林ゆうの発言 (内閣委員会)
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○林ゆう君 元号法案についての大阪における現地聴聞会のための委員派遣について、簡単に御報告申し上げます。
派遣委員は、桧垣委員長を団長とし、向井理事、片岡、黒柳、秦の各委員と私の六名であります。
現地における会議は、大阪商工会議所内会議室において六月一日午後二時から開かれ、五名の参考人から一人十五分程度ということで、忌憚のない意見が述べられた後、派遣委員との間で自由な意見交換が行われました。
まず、全日本労働総同盟大阪地方同盟会長片岡馨参考人からは、元号は長い歴史に根差した民族固有の時間尺度として国民生活に定着していること、元号が文化的価値を有していること、元号法制化が象徴天皇制及び民主主義を変更するものでないことなどから、元号に法的根拠を与える意義はあるが、元号及び西暦併用の現状から見て、元号法制化を急ぐ必要は疑問であること、そしてまた元号法制化がなされた場合には国民に元号使用を強制しないことを要望する旨の意見が述べられました。
次に、関西経済連合会常任理事亀井正夫参考人からは、元号制度は国家体制の一部であり、千年以上の歴史を持ち、国民統合の象徴である天皇の名をあらわすものであることなどから、元号は国民主権主義のもとでの国民の代表者である国会によって決定するのが本来の姿である。また、一方では国際化時代に対処する必要から、西暦の併用が望ましい旨の意見が述べられました。
次に、兵庫県議会議長北野秀雄参考人からは、元号が長い歴史的伝統の上に乗って、広く国民一般に普遍化している事実は、単なる慣習を超えた国民の率直な合意に基づくものであること、国民が長い間昭和という元号を生活の中に自然な形で受け入れ、国民感情の中にも深く浸透し、定着している意義を尊重するとともに、時の流れに節目をつけて時を表示する元号制度に法律の根拠を与えることはきわめて適切なことである。しかし、法制化に当たっては、国においても広く国民の理解と合意が得られるよう一層の努力を払うよう要望する旨の意見が述べられました。
次に、福井県出納長木村甚左衛門参考人からは、元号はわが国の歴史や文化と密接に関連し貴重な文化的遺産であり、国民が尊重し存続すべきことは当然であり、現に国民の間に元号が慣習上事実上定着しているので、たとえ法制化しても、元号使用に関しては現状を変更しないことが望ましい。元号制度は現に行われている現状をそのまま秩序立てることが国民の声であり、これが元号法案の意義ではなかろうかとの意見の陳述がありました。
最後に、総評大阪地方評議会議長中江平次郎参考人からは、元号の存続と元号の法制化とは必ずしも結びつくものではないこと、天皇の在位期間に応じて年号を変えるという法律が憲法の定める主権在民の精神と矛盾すること、君が代を国歌とし、教育勅語を復活し、伊勢神宮、靖国神社を国家神道として位置づける等、天皇を超越的な存在として権威づけしようとする一連の動きの中に元号法案が提案されたということ、さらに、国際化社会を迎え、すべての国民との政治経済文化における相互理解、平和協調の時代に、元号が国民生活及び意識ばかりでなく学問、思想の自由に広範な規制的影響をもたらすのではないか等の意見が述べられました。
以上の参考人の意見陳述の後に、参考人と当内閣委員会委員との間で自由な意見の交換が行われました。
詳細につきましては、別途、文書をもって委員長に提出いたしますので、本日の会議録に掲載されますようお取り計らいいただきたいと存じます。
以上でございます。