前田宏の発言 (航空機輸入に関する調査特別委員会)

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○前田(宏)政府委員 まず、いわゆるロッキード事件の公判の状況につきましては、すでに昨年三月一日、五月十日、十月十八日の本委員会におきまして御報告をいたしておりますので、本日は、その後の公判の経過につきまして御報告を申し上げます。
 まず第一に、丸紅ルートについてでございます。
 この関係におきましては現在までに八十六回の公判が開かれ、本件の背景、本件に至る経緯、五億円の授受及び請託等の主要な事項に関しまして所要の証人調べが一応終了いたしましたが、一部の証人につきましては、捜査段階での供述を証言で覆したところがございまして、検察官といたしましては、同人らの検察官調書を刑事訴訟法三百二十一条一項二号書面として取り調べを請求しております。また、その間、かねて検察官から取り調べ請求をしておりましたコーチャン、クラッター両氏に対する嘱託尋問調書につきまして、昨年十二月二十日の第六十二回公判で採用の決定があり、本年に入りましてその取り調べが行われております。
 本年四月十一日の第七十回公判からは、被告人質問の段階に移っておりまして、まず大久保被告人に対する被告人質問が第八十回公判まで行われ、引き続き十月十七日の八十一回から現在まで檜山被告人に対する被告人質問が行われております。
 大久保被告人は、丸紅とロッキード社との関係、丸紅の全日空に対する大型ジェット機の売り込み状況など、本件の背景あるいは本件に至る経緯、田中被告人に対する五億円の贈賄の謀議及び同人に対する請託と賄賂の約束の経過、五億円を贈与した状況、米国上院のチャーチ委員会におけるコーチャン証言に対する丸紅幹部の対策状況など、本件の全般にわたりましてほぼ検察官の冒頭陳述書記載の事実に沿う供述をいたしておりますが、五億円の趣旨につきましてはやや明確さに欠ける供述をしております。
 檜山被告人は、昭和四十八年八月二十三日、被告人田中の私邸を訪問して五億円の供与方を約束した事実は一応認めておりますが、右五億円はロッキード社から田中被告人への政治献金であるという供述をしており、五億円の趣旨を含め、贈賄の謀議、同人に対する請託などの本件の主要事項につきまして捜査段階での供述に反する供述をいたしておりますため、検察官は檜山被告人の検察官調書をもとに質問を行ったところでございます。
 次に全日空ルートでございますが、この関係の公判は、本年十二月四日現在で合計百二十二回開廷されております。
 全日空側の被告人に関する外為法違反事件及び議院証言法違反事件につきましては、検察側の立証をほぼ終了いたしまして、弁護側の反証段階に入っております。
 次に、橋本、佐藤両被告人の受託収賄事件関係でございますが、請託の趣旨あるいは金銭の授受等の核心部分につきまして、贈賄側の重要関係者である若狭被告人に対する尋問、また若狭被告人らの取り調べ状況につきまして、取り調べに当たって検察官に対する尋問等が行われましたほか、その間、本年十月三十日の百十七回の公判におきまして、コーチャン、クラッター両氏に対する嘱託尋問調書が証拠として採用され、取り調べられているなどしておりまして、現在は、大型ジェット機の国内幹線導入についての行政指導の経緯等につきまして所要の尋問が行われております。
 若狭被告人の尋問におきましては、同人は請託の事実につきまして全面的に否定し、またいわゆる三十ユニットの資金の橋本らに対する分配に関与した事実は認めつつも、供与の主体は全日空ではなく丸紅であるとし、その趣旨についてもほぼ全面的に否定する供述をしております。
 次に児玉ルートでありますが、この関係の公判におきましては、児玉被告人の病気を理由に従来どおり同被告人が在廷しない状態で審理が進められております。
 現在まで四十七回の公判が開かれておりますが、この間、コーチャン、クラッター両氏に対する嘱託尋問調書が採用決定されましたことは昨年十月の本委員会において御報告したとおりでございまして、その後、その調書は取り調べ済みでございます。
 児玉被告人の関係では、所得税法違反等の核心とも言うべきロッキード社からのコンサルタント報酬及び同特別報酬の授受関係を含めまして、公訴事実全般につき所要の検察官側の立証をほぼ終了いたしまして、昨年十二月十四日の二十九回公判において弁護側の冒頭陳述がなされ、それ以後弁護側の反証段階に移っております。
 弁護側の主張は、昭和四十七年以降ロッキード社からのコンサルタント報酬合計十六億七千五十万円のうち約十四億一千五十万円の受領を否定して、いわゆる児玉領収証なるものはすべて偽造されたものであるとするものでございまして、この主張に沿って弁護人申請にかかる約十名の証人尋問が行われました。
 本年十月四日の第四十二回公判からは、相被告人であります大刀川恒夫に対する被告人質問に入っておりまして、その後第四十五回公判で大久保利春の証人尋問が行われました以外は右の被告人質問が現在まで続いておりまして、被告人大刀川は重要な部分において検察官の冒頭陳述書記載の事実と異なる供述をしておりますので、検察官としては、同人の捜査段階における供述との食い違いを指摘しながら質問を行っているところでございます。
 最後に、小佐野被告人の関係でございますが、この関係では、現在まで公判が三十七回開かれておりますが、従前は、前回も御報告申し上げましたとおり、被告人の病状を考慮いたしまして公判はほぼ一カ月に一開廷とし、審理の時間も原則として午前中二時間程度とするというようなかなり時間的な制約のもとに審理が進められていたわけでございますが、昨年十月からは原則として一カ月に二開廷で、被告人の健康状態に応じて審理時間も午後に及ぶ場合もあり、公判は従前よりも迅速に進行している状況にございます。
 公判におきましては、事件の背景事実に続きまして、小佐野被告人の公訴事実であります偽証の事実の核心をなす被告人とロッキード社との関係、トライスターの売り込みを援助するための全日空あるいは東亜国内航空の役員に対する働きかけ及びロサンゼルス空港でのクラッター氏からの二十万ドルの受領等の事実につきまして検察官立証はほぼ終了いたしております。
 この間、児玉ルートについて述べましたとおり、コーチャン、クラッター両氏に対する嘱託尋問調書が採用決定され、取り調べられております。
 現在は弁護側の反証段階に入っておりますが、弁護側の反証活動は、先ほど申し上げた事件の核心事実についていわばアリバイ立証に焦点を当てた活動をしておりまして、多数の弁護側証人の取り調べ請求あるいはクラッター日記の開示要求等がなされておりまして、この関係での証人の取り調べ等が行われておりますが、検察官側では検察官作成のロサンゼルス空港の実況見分調書の取り調べを請求するなどいたしまして、弁護側の立証に対する反証活動に努力しているところでございます。
 以上が、いわゆるロッキード事件関係でございまして、次に、いわゆるダグラス、グラマン問題に関する海部八郎ら四名に対します外為法違反、議院証言法違反等被告事件の公判状況について御報告申し上げます。
 右の事件は、東京地方裁判所の二つの裁判部で審理されております。すなわち、海部八郎、山岡昭一、今村雄二郎に対します外為法違反、私文書偽造、同行使、それから議院証言法違反、業務上横領、これらの各事件は、同裁判所の合議二十五部で審理されており、有森國雄に対する議院証言法違反事件は合議一部において審理をされております。
 それぞれの公判状況は次のとおりでございます。
 海部外二名の被告に係ります右の各事件につきまして、本年十月十二日に第一回公判が開かれ、公訴事実に対する認否、検察官の冒頭陳述が行われております。認否におきましては、被告人三名はおおむね公訴事実を認める旨の供述をいたしまして、検察官の冒頭陳述におきましては、私文書偽造、同行使に関連いたしますマクダネル・ダグラス社から日商岩井に支払われたRF4Eについての特別手数料約二百三十八万ドルの経理処理の背景事情といたしまして、日商岩井の松野頼三氏に対する約五億円の金員の支払い状況等について、また議院証言法違反に関連いたしましては、いわゆる海部メモの作成経緯等についての陳述がなされておるところであります。第二回公判は、去る十一月十六日に開かれまして、検察官申請の書証、証拠物の取り調べが行われ、次回には被告人本人の供述証書の取り調べ等が行われる予定でございまして、その後遠からず結審になるものと思われます。
 有森被告人に対する議院証言法違反事件につきましては、本年十月二十六日に第一回の公判が開かれまして、同被告人は公訴事実を認め、同日検察官の冒頭陳述から検察官申請の書証、証拠物の取り調べをすべて終わりまして、去る十一月二十九日の第二回公判におきまして、被告人質問がありました後に、論告、弁論それぞれ終了いたしまして、次回に判決言い渡しの予定となっております。
 以上でございます。
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発言情報

speech_id: 109004268X00219791210_004

発言者: 前田宏

speaker_id: 23862

日付: 1979-12-10

院: 衆議院

会議名: 航空機輸入に関する調査特別委員会