武藤嘉文の発言 (農林水産委員会)

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○国務大臣(武藤嘉文君) 農林水産委員会の開催に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げますとともに、五十五年度水田利用再編対策につきまして、農林水産省が現在取りまとめております案の趣旨を御説明さしていただきます。
 今日、農政は、経済基調が変化する中で、米需給の不均衡、経営規模拡大の停滞等の問題に直面をいたしております。八〇年代の到来を控え、農業の将来に明るい展望を開くためには、将来の農業のビジョンを明らかにし、長期的な観点に立った政策の推進を図ることが肝要であります。
 現在、農業の長期展望とこれに関連した施策のあり方につきまして、明年春に結論を得ることを目途といたしまして、農政審議会において検討を願っておるところでありますが、私といたしましては、これらの検討結果等を踏まえまして、強力な農政の展開を図ってまいりたいと考えております。
 当面する農政の最大の課題である米の過剰問題につきましては、五十三年度から、農業者、地方公共団体等、関係者の御理解と御協力のもとに水田利用再編対策を実施してまいったところであります。その実施状況を見ますと、初年度においては目標を一二%上回る実績を上げていただき、また、本年度におきましては、地域農業の再編成を促進する観点から、転作の一層の推進に取り組んでいただきました結果、昨年度実績をさらに上回る実施が見込まれております。
 しかしながら、最近の米の需給は、消費の引き続く減退と反収の向上によりまして、一段と過剰の度合いを強めており、きわめて憂慮すべき事態となっております。
 すなわち、古米の在庫量は、輸出用などにおいて鋭意処理をいたしてまいりましたものの、なお、本年十月末で国民の大体七カ月分の消費に匹敵する六百五十万トン程度となっており、これ以上の古米在庫量の累積を避け得るよう、速やかに需給均衡の回復を図ることが、食管制度の維持を含め、農政についての国民の支持を得るためにぜひとも必要であると考えております。
 このため、五十五年度の水田利用再編対策の進め方につきまして、あらゆる角度から検討を重ねてまいりました。
 御承知のとおり、第一期三年間は、原則として転作等目標面積を固定する方針で臨んできたところでありまして、この方針を貫きつつ需給均衡を図る方策がないかという点についても真剣に検討いたしましたが、諸般の事情から、この際、需給計画の見直しをせざるを得ないとの判断に至った次第であります。三年間固定という理解のもとにこの対策の推進に取り組んでこられた関係者に多大の御迷惑をおかけすることにつきましてはまことに申しわけなく思っており、また、需給の見通しが結果的に甘かったことにつきましてはまことに遺憾に存ずる次第でありますが、委員各位の御理解を、ひとつこの点切にお願いを申し上げたいと考えております。
 需給計画の見直しの内容につきましては、後刻、事務当局より説明をいたさせますが、五十五年度の単年度の需給均衡を図ることを基本として見直すこととしております。
 このような改定は、まことにやむを得ざる緊急措置でありまして、転作奨励補助金の水準やその仕組み等につきましては、第一期水田利用再編対策の最終年度ということで、基本的にはそのまま維持する方針でございます。
 もちろん、米の消費拡大につきましても、国内資源に依存する食生活の見直しを基本として、学校給食への米飯導入の強力な推進、米食の普及啓蒙活動の強化、需要に見合った良質米の安定的供給等、各般の面から今後とも全力を挙げて取り組んでまいります。
 また、転作の円滑な推進を図るため、排水対策を初めとして、転作条件の整備のため各般の施策を進めてきているところでありますが、今後とも、関係施策の充実を図るべく、厳しい財政事情のもとではございますが、最大限の努力を傾注してまいる所存であります。
 以上、五十五年度水田利用再編対策案の趣旨について申し上げましたが、農林水産省といたしましては、今後とも、米の需給均衡の回復と農業生産の再編成に全力を傾注してまいる覚悟でありますので、委員各位の御理解と御支援を切にお願いを申し上げる次第であります。

発言情報

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発言者: 武藤嘉文

speaker_id: 30472

日付: 1979-11-29

院: 参議院

会議名: 農林水産委員会