農林水産委員会

1979-05-24 衆議院 全202発言

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会議録情報#0
昭和五十四年五月二十四日(木曜日)
    午前十時三十二分開議
 出席委員
   委員長 佐藤  隆君
   理事 羽田  孜君 理事 堀之内久男君
   理事 山崎平八郎君 理事 島田 琢郎君
   理事 馬場  昇君 理事 古川 雅司君
      江藤 隆美君    國場 幸昌君
      玉沢徳一郎君    津島 雄二君
      中尾 栄一君    中村喜四郎君
      平泉  渉君    福島 譲二君
      小川 国彦君    柴田 健治君
      新盛 辰雄君    竹内  猛君
      野坂 浩賢君    芳賀  貢君
      日野 市朗君    松沢 俊昭君
      武田 一夫君    吉浦 忠治君
      神田  厚君    津川 武一君
 出席政府委員
        外務省アジア局
        次長      三宅 和助君
        農林水産政務次
        官       片岡 清一君
        農林水産省経済
        局長      今村 宣夫君
        農林水産省構造
        改善局長    大場 敏彦君
        農林水産省農蚕
        園芸局長    二瓶  博君
        農林水産省畜産
        局長      杉山 克己君
        農林水産省食品
        流通局長    犬伏 孝治君
        食糧庁長官   澤邊  守君
        林野庁次長   角道 謙一君
        水産庁長官   森  整治君
        水産庁次長   恩田 幸雄君
 委員外の出席者
        環境庁自然保護
        局企画調整課長 高峯 一世君
        文化庁文化財保
        護部記念物課長 逸見 博昌君
        資源エネルギー
        庁石油部精製課
        長       加藤 昭六君
        運輸省船員局労
        政課長     松木 洋三君
        労働省労政局労
        働法規課長   岡部 晃三君
        労働省職業安定
        局雇用政策課長 白井晋太郎君
        建設省河川局開
        発課長     堀  和夫君
        参  考  人
        (水資源開発公
        団総裁)    山本 三郎君
        参  考  人
        (水資源開発公
        団理事)    田中 和夫君
        農林水産委員会
        調査室長    尾崎  毅君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 農林水産業の振興に関する件
     ――――◇―――――
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佐藤隆#1
○佐藤委員長 これより会議を開きます。
 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。
 この際、参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 本件について、本日、水資源開発公団総裁山本三郎君、水資源開発公団理事田中和夫君を参考人として出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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佐藤隆#2
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
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佐藤隆#3
○佐藤委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。玉沢徳一郎君。
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玉沢徳一郎#4
○玉沢委員 林野庁に御質問申し上げます。
 ただいま日本は、五年前の石油ショックと同じようなエネルギーの危機を迎えておると思うのでございます。そうした場合に、わが国が石油ショックというものを受けた場合になぜ経済が混乱するかと申しますと、やはりエネルギーの大半を外国に依存しておる、こういうことにあると私は考えるわけでございます。
 もともと日本にも古来の日本人の持っておるエネルギーというものはあると思うのであります。たとえば、石油におきましても国内の海底資源をいま探査をしまして掘削をしておる。しかし、同時にまた、私どもの周りにより安価に得られる資源というものを放置してきた。たとえば家庭燃料として使われてまいりましたまきや木炭、こういうものはやはり見直して資源再利用の方途というものを考えていかなければならぬのじゃないか。木炭その他まきがほとんど使われなくなりましてから、わが国の山村というものはまさに過疎状態になっておるわけでございます。
 こういうものをやはり考えましたときに、まきや木炭を見直しましてこれをもっと効率のある資源として利用できないか。林野庁でも検討を始めておるということでございますので、現在どういう方向においてこれを検討し研究をしておるのか、もし活路が見出せるとするならば、その方途等につきまして御質問をいたしたいと思います。
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角道謙一#5
○角道政府委員 お答え申し上げます。
 最近のエネルギー事情に関連をいたしまして、特に石油を中心としました化石エネルギーの節約問題というのは、当面非常に世界的な問題になっているわけでございます。そこで、私たちといたしましても、いま先生から御指摘ございました木材についての、いわゆる木質系エネルギーというものについて見直しが必要になってきておるというように考えております。
 このため具体的な方法といたしましては、第一番目には、木質材料を直接エネルギーに利用する方法、第二番目には、アルミニウムとかプラスチックとか石油をたくさん使うものをいわゆる木材によりまして再代替する間接的な利用と、こういう方向を初め多様な対応が必要になるというように考えております。
 これらの観点から、五十三年度から広葉樹資源の役割と施業技術についての調査というものを始めまして、この中で広葉樹の木質系エネルギーとしての見直しを含めることにいたしております。また五十四年度からは、国立の林業試験場が中心になりまして都道府県の林業試験場等とも共同いたしまして、大型プロジェクト研究ということで国産材の多用途利用開発に関する総合研究というものを行っているわけでございます。この中におきまして、間伐材であるとか小径材であるとか、あるいは残廃材等をエネルギーとして活用する方法についていま検討を始めております。特に木質材料を直接エネルギーに利用する方法につきましては、過去におきましても薪炭ということで長い間活用してきた歴史もありますし、こういう研究と並行して従来の蓄積をもとにしまして簡易炭化等を初め木材の炭化による活用であるとか、あるいは燃焼器具等の改良であるとか、あるいは乾溜による木ガスの利用であるとか、そういう方法を実用化する技術を検討することが必要であるというように考えております。ただ、木質系エネルギーについては、化石エネルギーに変わりました大きな理由としましては、経済性であるとか利便の問題であるとか、あるいはこういう原材料の供給、流通あるいは貯蔵、利用、そういう一貫したシステムをつくるということが大事でございますので、これらの問題についても、なお今後研究、改善に努力をいたしまして、木質系エネルギーの見直しを初めこれらの拡充に努めたいというように考えております。
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玉沢徳一郎#6
○玉沢委員 この木質エネルギーを今後見直して開発をしていくという点におきまして、林野庁は、たとえば木炭がだめになった時点から広葉樹をどんどん切りまして針葉樹に切りかえるというような指導をしておるわけでございますね。しかし、こういうのも十分見直して検討するということが大事じゃないか、こう考えるわけでございます。たとえばそれに関連しますが、ただ成長が早いというようなことでかつてカラマツ等を植えてやったのでありますが、これはただ成長が早いというだけで余り用材にも使われませんし、無用の長物になっているというような事例もございますので、やはり長期的な計画のもとに、つまり何を将来の方向としてやるかということを十分検討されて進めていかれるよう要望する次第でございます。
 次に御質問を申し上げますが、いま山村におきまして何が最大の問題になっているかと申しますと、外材の輸入の問題これはあらゆる角度から検討されておるわけでありますが、それと同じような重大な問題が発生をいたしておるわけでございます。それは、林業家が毎年造林を一生懸命やっておるわけでありますが、植えた苗木がカモシカに次から次へと食われてしまう、それによって大変な被害が起きておるわけでございます。私は岩手県でございますが、山村地域に行って造林をする方々に会いますと、ことしは余りにも被害が大きいので造林をする計画をやめてしまった、こういう人もおるわけですね。聞くところによりますと、岐阜県、長野県、三重県におきましても同じような問題が起きておるわけでございます。
 そこで、林野庁はこの全国の被害状況というものを的確に掌握されておるか、されておるとすれば毎年の損害額というものは大体どのくらいに見積もられておるか、それから対策としましてどういう対策を講ぜられておられるかについて御質問します。
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角道謙一#7
○角道政府委員 カモシカの林野の被害につきましてお答えを申し上げます。
 カモシカによります森林の被害は、民有林と国有林を合わせまして五十年度は千九百五十一ヘクタール、五十一年度には二千五百四十三ヘクタール、五十二年度は三千二十九ヘクタールとなっておりまして、近年増加の傾向にございます。
    〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕
五十三年度については現在集計を行っておるところでございます。
 そこで、五十二年度の被害状況を地域別に見ますと、民有林では、大体中部を中心にいたしまして約十県で二千五百二十九ヘクタールの被害が発生しておりました。この中で、長野県が千二百二十九ヘクタール、岐阜県が五百十二ヘクタール、岩手県が四百五十一ヘクタール、この長野、岐阜、岩手の三県で民有林の被害面積の大体八七%ということになっておるわけでございます。国有林では、長野、東京、名古屋営林局等におきまして、七営林局で大体五百ヘクタールの被害が生じております。
 また、樹種別に見ますと、ヒノキが二千二百六十三ヘクタール、約七五%を占めておりまして、このほか杉が四百三十三ヘクタール、約一四%、松が二百四十ヘクタール、これは八%でございまして、このヒノキ、杉、松で大体九七%ということになっております。
 いまお尋ねの被害額でございますが、これは樹種、樹齢その他がございまして、金額としては、私どもとしてはなかなか正確には把握しがたいということでございます。
 それから防止の対策といたしましては、当面私ども、カモシカにつきましては特別天然記念物ということで国が保護しておる貴重な野性動物でございますので、国による保護を図るということと同時に、カモシカの食害による被害を防止する、そして林業経営を安定させるために、この二つをどう調和させるかという点に私ども一番苦心をしておるわけでございます。そこで、文化庁、環境庁と林野庁の三庁間におきまして対策についていま協議を進めておりますが、これによりまして、カモシカの生態、カモシカの生息分布であるとか、カモシカの食害の防止方法というものにつきまして、三庁で分担をして実施をしてきております。特に、昨年の九月には三庁間で協議をいたしまして、被害が特に激甚でありますところの岐阜県、長野県の御岳あるいは乗鞍地域に所在します林野庁所管の国有林の中に保護区域を設定いたしまして、これ以外の地域におきまして、被害の防止に必要な措置といたしまして麻酔銃でのカモシカの捕獲ということを文化庁、環境庁が中心になって講じておるところでございます。
 なお、今後の対策につきましては、文化庁、環境庁とも御相談をしながら十分な対策を確立してまいりたい、かように考えております。
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玉沢徳一郎#8
○玉沢委員 特別天然記念物だということで非常に大事に保護しておる、これは結構なことでございます。結構なことでございますが、それだけに殺傷してはならないということに意を用いまして、対策としましてはいろいろ考えていますね。防護さくをやるとか、ポリネットをかぶせる。ポリネットというのは、委員各位あるいはよくあれでないかもしれませんが、木にこうしたネットをかぶせてやっておるわけです。しかし一本一本かぶせますと大変な労力が要るわけでございます。あるいは忌避剤、薬剤を一本一本やりまして、そしてカモシカに食われないようにしておる。麻酔銃も含めましていろいろな策をやっておるのでありますが、向こうも野生獣でありますから、すばしこいわけですから、生け捕りもなかなかそう簡単には生け捕られない。
 それで、対策が十分ではない、ここで問題となってまいりましたのは、被害の非常に大きい地域からこのカモシカを射殺した方がいいのじゃないかという議論が出てきておるわけでございます。ところが、射殺をするということになってまいりますと、これが特別天然記念物に指定されておるということでございまして、なかなかそういう対策は練られない。
 そこで、私は、この論点を明確にするために、非常に単純な問いでございますけれども、一体特別天然記念物とは何ぞや、特別天然記念物とは一体どういう概念なのか、この点を文化庁に御質問いたしたいと思います。
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逸見博昌#9
○逸見説明員 御説明いたします。
 お尋ねの天然記念物というものは、文化財保護法の中で規定されておるわけでございます。そして文化財の定義といたしまして、文化財保護法の第二条がございまして、ここに動物、植物、地質鉱物でわが国にとって学術上価値の高いもの、これを記念物という、こう書いてございます。そしてこの規定等を受けまして、第六十九条でございますが、「文部大臣は、記念物のうち重要なものを史跡、名勝又は天然記念物に指定することができる。」こういう規定になっておりまして、天然記念物というものは文化財保護法上位置づけられておるものであるということでございます。
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玉沢徳一郎#10
○玉沢委員 文化財保護法にそもそも取り入れられる原点となったのは一体どこか、こういうことになるわけですね。
 それで、私が調べてみましたら、天然記念物、ナチュールデンクマールという用語は、ドイツ人アレキサンダー・フォン・フンボルトの「新大陸の熱帯地方紀行」に用いられたのが初めてである。その後、一九〇六年十月にプロイセン天然記念物保護管理研究所の「活動原則」が公布され、初めて天然記念物が公式に位置づけられた。同原則の第二条は、「天然記念物とは、特に特色ある郷土の自然物を言う」として、動植物の類を含めておる。この考え方がつまりわが国の文化財保護法に取り入れられた、こう考えていいわけですね。
 ところが、各国の例を見てまいりますと、天然記念物という概念は、当初は動植物も含めておったわけでありますが、ドイツを初めとしまして、いわゆる天然記念物というのは自然の景観であるとか学術上価値のある史跡というふうなものに限られまして、動植物というものは天然記念物から外されておるというのが現状ではないか、こう考えるわけでございますが、この点についていかがですか。
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逸見博昌#11
○逸見説明員 わが国で文化財保護法上動物を天然記念物と位置づけておりますのは、これは私どもは基本的には、一般の動物と異ってそれが学術上重要な価値を持つもの、こういったところに見出しておるわけでございます。
 カモシカについてその点を若干説明しますと、カモシカが特別天然記念物ということで現在指定されておりますのは、カモシカ自体がわが国固有の動物である、わが国にしかいない動物であるということ、しかも大型の野生の哺乳類でございまして、進化の最先端に位置する動物であるということ、それから高地寒地適応型で、一定のなわ張りを持って生息するという生態上の特色を持つ学術上大変貴重な動物である、こういった観点から、天然記念物として文化財保護法上とらえ、これはわが国では歴史的、伝統的なものでございまして、現在の文化財保護法の前の史蹟名勝天然記念物保存法によりましても、いわば自然保護という観点からではなく、こういった動物のうち学術上価値の高いものにつきましては文化財保護という観点からとらえておるわけでございまして、現在の文化財保護法もその歴史的、伝統的な経緯を踏まえておる、こういったことで現在も天然記念物として保護しておるということだろうと思います。
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玉沢徳一郎#12
○玉沢委員 これは学術上きわめて価値の高いものであり、わが国に固有の動物であるという点をお話しいただいたわけでありますが、ところが動植物の場合で、学術上きわめて価値のあるものであり、その国固有の動物であるというような場合におきましては、各国は動植物保護令というようなものをもちましていわゆる絶滅する種を保護する、こういうことで別個に管理、研究の対象にしておるという例が多いと思うのですね。
 そこでドイツの例を見てまいりますと、こういう動植物保護令の場合におきましては、確かに保護をする。ただし、保護するけれども、それが農作物とかあるいは人間の生活に影響を及ぼすというような場合におきましては、狩猟法によりまして適用除外を設けておりまして、そして個体の除外をやっておるという例が大半ではないか。
 ドイツにおきましても、狩猟法等を見ますると、農林業に獣害が生じた場合には、農林業利用者は獣類を駆除する権利を有しておる、あるいは獣害のひどい場合は所轄官庁は狩猟実行権者に狩猟を命じ、命令に従わない場合はみずから狩猟を行いまして害獣を減殺することができる、こういうことになっているわけであります。しかも、ドイツの各州の保護令を見ましても、大体経済的な損失を避けるためには、人間の生活を守るという立場から減殺をするという処置を認めておる。
 日本におきましては、特にカモシカは日本にしかいないというきわめて貴重な動物でありますが、さらにアメリカの例を見ますると、アメリカにもやはりバイソンといういわゆるバッファローの例がある。これはかつて千五百万頭くらい西部の大平原においては闊歩しておったらしいのでありますが、これが大変な乱獲によりまして数十頭に減ったわけですよ。ところが、これは非常に学術上価値があるわけでありますから、これを保護しなければならぬということで、一九〇五年に特別保護区を設けまして、そしてオクラホマ州のウィチタマウンテンズ国立野生鳥獣保護区、五万九千エーカーの地域に十五頭を放しまして繁殖を図ってきた。ところが、これが大体千頭までふえてまいりますと、保護区の中における適正な個数を確保しまして、これ以上ふえた場合は、いかにこれが保護令によって保護されておってもこれを殺しておる、あるいは肉を食ったり、皮を利用したりしているわけですね。資源を利用する、こういう考え方なんですね。そのほかの害獣におきましても、保護区におきまして必要以上にふえた個体に対しましては、個体を減らすという努力をしておる。あくまでも保護区において生息環境の持つ収容力を極度に上回った場合は個体数を排除するという考え方である。だから、あくまでも環境の持つ収容能力に見合った個体数を安定的に維持するという考え方であるわけです。
 そういう考え方から見ますれば、わが国のカモシカを保護するということにおきましても、決して無制限にカモシカを保護していいはずはないのであります。人間の農作物その他に影響を及ぼすということであるならば、ある程度これを減殺するという努力をしてもいいんじゃないか。そういう場合に、もちろん私どもはカモシカを全部乱獲をしてとれということを言っているわけではありませんが、人間も生存をする、カモシカも生存をする、共存共栄ですね、そうした場合には、保護区をもう少し広範に指定をいたしまして、そして農作物その他に影響を与えるような場合におきましては効果的な個体数を減殺する、こういうことも認めていいんではないか、こういう点につきまして、文化庁のお考えはどうですか。
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逸見博昌#13
○逸見説明員 先生御承知のように、現在の制度のもとではカモシカにつきましては種の指定ということでございまして、一定の地域指定をまだいたしておりません。そういうことで、カモシカが日本全国どこかにいる限り生存が保護されるというたてまえになっているわけでございます。ただし、現在岐阜県でも行っておりますけれども、文化財保護法の中にも現状変更の許可という制度がございまして、たとえば一定の地域で食害が大変起こって社会問題化しておる場合には、そういった地域につきまして一定の頭数について捕獲を認めるという措置も現在行っておるところでございます。御承知のとおり岐阜県におきましては現在百十頭、間もなく六頭追加する予定でございますが、そういった形で捕獲ということ自体は認めておるわけでございます。そういったことでカモシカの保護という問題と林業の保護という問題の調和、これを図ってまいりたいと思っておるわけでございます。
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玉沢徳一郎#14
○玉沢委員 そこで、天然記念物ということだけで取り締まるのではなくして、動物保護令というようなもので切り離してやっていくというような考え方はありませんか。
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逸見博昌#15
○逸見説明員 現在も、いま私が説明いたしました現状変更の許可、たとえばカモシカを一定の地域で捕獲をするというためには、文化財保護法上の現状変更の許可が必要であると同時に、環境庁の方における鳥獣保護法の立場から許可を要することになっております。
 そういったことで、現在はカモシカの保護について二重の保護という形になっておるわけでございますが、私どもといたしましては、先ほどからるる申し上げておりますとおり、カモシカというものが学術上きわめて価値の高い日本にしかいない大変貴重な動物だという観点から、学術上の価値ということに注目をいたしまして、一般の鳥獣とは別個に文化財保護法上の天然記念物として保護する、こういったことで現在臨んでいるわけでございます。
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玉沢徳一郎#16
○玉沢委員 そこで第八十条の解釈でございますが、つまり現状変更を行うことができるということは文化庁長官の許可を受ければできる、こういうことですね。そうした場合に、捕獲ということだけでなくて射殺も含めた捕獲ということができるかどうか。これは解釈上できるのですか。
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逸見博昌#17
○逸見説明員 現在文化財保護法第八十条の現状変更の中身として、一定の動物を射殺するということも解釈としては当然含まれると考えております。
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玉沢徳一郎#18
○玉沢委員 そこで、これはやはり現状を正確に把握することが必要だと思うのですね。現状を正確に把握するといった場合に、現在一番被害を受けているのは山村地域の方々なんですよ。これに対して林野庁が何ら発言がないというのはおかしいと思うのです。国有林も同じような被害をこうむっているはずなんですよ。山村の地域でございますから声が小さい、なかなか届かない。私どもはとにかく選挙区に参りましてよく現状を認識して帰ってくる。現在林野庁は、一応被害は知っているけれども余り問題にしない。しているとは思うのですけれども、声が出てこない。一方、文化庁さんの方ではどこで所轄しているかというと、天然記念物課ということでしょう。動物関係を扱っている人は非常に少ない。しかも各県はどこがそれをやっているかと申しますと、教育委員会でやっているわけですよ。これは文部省なんですか。そうしますと、これは実態の調査、個数の確認、被害の状況というのはなかなか伝わらないのじゃないかと思うのですがね。これに対して一層の努力をやる用意が文化庁にございますか。どうですか。
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逸見博昌#19
○逸見説明員 私どもも各都道府県教育委員会、市町村の教育委員会を通じまして、社会問題化しておるような大変な地域につきましては、刻々と正確なデータを求めて、それに対する対策がどうあらねばならぬかというようなことは検討を続けているところでございます。
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玉沢徳一郎#20
○玉沢委員 そこで林野庁、実態を正確に把握しまして、これはとにかく農民を救っていくことなんですから、もっと勇敢に被害状況を明らかにしていただきたいと思うのです。私はきょうここに陳情書を持ってきていますが、これは村から県庁に出す。県庁から今度は林野庁にこういう資料が来てないですね。来ていますか。これはやはりもっと明確にすべきだと思うのですよ。
 それから環境庁においでになっていただいておりますが、環境問題についての考え方ですが、自然保護をただやるというような行き過ぎた物の考え方でなく、環境というのはやはり憲法で認められておりますように、ひとしく人々が生活環境をよくして、そしてりっぱな文化生活が行われるようなことが保障されるのが憲法のたてまえなんですから、やはり環境庁も、そうした場合に人間の生活が脅かされて、ただただ動物を天然記念物だから保護しなければいかぬ、これを駆除すれば罰金を食らって、禁錮五年以下の懲役を科せられるというようなことだけにこだわっておってはだめだと思うのです。環境というのはやはり人間が住みやすくする状況をつくっていくことなんでありますから、林野庁と環境庁の御見解をその点について賜りたいと思います。
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角道謙一#21
○角道政府委員 私どもとしましては、このカモシカの対策といたしまして、三庁の会議におきましては、保護区域を設定いたしまして、現在の種としての重要天然記念物の指定を区域指定にする、それ以外のところではむしろ有害鳥獣として射殺する、あるいは捕獲することもできないかというようなことを主張しておりますけれども、先ほど来文化庁からもお話ございましたが、いまの段階ではまだ最終的な結論には達していないわけでございます。
 実態の把握につきましては、私ども今後ともなお正確を期しまして、これらの対策について十分山村の方々が安心できるように努めてまいりたい、かように考えております。
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高峯一世#22
○高峯説明員 環境庁の所管しております鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律というのがございますが、それにおきましても特例規定がございまして、有害鳥獣駆除等特定の理由がある場合には、環境庁長官が許可をいたしまして捕獲することが認められてございます。そういった特例措置もございますので、特定の鳥獣、たとえばいま問題になっておりますカモシカにつきましては、これが天然記念物ということでもございますので、文化庁ともよく連絡をとりまして、また林野庁ともよく連絡をとりまして、カモシカの生息の実態、それから行動の実態、こういった点を勘案いたしまして、遺憾のないような措置をとってまいりたいと考えております。
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玉沢徳一郎#23
○玉沢委員 この問題は非常に深刻な問題となっておりますので、ぜひ早急に効果的な対策をとることを要望いたしまして、この点についての質問を終わります。
 次に、水産庁に質問させていただきますが、その前に、私は、今回の日ソ漁業交渉の問題で非常に厳しい条件を付せられた、それに関しまして、二百海里時代が到来をいたしましてから、二年来、減船あるいは廃業その他いろいろあったわけでありますが、つまり漁船員が失業をした。これは相当数に上っておるわけでありますが、この雇用問題についてまず御質問をしたいと思うのであります。
 やはり海に生きる男は海に自分の職場を求めたいというのは人情であるし、理の当然であると思うのでありますが、労働省におきましては、転職の場合、陸上の勤務に転職を希望する人に対して対策を講じておる、その実態は一体どうなっておるか。
 それから、運輸省におきましては、やはり海の職場を失った者が同じように、しかし海に転職をいたしたい、こういう希望を持ってやっておる、これに対する対策はどうなっておるか。この二つをそれぞれ御質問させていただきたいと思います。
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松木洋三#24
○松木説明員 お答え申し上げます。
 日ソ協定の締結等に伴う漁業離職者の救済対策としましては、先生御承知のとおり、国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法に基づきまして、離職者の再就職の促進等を図っておるわけでございます。
 私どもの船員職安の方に参っております求職者、手帳を発給いたしましたのは本年三月末現在で六千九十五名という数字に相なっております。その離職者の方々のうち何らかの形で再就職をした方の累計が三月末現在で三千九百十六名ということに相なっておるわけであります。
 後から労働省からもお話があろうかと存じますが、先生御指摘のとおり、いまの段階では漁業離職者の方々の大部分が海上職場を希望しておられる、こういう状況でございます。全体としてはやはり漁場が狭まっておりますので、私どもとしても相当数が陸上職場へ転職されることを期待しておるわけでございますけれども、現状はそうはなっておらぬ。海上職場の拡大という点では、基本的には沿岸漁業の整備等の問題があろうかと存じますが、私どもいまの段階では、この再就職先の開拓ということで、水産庁の御協力を得まして、より広域的な求人情報の収集に努める、さらにそういった情報の交換についてより迅速、的確性を持たせるというようなことで、予算的にも措置をいたしまして一層の努力をしてまいる、そういう体制をとっておるところでございます。
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白井晋太郎#25
○白井説明員 お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、船に乗っておられた方は海へ行かれるという希望が強いわけでございまして、労働省で扱っております海から陸へ行かれる方の状況は、五十四年三月末現在で手帳の発給状況が六百六十四件でございます。そのうちいま再就職された方が二百十二名、それから職業訓練に入っておられる方が百四十一名、あとの方は失業給付ないし促進手当等の支給を受けておられます。
 今後ともこれらのこの法律に基づきます対策を進めるために、この法律は二年の時限になっておりますので、現在この国会に延長をお願いいたしておるわけでございます。
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玉沢徳一郎#26
○玉沢委員 現状非常に厳しい就職状況にあるということが、これは数字で明確になっておるわけでございます。なおかつまた、海に生きる男はやはり海に職場を求める、これが適切な就職の場所がなければ、自分の漁村に戻って沿岸漁業をやるというのが今日の実態でございます。そうした場合に沿岸漁業を振興しなければならぬという水産庁の言うことはよくわかります。その方向で進めなければならぬと思うのでありますが、そこで、本年、この日ソ漁業交渉におきまして、昨年と同様漁獲割り当て量四万二千五百トンを確保をしたということは、努力は評価いたします。しかしながら、三十二億五千万円の協力費を払う、昨年の二倍近いものを。しかもソ連は、日本が日中条約を結んだということによって、非常にいたけだかに日本に対してあらゆる圧力を加えてきておる。今後、これがますます今度はこの開発をやって漁民を苦しめる、日本を苦しめるというようなことになれば、将来これは全部だめになってしまう可能性もあると思うのですよ。そこで、水産庁は沿岸の漁業を振興するというようなことにおきまして、沿岸の河川においてサケ・マスのふ化事業をどんどんやっておる、これはきわめてよろしいことであります。ところが、そこで問題は、沿岸漁業に帰ってきて仕事をやる場合におきまして、収入の道を与えてやらなければいかぬ、そうでなければ潜在的な失業と同じになる。減船対策によって船主はいろいろ補償をもらった。しかしながら、一般の漁民は就職状況が非常に苦しい中におきまして所得向上というのをやれないというのが現在の状況である。
 私は水産庁にお尋ねしますが、昨年沿岸漁業におきまして二十トン以下の漁船がアカイカを取るということを禁止した、これは資源保護という立場からはいいわけでありますが、資源保護をして、原状回復してまいりますならばこれを認めるんですか、どうですか、それが第一点。
 それから第二点は、サンマが回遊してくるわけですよ。九月ごろになりますと北海道の沖合いから来るわけでありますが、三陸沿岸に、千葉県の沖合いにまで来るわけです。二十トン以下の中小漁船に対して漁獲を認めたらどうだ。これは地先沖合いに出ていって魚をとる、それでいいわけでありますから、大型漁船だけに認めるということだけでなく、そういう方法を講じる考えはないかどうか、長官どうぞ。
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森整治#27
○森政府委員 第一点のアカイカの漁獲禁止措置でありますが、この件は、要するに流し網でアカイカをとるという漁業を禁止をしたわけでございます。これはイカ釣りの漁業と競合するという漁業調整上の問題と、それからイカの流し網漁法というのが、何といいますか漁獲効率がよ過ぎるということで資源に悪影響を与えることを懸念したということで、本年の一月一日から北緯二十度以北、東経百七十度以西の水域における禁漁の措置をとったわけでございます。この考え方からいたしますと、資源が回復するかどうかということの問題もございますけれども、イカ流し網による操業には非常に多くの問題があるわけでございます。たとえて言いますと、サケ・マスの混獲でございますが、こういう決定的な問題があるわけでございます。そういうこともございまして、今回急遽この措置をとったわけでございますから、当面流し網の漁業の禁止を解除する考えはございません。
 それから、サンマにつきましてでございますが、確かに二十トン級の船にもサンマをとらせるということにつきましては、十トン以上につきましては農林大臣の承認が必要ということになっておるわけでございます。この農林大臣が承認するに当たりましては、漁獲努力を抑制するために前年の実績者に承認をする、実績者以外は承認をしないという方針を従来とっておるわけでございます。しかし、一昨年でございましたか、小型のイカ釣り漁業が非常に不漁でございまして、特に救済的な特例措置での要望がございましたので、四十五隻に限って承認した例がございます。しかし、昨年は関係業界との調整がついにつかずに承認を見合わせたという経過を持っておるわけでございまして、千葉以北の太平洋の沿岸の各県におきましてその要望が出ておるわけでございますが、今後も関係業界の意見をまとめまして、その結果を参考として結論を出すということにいたしたいというふうに思っております。
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玉沢徳一郎#28
○玉沢委員 そこで、もう一つ問題があるわけでありますが、イカの流し網を禁止したのはサケ・マスの混獲を避けるためだ、こういうことであります。しかし、今後の日本の水産行政におきまして、沿岸漁業におきましては、やはり日本で消費しているサケ・マスの十五万トンのうち、国内で生産するのが五万トン、カナダ、アメリカから輸入しておるのが五万トン、そうしてソビエト海域から持ってくるのが五万トン近い、こういうことであるわけです。しかし、ソビエトの漁場を閉鎖されるということを想定をするならば、やはり日本の生産を十万トンにふやす、そういう努力が今日行われていると私は考えるわけですよ。そうした場合に、ただ禁止をするということじゃなくして、サケ・マスの捕獲をいま定置網と河川でしか認められてないわけでありますが、ところが、各県の漁業調整規則によりますと、北海道、青森は刺し網をやるのを認めておるわけです。これは全部やりますと確かに資源が枯渇してしまいます。しかしながら、いろいろ研究をしまして、私も漁民と会ってみた、そうしましたら、やはりサケ・マスは淡水のところに入りますとえさをとらない、しかし海水にいる限りはえさをとりますので、これは釣ることはできる。つまり、はえなわをやって釣ることができる。ある程度これを認めれば資源を枯渇させないでとることができるのではないか。何しろとにかく日本とソ連との間には、北緯あるいは東経何度で何万トンをとらせるというところまでいきまして、協力費の内訳も、向こうがふ化を幾らやりましてそのうち回帰率が何ぼだというような細かい計算までやっているわけですから、日本の河川で生産をしました、ふ化したものが回帰率が何%で、つまりその海域におきましては何トンとらせる、河川におきましては何トンあるいは海におきましてはどのくらい、こういう計算はできないわけではない。いいですか。ますます日本の沿岸にサケ・マスが回遊してきますと、ただただ密漁者だからといって取っつかまえるというような漁民を苦しめるようなやり方では、水産行政は成り立たないと思うのですよ。将来とにかくソ連が完全に北洋というものを締め出すというような場合、さらに七千人も八千人もいる漁民がどこに活路を求めたらいいかという問題を、いまから十分検討しておかなければいかぬですよ。日ソ漁業交渉のときにいつも金ばかりで解決するとは考えられないのですから、これこそが私は沿岸漁業を振興する唯一の手段である、こういうふうに考えますので、御見解を承りまして質問を終わります。
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片岡清一#29
○片岡政府委員 ただいまお話しのように、海洋におけるサケ・マスの問題は非常に厳しい状況になってきております。したがいまして、どうしてもこれは国内においてふ化放流事業を盛んにして、そして国内における生産を上げていかなければならぬ、こういうことはお話しのとおりでございまして、今後その方向に向かって一層努力をいたしていくために、それぞれ北海道及び本州において、ふ化場における稚魚の買い上げその他放流施設の整備等について国でも十分補助を行いまして、そうしてこのふ化を大いに盛んにして沿岸漁業の振興を図っていきたい、こういうことに力を入れておる次第であります。(玉沢委員「捕獲についても検討していただきたい」と呼ぶ)捕獲についても十分検討をして、そしてその漁獲量の十分な成果を上げるようにいたしていきたい、かように考えておる次第でございます。
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