大平正芳の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○国務大臣(大平正芳君) 野田さんの第一の御質問は、防衛白書についてでございます。
私は防衛白書は最近の国際軍事情勢とわが国周辺の軍事動向等を冷静客観的に分析したものであると思っております。したがって、ソ連との友好関係を発展させる外交とは何ら矛盾するものではないと評価いたしております。
それから山下防衛長官の訪韓、訪米時に三国間に軍事提携というような約束がなされたのではないかという御懸念を表明されました。
私も山下長官から御報告を受けたわけでございますけれども、韓国との間におきましては相互理解の増進であり、訪米につきましては国防長官との間の定期協議が目的でございまして、御質問のような軍事的提携という約束がなされたとは承知いたしておりません。
第三の御質問は、有事立法についてのお尋ねでございました。
私が否定的であるという御意見でございますが、正確ではございません。実は私は自衛隊法自体が有事立法だと思っておるのであります。相当周到に立法された、有事における対応できる立法だと思います。したがって、この有事立法というものにつきまして、社会経済情勢が変わってきた場合に、防衛庁がその改正を必要とするかしないかについて検討することは当然だと思っておるのでございます。そういうことをしちゃならぬというのは少し乱暴じゃないかという見解を持っておるわけでございまして、また、いまの自衛隊法自体が有事立法でございますので、そのほかに有事立法を必要とするというようには考えていないわけでございます。
それから航空機輸入に絡む疑惑が起こりましてわが党関係者にも関連者が出てまいりましたことは、自由民主党総裁として大変残念に思っております。こういうことの起こりましたことの反省に立ちまして、われわれは、まず第一に、わが国の開かれた民主制度というものをあくまで堅持してまいりまして、どういうことが起こりましても事態が明らかになるような体制をわれわれの責任で体を張って維持していかなければならぬということをまず痛切に感じております。
それから第二には、起こりました不幸な事件は真相の究明はされなければならぬと思いまするし、その真相の究明は、刑事責任を問うばかりでなく、政治責任、道義責任も当然問うべきであると思います。したがって、国会等におきましてこの究明がなされておるわけでございますから、政府は誠意を持ってこれに協力してまいるのは当然のことと考えております。
同時に、こういう事件の再発をいかにかして防止しなければならぬ。そのために今日なすべきことがありはしないかということで政府の立場において検討いたしましてなすべきことをなそうといたしておるわけでございまするので、政府の立場、政府の真情につきましては御理解をいただきたいと思います。
それから財政再建に絡んでの新たな負担というのを明確にせよということでございます。
財政再建というのは、私は、赤字公債を膨大なことになっておりますけれども五十九年までにはなくさしていただきたいということでございまして、そのためには、歳入、歳出全般を通じまして極力見直しを行いまして必要な財源の調達を図りたいと思っておりまするけれども、それでもなお足らない部分につきましては、事が起こりましたならば、それについてどういう税目でどの程度お願いするかということは五十五年度の予算の編成のときに具体的な答案を出させていただきたいということを申し上げておるわけでございます。
最後に、政局転換についてのお話でございました。
経済はおかげをもちましてだんだん回復の軌道に乗りました。内需に支えられまして景気も回復し、雇用も改善してきております。輸出も順調でございます。物価は、卸売物価につきましてやや警戒すべきものを持っておりますけれども、全体としていま落ちつき傾向を示しておりまするし、消費者物価につきましては目標を守り切ることができそうな形勢でございます。しかしながら、エネルギーの制約、財政事情というのは厳しさを増してくるわけでございます。したがって、これからわれわれが対応しなけりゃならぬ問題はますます厳しさを加えるであろう、国民生活を守り抜いていくためにはよほどの決意を持って当たらなければならぬと考えております。かたがた、前の総選挙をやりまして三年たったわけでございまして、このあたりで政局を一新いたしまして新たな体制で新たな勇気を持って事態に有効に対応すべきであるという見解も国民の間にだんだんと理解を得つつあるように私は判断をいたしております。(拍手)
〔国務大臣園田直君登壇、拍手〕