伊藤茂の発言 (大蔵委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○伊藤(茂)委員 いままでのことでちょっと大臣に感想をお伺いしたいのです。
 これからUNCTADの総会があり、特に注目をされる東京サミットがある。そういう中で、主要な柱として南北問題が提起をされている。現状を見ましても、やはり南北問題の根本的な問題はなかなか解決をされない。言うならば、途上国のいろいろな分化傾向の問題もあり、特にLLDC、後発途上国といいますか、深刻さを加えている。基本的には南北格差は今日の国際的な社会条件ではなかなか消せないという深刻さを持っている。いま申し上げましたように、それぞれの相手の国の中でそれでは民主的発展というものがあって、絶対的貧困層の解消を初め社会的矛盾の解決が進むのかと言えば、マクナマラ総裁も指摘をしているように、非常に深刻なままで残っているという問題もあります。
 私はこういう中で、日本の国家としての政策としては、いろいろ内外の要望に対する当面の対応の政策というだけではやはり足りない立場に日本はあるのだと思うのです。そしてまた、エコノミックアニマルのような対応になってはもちろんいけないということだと思います。それから、いままでの日本の経済援助の経過を振り返ってみましても、たとえば現在もそうだと思いますが、日韓の関係の問題などは、私どももこれは外交、平和の視点からしても経済協力関係からしても、数々の問題を持っているのではないかということを指摘をしているわけでありますし、ベトナム戦争当時の日本の果たした役割りの問題もあります。アジアにおいて振り返ってみてどういう役割りを果たしたのだろうかということは、よく振り返って考えてみなければならないということではないだろうかと思います。
 そういうことを考えますと、一つは、やはり平和共存あるいは平等互恵、そういう友好的な関係をどうつくっていくのかという視点を持たなければならない。それから相手国の民主的な発展、極貧困層の解消、そういう方向、いまお話がありましたが、やはりベーシック・ヒューマン・ライツと言われましたが、人権という視点ですね、いろいろな視点が出される必要があると思います。そういうものが相伴って私は一つの理念的な方向なり、それからこれからの国際秩序に関する方向づけなりを、私は日本が特段に提起をしていくべき責任を持っている立場ではないだろうか。そういうものがおくれているために、たとえば国連でもバングラデシュに負けるとかいうふうな問題が起きるということだと思います。
 一方、途上国の側でも、また数々のそのほかの国の側でも、新国際経済秩序ということについての国連での宣言の採択などを初めとして、具体的なそういう問題の解決のアプローチの努力も進んできているという現状だと思います。ですから、UNCTADの総会もそうですし、それから東京サミットもそうですが、私はこの三年倍増論とかあるいはさらに努力をいたしますとかそういうことよりも、もっと一歩進んだ日本の立場というものを持っていく、そういうものを出しながら相手国の方にも、積極的なまた真剣なそういう国内的な諸問題の解決にもまた話し合っていく、そういう意味でのもう一歩進んだことがないと、何か日本の援助によって、アフリカなんかにもあるわけですが、独裁国家の強化をされてみたり、あるいは数々の疑惑が生まれてみたりというようなことがあるのではないだろうか。そういう意味で、いまや日本は量と質をどう改善するのかという段階からもう一歩進んだそういう努力を、特に政府なりあるいは政治レベルで努力をしていくということが必要なんではないだろうかということを思うわけですが、大臣、所見をお持ちでしょうか。

発言情報

speech_id: 108704629X01519790411_011

発言者: 伊藤茂

speaker_id: 9141

日付: 1979-04-11

院: 衆議院

会議名: 大蔵委員会