田口一男の発言 (社会労働委員会)

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○田口委員 誤解のないようにしてほしいのですが、罰金刑五万円がどうの、それから御存じと思うのですが、身分が公務員ですからね、下手して禁錮なんかになりますと、休職、職を失う心配もある。だから、もっともっと裁量すべきじゃないかという話もあるのですが、私はそういうことを言おうとしません。くどいほど言っておりますように、ボランティアという善意の奉仕活動というものが、たまたま経験を十積んだか五しか持っていないかというこの度合いによって、そうじゃないというさっきのお話ですけれども、こちらは十の経験を持っておる、他の十人は五なり三なりの経験しか持っていない、だからこいつだという言い方で特定をした。これでは今後ボランティア活動というものはちょっと育たぬのじゃないか。皮肉な言い方をしますと、さっきの「今週の日本」で幾つかの例を挙げておるのですが、自動車の運転免許を持っておる人が、目の不自由な方の収入援助のために、週に一回、自宅から施設まで、人手がないものですから、おれは運転免許を持っておるし、自動車も持っておるから送ってやろう。ボランティアですね。運転免許を持っていないとできぬわけです。しかし、その途中でぽんとやったらどうなるのです。これはいろいろ拡大解釈といいますか、言おうとすれば言えるわけですね。それからもう一つは、主婦の経験を生かせとさっきも言いましたけれども、ある老人ホームで、目の不自由な老人の方や歩けない老人を車いすに乗せたり手を引っ張ったりして花見に連れていった。滑って転んでけがをした。主婦で子供の手を引く経験を持っているのだけれども、それはどうなのだ、こういう言い方も起きるわけです。となると、それなら一人に特定せずに、十一人の引率者全部罰すればいいじゃないかという言い方になるようですけれども、やはり十一名というものは、ここではその人が死んでおるのですから、大なり小なり責任がある。その責任は問うべきだと思うのです。ところが、十一人という引率者の中で、あなたは経験があるから、あなた一人でかぶってくれということが現にこの地域で起こっておるのです。その被告になった人もあとの十人も同じ地域に住んでおるのですから、一人に全部罪をなすられたということで、地域のきずながぎくしゃくしたものになっておるのです。そういう影響まで生んでおる。
 ですから、経験を持っておるから——判決をもう一遍引用させてもらいますと、すべてについて最高責任だから。最高責任ということになると、それなら育成会の会長なんというのはどうなるのか、副会長というのはどうなるのか、こういう問題まで起こるわけですよ。ですから、一年間かかって慎重な上で起訴をしたという事実は私は認めますけれども、なおボランティアというものについてさっきプロかアマかという表現をしましたけれども、どうも指導のプロであるというところに力点を置き過ぎたのではないか。過失致死ということでどうしても一人に特定しなければならぬという従来のパターンにこだわって、このボランティア活動でも一人にしぼってしまって、世のボランティア活動に大変な水を差した結果になったのではないかと私は憂えるのですが、その辺重ねて聞きます。
 それから、私は前も当時の内藤文部大臣にこういうことを言って終わったのですけれども、ひとつ通達を出してほしいですね。ボランティア活動をやめろとは言いませんよ、前はやめろという通達を出せと言ったのですが。保母であるとか教員であるとか消防職員であるとか——なぜ消防職員といいますかというと、たまたまこの事件で消防職員が引率者の一人に入っておった、人が死んだのではなしに、子供が飯ごう炊さんで間違って火事を出した、その引率者のうちの一人が消防署に勤めておったから、おまえは過失なのだということになるのじゃないか。ですから、そういった特殊な経験、資格を持った者がボランティア活動に参加することは結構だけれども、万が一のときには、こういう津の簡裁のような例があることを念のためという通達を出す必要があるのじゃないか。これはどうですか、出す気持ちがありますか。一方、安全にやらなければならぬけれども、そういう事実はあるのですから、そういう通達でも出さなければ私はみんな用心をしないのじゃないか、こう思いますので、これは文部省の見解と、重ねてさっきから同じことばかり聞いておるようですが、法務省の見解をお聞きしたいと思います。

発言情報

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発言者: 田口一男

speaker_id: 28416

日付: 1980-04-16

院: 衆議院

会議名: 社会労働委員会