竹内嘉巳の発言 (社会労働委員会)
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○竹内政府委員 施設関係者としての当然の一つの疑問でもあり、心配の点でもあろうかと思います。
もともと自閉症と申しますのは、幼児の段階でこの自閉症の症候群というものがあらわれてくるというふうに学問的には言われております。したがいまして、自閉症それ自体の対象はほとんどがいわゆる児童に限定されているわけではございませんけれども、主たる対象はそういう形で、日本だけではございません、世界各国ともそれで対応してきているわけであります。わが国の場合も、二十を超えた、あるいは十八歳を超えたといういわゆる成人のケースの場合に、なおかつ自閉症という症候群が残るかどうかということについては、私ども、たとえば専門家の先生方の御意見をいまお聞きしているわけでありますけれども、先生から御指摘いただいたあすなろ学園の十亀先生の御意見を伺いましても、その点についてはなお多分に疑念があるわけであります。
しかしながら、現実に自閉症児として療育を続けてき、それについての治療効果あるいは療育訓練の効果というものが十分明らかでない場合、かつはその症候群の発症状態というものが重度である場合というのが現にあすなろ学園の入所者を見ましてもあるわけであります。そういうケースにつきましては、私ども現在、児童福祉法の六十三条の二という規定に在所期間の延長規定がございまして、精神薄弱児施設、法律上は精神薄弱児施設の一種でございますので、この六十三条の二の規定によりますと「第三十一条第一項の規定にかかわらず、当分の間、第二十七条第一項第三号の規定により精神薄弱児施設に入所した児童であってその障害の程度が重度であるものについて、引き続いて入所させておかなければその者の福祉をそこなうおそれがあると認めるときは、満二十歳に達した後においても、引き続きその者をその施設に在所させることができる。」という規定があるわけであります。
つまり、私が申し上げたのは、二十歳以後も置けるというだけでなくて、その子の福祉を損なうおそれがあるときはという条件があります。つまり、自閉症の症候群の最大の特徴は、社会適応がむずかしいといいますか、非常になじみにくいというところに自閉症の症候群の一大特徴があるわけであります。そういう限りでは、私どもとしては、十八歳を超えてもあるいは二十を超えておったといたしましても、その者の福祉を損なうおそれがある限りにおいては、年齢を超えても、端的に言えば自閉症児施設にそのまま入所をさしていくということを認めていきたいと思っております。
なお、先生御指摘のように、二十歳を超えて新たにそういう必要性ができてきたときはどうかという問題につきましては、私どもとしてはこれは基本的なパターンで申しますと、まず精神薄弱者の更生援護施設に入所をしていただくわけであります。そして、入所をしていただいた中で、その状態が明らかに自閉症症候群を示しているという形で、そのための医療なりあるいは療育訓練が特に必要ということになれば、自閉症施設にいわば措置がえをしていくという形が当然とられてくるわけであります。
いまのところわが国には十五、六歳から先の、いわば年長の自閉症症候群を中心として対応する施設が、医療型の面からも福祉型の面からもまだないわけであります。これはあるいは先生御存じかもしれませんが、実は自閉症の親御さんたちが大変苦労豊まして、三重県に檜の里という社会福祉法人で年長者のための施設の建設を現在急いでおるわけであります。私どももできるだけのそのための援助は惜しまないつもりでございますけれども、大体明年度にはこれがスタートできるのではなかろうか。私どもは現在実は措置費上対応しようにも対応すべき対象施設がないために、手のつけようがございません。しかし、したがいまして明年新たにこういった施設が本邦初めてスタートをする、スタートできるというときに、自閉症症候群を擁する年長者のための自閉症施設としてこの檜の里がスタートする時点までには、制度的にもこれがカバーできるように、私どもとしては本年せっかく自閉症児対策というものを前進させたわけでございますから、これはいわば第一歩でございますので、その次のステップとしてこの問題に前向きに取り組みたいという形で現在準備も進めておるわけでございます。