竹下登の発言 (大蔵委員会)
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○国務大臣(竹下登君) ただいま議題となりました税理士法の一部を改正する法律案及び関税定率法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
まず、税理士法の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。
政府は、税理士制度の実情等に顧み、その改善を図り、税理士業務のより適正な運営に資するため、税理士の使命の明確化、税理士業務の対象となる税目の範囲の拡大、特別税理士試験制度の改正、登録即入会制への移行、他人が作成した申告書の審査に関する書面の添付制度の創設、懲戒手続の合理化等の改正を行うこととし、ここにこの法律案を提案した次第であります。
以下、この法律案につきまして、その大要を申し上げます。
第一は、税理士の使命の明確化であります。
すなわち、税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とすることを明らかにいたしております。
第二は、税理士業務に関する改正であります。
すなわち、税理士業務の対象となる税目は、現在、所得税、法人税、相続税等の特定の税目に限定されておりますが、今回、原則として全税目を税理士業務の対象税目とすることといたしております。なお、これに伴いまして、これまで行政書士が取り扱っておりました料理飲食等消費税等の税目につきましては、行政書士は、今後とも税務官公署に提出する書類を作成することを業とすることができるよう措置することといたしております。
このほか、税理士は、税理士業務に付随して、財務書類の作成、会計帳簿の記帳の代行等の会計業務を行うことができる旨の規定を新設することといたしております。
第三は、特別税理士試験制度についての改正であります。
すなわち、現行の特別税理士試験制度を廃止して、一定年数以上の実務経験を有する税務職員で一定年数以上管理的地位または専門官の地位にあったもののうち、税理士審査会が指定した研修を修了した者については、税理士試験における会計学の試験を免除することとし、税理士試験制度の合理化を図ることといたしております。
第四は、登録即入会制への移行であります。
すなわち、税理士登録と税理士会への入会を別の手続とする現行制度を改め、税理士登録をすれば当然に税理士会に入会することとし、これに伴い、いわゆる通知公認会計士制度につきましては、所要の経過措置を講じた上、これを廃止することといたしております。
第五は、他人が作成した申告書の審査に関する書面の添付制度の創設であります。
すなわち、税理士が、他人が作成した申告書につき相談を受けてこれを審査した場合において、租税に関する法令の規定に従って作成されていると認めたときは、その審査した事項等を記載した書面をその申告書に添付することができる制度を設けることといたしております。
第六は、懲戒手続の合理化であります。
すなわち、税理士の懲戒処分につきまして、懲戒権者を大蔵大臣に改めるとともに、懲戒処分をしようとするときは、税理士審査会に諮り、その議決に基づいて行わなければならないこととしてその手続を一層慎重にすることといたしております。また、これに関連いたしまして、懲戒処分の効力は、他の職業専門家制度と同様に、懲戒処分をした時点から発生することといたしております。
以上、税理士法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由と内容の大要を申し上げました。
なお、この法律案は、第九十回国会におきまして衆議院で継続審査となり、今国会で同院において法律番号を修正して可決の上、参議院に送付されたものであります。
次に、関税定率法等の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。
この法律案は、東京ラウンド交渉の終結、その他最近における内外の経済情勢の推移等に対応するため、関税率及び関税制度について所要の改正を行おうとするものであります。
以下、この法律案につきまして、その概要を御説明申し上げます。
第一は、東京ラウンド交渉に関連する改正であります。
まず、東京ラウンド交渉において作成されました関税評価協定、補助金・相殺措置協定及びダンピング防止協定の実施を確保するため、これらの協定の内容に沿って、関税の課税価格、相殺関税及び不当廉売関税に関する規定の整備等を行うことといたしております。
また、同交渉において合意された関税率の引き下げについてジュネーブ議定書が作成されておりますが、わが国の場合、実行税率が基準税率を下回っているためにこの議定書だけでは当面関税率引き下げの効果が生じない多くの品目があることにかんがみ、開放的な国際貿易体制の確立等に資する見地から、同交渉におけるわが国の関税譲許品目の一部について、現行実行税率から段階的引き下げの措置を講ずることといたしております。
第二は、特恵関税制度の改正であります。
わが国がすでに多くの開発途上国に対し特恵関税を供与していることは御承知のとおりであります。
先般、特恵関税供与の要請がありました中国につきましては、特恵関税制度適用の法定要件を満たしており、これまでの事例等に徴してもこれを供与することとするのが適当であると考えられますが、これに伴う国内産業及び既受益国への影響を緩和するため、所要の調整措置を講ずることといたしております。
また、後発開発途上国からの要請にこたえ、これらの諸国を原産地とする物品に対する特恵関税率を原則として無税とすること等を内容とする特恵関税特別措置を新設することといたしております。
第三は、その他の関税率等の改正であります。
まず、昭和五十五年三月三十一日に適用期限の到来する原重油等九百六十二品目の暫定関税率につきましては、国内産業の実情等に応じ、マグネシウムの塊等五品目について所要の調整を行うほか、適用期限を一年間延長することとし、また、暫定関税率表につきまして、その簡明化を図るため、所要の改正を行うこととしております。なお、特恵関税率につきましても、バナナ等三品目につき引き下げを行うことといたしております。
また、各種の減免税還付制度につきましては、昭和五十五年三月三十一日に適用期限が到来するものにつきましてその期限を延長するほか、製造用原料品の減免税対象に一部追加を行うことといたしております。
このほか、輸入禁制品に係る不服申し立て手続等の規定の整備を図るため、所要の改正を行うことといたしております。
以上、関税定率法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を申し述べました。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。