馬場昇の発言 (公害対策並びに環境保全特別委員会)

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○馬場委員 ちょっとわかったようなわからぬようなお答えですけれども、長官にもお聞きしたいのですけれども、これはさっき言いましたように、ヘドロ処理には異論はないのです。ヘドロ処理には異論がない住民が差しとめの訴訟に踏み切ったというのは、いま言ったように二次公害が恐ろしいからです。とともに、もう一つの原因は水俣病に対する行政に不信があるのです。こういうヘドロ除去基準がありますから安全ですよとかなんとか言われたって、いままでずうっとだまされ続けてきていますから信用できない。やはりこういう行政不信が訴訟に踏み切らせたという一つの原因になっているのです。これはもう長い、二十年、三十年、奇病と言われ伝染病と言われたころからずうっと患者がみずからこの弾圧の中で切り開いてきた経験から、水俣病問題について行政は加害者だ、本当に加害者だったと私は思うのですよ。そういうことに対する不信、それが安全性と言われたって信用できない。今日だって不作為違法状態、違法状態をあなた方行政が続けておる、信用できぬじゃないか。さらには、私もここに法律を提案しているのですけれども、三十年もたって今日総合的な水俣病の実態というのは明らかになっていないのです。総合的な実態というものが明らかになっていなくて、こういうヘドロ除去だけをやるということでは話にならないわけでございます。
 そういうことでございますから、この判決を局長は主張が認められた、まあ非常に喜んでは言わなかったようですが、安全性は配慮すると言ったようですけれども、私はここで長官に言っておきたいのは、裁判で確認されたんだからもう正々堂堂とやっていいんだ、勝ったんだ、安全性があるんだ、こういうような態度はこの問題については絶対にとってはいけない、私はそう思います。そういうものに対する長官の一つの物の考え方と、もう一つは、チッソは三十年余りずっと水銀をたれ流しているわけですよ。そんなに深いものです。それで、今度のヘドロ除去工事なんかは世界に例がないわけですから、前例のない大規模な環境復元工事ですよ。世界で初めてのことです。だから長官にお願いしておきたいのは、安全性は一〇〇%というのはないと私は思うのです、世界でも初めての例ですし。だから、本当は安全性というのは実はやってみなければわからないんだ、そのくらいの謙虚な、また被害を発生しないというものに対してはおそれを持ってやるべきじゃないか、こういうことを思うのです。だから、この判決を受けとめて次の行為に移る前には、そのような姿勢が必要じゃないか。私はかつてこの問題で、担当が運輸省だものですから、運輸大臣が田村さんのときに質問したことがあるのです。田村さんと話が一致したのですけれども、結局心臓の手術をするというのより以上に慎重にこのヘドロ工事はやらなければならないんだということは一致したのです。だから長官についても、私がいま言いましたようないきさつから、こういう判決が出たという中で当然皆さん方は工事を始めるという方向で進めていかれると思うのですが、その工事を始める基本的な物の考え方というのについていま私が申し上げたのですけれども、これに対する大臣の御所見を聞いておきたい。

発言情報

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発言者: 馬場昇

speaker_id: 10581

日付: 1980-05-13

院: 衆議院

会議名: 公害対策並びに環境保全特別委員会