芳賀貢の発言 (農林水産委員会)

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○芳賀委員 ただいまの理事会の申し合わせによりまして、私が代表して、昨日、当委員会における農林大臣の農政に関する所信表明に対する質問が終日行われまして、午後六時半に第一日目は終了したわけでございますが、われわれ帰りましてから、昨日、十九日の各新聞の夕刊、あるいはまたけさの朝刊を見ますと、きのうの大臣の所信に対する質問について当委員会において明確にされました答弁の内容と、それから、昨日の午前に農林大臣が記者会見を行われた席上において、きのう当委員会で論議いたしました、アメリカのソ連に対する穀物千七百万トンの契約分に対して、これをソ連のアフガニスタン侵攻に対する制裁措置として契約の千七百万トンの輸出を凍結した、禁止した、そういう措置が国会においてもしばしば論議されておるわけです。きのうの委員会においては、わが国の将来の農業の発展方向について、あるいは昭和六十五年までの長期見通し、あるいは今後日本の食糧の自給率を向上させるため、従来のアメリカを中心とした海外からの食糧依存政策というものを根本的に反省の上に立って改めて、そうして、障害のない条件の中で国内の農業の生産の拡大発展を図ることがこれからの正しい方向であるということを大臣が言明されたわけでございますが、この大臣の言明と、昨日午前の農林大臣の記者会見の内容というのは非常に背反しておるわけです。われわれとしては、これは委員会に対する背信行為としての発言ではないかというふうに考えなければなりませんので、この点を明らかにしてもらいたいと思います。
 そこで、こちらからきのうの記者会見の要旨について、新聞の記事をかりて申し上げますから、これに対して明快にしてもらいたいと思います。
  農林水産省はアメリカの対ソ禁輸穀物のう
 ち、百万トン程度をわが国で引き取る方針を決めた。これは、十九日、閣議後の記者会見で武藤農相が明らかにしたもの。百万トンのうち、七十万トンについては、三井、三菱、丸紅の三商社に協力を要請している。
  アメリカはアフガニスタン問題をめぐる対ソ報復措置として一千七百万トンのソ連向け穀物輸出の禁止に踏み切ったが、アメリカの農民などに与える影響を考慮して、わが国が輸入拡大という形でアメリカに協力するよう求めていた。農水省では、備蓄の困難性などから難色を示していたが、自動車輸出問題など日米経済摩擦が再燃する兆しをみせていることなどから、米国産穀物の輸入拡大の方針を打ち出した。
  具体的には、政府が小麦と飼料穀物各十万トンを前倒し輸入、備蓄に回すほか、パキスタンなど発展途上国への援助用に十万トンの計三十万トンを輸入する。また、民間ベースで行われている飼料穀物についても、七十万トン程度の輸入拡大を図る方針で、このほど三井、三菱、丸紅三商社に協力を要請、三商社も検討することを約束している。
  一方、農林水産省の協力要請に対し、三菱、三井、丸紅の三商社は、1経済的リスクが大きい2備蓄能力に限界がある——などを理由に難色を示しているのが実情である。
  商社筋によると、商社が飼料穀物を輸入する場合は、すでに最終的な需要先まで決めているのが普通。それなのに売る先も決まらないまま、備蓄だけを増やすことは、国内の穀物相場にも影響し、結局、商社自身が相場変動のリスクをモロにかぶることになる。また、金利や保管料がかかるうえ、トウモロコシなどは虫害などで保管中に変質しやすく、品質維持のための費用もバカにならないという。さらに、備蓄場所判問題だと指摘する声が強い。今のところ、備蓄場所については、アメリカか国内かは未定だが、「そのいずれにも備蓄余力はない」(商社幹部)
 という。
  ただ、農水省も商社側のこうした事情を十分に知っており、商社が被るリスクを回避するため、政府が何らかの支援措置をとる用意があることを商社側に伝えている。結局、商社による備蓄積み増しが実現するかどうかは、政府の支
 援措置の内容次第ということになりそうである。他の新聞も大臣の記者会見によっての記事でございますから大体同一でございます。
 特にその中で日本農業新聞、これは全国の農民がほとんど購読しておるわけですが、これは一面のトップには百万トンの輸入問題が出て、その次には昨日の農林水産委員会における柴田委員、馬場委員あるいは瀬野委員等の質問の趣旨が述べられておる。全国の農民はこれを見て、何だおかしいじゃないか、農林委員会の質問の中では、いかにもまじめそうな調子で、国内の食糧自給向上のために一生懸命にやりますと言いながら、一方においては、アメリカのソ連に対する禁輸物資千七百万トンの肩がわりをやるということを、大平総理大臣の命令に従って農林大臣が唯々諾々とやるということになれば、一体どういうわけだという印象を、強くきょうは与えておるわけです。ですから、この点については、今後農林大臣が外部における発言や行動と国会内における発言、行動が違っておるということになれば、われわれは今後いままで信頼しておった農林大臣を信用することはできないということになるのです。そうなれば、今後提出される農林省関係の法律案の審議にしても重要案件の審議にしても、大臣や政府委員を信用して質問や対応ができないということにもなるわけでありますから、この点に対して、この際、委員会を通じて明確にしておいてもらいたいと思います。

発言情報

speech_id: 109105007X00419800220_002

発言者: 芳賀貢

speaker_id: 28868

日付: 1980-02-20

院: 衆議院

会議名: 農林水産委員会