わが国とポーランドとの間の経済交流がさらに安定的な基盤の上に一層促進されるものと期待されます。
よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。
次に、特に水鳥の生息地として国際的に重要な、湿地に関する条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
この条約は、特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地及びその動植物の保全を促進することを目的として、昭和四十六年二月にイランのラムサールで開催されました湿地及び水鳥の保全に関する国際会議において採択されたものであります。沼沢地、湿原、干がたを初めとする湿地は、経済上、文化上、科学上及びレクリエーション上大きな価値を有しており、また、そこに生息する水鳥等を保護するとの観点からも湿地の環境保全の必要性が関係国の間で認識されるに至り、この条約として結実したものであります。
この条約は、昭和五十年十二月二十一日に効力を生じ、イラン、ソ連、西ドイツ等の二十二カ国が締約国となっております。
この条約は、各締約国が、その領域内にある湿地を指定するとともに、その保全及び適正利用を図り、湿地に生息する動植物、特に水鳥の保護を促進することを主たる内容としております。
わが国は、自然環境の保全を促進する政策を推進してきておりますが、わが国がこの条約を締結することは、自然環境全般の保全に資することとなるだけでなく環境保全の分野における国際協力を推進する見地からも望ましいものと考えられます。
よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。
次に、南極のあざらしの保存に関する条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
この条約は、南極のアザラシを保護するとともに、これについて科学的な研究を行い、合理的な利用を図ることを目的として、昭和四十七年二月にロンドンで開催されました南極のアザラシの保存に関する会議において採択されたものであります。南極大陸周辺の浮氷水域に生息するアザラシはいまだ大規模な商業的猟獲の対象となったことはありませんが、商業的猟獲が開始される前に何らかの措置をとることの必要性が関係国の間で認識されるに至り、この条約として結実したものであります。
この条約は、昭和五十三年三月十一日に効力を生じ、米国、英国等の八カ国が締約国となっております。
この条約は、締約国の国民または船舶がこの条約の規定及び附属書に規定される規制措置に従う場合を除くほか、南極のアザラシを殺さずまたは捕獲しないことを主たる内容としております。
わが国は、この条約の適用される区域でアザラシの商業的猟獲を行っておらず、また、近い将来これを行うことも予想されておりませんが、わが国がこの条約を締結することは、南極のアザラシの保存のための国際協力を推進する見地から望ましいものと考えられます。
よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。
次に、北西大西洋の漁業についての今後の多数国間の協力に関する条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
北西大西洋の漁業資源の保存及び最適利用のための国際的な協力は、昭和二十五年に発効し、わが国も昭和四十五年に加入するところとなりました北西大西洋の漁業に関する国際条約のもとで行われてまいりましたが、昭和五十一年に至り、北西大西洋の沿岸国であるカナダ、デンマーク、フランス及びアメリカ合衆国が条約の対象水域において相次いで二百海里水域を設定する旨決定したため、これに対応した新しい条約が必要であるとの認識から交渉が行われた結果、昭和五十三年十月にオタワにおいてこの条約が採択されるに至りました。この条約は、昭和五十四年一月一日に効力を生じ、カナダ、欧州経済共同体、ノルウェー、ソビエト連邦等が締約国となっております。
この条約は、北西大西洋の漁業資源の保存及び最適利用を促進すること並びに北西大西洋の漁業資源に関する国際的な協力を促進することを目的としており、総務理事会、科学理事会、漁業委員会及び事務局から成る北西大西洋漁業機関を設立し、科学的調査に係る協力の促進、一定の水域について適用される漁業資源の最適利用のための措置に関する提案の採択等を行う旨規定しております。
わが国がこの条約を締結することは、この条約の実施についてわが国の意見を反映せしめ、北西大西洋の漁業資源の保存及び最適利用のための国際的な協力に参加しつつわが国の漁業の安定した発展を図る上で有意義であると考えられます。
よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。
最後に、日本国政府とフィンランド共和国政府との間の文化協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
わが国とフィンランド共和国との間の文化交流を促進するためにフィンランド共和国との間に文化協定を締結することは、両国間の相互理解と友好関係の一層の強化に資するところ大であると考えられましたので、昭和五十二年二月のコルホネン・フィンランド共和国外務大臣の訪日の機会に、当時の鳩山外務大臣とコルホネン外務大臣との間でこの協定の締結交渉を開始することに意見の一致を見ました。その後交渉を行いました結果、昭和五十三年十二月二十七日に東京において、本大臣とブロムステッド駐日フィンランド共和国大使との間でこの協定の署名を行った次第であります。
この協定の内容は、戦後わが国が締結した各国との文化協定と同様、文化及び教育の各分野における両国間の交流を奨励することを規定しております。
この協定の締結は、両国間の文化交流の一層の促進に資するところ大であると期されます。
よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。
以上七件につき、何とぞ御審議の上、速やかに御承認あらんことを希望いたします。
塩
塩谷一夫#3
○塩谷委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。
各件に対する質疑は後刻に譲ることといたします。
――――◇―――――
塩谷委員長 国際情勢に関する件について調査を進めます。
質疑の申し出がありますので、これを許します。井上一成君。
この発言だけを見る →各件に対する質疑は後刻に譲ることといたします。
――――◇―――――
塩谷委員長 国際情勢に関する件について調査を進めます。
質疑の申し出がありますので、これを許します。井上一成君。
井
井上一成#4
○井上(一)委員 まず冒頭に外務大臣にお尋ねをいたしたいことは、過日のUNCTADの総会で大平総理が、一般演説の後の内外記者団会見で、ASEAN諸国を対象にした、今後十年間にわたっての、毎年百万ドル、約二億円の留学生奨学資金制度を創設したいということを明らかにされたということです。
実はこの構想は、一昨年八月、福田前総理がマニラにおいて、いわゆるあの福田ドクトリンと称される演説の中で、決して日本は軍事大国にならないんだ、ASEAN諸国と対等な立場に立って連帯を強化していきたいんだということ、そのためにも真の友人としての心の触れ合う相互信頼関係を築き上げていきたいという立場を明確に表明されたわけであります。
もちろん、その路線を継承している一つのあらわれが大平総理のこの発言だと私は理解をするわけであります。がしかし、その構想を具体化する手だてとしてどのような方策を持っているのかどうか、そして外務大臣としても、このことについてのお考えをここでお聞かせいただきたい、こういうふうに思うわけであります。
この発言だけを見る →実はこの構想は、一昨年八月、福田前総理がマニラにおいて、いわゆるあの福田ドクトリンと称される演説の中で、決して日本は軍事大国にならないんだ、ASEAN諸国と対等な立場に立って連帯を強化していきたいんだということ、そのためにも真の友人としての心の触れ合う相互信頼関係を築き上げていきたいという立場を明確に表明されたわけであります。
もちろん、その路線を継承している一つのあらわれが大平総理のこの発言だと私は理解をするわけであります。がしかし、その構想を具体化する手だてとしてどのような方策を持っているのかどうか、そして外務大臣としても、このことについてのお考えをここでお聞かせいただきたい、こういうふうに思うわけであります。
園
園田直#5
○園田国務大臣 ただいままでも、御承知のとおり、ASEANの国々との間では研修、留学あるいは交流基金その他のことが行われておるわけでありますが、それとは別個に、いま御発言なさいました金額を拠出をして、そしてそれによってASEANの国々の優秀な子弟が、日本ばかりでなく、自分が勉強したいというところで勉強をするという一つの援助にしたい、こういう構想でいま具体的に折衝しているところでございます。
この発言だけを見る →井
井上一成#6
○井上(一)委員 昨日も当委員会で、私はわが国における留学生、いわゆる在日留学生の実態というものを具体的に指摘をして、政府の取り組みをただしました。
ただ、大平総理の二億円のその奨学金制度を受け入れる国に対してという、いわゆる呼びかけもさることながら、受け入れる体制というそのもの自体に私はやはり考えなければいけないたくさんの問題点があるのではないだろうか。いわゆる宿舎の問題、いわゆる留学生を受け入れる寮の問題あるいは日本語を習得する課程の問題、いろいろなこと、あるいはいわゆる病気になったときの対応の問題そういうことで私なりに指摘はしたわけでありますけれども、今回のこの大平総理の構想発表も、ただ単に金を出せばいいんだ、金を出すんだという、そういうにおいが、それだけで事が済まされるんだというにおいが何かしてならないわけであります。もっと具体的に、わが国が受け入れをするための一つの手だてとしてこういうことを考えているんだ、その実現はどうであるかは別として、こういうことを考えているんだということをできれば聞きたかったわけであります。もしまだ具体的にそこまで踏み込んでないということであれば、それでも今後の課題としてひとつ十分検討してほしいということでありますので、もう一度お尋ねをしておきたいと思います。
この発言だけを見る →ただ、大平総理の二億円のその奨学金制度を受け入れる国に対してという、いわゆる呼びかけもさることながら、受け入れる体制というそのもの自体に私はやはり考えなければいけないたくさんの問題点があるのではないだろうか。いわゆる宿舎の問題、いわゆる留学生を受け入れる寮の問題あるいは日本語を習得する課程の問題、いろいろなこと、あるいはいわゆる病気になったときの対応の問題そういうことで私なりに指摘はしたわけでありますけれども、今回のこの大平総理の構想発表も、ただ単に金を出せばいいんだ、金を出すんだという、そういうにおいが、それだけで事が済まされるんだというにおいが何かしてならないわけであります。もっと具体的に、わが国が受け入れをするための一つの手だてとしてこういうことを考えているんだ、その実現はどうであるかは別として、こういうことを考えているんだということをできれば聞きたかったわけであります。もしまだ具体的にそこまで踏み込んでないということであれば、それでも今後の課題としてひとつ十分検討してほしいということでありますので、もう一度お尋ねをしておきたいと思います。
園
園田直#7
○園田国務大臣 一般留学生、ASEANを含む留学生についてとかくの批判があったり、あるいは日本に留学しておって、かえって帰ってから日本に対する悪い感情を持ったなどということ あるいはまた先般井上先生から言われたいろいろな問題も起こっておるわけでありますから、そのためには文部省ともよく連携をして、一番障害になっておる日本語の勉強あるいは宿舎あるいは社会環境の改善あるいは里親などをつくって日本の一般市民社会と留学生が溶け合うような方法を考えていかなければならぬと考えております。大平総理の言われましたこの問題は、これはいわゆる奨学資金でございまして、これは日本だけに来るということではなくて、本人が行きたいところへ行って勉強ができるような制度をつくりたい、こういう考え方で、これはいま具体的に予算的な折衝をしておるところでございます。
この発言だけを見る →井
井上一成#8
○井上(一)委員 もちろん、受け入れ国の意思というものを尊重していくということは十分理解をしております。が、しかし、わが国のそういう教育的に関与する資金というもので希望するのは当然第一義的に日本を指すものだ、私はこういうことを理解するわけなのです。日本の奨学金制度で他国へということは常識的には私は考えられない。だからやはり第一にわが国の受け入れ体制を十分整えていくべきであるということを強く指摘をしておきます。
今度は難民の問題についてのことですけれども、この問題については今月の十五、十六日でしたか、いわゆるジャカルタにおいて開かれたインドシナ難民手続センター設立に関する国際会議という会議に日本も参加をして、インドネシア領に難民センターを設立することが合意されたわけです。もちろんそういう会議の中で十分な討議、話し合いがなされたことだと思いますけれども、私はこのセンター実現のための前提条件というか、やはりそれ以前にわが国がなすべき姿勢、対応というものがあると思うのです。そういうことについて、ただセンター建設費の、維持、運営費の拠出をするのだということだけでは済まされないと思うのです。そういうことについてはどういうふうに理解をしていらっしゃるのか、ひとつ聞きおいておきたい、こういうふうに思うわけです。
この発言だけを見る →今度は難民の問題についてのことですけれども、この問題については今月の十五、十六日でしたか、いわゆるジャカルタにおいて開かれたインドシナ難民手続センター設立に関する国際会議という会議に日本も参加をして、インドネシア領に難民センターを設立することが合意されたわけです。もちろんそういう会議の中で十分な討議、話し合いがなされたことだと思いますけれども、私はこのセンター実現のための前提条件というか、やはりそれ以前にわが国がなすべき姿勢、対応というものがあると思うのです。そういうことについて、ただセンター建設費の、維持、運営費の拠出をするのだということだけでは済まされないと思うのです。そういうことについてはどういうふうに理解をしていらっしゃるのか、ひとつ聞きおいておきたい、こういうふうに思うわけです。
園
園田直#9
○園田国務大臣 ただいま発言されました会議において、わが方からはアジア局の三宅次長が出席したわけでありますが、この会議の中でわが日本の代表が積極的にリーダーシップを発揮をして、各国いろいろ意見があったのをまとめたということで、今度は高く評価されているわけでありますが、そこでいまおっしゃいますとおりでございますので、まず費用をどうこうということよりも、それが実際に機宜に適したものであり、実際に効が上がるようなこと等、いろいろやることがありますから、まずこの会議で決定しましたことは、実地調査団と申しますかそういうものを各国から出してつくって、そしてASEANの国々からも出して、一緒になっていろいろな問題を検討し、調査計画を進めていこうじゃないか、こういうことになっておるわけでございます。
この発言だけを見る →井
井上一成#10
○井上(一)委員 私はひとつここで具体的に、この数字は総理府の調べでございますけれども、わが国に上陸した難民が約千九百人という数字が挙がっておるわけなんです。日本への定住を認められたのは九州に住むロイさん一家のわずか三人であるわけです。私はこのインドネシアにおける難民センター設立ということも当然大いに協力体制をとるべきであるわけでありますけれども、先進国だといわれる日本が定住受け入れの体制というものが非常に弱いということであります。ちなみに、アメリカ政府は定住の年間受け入れ数を現行五万一千人から八万四千人以上にふやすために議会と折衝を続けているということが伝えられているわけです。こういうことについても、ただアメリカがそうだからわが国もそうあるべきだという、そういう論理は展開をいたしません。すでに政府が五百人の定住受け入れを決められたわけですね。私はその五百人の定住受け入れの体制を一体どういうふうに整えようとされているのか、そこなんです。そういう予算措置を含めたあるいは受け入れ体制が十分政府によるしっかりとした体制を立てることがやはり先決ではないだろうか。そういうことを少し外務省も真剣に、政府自身も真剣に取り組むということを言っているのですから、具体的にひとつここで聞かしていただきたい、こういうことであります。
この発言だけを見る →三
三宅和助#11
○三宅政府委員 お答えいたします。
先生御指摘のとおりでございまして、今回五百名という一応枠をつくったわけでございますが、問題はそれを実現するための条件をいかにして整えるかということでございます。そのためには、まず定住の希望者が出るためには、まず日本語の習得をさせて日本語をまず教える。その次に職業のあっせんその他で十分な安定的な職業が得られるような道を講じてやる必要があるということが非常に重要な問題でございます。そういう観点から、従来必ずしも政府の施策は十分でなかったということを深く反省いたしまして、現在外務省が各省と協議いたしましてそういう現実的な環境を整えてやる。そうすることによって、定住の希望者で、かつ定住の条件が満たされるということをしてやりたいということで、現在鋭意検討中でございます。さらに条件といたしましても、日本の定住の条件は若干厳しいということで、先般の四月三日の閣議了解に当たりましても、条件の緩和、特に実際的な条件の運用に当たっては弾力的に緩和していこうということの閣議了解が得られたわけでございますので、その了解の線に沿いまして鋭意努力している最中でございます。
なお、予算の面でございますが、先ほど先生御指摘のようにUNHCRに対しまして拠出してございますが、そのほかに、当然ながら上記のような私が申し上げました国内定住に必要な費用がかかります。それにつきましては、今後大蔵省と協議しながら実際的な手当てをしていきたいということでございます。
この発言だけを見る →先生御指摘のとおりでございまして、今回五百名という一応枠をつくったわけでございますが、問題はそれを実現するための条件をいかにして整えるかということでございます。そのためには、まず定住の希望者が出るためには、まず日本語の習得をさせて日本語をまず教える。その次に職業のあっせんその他で十分な安定的な職業が得られるような道を講じてやる必要があるということが非常に重要な問題でございます。そういう観点から、従来必ずしも政府の施策は十分でなかったということを深く反省いたしまして、現在外務省が各省と協議いたしましてそういう現実的な環境を整えてやる。そうすることによって、定住の希望者で、かつ定住の条件が満たされるということをしてやりたいということで、現在鋭意検討中でございます。さらに条件といたしましても、日本の定住の条件は若干厳しいということで、先般の四月三日の閣議了解に当たりましても、条件の緩和、特に実際的な条件の運用に当たっては弾力的に緩和していこうということの閣議了解が得られたわけでございますので、その了解の線に沿いまして鋭意努力している最中でございます。
なお、予算の面でございますが、先ほど先生御指摘のようにUNHCRに対しまして拠出してございますが、そのほかに、当然ながら上記のような私が申し上げました国内定住に必要な費用がかかります。それにつきましては、今後大蔵省と協議しながら実際的な手当てをしていきたいということでございます。
井
井上一成#12
○井上(一)委員 外務大臣に、提案になるかもわかりませんし、あるいはぜひそういうことも検討し実現していただければ非常にありがたいと私は思うのですけれども、ただ単に難民あるいはその一定の条件が備わった者ということに限らずに、時あたかも国際児童年である、アジアの子供たちが何らかの理由で両親を亡くしたり、保護を受けることが非常に不可能な状態に置かれている、そういう子供たちを引き取ってまとまった環境の中で小学校にも中学校にも、そしてときには高等教育も、その中で技能訓練、職業訓練を受けて、その子供たちが日本で学びあるいは日本で受けた教育が自国に帰ったときに大いに役立つ、自分の人生の基礎は本当に日本で培ったんだという誇りを持てるような施設、そういうものをつくるべきではないだろうか。
ただ単に難民ということだけにとらわれるのではなく、そして家族という形の中で位置づけるのではなく、戦争によって両親を亡くして孤児になった子供たちもおるでしょうし、あるいは失業、病気その他でいま申し上げたような両親あるいは保護をしておる保護者がなくなっていく、そういうことを考えれば、国際児童年ということだけにとらわれなくても、いま難民問題とかアジアの抱えるいろいろな問題を考えたときに、もういち早くそういうことに取り組まなければいけない。学校もそうだと思うのです。そしてそういう形の中で日本の子供たちもそこで一緒に学べる、そういう中から、日本語の習得ということを生活を通して身につけるということが一番早いと思うのです。限られた教室の中で語学を教わるということもときには必要かもわからないけれども、そういうことを考えればぜひそのような、これは私の持論ですけれども、物事の最初は情熱的な発想、熱い胸から受けとめて事が始まると思うのです。それをいかに理性的に科学的に分析し対応していくかということが政治だと私は思っているのです。
そういうことを考えたら、いまの日本、ただ単に金をそれだけ使うんだ、あるいは予算を計上するんだということだけに事を済ましてはいけない。あるいはもし善意の発想から受け入れをしようという慈善的な発想の形の中だけで頼り切ってもいけない。当初はそうであったとしても、政府自体がアジア諸国との心の触れ合う対等の連帯を深めるというならば、まさにそのあかしとして児童に対する一つのそのような施設をぜひつくるべきである。国が国の金で、そして国がみずからの運営でそういうことをすることが一番望ましいと私は思うのです。そういうことが政治ではないでしょうか。そういうことが心の触れ合う外交ではないでしょうか、こういうことを申し上げたいのです。
このことについては、本当に精力的に世界を駆けめぐって日本の自主外交を推し進めていく園田外務大臣にぜひそのような実現方を私は心から強く希望するわけでありますし、そのためにも、私もそのことについては社会党の国会議員として私なりに十分協力していかなければいけないし、むしろ与野党がそういうことを目標を一にして世界の日本、アジアの日本としての位置づけを明確にするためにもそのような外交を推し進めていくべきである。やるとかやらないとかいうことで終わるのではなく、あるいはそういうことを私は答弁の中に求めているのではありません。私の考えておるそういうようなことが実現できるように取り組んでいただけるようなお考えを少しでもお持ちであれば、その実現方に外務省が先頭に立って大平内閣の一つの施策のあらわれとしてぜひ実現をしていただきたいということであります。大臣から大臣なりのお考えを聞かしていただきたいと思います。
この発言だけを見る →ただ単に難民ということだけにとらわれるのではなく、そして家族という形の中で位置づけるのではなく、戦争によって両親を亡くして孤児になった子供たちもおるでしょうし、あるいは失業、病気その他でいま申し上げたような両親あるいは保護をしておる保護者がなくなっていく、そういうことを考えれば、国際児童年ということだけにとらわれなくても、いま難民問題とかアジアの抱えるいろいろな問題を考えたときに、もういち早くそういうことに取り組まなければいけない。学校もそうだと思うのです。そしてそういう形の中で日本の子供たちもそこで一緒に学べる、そういう中から、日本語の習得ということを生活を通して身につけるということが一番早いと思うのです。限られた教室の中で語学を教わるということもときには必要かもわからないけれども、そういうことを考えればぜひそのような、これは私の持論ですけれども、物事の最初は情熱的な発想、熱い胸から受けとめて事が始まると思うのです。それをいかに理性的に科学的に分析し対応していくかということが政治だと私は思っているのです。
そういうことを考えたら、いまの日本、ただ単に金をそれだけ使うんだ、あるいは予算を計上するんだということだけに事を済ましてはいけない。あるいはもし善意の発想から受け入れをしようという慈善的な発想の形の中だけで頼り切ってもいけない。当初はそうであったとしても、政府自体がアジア諸国との心の触れ合う対等の連帯を深めるというならば、まさにそのあかしとして児童に対する一つのそのような施設をぜひつくるべきである。国が国の金で、そして国がみずからの運営でそういうことをすることが一番望ましいと私は思うのです。そういうことが政治ではないでしょうか。そういうことが心の触れ合う外交ではないでしょうか、こういうことを申し上げたいのです。
このことについては、本当に精力的に世界を駆けめぐって日本の自主外交を推し進めていく園田外務大臣にぜひそのような実現方を私は心から強く希望するわけでありますし、そのためにも、私もそのことについては社会党の国会議員として私なりに十分協力していかなければいけないし、むしろ与野党がそういうことを目標を一にして世界の日本、アジアの日本としての位置づけを明確にするためにもそのような外交を推し進めていくべきである。やるとかやらないとかいうことで終わるのではなく、あるいはそういうことを私は答弁の中に求めているのではありません。私の考えておるそういうようなことが実現できるように取り組んでいただけるようなお考えを少しでもお持ちであれば、その実現方に外務省が先頭に立って大平内閣の一つの施策のあらわれとしてぜひ実現をしていただきたいということであります。大臣から大臣なりのお考えを聞かしていただきたいと思います。
園
園田直#13
○園田国務大臣 難民の問題は人道上の問題であります。そこで、これを一般普遍的なものではなくて、最も不幸なもの、そして子供、子供もまた気の毒な子供、こういうことを重点にやっていけという御意見は非常に大切な御意見であって、貴重な御意見であると思います。いまの御意見が必ず実際に生きていきますよう今後の行動、実行については進める所存でございます。
この発言だけを見る →井
井上一成#14
○井上(一)委員 期待をいたします。
さらに、私は、今度は在外邦人の問題について少しここでお尋ねしておきたいと思うのであります。
まず、国際人権規約が批准され、そして常に生きる権利をすべての力で保障していこう。いままた私は、常に一番弱い立場に置かれている児童に対する取り組みを国際的な立場に立って考えてほしいということも申し上げたわけであります。
反面、外国に居住するわが日本国民の現状は一体どうなのだろうか、そういうことを考えなければいけない。
まず、私は在外邦人の保険の問題について実情はどうなのだろうかということをここで聞かしてほしいと思うわけであります。その人の当然保障されるべきいろいろな権利があるわけでありますけれども、まず保険制度についてはどういうような保障がされているのですか、それからお伺いをしていきたいと思います。――外務省かこれを答えられないというのが現状なんですよ、外務大臣。私は、こんなことで本当にいいんだろうかと思うのです。もっと具体的なことは私は私の調査で承知しているのですけれども、いかがなんですか、そこに座っていらっしゃる外務省の人たちが一たん外国へ出られた、そして外国で勤務につかれた、その折に受けるみずからの健康を保持するためにあるいは病気にかかったときに一体どんな状態でいわゆる保険給付が受けられるのか、こういうことなんです。日本では皆保険、すべての国民がその保険制度の中で十分な保障がなされているわけです。そういうことを考えれば、外交官ですら十分に保障されてないわけです。外地に勤務するということだけで八割給付のところもあるでしょうし、当然国内においては十割給付であるという立場に立ちながら何割かの給付が削減されていく。一般邦人についてはどうなんだろうか。私はさらに条件が悪いと思うのです。教育の問題もありますけれども、そういうことを考えれば、もちろん相互主義という一つの原則もあるかもわかりませんけれども、相手国との話し合いということがあるかもわかりませんけれども、わが国が十分に体制を受け入れるようにしながら、そして、わが国の国民も相手国に対して受け入れてもらえるように十分な手だてをしていくべきであるというふうに思うのです。何かこのことでお答えがいただけるならば、補足でも結構ですからお答えをいただきたいと思います。
この発言だけを見る →さらに、私は、今度は在外邦人の問題について少しここでお尋ねしておきたいと思うのであります。
まず、国際人権規約が批准され、そして常に生きる権利をすべての力で保障していこう。いままた私は、常に一番弱い立場に置かれている児童に対する取り組みを国際的な立場に立って考えてほしいということも申し上げたわけであります。
反面、外国に居住するわが日本国民の現状は一体どうなのだろうか、そういうことを考えなければいけない。
まず、私は在外邦人の保険の問題について実情はどうなのだろうかということをここで聞かしてほしいと思うわけであります。その人の当然保障されるべきいろいろな権利があるわけでありますけれども、まず保険制度についてはどういうような保障がされているのですか、それからお伺いをしていきたいと思います。――外務省かこれを答えられないというのが現状なんですよ、外務大臣。私は、こんなことで本当にいいんだろうかと思うのです。もっと具体的なことは私は私の調査で承知しているのですけれども、いかがなんですか、そこに座っていらっしゃる外務省の人たちが一たん外国へ出られた、そして外国で勤務につかれた、その折に受けるみずからの健康を保持するためにあるいは病気にかかったときに一体どんな状態でいわゆる保険給付が受けられるのか、こういうことなんです。日本では皆保険、すべての国民がその保険制度の中で十分な保障がなされているわけです。そういうことを考えれば、外交官ですら十分に保障されてないわけです。外地に勤務するということだけで八割給付のところもあるでしょうし、当然国内においては十割給付であるという立場に立ちながら何割かの給付が削減されていく。一般邦人についてはどうなんだろうか。私はさらに条件が悪いと思うのです。教育の問題もありますけれども、そういうことを考えれば、もちろん相互主義という一つの原則もあるかもわかりませんけれども、相手国との話し合いということがあるかもわかりませんけれども、わが国が十分に体制を受け入れるようにしながら、そして、わが国の国民も相手国に対して受け入れてもらえるように十分な手だてをしていくべきであるというふうに思うのです。何かこのことでお答えがいただけるならば、補足でも結構ですからお答えをいただきたいと思います。
園
園田直#15
○園田国務大臣 海外で働いておる在留邦人、外務省の公務員も含んで、一番問題になり苦労しておるのは、いまの病気、健康を保つということであります。アフリカその他では特に巡回の医療制度等もありますけれども、これは単に行って健康診断をする程度で、なかなか効果を出していない。そこで、医療センターをつくるとか、あるいは中心地に何か方法をするとか、さらに日本のお医者さんと現地のお医者さんの免許の問題等もいろいろあるわけであります。なおまた、いまおっしゃいました保険制度、これが海外へ行って働いている人は、国内の給付よりも不便であり、病気の場合飛行機で飛ばなければならぬわけでありますからかえって必要でありますが、現状においてはそれが国内における制度がそのまま実行されていない。こういうむずかしい面もありますが、一番大事な問題でありますから、きょうは関係の事務当局来ておりませんけれども、厚生省とも相談をし、これは一番わが外務省の身に及ぶところでございますから、ただいまの御発言を契機にして検討、努力をしたいと考えております。
この発言だけを見る →井
井上一成#16
○井上(一)委員 私はやはりこういうことも十分配慮するというのでしょうか、十分に検討をして、本当にそういう中からそれぞれすべての基本的人権というか、その人の生きることへの保障がなされていくというふうに思うのです。ただ単に数が少ないからとか、あるいは側に追い出されたからというような形の中で処理をしていくものではない、あるいは違った国に制度的な問題だということですべてを片づけていくということであってはいけないというふうに思うのです。大臣が今後この問題について十分な取り組みをしていただくということですので、このことについては、まだまだ教育の問題もありますけれども、在外邦人に対する医療、保険その他教育を含めて十分に配慮するようお願いをしておきます。
大臣、時間でしたらとうぞ。――外務大臣か時間で退席をされましたので、今度は担当の政府委員に、わが国の現在の海外経済援助、とりわけ無償援助についての実態というものを私は問いただしていきたいと思うのです。
さみだれ的、罪悪的海外経済援助であってはいけないということを終始申し上げてきました。そしてまた、その海外経済援助が多国籍企業の利権の場になってはいけないし、利益追求の先棒を担ぐようであってはいけない、これも私は強く指摘をしてきました。少なくとも、今日の経済援助の実態というもの、予算化がされて予算執行がなされるわけでありますけれども、その後における実情というものを十分に承知しているのかどうか、そして、そのことについての、いわゆる執行後の状態というものがどういう効果を出しているのかということについて、具体的に事例を挙げて私はここで説明をいただきたいと思うのです。
この発言だけを見る →大臣、時間でしたらとうぞ。――外務大臣か時間で退席をされましたので、今度は担当の政府委員に、わが国の現在の海外経済援助、とりわけ無償援助についての実態というものを私は問いただしていきたいと思うのです。
さみだれ的、罪悪的海外経済援助であってはいけないということを終始申し上げてきました。そしてまた、その海外経済援助が多国籍企業の利権の場になってはいけないし、利益追求の先棒を担ぐようであってはいけない、これも私は強く指摘をしてきました。少なくとも、今日の経済援助の実態というもの、予算化がされて予算執行がなされるわけでありますけれども、その後における実情というものを十分に承知しているのかどうか、そして、そのことについての、いわゆる執行後の状態というものがどういう効果を出しているのかということについて、具体的に事例を挙げて私はここで説明をいただきたいと思うのです。
武
武藤利昭#17
○武藤政府委員 わが国の経済協力、特に無償援助につきまして、それがさみだれ的であってはならないという先生の御意見、私どもといたしましても全くそのように考えているところでございます。特に最近におきましては、わが国の経済協力にもいろいろの形のものがあるわけでございますが、有償経済協力のいわゆる円借款、無償協力、技術協力、こういうようなものをできるだけ結びつけることによりまして効果的な効果を上げるという方向で努力をいたしているところでございまして、たとえば昨年来、アフリカのタンザニアでございますけれども、キリマンジャロの総合開発計画というようなものをわが国の開発調査の一環として実施いたしまして、その総合開発計画の中に盛られている諸計画につきましていろいろな形の経済協力、ただいま申し上げましたような有償、無償、技術協力を結びつけまして、その地域の総合的な開発に貢献するというような方向で努力をいたしている次第でございます。
それから、わが国は、特に無償援助につきましては、途上国の中でも一人当たりの経済水準が低い貧困国を重点的な対象として実施いたしているわけでございますが、この趣旨はあくまでも相手国の経済の発展、民生の安定に貢献をするということが眼目でございまして、すべてはそのような趣旨にのっとるような方向で実施されなければならないと考えている次第でございます。
最近わが国の経済協力も非常に拡大いたしまして、非常に多くの開発途上国にいろいろの援助が実施されているわけでございますけれども、私どもといたしましては、そのフォローアップにつきましてもできるだけ注意をいたしているところでございまして、在外公館を督励いたしまして、わが国が行った経済協力の実施ぶりについてできるだけフォローアップをし、問題点等あらば随時本省に対して報告するように指示いたしているというのが現状でございます。
この発言だけを見る →それから、わが国は、特に無償援助につきましては、途上国の中でも一人当たりの経済水準が低い貧困国を重点的な対象として実施いたしているわけでございますが、この趣旨はあくまでも相手国の経済の発展、民生の安定に貢献をするということが眼目でございまして、すべてはそのような趣旨にのっとるような方向で実施されなければならないと考えている次第でございます。
最近わが国の経済協力も非常に拡大いたしまして、非常に多くの開発途上国にいろいろの援助が実施されているわけでございますけれども、私どもといたしましては、そのフォローアップにつきましてもできるだけ注意をいたしているところでございまして、在外公館を督励いたしまして、わが国が行った経済協力の実施ぶりについてできるだけフォローアップをし、問題点等あらば随時本省に対して報告するように指示いたしているというのが現状でございます。
井
井上一成#18
○井上(一)委員 一見非常に丁寧な答弁のように聞こえるけれども、実際はあなた、私の質問の趣旨というものを理解しているのですか。そんな答弁は私には通用しない。経済援助の趣旨だとかあるいは方針だとかいうことはよくわかっているわけです。相手国の自立育成、民生安定、いろいろな形の中で本当に友好が深められるような援助でなければいけない。私の聞いているのは、そういうことが実際になされているであろうか、それぞれの経済援助について外務省は全部把握をしているのかということなんですよ。もう下へおろしてしまえば、たとえば具体的に、これは無償の経済援助とは少し違いますけれども、災害関係で災害援助をする、その場合に、特定の国に閣議決定で何億の災害援助をしようということが決まったら、決まる以前から商社がたむろしているわけです。担当におろしたらそれで外務省はしまいなんですよ。後、どうなって、どういうふうなことが取り決められて、どういうふうに相手国につないでいったか、相手国はそれによってどうなっているんだ――災害援助ですらそうなんです。まして私がいま指摘している無償援助、有償のもの、借款のものについてはまだまだあるのですけれども、無償の援助についてすら十分なフォローアップができていないし、実情掌握というものができていないと私は認識しているわけなんです。だから、そうであるのか、あるいは十分認識をしているというなら、その認識されている状態を、時間もありませんから、書面でわかるように出してもらいたいと私は思うのです。そういうことが十分でないというなら、今後そのような十分な取り組みをしますという決意を聞かしてほしい。こういうことなんです。十分掌握していると言うなら、ここでそのような状態を次回の委員会までに私に出してください。
この発言だけを見る →武
井
井上一成#20
○井上(一)委員 あなた方は特定の企業の中身に入るのだと言って、政府の金で、国民の税金で買う、あるいは援助する、そういう形の実態すら報告をしないじゃないですか。だから大臣がいらっしゃるときにと思ったのだけれども、大臣にかわるべき政務次官なりあるいは責任のある人の答弁を私はここで求めたいと思うのです、上司と相談してとおっしゃるけれども。そうしたら、相談をして決断のできる人に答弁を求めましょう。こんなことで国際情勢について何ぼ質疑をしたってこれは本当に行き着かないわけですね。これは委員長の裁断で私は善処を要望したい。もう時間が参りましたが、あなた方、出さないでしょう、出すのですか。
この発言だけを見る →武
武藤利昭#21
○武藤政府委員 無償援助の実施の態様につきましては、井上先生よく御承知のとおりわが国で物資を調達して相手国に提供するのではなくて、相手国政府が調達をいたしまして、その調達のための資金をわが国が提供しているということでございまして、その調達の契約は相手国の政府と企業との間の第三者間の私契約ということになります関係上、わが方といたしまして、その内容につきまして必ずしも全貌を御報告できない場合があるということにつきましては御了承いただきたいと存ずる次第でございます。
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井上一成#22
○井上(一)委員 事実相手国の希望するようになっているのかどうかということですね。相手国はわが国からいわば無償で、ただいただくのですから、強い要求というものはできないわけなんです。しかし、こういうことをしてほしいということについては相手国が希望を言うわけなんです。私自身の判断は、どうも大手商社か経済援助という名をかりて商いをしておる、私はそこに暴利はないと思いますよ。ないと思うけれども、ややもするとそれが疑惑を生む一つの非常に大きなきっかけになっている、こういうことなんです。私はあえて無償ということに限ったわけではないわけです。経済援助、ただ具体的に資料については無償のものだけと、こういうことなんです。有償も含めて、借款も含めて、それじゃお出しをいただけますね。
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武藤利昭#23
○武藤政府委員 先ほど申し上げましたように、相手国政府と企業との間の第三者間の私契約にわたる部分につきましては必ずしもそのすべてをお出しすることができないということにつきましては、重ねて御理解をお願いしたいと思うわけでございますけれども、そのような私契約上の秘密に属さない範囲におきましてできるだけのものは提出させていただくこととしたい、このように考えております。
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井上一成#24
○井上(一)委員 このことについては後刻資料をちょうだいするということで、いま現在民間ベースで国際プロジェクトとして海外に進出している、大手十社が取り組んでいる重立ったプロジェクト名をここで挙げてください。
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井
井上一成#26
○井上(一)委員 それじゃ国民の税金が流れるであろうと外務省が予想されるような、あるいはそこまで行かなくても、いま国際プロジェクトが危機に陥っているという代表的なものをおっしゃってごらんなさい。
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武藤利昭#27
○武藤政府委員 もちろん現在一番話題になっておりますのはイランのバンダルシャプールのプロジェクトでございますが、先生御承知のとおり、これは民間のプロジェクトに一部分政府の資金を供与している性格のものであるわけでございます。
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井上一成#28
○井上(一)委員 そうなんですよ。輸銀の政府資金。いろいろな形の中で政府がかかわり合いを持っているのですよ、イランの問題一つをとらえても。このイランの問題は逆に言えば、イラン政変の一つの大きな要因は何なのか、具体的に言えば、日本の企業もイラン政変の要因をつくり出したかもわからない。いわゆるロッキードから日本の政治家が金をもらっていた。日本の商社がイランの政治家に、時の権力者にそのようなことをやっておったかもわからないし、やっておったという疑いを私は持っておるわけなんです。それが国民のいわゆる所得格差をぐっと広げた。大衆は怒った。その中にイランの政変が起こった。こういうことがイラン政変の大きな要因の一つなんです。あなた、何を言っているのですか。そんなことも外務当局が十分に理解をしなければいけない。そして本当に相手国に喜んでもらえるような経済援助をするのが真の経済援助である。そういうことを強く私自身は求めているわけなんです。
いまイランの一例を出しました。インドネシアもそうなんです。インドネシアの大統領が近いうちにわが国を訪問されます。いろいろな経済援助を今後取り交わしていくでしょう。しかし、常に考えなければいけないことは、国民の税金、国民の金、そういうものがどんな形で関与していくか、流れていくか、そこのところには一点の疑いがあってもいけないということなんです。そういうことを私は強く外務省当局に言っているわけなんです。そういうことが外務省にも大きく関係のある一つの仕事である。私自身は経済援助については、皆さんの苦労を多とはするけれども、いま私が話したそういうことも今後十分配慮しながら取り組んでほしいということなんです。
時間が参りましたので、強い要望を申し上げて質問を終えます。
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時間が参りましたので、強い要望を申し上げて質問を終えます。
塩