日野市朗の発言 (科学技術振興対策特別委員会)

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○日野委員 事業団法の一部改正の法律案について若干の質問をさせていただきます。
 どうも非常になつかしい思いがいたしますね、「むつ」と言いますと。ぼくもずいぶん長い間これをやってきたような感じがするのですが、またこの事業団法が出て、ふっとなつかしいなという感じが実はするのです。そんなに老成したことを言うつもりはありませんけれども、しばらく前に、これをずいぶんああでもない、こうでもないと扱ってきまして、いままで来ました。そしていま、ここでまた事業団法の改正案が出るということになりますと、これはもう当然出ることは予定されていたものの、非常になつかしいなあというような感じがするのです。単にこれは私だけじゃないのじゃないでしょうか。国民だれしもが「むつ」と言うと、ああなつかしいなあという一種郷愁めいた気持ちを持つのじゃないのかなというような感じがするのですが、これは私、どうしてそんなふうなことを感じたのかなと思いながらじっと振り返ってみたのですが、結局原子力船の問題、「むつ」の問題というのは、これはある程度日本の時の流れの中でもうすでに過去のものになってしまったような感じが実は国民の間にもしているのじゃなかろうかな、そんなことではなかろうかというふうにも思うのです。厳然としていま「むつ」はあるわけですが、何といっても、すでにその機能を忘れて佐世保にさびしくつながれているというのが現状ではなかろうかというふうに思うのです。
 それで私、この日本における不幸な生まれを持った「むつ」について、いろいろそういう回顧もしてみると同時に、世界各国においても原子力船というものをずっと見てみますと、どうも一ころわあっと原子力船で沸き立ったような世界的な動きというものは現在はもうない。原子力船に対する関心も世界的にはもう薄らいでいるのではなかろうかというような感じすら実はいたします。一ころ脚光を浴びましたサバソナ号であるとかオット・ハーン号であるとか、それから、これは商船としてはサバンナなんかがずっと原子力船として世界の海を経めぐったあたり、かなり脚光も浴びて、原子力船の開発ということが各国の関心事であった。しかし、そのサバンナももうすでに航行を終えて、航行した後に残った膨大な赤字、これをどうするのかということがやや論議をされ、それもその後下火になっている。それからオット・ハーンも最近は全然動かないでいるわけですね。そして世界的にもどこでも原子力船をさらにつくっていこうという動きというものはちょっと見られないような感じがいたします。ソ連あたりでは原子力船をつくっていますけれども、これは分野が非常に限られていて砕氷船でございますね。レーニン号であるとかアルクチカ号ですか、そういうようなのが動いているのだという話を聞きますが、これは全部砕氷船でありまして、特にソ連という国柄から言って、採算なんかはある程度度外視して動かす必要性がある、そういう船が若干動いているだけ、そんなふうな感じもするわけであります。
 それで、「むつ」のことについては後からずっと聞いてまいりたいと思いますが、われわれ何しろ情報不足の点がございますので、世界的に原子力船の開発の状況はどんなふうになっているという認識を政府の側でお持ちなのか、お聞かせをいただきたいと思うのです。この場合軍艦は除きましょう、軍艦は除きますが、ひとつお願いします。

発言情報

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発言者: 日野市朗

speaker_id: 26962

日付: 1980-05-07

院: 衆議院

会議名: 科学技術振興対策特別委員会