土井たか子の発言 (外務委員会)
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○土井委員 どうもやはり谷間外交というのは一面では歯切れの悪い外交を指しているがごとく、御説明になる御説明も歯切れが悪い御説明になっているわけでありますが、これは考えてみると、しかし、歯切れの悪い外交を谷間外交と言い切れるかどうかということになると、私はそうは思わないのですね。歯切れが悪いだけではどうも日本の国益を守っていくということはとてもできるはずはございません。
そういう点からすると、追い打ちをかけるようなかっこうになるかもしれませんが、例のイランの米国大使館占拠事件について、すでに私の属しております社会党も、外交関係に関する一九六一年のかのウィーン条約で言うところの公館の不可侵、外交官の不可侵、あの条項に反する国際法違反だ、人道的な見地から人質の解放を求めて早急な解決を望むというふうな態度を早々と表明したのですね、あの当時。ところが、そういうふうなことについて、どうも外務省の態度というのは煮え切らなかったいきさつが実はあるということは周知の事実であります。十二月二日の国通安保理の演説、西堀大使の演説についてもどうも歯切れが悪いというふうな非難、物足りないというふうな非難を受けるということでもありましたし、そしてまた、イランの原油について、対米禁輸分の半分に相当する二千万バレルというものを日本の商社六社が買いあさったというふうな実情が報道されるに及びまして、人質問題でいち立っている米国だけではなくて、どうも外国から不信を買ろということに当時日本の立場というのはなったのじゃないか。そういうときに、案の定、大来外務大臣がパリでバンス国務長官から無神経過ぎるというふうなことが言われて、あわてて、初めてと言ってもいいかもしれません、十二月の十二日になって国際法違反であるというふうな見解を出したといういきさつが実はございます。
こういうことを考えていくと、どうもアメリカのイラン制裁に対して、日本は後追いをしながらそれに対して同意せざるを得ないような状況というふうなことになったのじゃないか。つまり、客観的に見た場合には、米国の圧力に屈したという印象がどうしてもぬぐい切れない、どう日本が弁解しようと、これはぬぐい切れないということが、日本の国民の目にも映りましたし、しかも外国から見た場合には、これはやはり映ったのじゃなかろうか。相手方に対して言わなければならないことも一言わない、言いたいことも言わない、顔色をうかがいながら言いたいことを言わない、言うときには歯切れの悪いことしか言わないというふうなことは、私は谷間外交とは思わないのであります。右に軍事大国、左に資源大国という、この大国にはさまれて、そういう条件からすれば谷間に位置している軍事小国であり資源小国であるという日本の国情から考えると、正しいことは正しい、間違っていることは間違っているというふうにはっきり言うことが、やはり国際社会に対する信頼をかち取ることになるというふうに考えるわけでありますが、この点は、大来外務大臣はどのようにお考えでございますか、ひとつ端的にお答えをいただきたいと思うのです。