外務委員会
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会
会議録情報#0
昭和五十五年二月十四日(木曜日)
午後一時五十七分開議
出席委員
委員長 中尾 栄一君
理事 奥田 敬和君 理事 佐野 嘉吉君
理事 高沢 寅男君 理事 土井たか子君
理事 野間 友一君 理事 渡辺 朗君
上草 義輝君 木村 俊夫君
工藤 巖君 栗原 祐幸君
小坂善太郎君 佐藤 一郎君
東家 嘉幸君 中山 正暉君
岡田 利春君 浅井 美幸君
玉城 栄一君 金子 満広君
榊 利夫君 林 保夫君
出席国務大臣
外 務 大 臣 大来佐武郎君
出席政府委員
外務政務次官 松本 十郎君
外務大臣官房長 柳谷 謙介君
外務省アジア局
長 木内 昭胤君
外務省北米局長 淺尾新一郎君
外務省欧亜局長 武藤 利昭君
外務省経済局長 手島れい志君
外務省経済協力
局長 梁井 新一君
外務省条約局長 伊達 宗起君
委員外の出席者
防衛庁防衛局防
衛課長 池田 久克君
外務大臣官房調
査企画部長 大塚博比古君
外務委員会調査
室長 高杉 幹二君
―――――――――――――
委員の異動
一月三十一日
辞任 補欠選任
野間 友一君 不破 哲三君
同日
辞任 補欠選任
不破 哲三君 野間 友一君
二月七日
辞任 補欠選任
榊 利夫君 不破 哲三君
同月九日
辞任 補欠選任
不破 哲三君 榊 利夫君
同月十四日
辞任 補欠選任
石原慎太郎君 工藤 巖君
中川 一郎君 上草 義輝君
同日
辞任 補欠選任
上草 義輝君 中川 一郎君
工藤 巖君 石原慎太郎君
同日
理事野間友一君一月三十一日委員辞任につき、
その補欠として野間友一君が理事に当選した。
―――――――――――――
二月九日
原子力の平和的利用における協力のための日本
国政府とカナダ政府との間の協定を改正する議
定書の締結について承認を求めるの件(条約第
一三号)(予)
廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止
に関する条約の締結について承認を求めるの件
(条約第一四号)(予)
廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止
に関する条約の紛争の解決に関する改正の受諾
について承認を求めるの件(条約第一五号)(
予)
日本国とポーランド人民共和国との間の通商及
び航海に関する条約の締結について承認を求め
るの件(条約第一六号)(予)
日本国政府とフィンランド共和国政府との間の
文化協定の締結について承認を求めるの件(条
約第一七号)(予)
所得に対する租税及びある種の他の租税に関す
る二重課税の回避のための日本国とドイツ連邦
共和国との間の協定を修正補足する議定書の締
結について承認を求めるの件(条約第一八号)
(予)
千九百七十四年の海上における人命の安全のた
めの国際条約の締結について承認を求めるの件
(条約第一九号)(予)
千九百七十四年の海上における人命の安全のた
めの国際条約に関する千九百七十八年の議定書
の締結について承認を求めるの件(条約第二〇
号)(予)
特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に
関する条約の締結について承認を求めるの件
(条約第二一号)(予)
南極のあざらしの保存に関する条約の締結につ
いて承認を求めるの件(条約第二二号)(予)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
一月三十日
朝鮮の自主的平和統一推進に関する陳情書外八
件(第一〇
号)
は本委員会に参考送付された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
理事の補欠選任
国際情勢に関する件
――――◇―――――
この発言だけを見る →午後一時五十七分開議
出席委員
委員長 中尾 栄一君
理事 奥田 敬和君 理事 佐野 嘉吉君
理事 高沢 寅男君 理事 土井たか子君
理事 野間 友一君 理事 渡辺 朗君
上草 義輝君 木村 俊夫君
工藤 巖君 栗原 祐幸君
小坂善太郎君 佐藤 一郎君
東家 嘉幸君 中山 正暉君
岡田 利春君 浅井 美幸君
玉城 栄一君 金子 満広君
榊 利夫君 林 保夫君
出席国務大臣
外 務 大 臣 大来佐武郎君
出席政府委員
外務政務次官 松本 十郎君
外務大臣官房長 柳谷 謙介君
外務省アジア局
長 木内 昭胤君
外務省北米局長 淺尾新一郎君
外務省欧亜局長 武藤 利昭君
外務省経済局長 手島れい志君
外務省経済協力
局長 梁井 新一君
外務省条約局長 伊達 宗起君
委員外の出席者
防衛庁防衛局防
衛課長 池田 久克君
外務大臣官房調
査企画部長 大塚博比古君
外務委員会調査
室長 高杉 幹二君
―――――――――――――
委員の異動
一月三十一日
辞任 補欠選任
野間 友一君 不破 哲三君
同日
辞任 補欠選任
不破 哲三君 野間 友一君
二月七日
辞任 補欠選任
榊 利夫君 不破 哲三君
同月九日
辞任 補欠選任
不破 哲三君 榊 利夫君
同月十四日
辞任 補欠選任
石原慎太郎君 工藤 巖君
中川 一郎君 上草 義輝君
同日
辞任 補欠選任
上草 義輝君 中川 一郎君
工藤 巖君 石原慎太郎君
同日
理事野間友一君一月三十一日委員辞任につき、
その補欠として野間友一君が理事に当選した。
―――――――――――――
二月九日
原子力の平和的利用における協力のための日本
国政府とカナダ政府との間の協定を改正する議
定書の締結について承認を求めるの件(条約第
一三号)(予)
廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止
に関する条約の締結について承認を求めるの件
(条約第一四号)(予)
廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止
に関する条約の紛争の解決に関する改正の受諾
について承認を求めるの件(条約第一五号)(
予)
日本国とポーランド人民共和国との間の通商及
び航海に関する条約の締結について承認を求め
るの件(条約第一六号)(予)
日本国政府とフィンランド共和国政府との間の
文化協定の締結について承認を求めるの件(条
約第一七号)(予)
所得に対する租税及びある種の他の租税に関す
る二重課税の回避のための日本国とドイツ連邦
共和国との間の協定を修正補足する議定書の締
結について承認を求めるの件(条約第一八号)
(予)
千九百七十四年の海上における人命の安全のた
めの国際条約の締結について承認を求めるの件
(条約第一九号)(予)
千九百七十四年の海上における人命の安全のた
めの国際条約に関する千九百七十八年の議定書
の締結について承認を求めるの件(条約第二〇
号)(予)
特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に
関する条約の締結について承認を求めるの件
(条約第二一号)(予)
南極のあざらしの保存に関する条約の締結につ
いて承認を求めるの件(条約第二二号)(予)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
一月三十日
朝鮮の自主的平和統一推進に関する陳情書外八
件(第一〇
号)
は本委員会に参考送付された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
理事の補欠選任
国際情勢に関する件
――――◇―――――
中
中尾栄一#1
○中尾委員長 これより会議を開きます。
この際、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
去る一月三十一日理事野間友一君の委員辞任により、理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →この際、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
去る一月三十一日理事野間友一君の委員辞任により、理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
中
中
松
松本十郎#4
○松本(十)政府委員 昭和五十五年度外務省予算重点事項を御説明いたします。
昭和五十五年度一般会計予算において、外務省予算としては、二千八百五十九億九千百万円が計上されております。これを前年度予算と比較いたしますと、四百三十八億二千万円の増加となり、一八・一%の伸び率となっております。
次に内容について御説明いたします。
昭和五十五年度においては、特に定員の増強と機構の整備を図るとともに、在外職員の勤務条件改善の諸施策を強力に推進し、外務省の責務遂行に遺漏なきを期することといたしました。
外務省定員につきましては、本省及び在外公館の新規増七十八名、他省振りかえ増三十六名、計百十四名の増員となりますが、他方定員削減が三十四名ありますので、純増員としては八十名となります。この結果五十五年度外務省定員は、合計三千四百八十三名となります。
本省の機構整備につきましては、中近東アフリカ局にアフリカ第二課を設置すること、経済局に海洋課を設置することが予定されております。
また、在外公館関係では、ブラジルのクリチバ市に総領事館の設置が予定されており、これが実現いたしますと、わが国の在外公館の実館は百六十四館となります。
このほか、セント・ビンセント、セント・ルシア及びキリバス国に兼館の大使館を設けることとしております。
不健康地勤務条件の改善関係経費は、三億七千八百万円であり、前年度予算三億二千九百万円と比較いたしますと、四千九百万円の増加であります。
本経費は、勤務環境の厳しい地に所在する在外公館に勤務する職員の健康管理、福祉厚生施設等の改善を図るためのものであります。
次に、国際協力の拡充強化に関連する予算の内容を御説明いたします。南北間の相互依存性がより深まっております今日、政府開発援助、すなわちODAの重要性はますます高まっております。政府としては、ODA三年倍増の方針を実施しておりますが、五十五年はこの中期目標の最終年に当たっていることもあり、ODA事業予算としては、政府全体で八千四百二億円が計上され、その対GNP比も前年度の〇・三一%から、〇・三四%へと上昇しております。
また、ODA事業予算中の贈与予算が増加したことにより、事業規模に占める贈与の割合が五〇・一%となって、わが国が戦後本格的に経済協力を開始して以来、初めて五〇%の水準を超えました。
外務省所管のODA関係予算も積極的拡充が図られており、五十五年度分としては、総額一千九百五十三億三千万円が計上され、五十四年度当初予算と比較いたしますと、三百七十六億五千五百万円の増加となり、二四%の伸び率となります。
特に、二国間無償資金協力は外交の円滑なる推進に重要な役割りを果たしており、その予算は、前年度より百億円増の七百五十億円が計上されております。
技術協力の拡充は、人づくり協力の柱として外務省ODA事業予算要求の最重点事項の一つとして掲げられておりましたが、国際協力事業団の事業費は、前年度に比べて、一五・八%増の五百七十九億二千六百万円が計上されております。特に、海外技術協力事業費は、二〇%増の四百三十三億二百万円へと拡充されております。
なお、国際協力事業団の移住事業関係予算も、対前年度比約二〇%増の三十一億七千三百万円となっております。
国連諸機関に対する出資、拠出については、分担率の増加、円安及びインドシナ難民救済に関する国連諸機関への拠出金の増加等により、前年度に比して五一%増の三百八十九億二千八百万円が計上されました。
次に広報、文化活動の推進でございます。
海外広報活動の拡充強化のための経費は、二十六億六千百万円で、これは前年度予算に比し三億二千五百万円の増加でありますが、五十五年度においては、特にワシントンに広報文化センターを設置することとしております。
国際文化交流事業の充実強化のための経費は四十八億六千七百万円であります。このうち、一般文化事業費につきましては、前年度予算に比し四一%増の七億七千三百万円でありまして、特に、ASEAN青年のための奨学金につきましては、十年計画の初年度分として百万ドルを計上いたしております。
また、国際交流基金に対しましては、すでに出資済みの四百五十億円に加え、さらに、二十五億円の追加出資を行うこととしております。これに伴い同基金の年間事業規模は、三十七億二千百万円となり、前年度予算に対し四%の伸び率となりますが、新たに中国に対する日本語普及特別事業を開始するなど一層その事業内容の充実を図ることとしております。
重点事項の第四の柱であります日本人学校の新設を初めとする海外子女教育の充実強化のための関連予算としては、五十三億三千四百万円が計上されております。現在、海外在留邦人の同伴子女で義務教育年齢にある者は、およそ二万四千人に達しており、これらの子女の教育がきわめて切実な問題となっているので、昭和五十五年度においても引き続き海外子女教育の充実強化のための諸施策を推進するものであります。
具体的施策としては、アラブ首長国連邦のドバイ、チェコスロバキアのプラハ、ブラジルのピトリア及びインドネシアのメダンの四都市に全日制日本人学校を新設するほか、台湾の台中にある日本人学校分校を独立校に昇格することとし、この結果全日制日本人学校数は台湾三校を含み、六十七校となります。このほか、教員七十九名の増員を行い、教員の待遇についても必要な改善を行うこととしております。
以上が、外務省の昭和五十五年度予算重点事項の概要であります。
この発言だけを見る →昭和五十五年度一般会計予算において、外務省予算としては、二千八百五十九億九千百万円が計上されております。これを前年度予算と比較いたしますと、四百三十八億二千万円の増加となり、一八・一%の伸び率となっております。
次に内容について御説明いたします。
昭和五十五年度においては、特に定員の増強と機構の整備を図るとともに、在外職員の勤務条件改善の諸施策を強力に推進し、外務省の責務遂行に遺漏なきを期することといたしました。
外務省定員につきましては、本省及び在外公館の新規増七十八名、他省振りかえ増三十六名、計百十四名の増員となりますが、他方定員削減が三十四名ありますので、純増員としては八十名となります。この結果五十五年度外務省定員は、合計三千四百八十三名となります。
本省の機構整備につきましては、中近東アフリカ局にアフリカ第二課を設置すること、経済局に海洋課を設置することが予定されております。
また、在外公館関係では、ブラジルのクリチバ市に総領事館の設置が予定されており、これが実現いたしますと、わが国の在外公館の実館は百六十四館となります。
このほか、セント・ビンセント、セント・ルシア及びキリバス国に兼館の大使館を設けることとしております。
不健康地勤務条件の改善関係経費は、三億七千八百万円であり、前年度予算三億二千九百万円と比較いたしますと、四千九百万円の増加であります。
本経費は、勤務環境の厳しい地に所在する在外公館に勤務する職員の健康管理、福祉厚生施設等の改善を図るためのものであります。
次に、国際協力の拡充強化に関連する予算の内容を御説明いたします。南北間の相互依存性がより深まっております今日、政府開発援助、すなわちODAの重要性はますます高まっております。政府としては、ODA三年倍増の方針を実施しておりますが、五十五年はこの中期目標の最終年に当たっていることもあり、ODA事業予算としては、政府全体で八千四百二億円が計上され、その対GNP比も前年度の〇・三一%から、〇・三四%へと上昇しております。
また、ODA事業予算中の贈与予算が増加したことにより、事業規模に占める贈与の割合が五〇・一%となって、わが国が戦後本格的に経済協力を開始して以来、初めて五〇%の水準を超えました。
外務省所管のODA関係予算も積極的拡充が図られており、五十五年度分としては、総額一千九百五十三億三千万円が計上され、五十四年度当初予算と比較いたしますと、三百七十六億五千五百万円の増加となり、二四%の伸び率となります。
特に、二国間無償資金協力は外交の円滑なる推進に重要な役割りを果たしており、その予算は、前年度より百億円増の七百五十億円が計上されております。
技術協力の拡充は、人づくり協力の柱として外務省ODA事業予算要求の最重点事項の一つとして掲げられておりましたが、国際協力事業団の事業費は、前年度に比べて、一五・八%増の五百七十九億二千六百万円が計上されております。特に、海外技術協力事業費は、二〇%増の四百三十三億二百万円へと拡充されております。
なお、国際協力事業団の移住事業関係予算も、対前年度比約二〇%増の三十一億七千三百万円となっております。
国連諸機関に対する出資、拠出については、分担率の増加、円安及びインドシナ難民救済に関する国連諸機関への拠出金の増加等により、前年度に比して五一%増の三百八十九億二千八百万円が計上されました。
次に広報、文化活動の推進でございます。
海外広報活動の拡充強化のための経費は、二十六億六千百万円で、これは前年度予算に比し三億二千五百万円の増加でありますが、五十五年度においては、特にワシントンに広報文化センターを設置することとしております。
国際文化交流事業の充実強化のための経費は四十八億六千七百万円であります。このうち、一般文化事業費につきましては、前年度予算に比し四一%増の七億七千三百万円でありまして、特に、ASEAN青年のための奨学金につきましては、十年計画の初年度分として百万ドルを計上いたしております。
また、国際交流基金に対しましては、すでに出資済みの四百五十億円に加え、さらに、二十五億円の追加出資を行うこととしております。これに伴い同基金の年間事業規模は、三十七億二千百万円となり、前年度予算に対し四%の伸び率となりますが、新たに中国に対する日本語普及特別事業を開始するなど一層その事業内容の充実を図ることとしております。
重点事項の第四の柱であります日本人学校の新設を初めとする海外子女教育の充実強化のための関連予算としては、五十三億三千四百万円が計上されております。現在、海外在留邦人の同伴子女で義務教育年齢にある者は、およそ二万四千人に達しており、これらの子女の教育がきわめて切実な問題となっているので、昭和五十五年度においても引き続き海外子女教育の充実強化のための諸施策を推進するものであります。
具体的施策としては、アラブ首長国連邦のドバイ、チェコスロバキアのプラハ、ブラジルのピトリア及びインドネシアのメダンの四都市に全日制日本人学校を新設するほか、台湾の台中にある日本人学校分校を独立校に昇格することとし、この結果全日制日本人学校数は台湾三校を含み、六十七校となります。このほか、教員七十九名の増員を行い、教員の待遇についても必要な改善を行うこととしております。
以上が、外務省の昭和五十五年度予算重点事項の概要であります。
中
中
土
土井たか子#7
○土井委員 きょうは、八〇年に入りまして当外務委員会では初めての国際情勢に関する質疑の日でございますから、ひとつ基本的なことを大来外務大臣に私は御質問したいと存じます。
政治的なことなので、局長後ろの方に控えていらしてまことに御苦労さまでございますが、ひとつ大臣の方から御答弁をその都度いただくことができますように、まず申し上げたいと思うのです。
外務大臣、大平内閣総理大臣が施政方針演説をなさいましたが、その中で、八〇年代の国際社会は複雑な要素が交錯し、一歩その対応を誤まると破局を招来しかねない岐路に立っているというふうにお述べになっているのですね。大来外務大臣も、ここに私持ってまいっておりますが、外交演説の中で、国際情勢の厳しさとわが国の置かれた地位を考えると、わが外交にとり、まさに試練の時期と言っても過言ではないというふうにおっしゃっております。
確かに考えてみると、七〇年代というのはエネルギー危機に代表される、そしてまたアメリカの地位の低下ということにおいても代表される、そしてまた社会主義国家間の対立など、いままでにない大きなうねりがうねっている中で、そのツケがいま八〇年を皮切りに八〇年代に回されたかっこうだというふうに申し上げていいと思うのです。まことにわが国の外交は、戦後初めて味わう国際政治の中での厳しい現実と試練に立たされているのじゃないか、このように申し上げて過言じゃないと私も思うんですね。そうであるからこそ、これからの八〇年代におけるわが国の外交の基本方針ということをひとつ明確に打ち出すという必要があるのではないかと思います。その中で国際環境のこういう厳しさを日本の国民が理解をいたしまして、そして八〇年代の試練に正面切って立ち向かうというふうなことを考えてまいりますと、この政府の外交に関する演説というのをもう一度私は読み返してみたのですが、どうも総花的で抽象的でよくわからないのです。
まずそこでお伺いしたいのは、大平内閣の外交の基本方針というのを、もう一度端的にここで大来外務大臣の見解を通してお述べいただけませんか。
この発言だけを見る →政治的なことなので、局長後ろの方に控えていらしてまことに御苦労さまでございますが、ひとつ大臣の方から御答弁をその都度いただくことができますように、まず申し上げたいと思うのです。
外務大臣、大平内閣総理大臣が施政方針演説をなさいましたが、その中で、八〇年代の国際社会は複雑な要素が交錯し、一歩その対応を誤まると破局を招来しかねない岐路に立っているというふうにお述べになっているのですね。大来外務大臣も、ここに私持ってまいっておりますが、外交演説の中で、国際情勢の厳しさとわが国の置かれた地位を考えると、わが外交にとり、まさに試練の時期と言っても過言ではないというふうにおっしゃっております。
確かに考えてみると、七〇年代というのはエネルギー危機に代表される、そしてまたアメリカの地位の低下ということにおいても代表される、そしてまた社会主義国家間の対立など、いままでにない大きなうねりがうねっている中で、そのツケがいま八〇年を皮切りに八〇年代に回されたかっこうだというふうに申し上げていいと思うのです。まことにわが国の外交は、戦後初めて味わう国際政治の中での厳しい現実と試練に立たされているのじゃないか、このように申し上げて過言じゃないと私も思うんですね。そうであるからこそ、これからの八〇年代におけるわが国の外交の基本方針ということをひとつ明確に打ち出すという必要があるのではないかと思います。その中で国際環境のこういう厳しさを日本の国民が理解をいたしまして、そして八〇年代の試練に正面切って立ち向かうというふうなことを考えてまいりますと、この政府の外交に関する演説というのをもう一度私は読み返してみたのですが、どうも総花的で抽象的でよくわからないのです。
まずそこでお伺いしたいのは、大平内閣の外交の基本方針というのを、もう一度端的にここで大来外務大臣の見解を通してお述べいただけませんか。
大
大来佐武郎#8
○大来国務大臣 ただいま土井委員から御指摘がありましたように、今国会の総理及び私の演説の中で国際情勢をかなり厳しく見ておるわけでございます。一つには、日本の外交が、これまではバイラテラルといいますか二国間の関係が大きかったように見られるわけでございまして、たとえば従来の主要な外交問題と申しますと、日米、日中、日韓、日ソ、必ず「日」がついておるわけでございますけれども、昨年の暮れ以来の事件は、イラン問題とかアフガニスタン問題という、「日」がつかない世界的な国際的な問題で日本の外交がいろいろな選択の判断をしていかなければならない、そういう意味でも日本の外交が一つの新しい転機に差しかかっておるのではないか。
なぜそういうことになったかということを考えてみますと、一つには、先ほど土井委員の御指摘もありましたが、第二次大戦以来アメリカが圧倒的といいますか非常に大きな力を、世界の問題、国際問題について、経済の面、軍事力、政治力を含めて持っておりましたけれども、これが世界の他の地域の経済成長、発展の影響もありまして、相対的にアメリカの力というものが下がった面がある。そういう点で、従来アメリカ自身が判断し行動し、そのかわり責任も自分でとるという行き方が必ずしも従来どおりにいかなくなりまして、ヨーロッパなり日本なりの友好国の協力を求めるという姿が出てまいっておるんじゃないか。
それから一つには、やはり日本の経済力、特に経済力を中心にいたしまして、世界の中に占める比重、重要性が上がってまいりまして、従来であれば他の世界に起こるいろいろな問題について日本は知らないということで済まし得た場合が多かったと思うのでございますが、最近になりますと、世界のGNPの一割近くを日本が持つ、アメリカの経済力の半分に近いところまで来たということになりますと、やはり世界全般の問題について日本が重要なメンバーの一つとして考えられる。そういう情勢のもとでいろいろな世界の問題に日本の態度、日本の政策というものが問われる段階に入ってまいったんじゃないか。そういう意味で八〇年代は、一方において世界のいろいろな動きがございますが、他方におきまして日本の役割りの増大に伴う外交面における発言をより多く求められていく。そういう意味での試練に立たされておると考えておるわけでございます。
この発言だけを見る →なぜそういうことになったかということを考えてみますと、一つには、先ほど土井委員の御指摘もありましたが、第二次大戦以来アメリカが圧倒的といいますか非常に大きな力を、世界の問題、国際問題について、経済の面、軍事力、政治力を含めて持っておりましたけれども、これが世界の他の地域の経済成長、発展の影響もありまして、相対的にアメリカの力というものが下がった面がある。そういう点で、従来アメリカ自身が判断し行動し、そのかわり責任も自分でとるという行き方が必ずしも従来どおりにいかなくなりまして、ヨーロッパなり日本なりの友好国の協力を求めるという姿が出てまいっておるんじゃないか。
それから一つには、やはり日本の経済力、特に経済力を中心にいたしまして、世界の中に占める比重、重要性が上がってまいりまして、従来であれば他の世界に起こるいろいろな問題について日本は知らないということで済まし得た場合が多かったと思うのでございますが、最近になりますと、世界のGNPの一割近くを日本が持つ、アメリカの経済力の半分に近いところまで来たということになりますと、やはり世界全般の問題について日本が重要なメンバーの一つとして考えられる。そういう情勢のもとでいろいろな世界の問題に日本の態度、日本の政策というものが問われる段階に入ってまいったんじゃないか。そういう意味で八〇年代は、一方において世界のいろいろな動きがございますが、他方におきまして日本の役割りの増大に伴う外交面における発言をより多く求められていく。そういう意味での試練に立たされておると考えておるわけでございます。
土
土井たか子#9
○土井委員 どうもわかったようなわからないような御説明のように私は失礼ながら思うのですね。
昨年の十二月の十二日でございましたか、パリから大来外務大臣帰ってこられました。そして、そのときに記者会見の席でおっしゃったことは、日本は四方八方に気を配らなきゃならない立場がある。そういう立場上もう一つはっきりした態度がとりにくい。いわば谷間外交にならざるを得ないということを言われております。谷間外交というのはうまい表現だなと思って私は新聞記事を拝見した一人なんでございますが、そう言っちゃ失礼ですが、パリにおいてバンス国務長官に言われっ放しみたいなかっこうで帰国された外務大臣とされましては、どうもわが国の外交方針というものが谷間外交にならざるを得ないというふうにおっしゃるお気持ちというのは何かわかるような気も私自身はしたのですけれども、この谷間外交とおっしゃる外務大臣のそういうお立場と、福田前総理、福田内閣当時に言われたあの全方位外交というのがありますね、これは同じ意味なんでございますか、違うんですか、中身は。一体、大来外務大臣の谷間外交とおっしゃる真意というのはどういうことなんでございますか。これをもう一度御説明いただきたいと思います。
この発言だけを見る →昨年の十二月の十二日でございましたか、パリから大来外務大臣帰ってこられました。そして、そのときに記者会見の席でおっしゃったことは、日本は四方八方に気を配らなきゃならない立場がある。そういう立場上もう一つはっきりした態度がとりにくい。いわば谷間外交にならざるを得ないということを言われております。谷間外交というのはうまい表現だなと思って私は新聞記事を拝見した一人なんでございますが、そう言っちゃ失礼ですが、パリにおいてバンス国務長官に言われっ放しみたいなかっこうで帰国された外務大臣とされましては、どうもわが国の外交方針というものが谷間外交にならざるを得ないというふうにおっしゃるお気持ちというのは何かわかるような気も私自身はしたのですけれども、この谷間外交とおっしゃる外務大臣のそういうお立場と、福田前総理、福田内閣当時に言われたあの全方位外交というのがありますね、これは同じ意味なんでございますか、違うんですか、中身は。一体、大来外務大臣の谷間外交とおっしゃる真意というのはどういうことなんでございますか。これをもう一度御説明いただきたいと思います。
大
大来佐武郎#10
○大来国務大臣 私、谷間外交と申したかどうか、あるいは新聞記者が名前をつけたのかもしれませんけれども、一方におきまして日本が先ほど申しましたような経済力で大きな地位を占めましたけれども、資源の点では、食糧、エネルギー、その他を含めて大部分海外に依存している状態にございますし、防衛力の方も国の安全を守る最小限でやってまいっておるという条件がございますので、絶えず諸外国との関係に注意していく必要がある。
考えようによりますれば、非常に歯切れのいいことをなぜ外交で言えないのかという御意見もいろいろ受けるわけでございますが、やはり日本の国民の安全を守る、経済の発展を図っていくという場合には、必ずしも歯切れのいいことを言うことが適当かどうかという場合もあるわけでございまして、そういう状況を谷間外交と言えば谷間外交。世界の各国がお互いに友好的であり平和であれば日本は非常に外交もやりやすい条件にございますが、日本が友好国と思っている国々の間に争いが始まってくるという場合に、相当むずかしい立場に置かれる。しかし、余り一方的な立場をとることは日本の安全なり経済に影響が出てくる。そういう事情をたしか当時申したように思います。
全方位外交についてお尋ねでございましたが、これは私の考えでございますが、全方位と言うと、世界じゅうのあらゆる国と同じように仲よくつき合うという響きもあるわけでございますが、これはやはりどうしても国によってその親しさ、友好の度合いがある程度違うということは当然現実問題としてあるわけでございまして、私、申しておりますのは、いまのような日本の資源なり防衛という面から考えて、日本の外交は少なくとも世界じゅうに深刻な敵をつくらないという努力はしていかなければならないのじゃないか。そういう意味で全方位外交と言うならそういうことになるのじゃないかというふうに考えるわけでございます。
この発言だけを見る →考えようによりますれば、非常に歯切れのいいことをなぜ外交で言えないのかという御意見もいろいろ受けるわけでございますが、やはり日本の国民の安全を守る、経済の発展を図っていくという場合には、必ずしも歯切れのいいことを言うことが適当かどうかという場合もあるわけでございまして、そういう状況を谷間外交と言えば谷間外交。世界の各国がお互いに友好的であり平和であれば日本は非常に外交もやりやすい条件にございますが、日本が友好国と思っている国々の間に争いが始まってくるという場合に、相当むずかしい立場に置かれる。しかし、余り一方的な立場をとることは日本の安全なり経済に影響が出てくる。そういう事情をたしか当時申したように思います。
全方位外交についてお尋ねでございましたが、これは私の考えでございますが、全方位と言うと、世界じゅうのあらゆる国と同じように仲よくつき合うという響きもあるわけでございますが、これはやはりどうしても国によってその親しさ、友好の度合いがある程度違うということは当然現実問題としてあるわけでございまして、私、申しておりますのは、いまのような日本の資源なり防衛という面から考えて、日本の外交は少なくとも世界じゅうに深刻な敵をつくらないという努力はしていかなければならないのじゃないか。そういう意味で全方位外交と言うならそういうことになるのじゃないかというふうに考えるわけでございます。
土
土井たか子#11
○土井委員 どうもやはり谷間外交というのは一面では歯切れの悪い外交を指しているがごとく、御説明になる御説明も歯切れが悪い御説明になっているわけでありますが、これは考えてみると、しかし、歯切れの悪い外交を谷間外交と言い切れるかどうかということになると、私はそうは思わないのですね。歯切れが悪いだけではどうも日本の国益を守っていくということはとてもできるはずはございません。
そういう点からすると、追い打ちをかけるようなかっこうになるかもしれませんが、例のイランの米国大使館占拠事件について、すでに私の属しております社会党も、外交関係に関する一九六一年のかのウィーン条約で言うところの公館の不可侵、外交官の不可侵、あの条項に反する国際法違反だ、人道的な見地から人質の解放を求めて早急な解決を望むというふうな態度を早々と表明したのですね、あの当時。ところが、そういうふうなことについて、どうも外務省の態度というのは煮え切らなかったいきさつが実はあるということは周知の事実であります。十二月二日の国通安保理の演説、西堀大使の演説についてもどうも歯切れが悪いというふうな非難、物足りないというふうな非難を受けるということでもありましたし、そしてまた、イランの原油について、対米禁輸分の半分に相当する二千万バレルというものを日本の商社六社が買いあさったというふうな実情が報道されるに及びまして、人質問題でいち立っている米国だけではなくて、どうも外国から不信を買ろということに当時日本の立場というのはなったのじゃないか。そういうときに、案の定、大来外務大臣がパリでバンス国務長官から無神経過ぎるというふうなことが言われて、あわてて、初めてと言ってもいいかもしれません、十二月の十二日になって国際法違反であるというふうな見解を出したといういきさつが実はございます。
こういうことを考えていくと、どうもアメリカのイラン制裁に対して、日本は後追いをしながらそれに対して同意せざるを得ないような状況というふうなことになったのじゃないか。つまり、客観的に見た場合には、米国の圧力に屈したという印象がどうしてもぬぐい切れない、どう日本が弁解しようと、これはぬぐい切れないということが、日本の国民の目にも映りましたし、しかも外国から見た場合には、これはやはり映ったのじゃなかろうか。相手方に対して言わなければならないことも一言わない、言いたいことも言わない、顔色をうかがいながら言いたいことを言わない、言うときには歯切れの悪いことしか言わないというふうなことは、私は谷間外交とは思わないのであります。右に軍事大国、左に資源大国という、この大国にはさまれて、そういう条件からすれば谷間に位置している軍事小国であり資源小国であるという日本の国情から考えると、正しいことは正しい、間違っていることは間違っているというふうにはっきり言うことが、やはり国際社会に対する信頼をかち取ることになるというふうに考えるわけでありますが、この点は、大来外務大臣はどのようにお考えでございますか、ひとつ端的にお答えをいただきたいと思うのです。
この発言だけを見る →そういう点からすると、追い打ちをかけるようなかっこうになるかもしれませんが、例のイランの米国大使館占拠事件について、すでに私の属しております社会党も、外交関係に関する一九六一年のかのウィーン条約で言うところの公館の不可侵、外交官の不可侵、あの条項に反する国際法違反だ、人道的な見地から人質の解放を求めて早急な解決を望むというふうな態度を早々と表明したのですね、あの当時。ところが、そういうふうなことについて、どうも外務省の態度というのは煮え切らなかったいきさつが実はあるということは周知の事実であります。十二月二日の国通安保理の演説、西堀大使の演説についてもどうも歯切れが悪いというふうな非難、物足りないというふうな非難を受けるということでもありましたし、そしてまた、イランの原油について、対米禁輸分の半分に相当する二千万バレルというものを日本の商社六社が買いあさったというふうな実情が報道されるに及びまして、人質問題でいち立っている米国だけではなくて、どうも外国から不信を買ろということに当時日本の立場というのはなったのじゃないか。そういうときに、案の定、大来外務大臣がパリでバンス国務長官から無神経過ぎるというふうなことが言われて、あわてて、初めてと言ってもいいかもしれません、十二月の十二日になって国際法違反であるというふうな見解を出したといういきさつが実はございます。
こういうことを考えていくと、どうもアメリカのイラン制裁に対して、日本は後追いをしながらそれに対して同意せざるを得ないような状況というふうなことになったのじゃないか。つまり、客観的に見た場合には、米国の圧力に屈したという印象がどうしてもぬぐい切れない、どう日本が弁解しようと、これはぬぐい切れないということが、日本の国民の目にも映りましたし、しかも外国から見た場合には、これはやはり映ったのじゃなかろうか。相手方に対して言わなければならないことも一言わない、言いたいことも言わない、顔色をうかがいながら言いたいことを言わない、言うときには歯切れの悪いことしか言わないというふうなことは、私は谷間外交とは思わないのであります。右に軍事大国、左に資源大国という、この大国にはさまれて、そういう条件からすれば谷間に位置している軍事小国であり資源小国であるという日本の国情から考えると、正しいことは正しい、間違っていることは間違っているというふうにはっきり言うことが、やはり国際社会に対する信頼をかち取ることになるというふうに考えるわけでありますが、この点は、大来外務大臣はどのようにお考えでございますか、ひとつ端的にお答えをいただきたいと思うのです。
大
大来佐武郎#12
○大来国務大臣 当時、私も外務大臣就任早々相次いで事件が起こってまいりまして、多少戸惑う面もあったわけでございますが、イランの問題については、振り返ってみますと、ただいま土井先生が言われたように、外国の大使館を占領して館員を人質にとるということは国際的な秩序の破壊でございますし、単にアメリカとイランの関係ということじゃなくて、世界全体の秩序を保つという意味からいって賛成できないということを、もう少し早く、もう少し強く言うべきであったのかもしれないと思います。
しかし、この日本の立場は、いまお話しのように、資源小国という面での資源外交ということが従来から非常に重視されてまいっておりまして、同時に、経済面に外交面を集中すると申しますか、経済外交ということも言われておりまして、最近になりまして、経済だけじゃいかぬ、政治的、文化的な面をあわせて国際関係をもっと考慮していかなければならないという考え方が、だんだん日本の国内にも強まってきておるわけでございますが、ある意味では、イラン事件というのがそういう意味での戦後外交の一つの過渡期に起こった現象であったのかもしれないと思います。
もちろん、当時といたしましても、イラン政府に日本の在イラン大使館を通じまして、人質問題に対しての日本側からの意見も伝えております。それから、当時の安保理事会における西堀代表の発言も、言葉を非常に選んではおりますけれども、内容的には人質問題に対する抗議になっておるわけでございます。ただ、その表現が他の国に比べて少しやわらかかったのじゃないかというような問題があったわけでございますが、いまお尋ねの件につきましての私の見方は以上のとおりでございます。
この発言だけを見る →しかし、この日本の立場は、いまお話しのように、資源小国という面での資源外交ということが従来から非常に重視されてまいっておりまして、同時に、経済面に外交面を集中すると申しますか、経済外交ということも言われておりまして、最近になりまして、経済だけじゃいかぬ、政治的、文化的な面をあわせて国際関係をもっと考慮していかなければならないという考え方が、だんだん日本の国内にも強まってきておるわけでございますが、ある意味では、イラン事件というのがそういう意味での戦後外交の一つの過渡期に起こった現象であったのかもしれないと思います。
もちろん、当時といたしましても、イラン政府に日本の在イラン大使館を通じまして、人質問題に対しての日本側からの意見も伝えております。それから、当時の安保理事会における西堀代表の発言も、言葉を非常に選んではおりますけれども、内容的には人質問題に対する抗議になっておるわけでございます。ただ、その表現が他の国に比べて少しやわらかかったのじゃないかというような問題があったわけでございますが、いまお尋ねの件につきましての私の見方は以上のとおりでございます。
土
土井たか子#13
○土井委員 時宜として適切なやり方を欠いていたのかもしれないというふうな、その当時の取り扱いについてのいまの御見解も含めての御答弁なんですが、いま現に問題になっていることについてさらにお尋ねを進めますと、例のソビエトのアフガンに対する軍事介入の問題です。
社会党は、すでにこの問題に対して、国連憲章平和五原則に違反するものとして、ソ連軍の即時全面撤退を党として強く要求をいたしております。大平さんのあの施政方針演説の中でもその趣旨のことは述べておられるわけですが、このソビエトのとった行為というのは国際的に決してペイするものじゃない、こういう行為に対しては非常に高くつくものだということを具体的にしなければならないと思うのですが、大平総理の場合は、わが国にふさわしい努力を重ねていくというふうに演説の中では述べておられます。そしてまた、これは非常に強く、それがたとえわが国にとって犠牲を伴うものであっても、それを避けてはならないと考えますとさえ言われているわけでありますが、ソ連に対してこういう不快感を示す方法、特にきっぱり言い切られる、それがたとえわが国にとって犠牲を伴うものであっても、それを避けてはならないと考えますとおっしゃっている中身について、一体どういうものがあるのですか、どういう措置を講ずるということを具体的に考えられているのですか。いかがでございますか。
この発言だけを見る →社会党は、すでにこの問題に対して、国連憲章平和五原則に違反するものとして、ソ連軍の即時全面撤退を党として強く要求をいたしております。大平さんのあの施政方針演説の中でもその趣旨のことは述べておられるわけですが、このソビエトのとった行為というのは国際的に決してペイするものじゃない、こういう行為に対しては非常に高くつくものだということを具体的にしなければならないと思うのですが、大平総理の場合は、わが国にふさわしい努力を重ねていくというふうに演説の中では述べておられます。そしてまた、これは非常に強く、それがたとえわが国にとって犠牲を伴うものであっても、それを避けてはならないと考えますとさえ言われているわけでありますが、ソ連に対してこういう不快感を示す方法、特にきっぱり言い切られる、それがたとえわが国にとって犠牲を伴うものであっても、それを避けてはならないと考えますとおっしゃっている中身について、一体どういうものがあるのですか、どういう措置を講ずるということを具体的に考えられているのですか。いかがでございますか。
大
大来佐武郎#14
○大来国務大臣 この問題につきましては、ソ連のアフガニスタン軍事介入からすぐその後に日本政府の見解を出しまして、これを外務省でポリャンスキー大使に伝えるということをいたしたわけでございますが、具体的措置につきましては、これはやはり世界的に非常に大きな影響のある問題でございますし、アメリカ、西欧諸国の立場あるいは第三世界の立場、こういう立場も見ながら検討を重ねていくという立場でございます。とりあえず、総理の演説の中では、高度技術製品の輸出抑制についてココムの場で協力しながら実行していくということが挙げてあるわけでございまして、その他の手段については現在検討中、いまだ具体的な政策についてはっきり申し上げる段階には来ておらない。もう一つは、人事交流について一部抑制的な措置がとられた面がございますが、今後の具体的な内容は検討中であるということでございます。
この発言だけを見る →土
土井たか子#15
○土井委員 検討中検討中というのがえらい続くわけですけれども、これは考えてみると、そもそもソビエトとの関係について言うならば、日本の政府はアメリカとの基軸外交を行ってきたということがどうしてもこれにも関係をいたしますために、従来ソビエトだけに一方的利益を与えるような恩恵的な措置というのは一切行っていないはずなんですね。日ソ双方が相互利益を得られるような考え方でやってきたというのが実情だと思います。そういうことからすれば、互恵の関係というものがそこであったのじゃないかというふうに考えられるわけですけれども、そうであるならば、具体的な対応をすればするほどみずからも制裁をするというふうな側面を皮肉にも持たざるを得ない。したがって、検討中検討中とおっしゃるのは、少なくとも大平総理が、犠牲を伴うものであっても避けてはならないというふうに大みえを切られても、例の六八年のチェコ事件の制裁のようにそれが線香花火に終わってしまった場合、ばかをみるのは関係者だけだという実情も出てくるかもしれないわけであります。
だから、いま日本としては、単にアメリカの戦略に追随すべきでないと言うだけではなくて、自主的な判断というものもおくればせにやったのじゃ意味がないと思うのです。自主的な判断というものは、検討中検討中でいつまでも検討しているわけにはいかない。やはりそれにはタイミング、時を外してはならないという鉄則があるだろうと思うのですが、この点は、幾らかの決断も含めて、外務大臣お考えのところがあろうかと思うのです。いかがでございますか。
この発言だけを見る →だから、いま日本としては、単にアメリカの戦略に追随すべきでないと言うだけではなくて、自主的な判断というものもおくればせにやったのじゃ意味がないと思うのです。自主的な判断というものは、検討中検討中でいつまでも検討しているわけにはいかない。やはりそれにはタイミング、時を外してはならないという鉄則があるだろうと思うのですが、この点は、幾らかの決断も含めて、外務大臣お考えのところがあろうかと思うのです。いかがでございますか。
大
大来佐武郎#16
○大来国務大臣 日本の置かれている立場は、ソ連、大きな隣国といいますか、地理的にも非常に近いわけでございますし、資源の面における相互依存関係もございますし、日ソ関係と米ソ関係は全く同じものとは言えない面がいろいろあるわけでございまして、日本としては、やはり日本の国益、日本の立場を重要視、中心に据えて対応策を考えていかなければならないと思うわけでございます。同時に、このアフガニスタン問題は、全世界を含む、第三世界をも含めての世界的な問題外ございまして、特にやや日本と似た立場にございます西欧諸国の対応策、これも日本としては十八に考慮に入れる必要がある。そういう意味では日本は余り先走ることはどうだろうかという考慮も一面あるわけでございまして、その結果として日本自身が大きな危険を招くということは避けなければいけないという点で対応策については慎重にならざるを得ない面があるように考えております。
この発言だけを見る →中
中
土
土井たか子#19
○土井委員 先ほど外務大臣は、ソビエトに対する制裁もこれは慎重にひとつ進めるというふう九意向をここでお述べになったわけですが、大平総理は米ソのデタントにも微妙な変化が見られるというふうな演説をなさるにとどまっておりまして、どうもそこのところもう一つ迫力に欠けているという向きがあるわけですが、私はどういうふうなことがあってもデタントというのは維持していかなければならない、そういう基本線というのはやはりきちっと持つべきだと思うのですね。そういうことからすると、アメリカの方がさきに発表いたしております大統領の年頭教書、それからさらに国防報告などについて、公式に何の反応もいままで出していられない状況でありますけれども、このソビエトに対する制裁とデタントの維持についての調和というものをどういうふうにしていこうというふうなお考えを、外務大臣としてはお持ちなんですか。
この発言だけを見る →大
大来佐武郎#20
○大来国務大臣 ソ連のアフガン軍事介入につきましては、これは軍事力をもって第三世界の独立国に介入するということになっておりまして、この問題につきましては日本政府も厳重な抗議を発しておるわけでございますが、この一つの対応策としては、このような他国への軍事介入がコストのかかるものであるということ、さらにそういう介入の範囲が広がることのないように、それからすでに介入した地域からは速やかに撤退するように、そういうことについて国際社会の多数の国々が要求しておるわけでございまして、このような軍事介入のコストが高くつくということについて各国が協力して対策を講ずるというのが一つの面でございます。
もう一つの面は、デタントの維持と申しますか、デタントの将来についてでございますが、これはカーター大統領の一般教書の中でも、米国とソ連は世界の二大国として世界の平和の維持に対する大きな責任を持っておるのだ、したがって、SALTIIの交渉の継続等を通じまして世界の大きな破局的な状態を防がなければいかぬ、これはカーター大統領も教書の中で述べておる点でございます。一方、ブレジネフ書記長もこのアフガン事件の後におきましての記者会見で、このデタントは世界の各国ともその継続を願っているものだということを言っておるわけでございます。また、最近開かれましたドイツとフランスの首脳会議のコミュニケにおきましても、この両国がデタントの継続を願う、一方においてソ連のアフガンからの撤退を求める、他方においてデタントの継続を願うという意見を出しておりまして、世界的に見ましてこのアフガンを契機としてデタントの線が全く消えてしまったということではないと私どもは解釈いたしておるわけでございます。
この発言だけを見る →もう一つの面は、デタントの維持と申しますか、デタントの将来についてでございますが、これはカーター大統領の一般教書の中でも、米国とソ連は世界の二大国として世界の平和の維持に対する大きな責任を持っておるのだ、したがって、SALTIIの交渉の継続等を通じまして世界の大きな破局的な状態を防がなければいかぬ、これはカーター大統領も教書の中で述べておる点でございます。一方、ブレジネフ書記長もこのアフガン事件の後におきましての記者会見で、このデタントは世界の各国ともその継続を願っているものだということを言っておるわけでございます。また、最近開かれましたドイツとフランスの首脳会議のコミュニケにおきましても、この両国がデタントの継続を願う、一方においてソ連のアフガンからの撤退を求める、他方においてデタントの継続を願うという意見を出しておりまして、世界的に見ましてこのアフガンを契機としてデタントの線が全く消えてしまったということではないと私どもは解釈いたしておるわけでございます。
土
土井たか子#21
○土井委員 どうもその解釈とコメントだけに終わっておりまして、いままさに私が御質問を申し上げた、ソ連制裁とデタントの維持との調和をどのように図ろうとなさるのかという点についてのお答えはいただけなかったようであります。この点はどのようにお考えになるのですか。
この発言だけを見る →大
大来佐武郎#22
○大来国務大臣 最初に申し上げましたような今回のような軍事介入が高い値段につくということについての国際的な措置、それからデタントを全く破壊するようなことにならないような国際的な努力、この両者のバランスをとりながら進めていくというのが日本の立場であろうと考えております。
この発言だけを見る →土
土井たか子#23
○土井委員 優等生的答弁に終わっているわけですが、さきに、日米安保体制を基礎とした日米友好協力関係の維持強化は引き続きわが国の礎であります、これは、いまの調和の問題についてお答えになる場合でも恐らく基本線だろうと思うのですね、わが国の外交の礎なんですから。外務大臣御自身がそのようにお述べになっていらっしゃるわけですからね。
そこで、お尋ねを進めますが、ならば、カーター・ドクトリンを含めまして、アメリカの世界戦略に対して日本は是認をするということなんでごいますか。この点はいかがでございますか。
この発言だけを見る →そこで、お尋ねを進めますが、ならば、カーター・ドクトリンを含めまして、アメリカの世界戦略に対して日本は是認をするということなんでごいますか。この点はいかがでございますか。
大
大来佐武郎#24
○大来国務大臣 先ほども申しましたように、日本とアメリカの立場がすべてのことで一致するということではありませんで、日本は日本自身の国益を中心にして考えていかなければならないわけでございますが、アメリカの場合に、自由な民主社会、そういう議会制度、こういうものを共通にいたしておりますし、これは単に日米関係ということだけでなくて、人間の社会で自由な社会、議会制度に基づく政治制度というものを維持していくということに日本人自身の関心と要求があると思いますので、そういう立場をともにするという日米関係がございます。
同時に、日米安保条約を通じて日本の安全を守るということについての関係がございますのは御承知のとおりでございます。ことに、日米安保条約というのは、日本の領土、領海が攻撃されたときにアメリカが守るという約束でございまして、アメリカが攻撃されたときに日本は守る義務がない、言ってみれば片務的な関係を持っておりまして、日本の安全は戦後の平和憲法、その最低限の防衛支出ということで、日本の安全を守る上に、この日米安保条約の抑止力ということは、非常に重要な意味を持っておると思います。
第三には、日米の経済関係は、日本の主要穀物の輸入の七割はアメリカから来ておりますし、日本の輸出製品市場の四分の一は米国である。日本の経済、個々の日本人の雇用、所得、あらゆる点から見て日米経済関係が大きな比重を持つ、そういう点等を考えまして、日米関係は日本の外交の基軸であるということは言えると考えておるわけでございます。
この発言だけを見る →同時に、日米安保条約を通じて日本の安全を守るということについての関係がございますのは御承知のとおりでございます。ことに、日米安保条約というのは、日本の領土、領海が攻撃されたときにアメリカが守るという約束でございまして、アメリカが攻撃されたときに日本は守る義務がない、言ってみれば片務的な関係を持っておりまして、日本の安全は戦後の平和憲法、その最低限の防衛支出ということで、日本の安全を守る上に、この日米安保条約の抑止力ということは、非常に重要な意味を持っておると思います。
第三には、日米の経済関係は、日本の主要穀物の輸入の七割はアメリカから来ておりますし、日本の輸出製品市場の四分の一は米国である。日本の経済、個々の日本人の雇用、所得、あらゆる点から見て日米経済関係が大きな比重を持つ、そういう点等を考えまして、日米関係は日本の外交の基軸であるということは言えると考えておるわけでございます。
土
土井たか子#25
○土井委員 この点もう一度お尋ねをいたしますが、お答えの中ではなるべく余分なことは差し控えていただけたらありがたいです。
いまの大臣のお言葉をそのまま申し上げますよ。日本の安全を守るということのために日米安保体制を基礎とした日米友好協力関係があるのです、ということは、すなわち、わが国はアメリカの世界戦略に対して協力をするという立場と考えてよいかどうか。ということは、すなわち協力をしていくということがわが国の国益にかなうことだというふうに大臣自身はお考えになっていらっしゃるのかどうか。この点はいかがなんですか、この点についてだけお答えください。
この発言だけを見る →いまの大臣のお言葉をそのまま申し上げますよ。日本の安全を守るということのために日米安保体制を基礎とした日米友好協力関係があるのです、ということは、すなわち、わが国はアメリカの世界戦略に対して協力をするという立場と考えてよいかどうか。ということは、すなわち協力をしていくということがわが国の国益にかなうことだというふうに大臣自身はお考えになっていらっしゃるのかどうか。この点はいかがなんですか、この点についてだけお答えください。
大
大来佐武郎#26
○大来国務大臣 日米安保条約は、極東の平和と安全のために協力することを言っておるわけでございまして、その面での協力は当然でございますが、世界のあらゆることについて、すべて同一政策をとるということではございません。
この発言だけを見る →土
土井たか子#27
○土井委員 この安保条約で認められている中身について、日本が、日本さらには極東の安全、平和のために日米間の協力体制を緊密なものにしていくということが、すなわちアメリカの世界戦略に対して協力をするという立場になるのではないか、こういう点はどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
この発言だけを見る →大
土
土井たか子#29
○土井委員 さあ大変ですよ、外務大臣。アメリカの世界戦略に対して日本が協力関係を持つことが、すなわちアメリカとの日米安保体制を基礎とした日米友好協力関係の維持強化を引き続き行うわが国の礎だということになるわけですから、アメリカの世界戦略に協力をするわが国の立場からすると、日本の軍事基地を利用して海外にアメリカ軍が面接戦闘作戦行動に出るについても、その間、事前協議ではイエスしかないわけですよ。論理的にそうなります。事前協議をやる意味がない、すなわちイエスしかないのだから。こういうかっこうになりますが、外務大臣、そのことを是認なさるわけでありますね。
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