玉沢徳一郎の発言 (農林水産委員会)
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○玉沢委員 これは学術上きわめて価値の高いものであり、わが国に固有の動物であるという点をお話しいただいたわけでありますが、ところが動植物の場合で、学術上きわめて価値のあるものであり、その国固有の動物であるというような場合におきましては、各国は動植物保護令というようなものをもちましていわゆる絶滅する種を保護する、こういうことで別個に管理、研究の対象にしておるという例が多いと思うのですね。
そこでドイツの例を見てまいりますと、こういう動植物保護令の場合におきましては、確かに保護をする。ただし、保護するけれども、それが農作物とかあるいは人間の生活に影響を及ぼすというような場合におきましては、狩猟法によりまして適用除外を設けておりまして、そして個体の除外をやっておるという例が大半ではないか。
ドイツにおきましても、狩猟法等を見ますると、農林業に獣害が生じた場合には、農林業利用者は獣類を駆除する権利を有しておる、あるいは獣害のひどい場合は所轄官庁は狩猟実行権者に狩猟を命じ、命令に従わない場合はみずから狩猟を行いまして害獣を減殺することができる、こういうことになっているわけであります。しかも、ドイツの各州の保護令を見ましても、大体経済的な損失を避けるためには、人間の生活を守るという立場から減殺をするという処置を認めておる。
日本におきましては、特にカモシカは日本にしかいないというきわめて貴重な動物でありますが、さらにアメリカの例を見ますると、アメリカにもやはりバイソンといういわゆるバッファローの例がある。これはかつて千五百万頭くらい西部の大平原においては闊歩しておったらしいのでありますが、これが大変な乱獲によりまして数十頭に減ったわけですよ。ところが、これは非常に学術上価値があるわけでありますから、これを保護しなければならぬということで、一九〇五年に特別保護区を設けまして、そしてオクラホマ州のウィチタマウンテンズ国立野生鳥獣保護区、五万九千エーカーの地域に十五頭を放しまして繁殖を図ってきた。ところが、これが大体千頭までふえてまいりますと、保護区の中における適正な個数を確保しまして、これ以上ふえた場合は、いかにこれが保護令によって保護されておってもこれを殺しておる、あるいは肉を食ったり、皮を利用したりしているわけですね。資源を利用する、こういう考え方なんですね。そのほかの害獣におきましても、保護区におきまして必要以上にふえた個体に対しましては、個体を減らすという努力をしておる。あくまでも保護区において生息環境の持つ収容力を極度に上回った場合は個体数を排除するという考え方である。だから、あくまでも環境の持つ収容能力に見合った個体数を安定的に維持するという考え方であるわけです。
そういう考え方から見ますれば、わが国のカモシカを保護するということにおきましても、決して無制限にカモシカを保護していいはずはないのであります。人間の農作物その他に影響を及ぼすということであるならば、ある程度これを減殺するという努力をしてもいいんじゃないか。そういう場合に、もちろん私どもはカモシカを全部乱獲をしてとれということを言っているわけではありませんが、人間も生存をする、カモシカも生存をする、共存共栄ですね、そうした場合には、保護区をもう少し広範に指定をいたしまして、そして農作物その他に影響を与えるような場合におきましては効果的な個体数を減殺する、こういうことも認めていいんではないか、こういう点につきまして、文化庁のお考えはどうですか。