竹内嘉巳の発言 (社会労働委員会)
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○竹内政府委員 あすなろの個別論についてなかなか具体的な御意見を申し上げるというのも、いささか問題は残るわけでございますけれども、私どもは自閉症の検討委員会を発足をさせましたときに、まず先生のお話になりましたような十亀先生もそのメンバーの一人に入っていただいたわけです。私ども、つい最近でございますけれども、自閉症に関する通達を出しました。三月三十一日付で児童福祉法に基づく児童福祉施設最低基準の一部を改正する省令の施行をしたわけでございます。私どもこの中でその留意事項として局長通知を出しましたが、入所対象児童として通達の中で、たくさんありますので一々述べるのは避けますけれども、先生がいま言われたことに関連することを申しますと、「医学的診断が未確定であるが、自閉症児として療育方針を決定する必要があるもの」という区分をいたしております。つまり、自閉症という医学診断というのはいまのところまだ、先ほどから繰り返して申し上げておりますように、WHOの定義すらまだ案という段階でいるわけです。これの医学上の通説あるいは定説とでも言われるものが確定いたしておりませんために、一応私どもとしてはこの検討委員会を通じまして、発達経過による自閉症の臨床像のデッサンという形でこの診断についての基本線を示しまして、関係機関に全部これを流してこれを参考にしてやるようにということを示しているわけです。その中で、単純に登校拒否という現象だけで、その自閉症であるかどうかという症候群を示しておると見れるかどうかというのはいささか疑問があろうと思いますけれども、しかし登校拒否というのも自閉症症候群の中の現象の一つでもあるわけです。したがって、登校拒否だから自閉症というのでなくて、自閉症の中に登校拒否というような現象といいますか、症状もあらわれてくる。そういう意味で、なかなか医学的な診断としてはつきにくいけれども、あるいは精神衛生法の措置入院の対象となるべき児童の精神分裂症なり、あるいはまた何らかの小児精神科的な患者であるかもしれません。しかし、その辺の医学的な診断がまだつきかねておる。しかしながら、その実際の症状としてあらわれてくるいろいろな現象が自閉症症候群に該当するときに、私どもはその子供の福祉というものを考えれば、その子供のそういった自閉症の症候群に対応する療育方針というものを、最初に申しましたように、ここ十年近く研究をして一応の成果を得たということでこの措置に踏み切ったわけでありますから、ただいま申しましたように、そういう面が仮に未確定でありましても、自閉症児としての療育方針を決める必要がある。そういうことであれば、私どもはその自閉症児施設に入所を認めるという形をとっております。
したがって、繰り返しますけれども、登校拒否イコール自閉症として入れるということまでこの場で私ども確言はいたしかねますけれども、しかし少なくとも登校拒否というのも自閉症症候群の現象の一つである以上、それに関して医学的な診断、自閉症として診断がまだ確定できないならば、確定できなくとも、自閉症児としての療育方針を立てるのに必要である限りは、そしてその療育をする必要があると認めた限りにおいては、私どもは自閉症児施設に入所措置をとって、これの福祉増進ということについての努力を惜しまない、こういうことで都道府県あるいは各市の福祉事務所等についても指導をいたしておるということでございます。